エントリーシート作成講座

 

第2章 応募書類への記入

文字について

応募書類への記入では、きれいな字であるに越したことはありません。しかしながら、文字がきれいな人もいれば、そうでない人もいます。大切なことは、文字のうまい下手ではなく、読み手が苦労せずに読むことができる文書を書くことです。それには、

“丁寧に書く”
“読みやすく書く”

これらの2点を念頭におきます。

雑に書かれたESを見ると、受け取る側は、自分たちの会社を雑に扱われていると感じ、それだけで面接に呼ぶのを止めてしまうこともあります。

 


 

読み手への思いやり

あなたが書いたエントリーシートは、まず採用セクションの事務方が読みます。20代後半から30代の人たちです。事務方は、記入内容を確認し、募集要件に合っているかどうかをチェックします。そして、募集要件をクリアーしている方のエントリーシートを抽出し、自己PRや志望動機を読み込みます。航空会社によっては何千人分もの自己PRや志望動機を読まなくてはならないのです。丁寧に書いてある文字は、抵抗を感じずに読むことができます。雑に書いてある文章をみれば、それだけで読みたくなくなります。内容を読まなくても、応募者がどのような人なのか想像できます。

1次から2次、2次から3次と、次の面接にどの応募者を呼ぶかを決めるときも、面接採点票や筆記試験結果などにあわせて、エントリーシートも参考にすることがあります。もちろん添付されているあなたの写真も確認しています。

面接が進むにつれて、エントリーシートを読む採用担当者も、事務方から管理職の立場の人に移っていきます。30代後半から40代にかけての人たちです。小さな文字を読むのがつらい年齢の人たちもいます。

 


 

文字で判断

文字には、その人の性格が出ます。エントリーシートのあなたの文字をみて、採用担当者は、あなたがどのようなタイプの人なのか想像します。大きな字を見れば、豪傑タイプやおおらかなタイプかもしれないと思います。小さな字で書かれている文章をみると、気持ちが華奢で繊細な人を想像するでしょう。

美しい字を見れば、その人の育ちのよさや頭のよさを感じます。汚い字をみると、学力的にそれほど高くないと思うかもしれません。いつも字を書いている人は、それなりの字を書いてきます。字を書きなれていない人は、あまり勉強していないかもしれないと想像することでしょう。筆者が、昔、教官していた頃、字を書きなれているCA訓練生が多いのに感心したことがあります。

文字は、普段から書いていないと、エントリーシートを書く段階になって、きれいに書こうとしても、なかなかできないものです。

 


 

見やすく書く

志望動機や自己PRなどの記入欄は、スペースが限られています。その中に、文字を小さめにして、ぎっしり書き込んでいる人がいます。読み手が一番嫌がるのは、詰め込んで書いてある文章です。人に読んでもらう文章を書くときの基本は、

  「読ませるな、見ただけで何が書いてあるのか判るように書け」

です。これは、筆者が、文章の達人と呼ばれた上司からいつも言われていた言葉です。 そのためには、

“適度な空白をとる”
“適度に改行を行う”
“漢字とひらがなのバランスをとる”

などが必要です。ときには、箇条書きにすることも、見ただけで分かりやすい文章になります。

 


 

漢字とひらがな

漢字が多すぎる文章は、かたい印象を与えると同時に、背伸びしているように見えます。反対に、ひらがなが多すぎる文章は、幼稚な印象を与えます。漢字4割、ひらがな6割ぐらいにすると読みやすくなります。

漢字は表意文字です。英語は表音文字です。日本人は表意文字を使っています。そして、漢字を見ただけで、その意味が分かります。したがって、私たちは、新聞を読むときも、本を読むときも、極端に言うと、漢字をキーワードのようにして見ているのです。漢字とひらがなのバランスのよいと、目に入ってくる文章になります。

漢字が多すぎるなと思ったときは、漢字・ひらがな、どちらを使っても問題がない文字は、ひらがなにしてみます。たとえば、「書く時」を「書くとき」、「例えば」を「たとえば」にします。「致します」を「いたします」のように、漢字が多すぎたときは、文章の終わりの部分で調整することもあります。

 


 

やたらと漢字を使わない

皆さんの文章で気になるのが漢字の多さです。たとえば、「こと」を「事」と書くケースです。「このような事」「私が思う事」と「事」の漢字がやたらと出てきます。そして、この字ばかりが目に入ってきます。そして、文章の中にある、他の重要な漢字を邪魔してしまいます。

「物」についても同じことが言えます。「私の物」といえば、何か所有物を意味しています。実際のモノでなく、考え方などを指しているのであれば「この考えは私のもの」と、ひらがなになります。

当て字にも注意してください。「頑張る」「怪我」は当て字です。「がんばる」「けが(ケガ)」とします。

 


 

どちらを使うか

漢字を使っても、ひらがなで書いてもよい文字があります。この講座の後半に、皆さんから添削依頼があった文章を、実例として、掲載します。下の事例を参考にしてください。そして、あなたなら、どちらにするか意識して読んでみてください。

