はじめに
1960年代以降、アメリカでは、離婚件数が急激に増え社会問題化していました。そこで、心理学教授のヴァルター・トーマンは、2万組以上の離婚カップルを調査し、離婚原因をあらゆる角度から分析しました。その結果、同じ性格や気質のカップル同士で、離婚率が高いことが分かりました。さらに、分析を進めていくと、末っ子同士のカップルに離婚率が非常に高く、長男と長女同士の結婚も、それに続いて離婚件数が多いとの結果がでました。これはどちらが悪いというのではなく、相性に問題があるとトーマン博士は言っています。
斎藤茂太著「女ごころの心理学」より
この理論は、恋人や夫(妻)との関係のみならず、上司・部下との関係においても、参考になりますので紹介します。
『性格の不一致』とは
離婚原因に、「性格の不一致」をあげるカップルが多く見られます。しかしながら、「性格の不一致」とは、性格が違うというより相性が悪かったと考えた方がよいです。性格が違うほうが、相性的にはよいと言えます。違っていればこそ、お互いに補い合うことができるので、かえってうまくいっている場合が多い結果となっています。
結婚に不適な性格
一般的に、粘着性、内閉性、自己顕示性の性格の人に、結婚生活面で、問題が起こりやすいので避けた方がよいようです。反対に、同調性性格の人は、夫婦関係にも比較的適応しやすいと言われています。
恋をすると、「恋は盲目、あばたもえくぼ^」状態になりますが、相手の性格は、冷静に観察することが必要です。
夫として不適当な性格…粘着性性格
妻として不適当な性格…自己顕示性性格
相性方程式
きょうだい関係から見た場合、
男の"甘え型" X 女の"可愛がる型"
男の"可愛がる型" X 女の"甘え型"
という組合せが相性がよいです。一方が甘えん坊なら、もう一方は面倒見がよい人という具合です。
きょうだい関係からみた性格
たとえば、弟をもつ長女は、弟の面倒を見つづけてきているので、世話をすることに労を惜しみません。一方、末っ子育ちは、特に、かわいがられたり、甘やかされたり、面倒を見られることに慣れて育っている傾向があります。この2人は結婚の相性としてはとてもよい関係にあると言えます。