相性心理学講座

 

9つの性格パターン

長男しっかり、次男あばれん坊、三男自由人、末っ子甘えん坊と言われています。長男や長女は、「あなたはお兄(姉)ちゃんなんだから・・・」と、いくら弟や妹が悪くても、我慢させられたり、面倒を見させられたりして育ちます。初めての子供なので、両親からは期待され、弟や妹が自由奔放に行動しているのを、いつもうらやましいと思いながら成長してきます。

一方、弟や妹、特に末っ子の場合は、両親にとっては、歳がいってからの子供であり、長男や長女とは別の意味で、かわいくてしょうがありません。どうしても甘やかし気味になりがちです。一方で、兄や姉のおさがりでガマンさせられたり、放っておかれたり、兄や姉をうらやましく思っています。また、その思いから長男・長女とは違う行動をしようとします。最初の子供のときは、ちょっと熱を出しただけで、親は心配します。2番目になると、子育てに慣れてきます。

同じ家庭に育っても、長男(女)系と末っ子系では、まったく違う性格になります。


ヴァルター・トマン教授は、いろいろな組合せから、典型的な9つのパターンにおける性格の特徴を見出しました。それぞれのパターンの特徴を読むと、反発を感じる方もいるかもしれません。心理学は、別名統計学です。統計的に下記のような傾向があります。同教授の研究結果を読んでみてください。筆者も、38年の在職中に、直接の部下を2000人以上持った経験から、同じような結論に達しています。

 


パターンその1

 

堂々たる指導者の風格があり、あらゆることを自信まんまんで遂行し、男と男の友情と約束を大切にする。しかし、女性に対しては、決してやさしいナイトではない。日本的な表現をすれば、薩摩隼人のイメージとなる。社会的に有能な親分であり、管理職等で人々の尊敬をうけるが、家庭ではワンマンなところがある。だらしないことが大嫌い。全員が自分の命令の下で動かなければゴキゲンが悪い。要するに権威主義的で保守的といえる。

 


パターンその2

 

情緒的に動揺しやすいところがあり、気性がはげしく、カッしたかと思うとすぐガックリして無気力になる。人に使われ、命令下にあることがきらいで、学問、芸術の分野の自由業に向う傾向がつよい。金銭的には、細かく勘定づくでいくことがいや。したがって、浪費の傾向にある。要するに、我がままでムラっ気の多い性格で、人からあまり信用されずに厄介者扱いにされる。女性に弱く、母親のように保護してくれる妻、姉さん女房的な妻がいないとやっていけない。

 


パターンその3

 

大変なフェミニストで、女性にやさしくかつ尊敬を払う。結婚を非常に重大視する。仕事に関しては責任感があり、ものの考え方が現実的で幅があり、片寄らない。最もぴったりした妻は、男きょうだいを持った一番末の女の子である。その理由は、彼が生まれてこのかた自分より年下の女の子になれており、そして、その妻は年上の男の子になれているからです。彼はもっとも理想的な父親になり得る素質がある。

 


パターンその4

 

彼は、姉たちからペット的な存在として甘やかされ、かまわれ過ぎて育ってきているので、我がままでだらしなく、平気で約束を破り、時間も守らないことが多い。自己中心的で自分の利益ばかり追求する。浮気型で、他の女性に取り入ることがうまい反面、家庭では、妻を泣かせることがしばしばある。

彼にフィットした妻は、弟を持つ長女である。妻は弟たちを適当に扱うのになれているし、彼は年上の女の子の世話になれているからです。だらしないが、時に天才的なひらめきを示すことがある。

 


パターンその5

 

女性で一生を送るのが惜しいほど自信にみちている。思ったことは完遂する。自己主張が強く、他人を結局は屈服させてしまう。支配型である。尊敬する男性は威厳があり、能力を十分に持つ自分の父親です。上役の女性を軽視し、目下の女性を管理することが大好きです。子供たちに対しては非常にきびしいところがある。

独立心が強く男性的な仕事を好み、独身でいることが多いが、たとえ結婚しても夫を支配して非男性化させてしまうところがある。

 


パターンその6

 

一言でいえば、ムラ気で我がままで感情の安定しない人と言える。少し目先の変わったこと、目新しいことに対してはすぐ興味を示すが、すぐにあきてしまい、視線がめまぐるしく次々と変わっていく。態度や話ぶりがドラマチックなので、異性の注意が集まる。また、火遊びが好きなところもある。異性をひきつけておいてはパッと突き放す。そういうことをくり返していると、しまいには異性から見放されてしまう。そのはげしい個性は、小説やドラマの主人公としては恰好の素材となる。

 


パターンその7

 

わが身を犠牲にしてかえりみない献身的な女性で、弟たちを母親のように助け、忠告し、しつけることに生きがいを持っている。男性の尊敬もかち得て、幸福な結婚をする。真の意味のよき妻で、必要あれば、夫に対して苦言を呈することも敢えてする。子供たちができれば弟たちと同じようにいかなる犠牲を払っても育児に専念する。彼女となら、姉たちを上に持った一番下の弟がよき夫となる。彼は甘やかされ、指示されることを、自分の姉たちからされているので、不愉快とは感じない。

 


パターンその8

 

親切で気立てがよく、何かことが起こっても、すぐそれに対応ができ、テキパキとした処置がとれ、しかも、精神的にはナイーブなところがあります。文字通り、理想的な家庭の主婦となるタイプの女性です。人から愛されることに無限の満足を感じ人です。彼女にとっては、下に弟たちを持つ長兄、すなわち、自信に満ちたリーダー的な男性がよき夫となります。そして、彼女は愛する夫のために、たくさんの子供を産むことをいといません。

 


パターンその9

 

身勝手で、ひとりよがりで、世間しらずと言えます。自己中心的で、大人になっても周囲から蝶よ花よと甘やかされることを期待する傾向にあります。子供ができても、子供たちは親を信用せず、親は子供たちと協調できないところがあります。たえず不満を持ち、社会性に乏しく、心理的離乳がなかなか達成できずにいます。

 


他のきょうだい関係

 

以上、代表的な9つのパターンを紹介しました。これ以外にも、いろいろなきょうだい関係があります。たとえば、三姉妹の2番目の場合、姉との関係が強いのか、妹との関係が強かったのかによって少しずつ違ってきます。姉との関係が強ければ、妹としての性格がつよく出ると考えてよいです。妹との関係の方が強ければ、姉的に育っていると言えます。また、二人きょうだいでも、歳がかなり離れていれば、一人っ子的な要素も入ってきます。

 


育った環境

 

人それぞれの価値観、思考・行動パターンは、育った環境の中で形成されていきます。特に、きょうだい関係は、その人のその後の行動に大きな影響を与えます。どのきょうだい関係にも、長所や欠点があります。それを自覚することが大切です。また、自覚している人は、それを補う努力をしているため、回りの人たちから疎まれません。

また、人の上に立つときは、リーダーシップ論や人間心理を勉強することによって、自分の弱点を補強することも必要です。

 


 

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