エントリーシート作成講座

 

第4章 添付写真について

 

応募写真も、あなたをPRするもののひとつです。採用担当者は、応募写真で、あなたがどのような感じの女性(男性)なのか、接客に向いた感じなのか、会社の雰囲気に合っている人なのかを見ています。写真から分かるのは、それだけではありません。あなたの健康状態なども分かるのです。

 


写真の印象

 

採用担当者は、多くの客室乗務員を見てきています。写真を見て、直感的に、客室乗務員に向いているかどうか見分けます。これは、顔だけを見ているのではなく、あなたがかもし出す雰囲気を見ています。顔写真にしても、全身写真にしても、暗い印象の人を見ると、「うちの会社の雰囲気と違うかも・・・」と思ってしまうかもしれません。感じのよさをかもし出すキーワードは、「明るさ」「さわやかさ」「清潔感」「品性」などです。

 


顔写真

 

就職用の顔写真を撮るとき、つい意識しすぎてしまいます。表情が自然でなくなり、自動車免許の写真のようになってしまうことがあります。本人を確認できればよいというのが免許写真です。また、照明のあたりが悪かったり、顔が小さく写っていたりするのはよくありません。あなたのことがよく分かる顔写真を提出します。そして、柔らかな表情のものを使用します。

 


写真は歯が命

 

人物写真では、「歯が命」となります。白い歯の人とそうでない人では、その写り栄えは大きく違ってきます。それは、モデル写真を見れば分かります。これでもかというくらい歯が白く写っています。また、白い歯は健康的なイメージをも抱かせます。歯並びを気にすることも必要ですが、歯の白さを保つことはもっと大切です。

 


スタジオ写真とスナップ写真

 

一昔前までは、応募用紙に添付するのは顔写真のみでした。近年になり、顔写真のみならず、全身写真の提出を求める航空会社も出てきています。この背景には、書類審査の導入があります。応募者全員に面接に来てもらう方法から、書類審査で、面接に来てもらう方を選考する形になっています。そこで必要になってくるのが全身写真です。全身写真で、あなたの雰囲気を確認しています。                             
航空会社によっては、スタジオ写真不可のところがあります。最近のスタジオ写真は、撮影時のメークアップ技術や修正技術が向上しているため、その出来上がりは、実物以上によく写っていることがあります。採用担当者は、提出された写真から、応募者の雰囲気を判断できないことがあります。そのため、できるだけ、応募者の本当の姿が判るスナップ写真の提出を求めるようになりました。

 


  スナップ写真

 

スナップ写真では、あなたの全体の印象を見ています。あなたの雰囲気を見ると同時に、痩せすぎていないか、太りすぎていないか、バランスのとれた体型をしているかなども確認しています。これは、客室乗務員に向いた雰囲気を持っているかどうかだけでなく、健康の観点からも見ています。客室乗務員の仕事は、長時間の立ち仕事です。体型バランスのよくない人は、腰痛になることがあるからです。

                     


 スナップ写真の印象


スナップ写真は、採用担当者が見たとき、応募者の雰囲気がよく分かるものを提出します。よく見ないと顔が分からないスナップ写真を提出している人がいます。いわゆる、応募者が遠めに写っている写真です。このようなスナップ写真は、応募者の雰囲気が分かりにくいだけでなく、自信のなさそうな印象を与えてしまいます。

 


スナップ写真の背景

 

個人アドバイスでは、希望の方には、写真を持ってきていただき、応募写真についてもアドバイスしています。それを見ていて気がついたことがあります。全身スナップ写真を撮る場合、背景によって、皆さんの印象が違ってくる点です。自宅付近や公園などで撮影することが多いでしょう。写真の背景にも、気を使ってください。ごみごみした町並みなどは避けた方がよいかもしれません。その時の服装にもよりますが、花や木々などをうまく利用するとよいでしょう。

 


スナップ写真での服装

 

就職で使用するスナップ写真は、日常のあなたが分かるものがよいでしょう。ときどき、水着姿や浴衣姿のような非日常的な写真を送ってくる応募者がいます。このような写真では、応募者の雰囲気を判断することができません。それ以上に、採用担当者は、応募者の常識を疑うことになります。    
スナップ写真での服装は、あなたらしさがよく出ているもので、客室乗務員に求められる女性らしさが出ているものだとよいでしょう。また、パンツルックより、足が見えるスカート姿の方がよいでしょう。

服装のキーワードも、「明るさ」「さわやかさ」「清楚感」「品性」などです。


動画での自己紹介

採用面接は、面接官や面接会場を確保したり、とても経費がかかります。そのため、1次面接の代わりに動画での自己紹介を取り入れている航空会社も出てきています。

通常、1次面接では、表情や話し方、服装センスなど応募者の雰囲気(CA向きの方かどうか)や体形バランスを観察しています。提出された動画を確認するときも同じです。あなた自身の全体が分かる画面から入り、カメラをあなたの表情が分かり収音できる位置まで近づけ、自己紹介を始めたらよいです。

カメラの位置に気をつけてください。目線より下にあると、極端な場合は、鼻の穴が写ってしまいます。顔全体も馬づらになってしまいます。目の位置と同じ高さか、気持ちばかり上がよいと思います。少し上を見る感じです。そうすると、目が大きく見えます。あくまで気持ち上という感じです。上目づかにならないよう注意してください。

 


ヘアカラーについて

 

スタジオなどで写真を撮ると、照明の関係で、髪の染色がはっきり出ます。自分では控え目に染色しているつもりでも、時には、赤茶色に写っていることがあります。欧米社会では、赤茶は田舎物、金髪は頭空っぽのイメージがあります。そのように見る採用担当者もいます。また、社会人になったら、他人のために化粧することを覚えてください。どうしてもカラーリングが必要な方は、目立つためでなく、上品になるために行ってください。ANAグループ(2017年時点)のように、カラーリングを禁止している会社もあります。そのような会社では、選考過程で、カラーリングが問題になることがあります。