「時には」=「ときには」
「例えば」=「たとえば」
「居ます」=「います」
「出来る」=「できる」
「嬉しい」=「うれしい」
「~為に」=「~ために」
「様々な」=「さまざまな」
 「必ず」=「かならず」
 「色々」=「いろいろ」

「実績を上げる」=「実績をあげる」
「気持ちの温かいCA」=「気持ちのあたたかいCA」
「喜んで頂けるよう」=「喜んでいただけるよう」

左側の例を見ただけでも、漢字が多いと感じると思います。文章を書きなれていない人は、漢字を多用する傾向にあります。本を読むとき、文筆家などは、どのようにしているか、意識して読んでみてください。

 


 

同じ言葉を避ける

2,3行の文の中で、同じ言葉を繰り返し使わないのが鉄則です。文章がくどくなってしまいます。別の言葉に言い換えると読みやすくなります。もしくは、省いてみます。

「試合・練習の終わった選手に笑顔でねぎらいの言葉をかけ、不調で悩んでいる選手がいれば、笑顔で野球について語り、元気を分けてあげるように心掛けていました」

「笑顔」を繰り返し使っています。チームのために行動している内容ですが、「私には笑顔がある」ことを強調したい文章となっています。

同様に、同じ語句を避けるようにします。

例 「大学に残って研究者としての道を進むよりも、社会に出ることにより、より多くの体験を積みたい」

「御社」と「貴社」について
 「御社」…言葉で相手の会社を呼ぶ場合に使用する
 「貴社」…文書で    〃

その会社の社員の前では、「御社は・・・です」などと使い、相手会社に、手紙などを送るときは「貴社」を使います。エントリーシートの小論文で書く場合は、「貴社」となります。面接のときは、「御社」を使います。

 


 

カッコ内は句点不要

以前は、「・・・・。」のように、最後に句点を入れることもありましたが、現在は、「」で文章の終わりを表しているため、句点を入れないようになりました。また、カギカッコの使い方は下記のようになっています。
「私が行きます」
「私が行きます」と本人が言いました。
「私が行きます」「彼も行きます」

また、文章の中にカッコ書きがある場合は、カッコの前で読点「、」を入れることにより、カッコ内の文章を読みやすくします。

”先日彼は、「私が行きます」と言いました。”

 


 

文章を短く

皆さんから寄せられた小論文を添削していて気づくのは、とにかく、文が長いことです。いつまでたっても、句点が来ない文は、読みにくい文章です。そして、長い文章は、そのセンテンスが終わる頃には、何を言っているのか不明瞭になってしまうことがあります。内容自体もそうですが、文章と読み手側の呼吸が合わなくなってしまいます。長い文章は、読んでいて息が苦しくなります。呼吸が合わなくなってくると、文章内容が頭に入ってきません。そのため、ときには、もう一度、読み返すことになります。読み手側に読み返しをさせるような文は悪文と言えます。

文章はできるだけ短くします。やむを得ず長くなった場合は、読点「、」を入れます。読点「、」を入れる目安は15文字です。このようにすると、読み手は、呼吸を楽にしながら読むことができます。

また、文章を短くすると、一つ一つの文章が頭に入りやすくなるので、テンポよく読むことができます。テンポよく読めると、その文に対しての印象がよくなります。そして、読点「、」の打ち方を見ただけでも、その人が、よく本を読んでいる人なのか、文章を書きなれている人なのか判るものです。

 


 

平易な言葉を使う

学者は、“お金”のことを“貨幣”といいますが、一般の人にとっては、お金の方が親しみやすいですし、スンナリと耳に入ってきます。“書籍”という代わりに“本”と言ったほうが、堅苦しさを感じさせません。

あなたのエントリーシートを読んでいるのは、文学者でも、大学の教授でもありません。採用担当者も、学校は出ていますが、それほど読解力があるわけではありません。世間の大人の国語力は、意外と低いのです。むずかしい言葉、凝った言葉などを使うと、読み手側は、その言葉に引っかかり、スムーズ゙に読み進むことができなくなります。平易な言葉を使って文章を書いてください。

また、慣れていない言葉を使うと、往々にして、使い方を間違えることがあります。時には、内容と使用している言葉のレベルが合っていない文章を見かけます。

 


 

5W1Hを入れる

皆さんが書いた「自己PR」や「志望動機」を読むと、ときどき、状況や情景をイメージできないことがあります。書いている本人は、状況などが分かっています。そして、自分なりに文章化しています。自分の書いた文章ですから、本人は充分理解しているのでしょう。


ところが、その場に居合わせていない他人は、あなたが書いた文章を読んで、内容(状況)をイメージしています。あなたの文章を理解してもらうためには、読み手側がその状況に居合わせていない。それを前提に書くことが大切です。そこで、必要になってくるのが、5W1Hです。「いつ」「どこで」「だれが」「なぜ」「何を」「どのようにした」です。

