現役CAの「英語勉強法」講座

 

 

はじめに
意識改革
・英語は世界一簡単な言語
・全ての日本人は英語が出来る?
・一生懸命に伝えようと努力している人を誰も笑わない
・タイムリミットを意識する
・不定期な航空会社採用
・英語だけマスターすればCAになれる
・イメージトレーニング:目標の航空会社をイメージする
私の英語勉強法

TOEICについて

TOEIC全般について
・自分のレベルに合う勉強法を探す
・勉強の質だけでなく量も上げる
・リーディング:リスニング=50:50
・模擬試験問題で、TOEIC本番の練習をする

私のリーディング勉強法
・TOEICリーディング の特徴
・すべての問題にマーク(解答)する
・不得意な文法を確認する

私のリスニング勉強法
・先読みテクニック ひたすらリスニング゙問題集を解く 
・英語の音やリズムに慣れる

英会話編
・NHK音声教材の活用
・英会話サークル

航空会社の英語面接対策
・英語面接も日本語面接と同じ
・よく聞かれる質問を想定する
・事前準備を怠らない
・結論 → 理由を大切にする

その他のおすすめ
・図書館利用術
参考ページ
客室乗務員募集要領一覧 CA試験・英語力[塾長だより」

はじめに

 

「欧州航空会社の乗務員として勤務。英語圏の留学は一切なし」

上記からは英語が得意なように見えますが、実は、中学時代から、英語は苦手で不得意科目でした。
大学3年生の夏に、初めて受けたTOEICスコアは555点でした。

航空会社にもよりますが、CA受験応募に必要な英語力は、国内大手航空会社の場合、TOEIC600以上と言われています。(詳細) 塾長だより

英語が苦手だった大学3年生の私は、 就職活動期間を前にして、国内や外資航空会社の過去の募集要項を調べてみました。すると、当時、TOEICスコアが555だった私は、"TOEICスコアが足りない= CAになれない!"と気づきました。そこから大慌てで、英語の勉強に取りかかりました。

その結果、初回のTOEIC555から、半年後には700後半まで点数を大幅に上げることができました。(今はTOEIC900点台です)その努力が実ったのか、英語面接もクリアすることができました。
私は、よく広告に出てくる怪しい教材(笑)を使ったわけではありません。
英語に対する意識を変えたことと、勉強方法を工夫したことが功を奏したのだと思います。

「どうしたら英語ができるようになりますか?」と、CA志望者からよく質問を受けます。
その解決の一助になりますように、と心から願い本稿の執筆を始めます。

 

意識改革

 

「英語は世界一簡単な言語である」

 

私は地方の出身です。そのため、大学に入学するまで、生身の外国人を見るのは、1年に2~3回程度でした。 外国人に慣れていない=怖い、という図式ができ上がっていた昔の私は、道を尋ねる外国人が声をかけてきたときは逃げる(笑)というありさまでした。

当然、英語には、とても強い苦手意識がありました。高校生の時は、なぜ日本人が英語を勉強しなくてはいけないのか。その意味がよく分からなかったほどです。日本人なんだから、日本語だけでよいのに・・・(笑)と本気で思っていました。

そんな私が、英語が必要とされる客室乗務員を目ざすのに、一番役立ったのは知人の言葉でした。
「英語は世界一簡単な言語である」

フランスと中国の血を引き、パリに住む彼女は、7ヶ国語(英・仏・中・独・日・西・伊)を自在に操ります。 「数々の言語と接してきたが、やはり英語が一番簡単である。実際に簡単だから、世界で一番使われる言語になった」と彼女は主張しました。

その簡単な英語すらまともにできない私は、最初は、この言葉が腑に落ちませんでした。
でも、その言葉にとても衝撃を受けていました。

英語って簡単なんだ・・・
ばか正直な私は、その賢くきれいな彼女の言葉をそのまま受け取りました。

英語は世界一簡単!
簡単だから、世界で一番使われる言語になった。みんなが話せるなら、私もできるかも。

思い込みの力は、意外と強いものです。
簡単だと思ったら、苦手意識から私にも出来るという自信に徐々に変わっていきました。

 


「全ての日本人は英語ができる?!」

 

日本人は英語ができないと思っているだけで、実はけっこう話せます。

例えば、

Q1 "机"を英語では何と言うでしょうか?
答: デスク desk

Q2 "昼食"を英語では何と言うでしょうか?
答: ランチ lunch

これは簡単すぎる、というお叱りの声が聞こえてきそうです。ハイ、では質問を変えてみます。

Q3 "机"をフランス語では何と言うでしょうか?
Q4 "昼食"をインドネシア語では何と言うでしょうか?