スナップ写真は、就職用に撮影したものではありませんので、応募者の普段の姿が分かります。提出する写真に写っているヘアーカラーにも注意を払ってください。

 


シンメトリー

 

人間の身体や顔のシンメトリーは、左右同じではありません。一般的には、右側より左側の方が、やわらかく見えると言われています。利き腕側の方が、筋肉が発達しています。利き腕でない方がわらかいからだそうです。視線も、利き腕の方に向けると獲物を狙う目になり、鋭くなることがあります。人によって利き腕が違いますが、写真館で撮った全身写真を見ると、そのことを踏まえて撮っているケースとそうでないケースがあります。そこに、写真館の腕の違いが出てきます。料金にもよると思いますが、正面を向いた写真だけでなく、身体の向きを少し変えて撮ってみるとよいでしょう。ただし、写真と実物があまりにも違うことがあります。とてもよい雰囲気の写真が撮れた場合は、日々の生活の中でも、その雰囲気が出るようにしておいてください。それを行なっていないと、面接で、面接官はショックを受けます。

 


撮られる技術

 

写真は、撮る側の技術と撮られる側のモデリング技術が必要です。写真館で撮るときも、自分で撮るときも、撮られ慣れている必要があります。写真館で撮影を依頼する前に、自分のカメラで撮ってみるとよいです。また、自分自身でスナップ写真を撮る場合も、何度かに分けて撮影するようにします。一回につき、20~30枚くらい撮ってください。1回目より2回目、2回目より3回目と、撮り慣れてくると、どのような表情をすればよいかも分かってきます。よい写真というのは、その中で、1枚か2枚ぐらいしかありません。

 


陰と陽のポーズ

 

スナップ写真は、自然な感じが一番です。しかしながら、自然な印象の中にも、さりげないポーズが必要です。だれかの写真をみて、何か、雰囲気がよい感じに写っていると感心することがあります。だけど、どうしてなのか分からないということがあります。

                    
実は、これは陰と陽に関係しています。写真を撮るときは、あなたの「陰」を出さないようにします。「陰」が出てしまうと、いくら魅力的な人でも、暗い感じになってしまいます。そこで、あなたの身体の「陽」の部分が写るようにします。身体の中で、「陽」の部分とは、身体全体でいうと、前側が「陽」です。お尻側は「陰」の部分となります。スナップ写真でうしろ姿を撮る人はいませんから、これについての問題はありません。

それ以外で、一番「陰」と「陽」が出るのは、腕と手なのです。腕では、肘の部分は「陰」となり、肘の内側が「陽」となります。手の場合は、手のひらが「陽」で、手の甲は「陰」です。手のひらを見せているお化けはいません。なぜなら、手のひらを見せてしまうと、明るい感じになってしまい、お化けの「陰」な感じが出なくなってしまうからです。ステージにいるファッションモデルは、下から見上げている観客に、手のひらを見せるようにしています。手が突っ張っているようなしぐさです。そして、肘が見えないように、肘の内側を外に出すようにしてステージを歩いています。皆さんが、写真を撮るときも同じです。といっても、スナップ写真では、なかなか「陽」な部分を出せません。その場合は、できるだけ「陰」な部分が写真に写らないようにしてください。たとえば、ポーズをとる時、手には、何も持たずに、ファイルや書類などをわき腹に挟んでみます。そのとき、腕は、90度曲がった形になると思います。この時に、手の甲を見せないようにするとよいのです。手のひらが上を向いているとよいですね。そして、ファイルをわき腹から外し、手と腕はそのままにして力を抜いて、撮ってみてください。

 


写真撮影(実践)

 

≪ステップⅠ≫

①姿勢をよくする(かならず)
 背筋を伸ばして、あごをひく
②微笑みの表情を作る
 顔の筋肉を柔らかくしてから撮る
③手先にも注意を払う
 指は伸ばして、きれいな手先にする
④足がO脚に見えないようにする
 どちらか片方の足を少し後ろに位置させる。
 両足の間にすき間がないようにする
⑤背景を考える
 自宅が一軒家なら、玄関先で撮るのもよい。

 マンション、玄関先に出て空とかを背景にして撮るのもよい。

 もしくは、近くの公園か緑があるところで撮るのもよい。

⑥カメラの位置は、目の位置より少しだけ上から撮る
 目が少し上を向くと大きな目に写る。顔が下向きになると影がでる。
 顔より下の位置から撮らない。
⑦明るいところで撮る。
 室内の場合は、照明をしっかり当てる。

 特に、冬場は、ダーク系の服装が 多いので、照明に気をつける。

 屋外で撮る場合は、晴天の日に撮る。

 ただし、直射日 光が顔にかからないようにする。

≪ステップⅡ≫ ポーズ

写真は、正面ではなく、すこし左側から撮る。身体は、ほんの気持ち斜めにする。目線はカメラに向ける。そうすると、顔や身体の凹凸が出てくる。その際は、左側の髪の毛 を耳後ろに持っていき、あごのラインがきれいに出るようにする。顔が隠れるヘアースタイルは避ける。両手ともだらっと下げるのではなく、左手は、後ろに持っていくなど工夫をする。

一般的に、顔は左側のほうが柔らかい表情が出る。右側は利き手側になり、筋肉も発達している。

写真は、いろいろポーズを変えたり、背景を変えたりして、最低30枚くらい撮る。その中から、姿勢、表情、ポーズ、背景などをバランスのよい写真を選ぶ。

 


 

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