しぐさ研究講座

 

女性のしぐさ

                髪をかきあげる

バブル時代、TV番組を見ていると、深夜番組などで、何々ギャルと呼ばれる女性たちが、決まったように髪をかきあげるしぐさをしていました。このしぐさは、

「自分をもっと見て欲しい」
「自分はこんなにいい女」

を、無意識のうちに表現しているしぐさです。大人の女性はあまりしない方がよいでしょう。

 


 

髪をさわる

髪は、性的シンボルとしての意味を持っています。したがって、仏門に入る人や囚人が髪を短くさせられるのは性的連想を断つためです。

髪へのタッチングは、満たされない接触欲を埋め合わせる補償行為とも言われています。心理学者のD・モリスは「美容院は、接触飢餓の状態にある現代人の渇望を埋める役割を果たす」と書いています。

 


 

髪を下ろす

ジェームス・キャメロン監督の映画「タイタニック」を覚えていますか。この映画の中で、はじめの頃、ジャックを違う世界の人間と考え、相手にしていなかったローズが、だんだん気を許すようになっていきます。そして、ジャックは、スケッチがうまいことを知ると、自画像を描いてもらうために、ローズはジャックを自分の船室に招きます。しばらく話をして、着替えのために隣の部屋に行くのですが、そのとき、ローズはジャックの見ている前で、髪を下ろすしぐさをしました。キャメロン監督は、この段階で、完全にローズの気持ちが、ジャックに向いていることを表現しました。すばらしいシーンだったのですが、気がついた人は少ないかもしれません。

男女が二人だけでいるときに、女性が髪を下ろすのは、相手に対して気を許していることを意味します。また、このしぐさは、他人の前ではあまりしない方がよいでしょう。

 


 

Let one's hair down

この表現は、

"Thank you very much. You let your hair down."

というように使います。髪を下ろすしぐさは、「気をゆるしている」「リラックスしている」状態を表わします。そこから、この言いまわしは「打ち解ける」という意味になります。

OJTの初フライトを終え帰ってきたロンドン基地CAが、帰着ブリーフィングの時、同乗Crewから、「初FLTの感想は」と聞かれて、「皆さんが打ち解けてくれたので感謝しています」と言うのに、上の表現を使っていました。

 


 

髪の毛を口にくわえる

「髪は女の命」と言われるように、髪の毛は、女性が自分をアピールする大切なものです。その髪の毛を口にくわえるというのは、強烈な性的意味合いをもつことになります。男性の前でこのしぐさをするのは、警戒心がなくなり、なれなれしさの域に入っていること表わします。それ以上に、性的な誘いかけの意味合いが濃くなります。マナー的にも、人前では、やってはいけないしぐさです。

 


 

2度うなずき

教官だったころ、同じ授業でも、女性と男性とでは、反応がずいぶん違う、というのを思い出します。教壇で話していると、女性たちは、よくうなずいてくれました。うなずきがあると、教官の方も、よく聞いていてくれているな、自分の話が理解されていると安心します。ところが、女性にくらべ、男性は、授業中あまりうなずきません。女性のクラスでの授業になれていると、あまりの反応のなさに、調子が狂ってしまいます。

ところが、うなずくのは、教官と目が合ってしまったからであって、教官の話を理解したからではないことも分かりました。特に、2度うなずきは、ほとんど聞いてないと考えた方がよさそうです。

出発ブリーフィングを見ていると、同じ現象が起きています。ただし、その人は、論理的に理解しようとするのではなく、話し手に対して、共鳴しようとしているかもしれません。

「耳を傾ける」という言葉があるとおり、少し頭を傾けるようなしぐさで他人の話を聞いている人は、本当に聞いていると考えてよいです。

 


 

自分の体に手を触れる

人と話しているとき、鼻をこすったり、髪に手を触れたり、自分の身体をさわる人がいます。女性がこれをするときは、相手に悪く思われたくないとか、小さなウソを必死に隠そうとしているときとか、相手に片思いをしているとか、心になんらかの負い目があるときだそうです。

自分の身体をさわることによって、心理的安定を得ようとしています。したがって、なんらかの不安定な状態にその人がおかれていることを意味します。

 


 

近くのものを無意味に触る

お見合いの席などで、畳のケバをむしったり、空になったグラスやハンカチなど、手じかにあるものをしきりに触ったりすることがあります。コーヒーハウスで、一対一で男性と向かい合っているとき、ハンドバッグの金具に触れてみたり、ナプキンを小さく折りたたんでみたりしている女性を見かけることがあります。

自分を全部見せたくない、男性の視線から自分を守りたいという無意識の願望があるときに出る動作です。いわゆる男性の視線をそちらに向けさせようとしているしぐさです。相手に対して緊張していない時は、このしぐさは現れません。

このようなしぐさをしている女性と一緒の時は、脈ありですので、男性はもう一押しが必要です。

 


 

ほほずえは孤独感

あごで人を使う、というように、あごは自己主張するときに使います。軍隊では、教練であごが上がっていると、引っ込めるよう徹底的に鍛えられます。命令や規律への服従がなければ強固な軍隊を維持できないからです。そのためには、勝手な考えや行動は許しません。

女性があごに手をあててつかい棒をするのは、自己主張できない淋しさや孤独感を表現していると考えられます。

 


 

肩を寄せる

「肩をいからす」「肩で風を切る」「肩をならべる」などの表現があります。これらからも分かるとおり、肩には威厳、精力、攻撃と防衛などの意味合いがあります。武士の裃(かみしも)や、肩章、背広の肩パッドなどはいずれも男らしさを強調するものです。

肩を寄せたり、たたきあったりするのは、相手に自分 を委ねることであり、全幅の信頼と親密感を表わしています。女性が男性に肩を寄せるのも、同じように相手への信頼感や親密感を表わしています。

お客様の中は、いろいろな理由で飛行機に搭乗してきます。愛する人と一緒に旅行をしている人、恋人と離れ離れになって搭乗してきた人、家族・親戚に不幸があって搭乗してきた人、転勤で見知らぬ国へいく不安でいっぱいの人などがいます。

嬉しい人、寂しい人、悲しい人、不安な人、それが無意識のうちに、しぐさに現れます。それらのしぐさを感じ取り、適切な言葉がけができるようになれば、お客様はすばらしいサービスを受けたことになります。

 


 

参考文献

「非言語コミュニケーション」 M・F・ヴァーガス著 新潮選書  
「しぐさの比較文化」 L・ブロズナハン著 大修館書店
「ヨーロッパ人の奇妙なしぐさ」 ピーター・コレット著 草思社
「女心の読み方」 聖心女子大教授 島田一男著 ごま書房
「女のボディーランゲージ」 成城大教授 石川弘義著 ごま書房
「今さら他人には聞けない疑問50」 光文社 智恵の森文庫

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