上位職になるための講座

 

人間の欲求

人間には、さまざまな欲求があります。また、欲求がその人の行動の原動力やエネルギーの源になっています。その一つに、自分を高めたいという欲求があります。また、そのためには、人は苦労をいといません。そして、それを止めた時、その人は精神的に「老人」になります。

 


             生理的欲求(基本的欲求)

 


貧しい時代には、人間は生きるために行動していました。生きるために食べ物を確保していました。現在の日本では、同じ食べるでも、楽しむために食べるようになりました。

人間の欲求を分析してみると、まず生きるための欲求(生理的欲求)があり、それが満たされると、安定した生活をしたい、安全に暮らしたいという欲求(安全・安定欲求)が出てきます。

生活が安定して余裕が出てくると、皆と仲良くしたい、よい集団の中にいたい、楽しく暮らしたいという欲求(社会的欲求)に移っていきます。ここまでの欲求を生理的欲求と呼んでいます。

 


精神的欲求(成長欲求)

 

基本的な欲求が満たされると、人間には、自分を高めようという欲求がでてきます。人から認められたい、褒められたい、自尊心を満足させたいという欲求(自我欲求)がでてきます。客室乗務員の場合もそうではないでしょうか。

また、知的レベルが上がってくると、能力を発揮したい、創造性のある仕事をしたいという欲求(自己実現欲求)が高まってきます。

皆さんは、仕事を通して、いろいろな上司や先輩を見てきました。その中で、尊敬したり、あのようになりたいと思った上司や先輩の人達は、どんな人だったでしょうか。それらの人は、いわゆる部下にやる気を起こさせる人たちだったはずです。部下にやる気を起こさせる上司や先輩とは、

 「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かぬ」

の格言のように、

  • まず自分がその仕事をできること
  • その仕事に精通していること(なぜ、そうするのかを解説できること)
  • 任せる度量があること
  • 評価してあげること

 


格言について

 

よき上司や先輩に共通している点は、上の4つを備えている点です。仕事ができない上司・先輩には部下はついていきません。また、仕事ができるだけでなく、部下が迷っているとき、なぜそうするのか(WHY)を解説できなくてはなりません。

一方、部下・後輩に一番嫌がられるのは、いちいち口出しをする上司・先輩です。部下に任せるだけの度量がない人は、人の上に立つ資格のない人です。

そして、最後に大切なことは、部下がした仕事についてキチンと評価をすることです。「ほめてやらねば・・・」は、よいものはよい、悪いものは悪いと伝えることができることを意味しています。

 


レベルの高い人

 

皆さんのまわりには、生理的欲求段階でとどまっている人もいます。若くても、精神的欲求段階にある人もいます。

生理的欲求が強い人の言動を見ていると、「安全」とか「給料が少ない」とかの言葉が目立ちます。そして、行動パターンは自分中心の傾向にあります。この段階でとどまっている人に、レベルの高い人はあまりいません。

一方、成長欲求の高い人の行動を見ると、かならずしも自己中心的ではありません。グループやチームのため、仲間のために行動しています。給料のことを言う前に、自分は何ができるか、いつも考え、挑戦しています。

 


人がやる気を感じる時

 

社会が、まだ十分発展していない時代、人々は生活のために働きました。社会の発展とともに、食べるためだけから、自分を高めるために仕事をするようになりました。

客室乗務員になる人たちも、自分を高めるために、この仕事を選んできています。また、それにふさわしいレベルの高い女性の集団といえます。そのような人たちは、次のようなことでやる気を感じてます。

仕事そのもの
変化があり、考えたり判断できたりするような仕事、自分の責任でやり遂げられる仕事
仕事の達成
挑戦しがいある困難な仕事や、意義のある仕事、責任ある仕事に精一杯取組んでいる時
達成の承認
困難な仕事を成し遂げた時、その成果や努力などを上司や同僚が認めてくれた時
責任の増大
責任のある仕事を与えられ、任された時
成長と発展
仕事を通じて、自分の成長が実感できる時

 


 

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