答:ごめんなさい、私も知りません。

何それ???、と思われた方もいたと思いますが、実は、「あなたは英語を知っている=話せる」ということを実感して欲しかったのです。

PCと向き合っている、今のあなたのまわりにも、キーボード(Keyboard)、ペーパー(Paper)、、、英語であふれていませんか?

英単語を知っている=英語が話せるとは直結しないのでは? と思うかも知れません。
でも、英会話は、この少し延長線上にあるだけです。

例えば、これに少し手を加えればこんな文章ができます。
これは机です: This is a desk..
ほら、立派な英語が話せるではないですか。

ありがたいことに、日本には、外来語がたくさん存在します。
また、中学や高校で、英単語や文法を曲りなりにも勉強してきました。そのため、全く英語が話せないということはないと思います。

すごく単純なことですが、私は、
「な~んだ、私、意外と英語できるじゃん」と気楽に構えたら、英語に対する苦手意識が徐々に消えていきました。

 


一生懸命に伝えようと努力している人を誰も笑わない

 

「下手な英語を聞かれて笑われたくない」
「こんなこと間違えたらバカだと思われそう・・・」

私も、今でもそう思います。だって、やっぱりきれいな英語であることに越したことはないし・・・。

でもね、一生懸命に伝えようと努力している人を、だれも笑いません。

フライト中、米国人乗務員たちは、ジャパニーズイングリッシュで訛りの強い私の英語を、とても聞きにくそうに、それでも一生懸命に耳を傾けてくれました。


ちゃんと聞いてくれるから、私は下手な英語でも粘り強く伝えることができました。

では、ここからはあなたの番です。
テレビで見かける、日本語のあまり上手でない、外国人のタレントさんをイメージして下さい。だれでもよいです。もしくは、街中で、あなたに道を聞いてきた外国人旅行客でもOKです。

その方たちの日本語は、完璧ではなかったかも知れません。
でも、あなたはその方たちを嘲笑しなかった。なぜなら、その方たちが一生懸命伝えようとするから、あなたもきちんと受け止めようとしました。

私は、国や言葉が違っても、"一生懸命に伝えようと努力している人を、誰も笑わない"というのは世界共通だと思っています。

客室乗務員の仕事を始めて10年ほど、フライトやステイ先で相変わらず下手なジャパニーズイングリッシュを披露していますが(笑)、皆さんちゃんと聞いてくれます。

下手な英語でも問題ない、ということが分かると英語に対する意識(特に英会話)が変わります。

 


タイムリミットを意識する

 

英語はいつかできればいいな~とか、悠長に構えているとモッタイナイ。
「いつかできる」ように思うだけでは、いつまでも実現できません。
思っているだけでは、時間が経過して、タイムリミットを逃がしてしまうかもしれません。

CA受験にはタイムリミットが存在します。

客室乗務員 募集時期一覧

欧米の航空会社は別として、ほとんどの日系航空会社やアジア系航空会社には、応募時に年齢が問われます。また、年齢制限を設けていない会社も、内定者の顔ぶれを見たら若い人ばかりだったという話も少なからず聞きます。

若い時から、高いTOEICの点数を保持していると、よりたくさんの航空会社を受験できます。チャンスが多いほど、内定の確率も上がります。

例えば、2010年、イタリアのアリタリア航空機内通訳募集を例に考えて見ましょう。こちらの募集要項を抜粋すると、


・30歳くらいまで
・2年以上の客室乗務員/機内通訳経験
・TOEIC800以上

ということは、遅くても28歳までに、どこかの航空会社の客室乗務員/機内通訳になり、30歳までにTOEIC800を取得しなければいけません。タイムリミットを意識して、必要な要件を満たさないと受験すらできません。

 


不定期な航空会社採用

 

航空業界の採用は不定期です。


JAL、ANA共に、採用がなかった年は、受験生にとっては不遇の年です。逆に、何年も待ち望んでいた欧州系の航空会社が募集を開始したら、ラッキーな年と言えるでしょう。