 


 

主語・述語・目的語

日本語は、英語と違って、主語や目的語をはっきり書かなくても、言わんとすることを理解できる性質があります。英語では、しつこいくらい、文章ごとに主語・述語・目的語が出てきます。したがって、「だれが」「いつ」「どこで」「何を」「どうしたか」が、明確に表現されています。日本語は、この部分があいまいになり、読み手側が状況を判断しかねることがあります。エントリーシート作成に際して、間違った解釈をされないためにも、必要に応じて、主語・述語・目的語をはっきりさせるとよいでしょう。

 


 

“てにをは”

正確にすらすら読める文というのは、“てにをは”がしっかりしています。助詞・助動詞を正確に使うと、論理的に読める文章になります。次の違いを考えてください。

「私は銀座に行きます」
「私が銀座に行きます」

「今日は雨です」
「今日も雨です」

 


 

「考えます」と「思います」

これらの言葉は、志望動機や自己PR文でよく見かけます。
「私は、貴社のお役に立てると思います」
「私は、貴社のお役に立てると考えています」

この2つの言葉には、共通する意味合いも含まれていますが、意味するところが微妙に違います。「思いとどまる」とは、自分の胸の中にあって突っ走ろうとする1つのことを抑えること。「思い浮かべる」「思い起こす」の「思い」も同じです。つまり、「思い」とは、胸の中にある1つのことをいいます。

これに対して、「考える」とは、あれかこれか、ああするか、こうするかと、いくつかの材料を心の中で比べたり、組み立てたりすることです。つまり、「思う」とは、1つのイメージが心の中でできあがっていて、それ1つが変わらずにあること。胸の中の2つあるいは3つを比較して、これかあれか、こうしてああしてと選択し構成するのが「考える」です。

大野晋著「日本語練習帳」より

「思う」「思っている」を使うか、「考える」「考えている」を使うかで、読み手側の受ける印象が違ってきます。1つの例をあげましたが、あなたの心意気を・・・使う言葉に込めてください。

 


 

記入もれ・記入間違い

「年齢はXX年4月現在を記入・・・」と書いてあるにもかかわらず、応募した時点での年齢を記入したり、あとで記入しようと思っていて、必要事項の記入を忘れてしまったりする人がいます。大切なエントリーシート記入でミスを犯す人は、注意力や読解力がない、もしくは、うっかり屋であることを、自分から表明しているといえます。書類審査で、少しでも人数を絞りたい採用担当者とってみれば、この応募者は、書類審査で落とすための理由をくれた人なのです。しっかりしている人はこのようなミスを犯しません。

 


 

パソコンで文章を作る

最近は、エントリーシートに書く志望動機や自己PR文章を、まずは、パソコンで作成する方も増えています。パソコンでの文章づくりでは、文字や文章の修正を簡単にでき便利ですので、皆さんにもおすすめします。また文字数も集計してくれます。文章作成では、すでにパソコンにインストールされているWordなど文章作成ソフトを利用するとよいでしょう。作った文章は、文章作成画面にある「ツール」内の「文章校正」機能を活用すれば、打ち間違いや当て字かどうかなども確かめることができます。ここで、文章上での基本的なミスを見つけることができます。

 


 

文章を印刷する

「文章校正」機能を利用して、文章校正を行った後は、その文章を印刷して打ち出してみます。パソコンの自動校正だけでは、充分ではありません。また、文章は、パソコン画面で読むのと、実際に印刷して読むのでは、その印象が違います。文章全体の流れがおかしくないかも判ります。加えて、パソコン画面だけでは気がつかない、文章ミスや漢字の変換間違いなども発見できます。打ち込んだ文章は、プリンターで打ち出した上で、内容全体を確認することが大切です。それを行なった上で、エントリーシートに書き写します。書き写した文章を、一つずつ文字を追いながら、声を出して読むと、間違いが発見できます。 これは必ず行なってください。

 


 

コンピューターウィルスに注意

最近、ウィルス付メールが飛び交っています。当塾にも、毎日、何件も迷惑メールが送られてきます。ときどきウィルス付メールが送られてきます。「件名」が英語で書いてあるメール、例えば、Re. document、Re, attached fileなどに注意が必要です。これらは、すべてウィルスに感染している可能性があります。これらのメールが届いた場合は、即、削除してください。さらに、最近では、他人のアドレスを使ってこれらウィルス付メールを送っているケースもあります。送り主のアドレスが友人など知り合いのものでも、「件名」が英語である場合は、ウィルス付メールと考えて削除してください。当塾では、ウィルス付メールはすべて、契約先サーバーの段階でウィルスを取り除いてもらう契約を結んでいます。

就職シーズンは、パソコンを使う大事な時期です。ウィルスに感染すれば、パソコンを使用できなくなってしまいます。ウィルスに汚染されないためにも、わずかな金額ですので、各有料サーバーで行っているウィルス除去サービスを利用することをおすすめします。

 

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