エチケットとマナー講座

 

サービスマナー編


お客様を立てる

 

東京でトップクラスと言われているあるホテルでは、フロント係りの社員は、腕時計を腕の奥の方にしているそうです。日本の若い人たちも、裕福になり、ちょっとしたブランド品の時計をすることが多くなりました。ときに、お客さまの時計より高級なものもあります。それをフロントで、お客さまの目に触れることがあれば、お客さまは気分がよくありません。お客さまのメンツをつぶすようなことは、客商売では許されません。そのため、腕時計は、お客さまの目に触れないよう腕の奥にすることになっています。一流と言われるホテルは、こんなところまで気を使っています。

 


装飾品やメイクは控え目に

 

ホテルやレストランに行くのは、大抵の場合、楽しむためです。楽しむために、おしゃれもします。カップルのお客様も、連れの相手に良く思われたいと、着飾っています。

カップルの場合、主役は女性です。その女性を引き立てるのも、サービス人間の仕事です。Lady Firstでサービスすることもしかりです。この時、サービスする側が、お客様のものより高価なアクセサリーをつけていたら、どうでしょう。ウェイトレスがカルチェの時計を、これ見よがしにつけてサービスすれば、女性客の立場がなくなります。ウェイターの場合も同じです。

特に、サービス側の女性は、カップル客の男性の目を、こちらに向けさせてはいけません。男性の注意を連れの女性に向けさせるための気配りが大切です。そのため、化粧・アクセサリー・マニキュアなどは、控え目なくらいにします。これがプロのサービス人間の心得です。

 


私、目立ちたいの

 

ある人は、化粧がハデ目でアクセサリーだらけ、別の人はスッピンで化粧ッ気なし。これでは、お客様は落ち着きません。そのため、どこかで線を引く必要があります。その線引きが「身だしなみ基準」です。そして、どのお客様にとっても、受け入れられるものでなければならないのです。また、制服とのバランスも考えなくてはなりません。「品格」、「知性」、「親しみやすさ」がキーワードです。

 


匂いと香り

 

匂い = 動物が異性を求めて発散するにおい
香り = 草花や果実など自然が持っているにおい

自然界では、動物のメスは、繁殖期になると、独自の匂いを出し、オスを呼び寄せます。繁殖期が終わると、この匂いは自然のうちに消失してしまいます。この匂いは"フェロモン"と呼ばれ、性的誘引物質であることが判っています。固体がこれを分泌すると、同種属の異性の行動に影響を及ぼすと言われています。人間の男性は同じように、"アンドロステロン"を生成していることが判っています。動物性の香水は、もしかしたら、繁殖期にある人にとっては、"いい匂い"かもしれません。ところが、そうでない人にとっては、嫌な匂いになり得ます。不特定多数がいる場所では、控える方が無難です。

自然がもっている香りに対して、多くの人は、あまり抵抗を感じません。ところが、性に関係深い『匂い』については、好き嫌いの好みがあります。

 


自分をしつける

 

「人に接する仕事をする以上、相手に不快感を与えないように、自分で自分を律する、すなわち、自分のしつけをすることは、常に心しておくべきでしょう。他人を少しでも、快適にするために自分をきちんとしつけている人には、凛とした美しさがあります」

「喜ばれるもてなしの秘訣」橋本保雄著より

 

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