せっかく回ってきたチャンスを逃さないようにしたいものです。


来るべき募集に備え、必要なTOEICスコアを保持することはとても重要です。

募集が出たときに、年齢ではなく、TOEICスコアが足りず、書類審査が通らなかった、という話を聞きます。たかだかTOEICスコアで落とされるのは惜しいです。TOEICスコアはいくらでも上げることができます。

私たちは、航空会社の採用スケジュールはうかがい知ることも、ましてや、それを変更することもできません。でもね、TOEICスコアや英会話力は自分で変えられます。

不定期な航空会社採用という運に惑わされないように、"チャンスをつかむのは自分の実力"です。

 


英語だけマスターすればCAになれる

 

CAになりたい!と大学生の時に、私は思いました。


でも、"CAさん"というイメージが先行して、私には無理だな~と、自分の中でその思いを直ぐに打ち消してしまいました。

実際、友人にCAになりたいと相談すると
「えっ!? ガサツだし、そんなタイプではないよ」と笑い飛ばされました。
そしてゼミミの先生は、


「うちの大学(*あまり知られていない地方の私大)から、CAになるのは聞いたことがないね~。人気職だから応募する人も多いし、落ちてもガッカリしないように・・・。ほら、雑誌の懸賞に落ちるのと一緒だよ。ドンマイドンマイ」。


応募する前から、落ちると決めつけられて慰めの言葉をもらいました。(笑)

そうよね、ノッペリで地味顔だから無理よね。英語もできないし・・・、と落ち込みの一途をたどる私。

そんな私は、ある時、大好きな航空会社だったタイ国際航空の募集要項を興味半分でのぞいてみました。そこには下記のように記載してありました。(*一部抜粋)


・26歳まで
・身長160cm以上
・TOEIC600以上
・水泳能力

そこで、私は、"英語だけできれば私もCAになれる!"と思いました。
- ちょっとデブだけど、身長条件はクリア(当時167cm、58kg)している。
- まだ若いから、年齢制限もOK。水泳タイムは遅いけど泳げる。

自分に不足しているものを考えたら、どうやら英語だけである、だったら英語だけ勉強すればCAになれる!と。

華やかなイメージが強く、自分には程遠いと思ったCAですが、英語だけできれば私にもできる!と気づきました(開き直り?!)。 何だか分からないけど、自分には無理という漠然とした不安や思いが、英語だけできればよいという明確な目標に変わりました。

"敵は英語ひとつだけ"と思うと、英語に対する意欲が以前よりも格段に上がりました。

 


イメージトレーニング:目標の航空会社をイメージする

 

あなたは、どこの航空会社が好きですか ?
働きたい目標の航空会社はありますか?

濃紺にスカーフが映える全日空、サロンケバヤの民族衣装が鮮やかなシンガポール航空、ベールのついた帽子がエキゾチックなエミレーツ航空・・・。

数ある航空会社の制服を思い浮かべるだけでも、心がウキウキとはずんできます。

ここでは、この心理を利用したちょっとしたイメージトレーニングをご紹介します。

イメージトレーニングと言うと、何だか構えてしまいますが、実はとっても簡単です。あなたが、英語を使いながら楽しくフライトをする場面を想像して下さい。
ドラマや映画のワンシーンのように、うんと素敵な場面を、自分なりに描いてみましょう。

あなた自身が主人公です。

同僚や旅客に、好きな芸能人を登場させても構いません(笑)。

ポイントは以下の 2 点です。

-場面-

-感情-

-場面-

まず、あなたが実際にCAになった場面を想像して下さい。

例えば・・・

・空港内で、キャリーバッグを引きながら、同僚のアメリカ人と仲良く英語で話すあなた

・機内で急病人が発生!イギリス人のお医者様の英語を、的確に通訳する格好良いあなた

・ステイ先のアムステルダムで、本国人クルーと英語で談笑しながら、美味しいレストランで

食事をするあなた

急にイメージが沸かない人は、航空会社のHPや雑誌を見るのもよいと思います。

または、近くの空港に出かけて、そこにいる CA さんの姿を自分と重ねるのも一つの方法です。

あるいは、空に飛んでいる飛行機を、ぼっーと眺めてみたり・・・。

ちなみに、私は航空会社を受験する前は、その会社の飛行機やCAさんの写真を家中に貼りました。

たくさんの写真を貼った私の家は、まるでアイドルショップみたい。

そして、希望の航空会社の制服を着て、フライトする場面を自由にイメージしています。

-感情-

自分主演のドラマや映画のワンシーンを、楽しくイメージしましょう。
イメージする感情は、幸せで前向きなものがよいです。

嬉しい
楽しい

大好き

ステキ
ワクワクする

キャビンアテンダントって正式呼称なの!

