上位職になるための講座

 

メンター(Mentor)を持とう

 

辞書を引くと、

Mentor
(ギリシャ神話) Odysseusがその子の教育を託したよき指導者

と出ています。日本に比べアメリカでは、女性が社会で活躍する機会が多くあります。能力があれば、企業のトップにつくチャンスもあります。しかし、仕事は生やさしいものではありません。仕事で悩んだり、行き詰ることもあります。そのようなとき、相談にのってくれたり、よいアドバイスをくれる人をメンターと呼びます。社会で活躍している女性は、なにがしかメンターを持っています。

女性にとってのメンターは、一般的には、社会経験のある男性がその役割を果たしています。メンターは、上司であったり、恩師であったり、ときには父親であったりします。

 


指導はやめよう

 

少しばかり先輩になると、後輩を指導したくなります。「指導」の意味は、正しい方へ人を導くことです。本来は、とてもよい言葉です。本当の指導がされているならば、後輩や新人から感謝されてよいはずです。ところがそうでないケースをよく見かけます。「指導」の意味をゆがめて使っている人もいます。「指導」のはずが、「嫌み」になったり、「侮辱」になっている先輩を見かけます。また、「指導」を、サッカーのイエローカード(罰)のように使う人もいます。これでは、育つ部下も育たなくなってしまいます。

 


きつい性格の先輩

 

どこの職場でも、若手から恐れられる怖い先輩やきつい性格の先輩がいます。そういう先輩は、たいてい、あまり頭がよくありません。能力に余裕がないので、乗務年数で勝負したり、相手の弱点を突いたりして、自分が先輩であることを顕示しようとします。後にも述べますが、そのあげくお局(つぼね)化していきます。

能力ある先輩、上司は、部下がミスやドジをしても、自分がフォローアップする覚悟ができています。そして、後輩・部下を諭す余裕があります。心に余裕があるので、部下や後輩に対しても、おだやかに対応します。

後輩から、きつい性格の先輩と言われているあなたは、決して有能ではありません。心に余裕がないから性格がきつくなるのです。

 


こんなことも知らないの!

 

後輩に対して、この言葉を使う人がいます。その裏には、自分の優位性を確保しようとする心理が働いています。いわゆる「先輩ヅラ」です。この言葉を使う先輩に対して、後輩は、決して尊敬の念を抱きません。知らなければ、知っててもらうのが先輩の仕事です。先輩ヅラしている内は、まだまだリーダーになる資格はありません。

 


Emergencyマニュアル

 

先輩ヅラするのに、一番使いやすいのがEmergencyマニュアルです。細かい質問をしたり、新人たちが覚え切れない内容の質問をしたりします。答えられないと鬼の首をとったように、新人たちを震いあがらせます。

新人たちは、新人なりに前の日に、乗務する機材のEmergencyマニュアルを勉強しています。それでも答えられないことがあります。覚えていなければ、その場で、覚えさせればよいのです。震いあがらせる必要はありません。

筆者は、「Emergencyマニュアルは私の命」的な、古手CAを多く見てきました。こういう人たちは、マニュアルしか勉強していません。すでに書いたとおり、マニュアルは情報です。情報は時間が経つと価値がなくなります。

こういう古手CAの特徴は、教養(知識)を高めるための勉強をしている人が少ないという点でした。マニュアルは大切ですが、それに加えて、サービス理論やリーダーになるための教養(知識)を増やしてほしいものです。

 


解説ができる = Know Why教育

 

若い人たちは、いつも「なぜそうするのだろう」と思っています。外国人はなおさらそう思っています。折に触れて、「なぜ」を解説してあげてください。

「言われたとおりにすればいいの!」という人に、部下はついていきません。なぜなら、その先輩について行っても役に立たないことを知っているからです。

 


管理=理を通す

 

管理という言葉があります。部下を持つようになると管理の仕事が入ってきます。「管理」は、理を管に通すという意味です。理にかなったことを押し通すのが管理です。自分の感情で指導したり、怒ったりするのは管理とは言えません。部下を思い、諭すのが管理の基本です。管理には、人事管理、品質管理、健康管理などがあります。それらは、部下の育成、部下の技量向上、部下の健康保持のために行ないます。

 


お局(つぼね)はいらない

 

お局は、局という一種の立場を与えられ、宮中やお城の奥で、参内し奉公している女性たちを管理していました。立場上、うとましい存在だったようです。時代が変わっても、お局と呼ばれる女性たちがいます。それらの人に共通するのは、

  • 仕事では後輩に追い越されているのに、自分は一番経験があると思いこんでいる
  • それほど能力がないが、上司に素直に従い、今の立場を確保してきている
  • 上司は自分のことを信頼していると思い込んでいる
  • 自分は上司のお墨付きをもらっていると思っている
  • 自分になついてくる部下とそうでない部下に対する扱いや対応が違う
  • 言葉の端々に、嫌みやトゲがある

という傾向にあります。残念ながら、お局と呼ばれる人種に、レベルの高い人は少ない点です。また、なにかポイントがずれているので、同僚たちにとって疲れる存在となっていることです。そして、誰も本人に対し、アドバイスしません。

 


 

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