エチケットとマナー講座

 

おしゃれ編

身だしなみは、規則があるからではなく、
お客様や仲間に好感を与えるために、しませんか。

 


欧米では、『ユーモアのある人』は一目置かれています。就職面談でも、自分はユーモアのセンスがあります、とアピールするほどです。ところで、皆さんは、『ユーモア(Humor)』の語源って何か、聞いたことありますか。元来は、『精液』を意味したそうです。ドキッとする言葉を使いましたが、『ユーモア』も『精液』も人間関係をスムースにする役割を果たしています。

日本では、『ユーモア』に近い言葉として、『しゃれ』があります。漢字で書くと、『洒落』になりますが、やはり、粋な会話で、人間関係をスムースにするところは同じです。そして、『しゃれ』に、"お"がついたのが『おしゃれ』です。女性なら、だれもが好きな言葉です。

装うことによって、人間関係をスムースにするのが、『おしゃれ』の本質です。

<おしゃれ>を短い言葉で定義してみると…
『個性的で調和がとれた、粋なきめをもった美しさ』
となります。解説すると、

  1. その場面と一体化し、調和していること
  2. 個性的であること
  3. 控え目なセックスアピール(性的表現) =粋があること
  4. きめのあること

したがって、反対に、

  1. 『分不相応』なもの
  2. その場面から浮き上がってしまうもの
  3. その人にもよく判っていないもの
  4. 品位のないもの
  5. 過度、露骨なもの
  6. 媚びが前面(全面)に現れているもの

などは『おしゃれ』でなく、ダサい『ダしゃれ』になります。

 


「おしゃれ」と「身だしなみ」

   おしゃれ = 自分と他人のためにするもの。自分だけがよければいい、
          というのはおしゃれではありません。

身だしなみ = 他人を不愉快にさせないための最低限のエチケット

 


「あか抜ける」「派手になる」

 

「あか抜ける」と「派手になる」は、ファッションを着こなす点ではまったく違います。「あか抜ける」には、それを見た人から、「ステキ」という賞賛の言葉が聞こえてきます。なぜステキという言葉が出てくるかというと、装いの中に、「品のよさ」が感じられるからです。そして、控え目にさりげなく装うことも忘れません。一方、派手に見える場合は、着こなしの目的に、自分を目立たそうとしているところがあります。そこには、品性は二の次になっています。


欧米の上流階級は、ブルジョアジーとして、優雅さだけでなく、上品さを大切にしてきました。これらの顧客を相手にしていた有名ファッションブランドも、やはり品のある優雅さを追求してきました。

Cabin Crewになったら、あか抜けてほしいものです。

 


個性って

 

派手に着飾るのと個性を出すのは別です。個性とは、本来、語学に強いとか、数字に強いとか、友達を作るのが得意だとか、その人に備わっている能力のことを言います。ファッションの場合は、着こなす能力です。服装も、ただ着ている人と着こなしている人がいます。自分の体形、肌の色、背丈、ヘアースタイル等々を知り、それらとバランスが合っていることが大切です。

 


身だしなみと言葉づかい

 

昔、予約部門から男性をはずし女性だけにしたら、電話応対の評判が落ちてしまったことがありました。お客様の目に触れない職場であること、女性同士で気安さがあることから、サンダル履の者、化粧をしない者、ヘアーケアーが足りない者など、すっかり身だしなみが乱れてしまいました。それに付随して言葉づかいも乱れていたことが判りました。そのため、そのセクションでは、若い男性を数名配置することにしたそうです。そうしたら、女性が化粧などに気をつかうようになり、言葉づかいもすっかりよくなりました。身だしなみの乱れは、かならず接客時の応対に表れます。身だしなみがしっかりしている人は、応対もキチンとしています。

 


肌を出す服装

 

夜の服装では、女性の服は、生地が少なくなり肌が出ます。反対に、男性は肌を出さない服装になります。日本の男性は、この点を理解していない人が多いのが気になるところです。どんなに暑い国でも、公式の会合やパーティなどでは、夜は長袖を着用します。一流レストランに行くのにも長袖です。そのような場所で、女性といるときは、長袖を着るのがエチケットとなっています。

フィリピン、タイ、ハワイなどでも、アロハシャツなど民族衣装の場合でも、男性は、夜用の長袖を着用します。

 


長い爪は有閑のしるし

 

欧米社会では、長い爪は、さまざまな仕事の妨げになるので、昔から、有閑のしるしとされてきました。女性は、一般的に、爪を長くする傾向にあります。爪を長くすることは、女性らしさを打ち出そうとする表現行動だそうです。そして、長い爪に色を塗るのは、人の注意をひくためです。

ところが、長い爪は、重労働をしないことを表すのであるが、それは、同時に、教育程度の低さも表していると言われています。(ヨーロッパ)

 


ファッションと女性心理

 