例えば・・・

きれいな英語で、欧米のお客様に、搭乗時の挨拶や自己紹介をする。

- ドキドキする、楽しい

飛行機を降りるお客様に、感謝の気持ちを英語で言われて感動する。
- 嬉しい、人から感謝されるCAの仕事が大好き、英語が理解できてよかった~

その強い感情が、イメージをあなたの潜在意識に深く沈めていく役を果たします。

英語を話す自分が輝いている、英語ができると世界が広がる、英語を上達させると、より上質なサービスが提供できるなど、前向きなイメージがあなたを変えていきます。

たくさん素敵なことをイメージして、英語に対する恐怖心を払拭していきましょう。

 

私の英語勉強法   半年でTOEIC555 → 790への道

 

<TOEIC編>

TOEIC全般について

 

前項「意識改革編」を読んで、英語って簡単かも、私にもできそう、と少しでも思ったら、さっそく実行に移しましょう。基本は、「やるか、やらないか」この二択です。現状に甘んじてやらなければ、ずっと今のあなたのままです。

私の場合は、先ず打倒TOEIC!でした。

当時のスコアTOEIC555では、書類審査で門前払いになるからです。書類審査に必要なTOEICスコアがなければ、「私の中身(CA適性)を見て」とか、「私は根性があるので、御社でがんばります」とすら言えません。また下手な英語を披露する英語面接の機会もありません。

TOEICのスコアを上げるために、先ずは、現在の自分のレベルに合った勉強法や教材を探してみましょう。

 


自分のレベルに合う勉強法を探す

 

インターネットや書籍には、いろんな勉強法が掲載されています。
その中で、"自分に合いそうなもの"を選んで、自分なりに取り入れてみましょう。
(*私がとった勉強法は次項以降で紹介します。もしご自身に合えば、参考にして下さい)

インターネット書店「Amazon」や「楽天ブックス」などで、購入者の意見を見ながら(カスタマーレビュー参照)、自分に合うTOEIC対策本を選ぶのもよいでしょう。

購入者の意見は非常に参考になります。このカスタマーレビューは、自分と同じレベルの人の悩みや感想を知ることができます。また、世の中に、TOEICに挑む同志やライバルがたくさんいることが分かると、自然とやる気もわいてきます。

自分に合わないものを無理して取り入れると、苦痛で英語が嫌いになり、放り出しかねません。

例えば、私は英字新聞や雑誌が勉強に役立つことは知っていました。でも、私にはとても難しかったので無理をせず、潔くまったく手を出しませんでした。試験に出題されるか分からないような膨大な英単語と格闘するのは、時間の無駄に感じられて興味が沸きませんでした。

因みに、機内にはたくさんの英字新聞があるものの、現在でも、私は年に1~2回暇つぶし程度に、しかも、ほんの少ししか読みません。というか今でも難しいので、途中で放棄してしまうのです。

無理に背伸びをしすぎない、自分のレベルに合った勉強法や教材を見付けて下さい。

 


勉強の質だけでなく量も上げる

 

英語力は、英語を読み、英語を聞いた総量であると言われます。
TOEICもこれと同じです。TOEICのスコアは、TOEICの問題集を解いた総量にちゃんと比例します。問題を解けば解くほど、実力がついていきます。スコアが停滞しているように見えることがあっても、決してマイナスにはなりません。

あとは、こまめにTOEICを受けることです。
実際に、私もTOEIC受験の回を重ねるごとにスコアが伸びていきました。

実力がついたら、TOEICを受けるという悠長なことを言っているようでは、いつまで経ってもスコアは伸び悩んだままです。

留学経験がなくても、特別な才能や英語のセンスがなくてもかまいません。人並以上に努力すれば、必ずTOEICスコアは上がります。

単純なことですが、単語は覚えれば覚えるほど、英文の問題は読めば読むほど、リスニングは聞けば聞くほど実力がつきます。勉強の質を上げるため、自分に合う勉強法を見つけることは大事ですが、それに伴い勉強の量も上げなければスコアの向上は期待できません。

 


リーディング:リスニング = 50:50

 

TOEICはリスニング問題の比重が高く、全体の50%を占めています。
*因みに、TOEFLでは、リスニングの占める割合は全体の35%、英検では25%程度です。

多くの日本人は、リスニングを苦手とします。でも、5割も出題されるからには、リスニング攻略は必須です。 不得意のままでは、高得点は望めません。

逆に、留学経験があり、リスニングは得意だけどリーディングが弱いという人は、リーディングに的を絞って勉強しましょう。

当たり前のことですが、自分の得意・不得意を見極めて対策を練って下さい。

 


模擬試験問題集を解いて、TOEIC本番の練習を行う

 

TOEICのリーディングは、 75分間で100問を解かなければいけません。リスニングの後に、休憩時間もなくリーディング問題に取りかからなければならず、とてもハードです。

TOEIC問題を最後まで解く前に集中力が切れてしまった、という話をよく聞きます。

そのような状況を避けるために、TOEICの本試験前には、最低でも1~ 2回は、本番と同じ時間配分で模擬試験を解いておきましょう。その際は、きちんと2時間計って問題に挑みましょう。事前に、問題を解くペース配分をつかむことができ、本番で時間を効率的に使えるようになります。

そして、自分がどのパートに時間がかかるのかを見極めて下さい。得意なパートではあるけど、時間がかかってしまったり、逆に苦手なパートだけど短時間で解くことができることもあります。パート別の対策を時間配分の観点から考えることも必要です。

また、試験の終了直前で疲労が溜まり、時間が少なくなって追い詰められた時に、自分がどういう行動に出るかを把握することも大切です。どうしようもなくなり、パニックに陥ってしまうのか、諦めて何もやらないのか、自分の傾向を知っておくと本番の最後で焦らなくなります。

模擬試験を掲載した問題集は多く出ていますが、本番の時間配分や問題のレベルを知りたいのなら、

「TOEICテスト新公式問題集」がお勧めです。

この本は、TOEICテスト問題を開発しているEducational Testing Service(ETS)という機関が作成した唯一の公式問題です。他のTOEIC対策本に比べて、非常に信頼性の高い教材です。TOEICの試験で使われる問題用紙は持ち帰りが禁止されているので、TOEIC本番の問題はこの問題集でしか疑似体験できません。

但し、欠点は解説が少ないことです。このTOEICテスト新公式問題集で、時間配分と全体の問題の傾向を把握した後は、苦手なパート別を、その分野に特化した問題集で強化しましょう。

 


私のリーディング勉強法

 

TOEIC リーディングの特徴

TOEICのテスト内容は、日常生活及びビジネス関連のテーマが中心になっています。そのため、新聞や雑誌などの時事文献、 Eメールの問題が多いのが特徴です。

*因みに、TOEFLは専門的で学術的な文章が多く、私を含め多くの人には、とっつきにくい問題が多いです。CA受験にTOEFLが求められなくてよかった。ホッ(笑)

Part4では、長文問題が出てきますが、中学・高校のテスト問題よりは短い文章ですし、取りかかりやすいテーマで構成されています。

昔の英語への苦手意識はどこかに置いて、気持ちを新たにTOEICリーディングに向き合ってください。

 


全ての問題にマーク(解答)する

 

TOEICでは、解答スピードも非常に大切です。実力があっても、制限時間以内に問題を解けなければ意味がありません。英語は得意だけど時間が足りなくて・・・という人がいますが、TOEICではただの実力不足です。試験時間は受験者全員が同じです。

自宅で、TOEIC模擬問題を解くときは、必ず制限時間を設けて行なってください。模擬問題でも、時間を計らずに解くことは、単なる趣味で終わってしまいます。

もし、実際の試験で、終了間際になって、どうしても解答が終わらない場合は、適当に好きな番号にマークしておいたらどうでしょう。TOEICでは、問題を間違えても減点されません。それに機械が採点するので、たくさん間違えても恥ずかしくありません。

試験が終了する前に、必ず全問マークすることが大切です。マークすれば4分の1(もしくは3 分の1)の確率で正解するかもしれません。

 


不得意な文法を確認する

 

文法が不得意だからといって、最初から文法をやり直すのは、個人的にお勧めしません。大げさに言えば、中学3年間で英語を勉強したのと同じくらいの時間がかかります。これは、けっこう大変な作業です。

間違えた文法問題があったら、その都度確認しましょう。そのうち、自分のよく間違える文法が分かってきます。(逆にあまり間違えない文法は、時間をかけて勉強しなくても大丈夫です)