ファッションに対して、2つの対立した欲求があります。一つは、皆から遅れたくないという同調の欲求であり、もう一つは、他人とは違うという差別化(個性化)の欲求です。皆さんは、どちらの方が強いですか。

 


アクセサリー

 

「ある程度の年齢になったら、アクセサリーを着けなさい」という言葉があります。おしゃれの役割は、人間関係をスムースにするところにあります。

なにかの集まりがあると、婦人たちはお互いほめ合います。『そのブローチ、素適ね』とか『そのお洋服、お似合いよ』とか『そのスカーフは、もしかしたらエルメス?』というように、着飾っているものを誉めています。なぜなら、しわが出始めた肌や、白髪混じりのヘアースタイルを誉める訳にいかないからです。

相手のよいところをほめるのはエチケットです。ほめられた方はうれしいので、ほめ返すことになります。ほめたり、ほめられたりで、人間関係がスムースになります。相手に、ほめる材料を与えるのがマナーです。

 


ブランド品

 

男性は、ビジネスの場で、しばしば本音で相手とわたり合うから、最初の印象はともかく、いつまでも服装などの外見にとらわれることが少ない。ところが、女性は男性と異なり、社会的な人間関係の場で、もまれることがあまりない。したがって、とかく外見の印象とその人間の本質を、ストレートに結び付けて考えがちである。要するに、世間で高級とされているものを身につけている人間は、中身も同様に高級であると思いこむ傾向が女性に強いわけだ。だから、逆に、自分が周囲から高級な人間と評価されたい人ほど、ブランド品志向がはなはだしくなる。

聖心女子大教授 島田一男著 「女性の深層心理」より

 


化粧の心理学①

 

化粧について調べてみると、ある本には、
化粧は、他人から自分を好いてもらいたい、よく見られたい、という願望の表現方法である。

また、別の本では、
女性が化粧をするのは美しくありたい、それは女性として、意識的にも、無意識的にも、異性の関心を引くためである。そして、化粧の基本的価値は"性"である。

と書かれています。

心理学の本には、
女性は内面の自我を覆い、別のものに見せるため、何らかのものを使って表層を装おう。
との記述がありました。いずれにしても、装いのひとつである化粧も、他人との関係においてなされていることを知っておいてください。

 


ヘアースタイルは額縁

 

次の言葉を紹介します。

顔が絵なら、額縁にあたるのがヘアーです。
どんなすばらしい絵も、それに合った額縁に入れないと生きない。

 


「髪は命」の心理

 

もともと女性には、変身願望があります。ところが、目や鼻などは変えることができません。唯一、自分の好きなように変えられるのが髪なのです。ですから、女性は髪を大切にします。

                            プレイボーイ心得②
                         女性をほめる時は、まず髪型ほめろ。
                 (なぜなら)ヘアースタイルには美人も、不美人もない。


化粧の心理学②

 

よく「個性的な化粧を!」などと簡単にいう。しかし、個性的な化粧とはいったい何なのか。考えるとむずかしい。化粧は、生の個性からの逃走、別の自分へと成り代わる欲望に基づいている。なのに、一方でわれわれは自分らしさを表現したいなんて思っている。これは容易ではない。化粧品も、化粧法も規格化してしまった現代のメディアは、個性さえも規格化してしまっている。それでも、「あなたに個性的な化粧を」などと宣伝している。

立大教授 北山晴一著「化粧について」より

 


化粧の心理学③

 

「あの娘は、最近、急にきれいになった。もしかしたら恋人でもできたかな」などと言います。これは、内面のハッピーさが化粧方法に現れているのだと思います。

ところが、今つき合っている女性が、急に化粧が濃くなった場合、男性は、「俺のために一生懸命化粧をしてくれたのだ!」などと思わない方が無難です。化粧が濃くなるのは、本心を隠そうする深層心理が働いていると考えられます。「本当は、別に本命の彼がいるのだけど・・・」と思っているのが、化粧に現れることがあります。

 


眉の話し

 

眉毛と眉毛の間が狭いと、性格が強く見えます。優しさや暖かさが売りもののCabin Crewには、ちょっとという感じです。

眉を太く描く人がいます。これは男性と伍して仕事をしたいとか、自立した女性でいたいことを表しています。反対に、女性らしさをアピールしたい女性は、細めの眉を書く傾向にあります。いずれの場合も、服装等もそれ似合っていないと、眉だけが浮いてしまいます。

 


キレイな人とウツクしい人

 

キレイな人には、誰でもがなれる訳ではありませんが、ウツクしい人には、努力すれば、誰でもがなれます。「ウツクしい」という言葉の響きには、その人の内面的な部分が作用しています。サービス業で、お客さまが望んでいるのはウツクしい人です。

                       プレイボーイ心得③
                       あまり美しくないふつうの女性は、
その美貌をほめてもらいたがり、
すでにじゅうぶん美しい女性は、
その知性をほめてもらいたがる。

 

続きを読む