そして、その苦手な文法のみを勉強しましょう。

文法問題の練習に、私は下記の教材を使っていました。

この教材の良いところは、TOEIC問題集にしては、めずらしく文法別になっているところです。

たいていの教材は、実際のTOEICのように、全部の文法が順不同で掲載されており、どこから手をつければよいのか、途方にくれるものが多くなっています。しかし、この教材は苦手な文法のみを勉強することが可能です。

「TOEIC TEST文法別問題集」 石井辰哉著 講談社

 


私のリスニング勉強法

 

ひたすらリスニング問題集を解く

極論を言えば、リスニングの勉強法というのはとても簡単です。

“英語を聴く” 、ただそれだけです。

シャドウウィング(*)、ディクテーション(*)など、多様なトレーニング方法はありますが、ただひたすら聴くというのはすべての基本です。

(*) Shadowing: 影のように、英語を聞くそばから後を追いかけて声を出し、同じように真似して発音する方法

(*) Dectation: 英語音声を聞き取り、そして聞き取ったものを紙などに書き取る方法

そして、TOEICのスコアを上げたいなら、リスニングに特化した問題集をひたすら解く。これに限ります。

私は、実際のTOEIC問題と同じ形式のものを、問題集を変えて何度も解きました。

私が半年間でTOEICスコアを555から700後半まで上げたのは、ひたすら問題集を解いたからです。模擬試験に手をつけた最初のうちは、あまりにもひどい自分のリスニングにやる気を消失しながらも、根気よく続けました。

何度も解くうちに、 Part2の問題は、特に冒頭の一語の「5W1H」に集中するなど、“TOEICのコツ”が徐々につかめてきます。

 


英語の音やリズムに慣れる

 

リスニングやリーディングの問題で知らない英単語に出会ったときは、その意味と共に発音も一緒に調べましょう。 私は英語電子辞書やインターネット上の無料電子ツールに発音させて覚えていました。

そして、リスニングでその単語の音を聞いたら、すぐにそのスペルと意味が分かるようにしました。

リーディングで、問題用紙に書いてある英単語は分かっても、リスニングで発音された同じ英単語は聞き取れず分からなかった。または、その音声と英単語が一致するまでかなりの時間を要した、というのではモッタイナイ。

例えば、私は、“ネガティヴ アイオン”と発音された単語が、全く分かりませんでした。皆さんは分かりますか ?

でも、これが問題用紙に単語が書いてあるリーディングならば、とても簡単です。

“Negative ion” =マイナス イオン

Negativeはマイナス、アイオンと発音された単語はイオンでした。これが、ちまたで噂のマイナスイオンなんだ~と納得。但し、TOEIC試験中なら、知らない単語の正体を考えているうちに次の問題に移ってしまいます。

英語の音やリズムにも徐々に慣れていきましょう。

 


先読みテクニック

 

TOEICのリスニングでは、各パートの冒頭で、毎回お決まりの設問の説明と例題が読み上げられます。

あらかじめ模擬問題を解いて、各問題の出題形式を確認して、TOEIC本番ではこの部分を聞き流して有効活用しましょう。これは、毎回決まった文章の繰り返しなので聞き流しても構いません。 私はいつもこの部分をまったく聞いていません。

特に、パート1、パート3、パート4では、これから解答する写真、問題や選択肢を先読みして、だいたいの設問内容をあらかじめ把握します。(*但し、次のページをめくるのは禁止されているので注意)

これらの写真や選択肢などの情報は、正解を導き出す上でとても大きなヒントとなります。

“次はこんな問題かぁ” と頭の片隅に置いてから聞くと、それだけで自然と耳がキーワードに反応してくれます。

また、問題と問題のあいだの時間は、休憩時間ではありません。次の問題と選択肢を読む準備時間だと考えて臨んで下さい。問題文が読まれる前から、テストはすでに始まっています。

 


<英会話編>

音声教材の活用

当時、私はNHKラジオ講座 “レッツスピーク”(*注)のCDと教材を愛用していました。

(注) 現在、このシリーズは終了しています。今は下記のシリーズがこれに近いと思います。

NHK語学番組 リトル・チャロ 2 ~心にしみる英語ドラマ~ 日本放送出版協会

定価 500 円

CD 別売 2 枚組 価格 1,580 円

NHKなんて、何だかカッタルイ・・・。私もそう思っていました。

大手英会話教室の講師をしていた方に、よい教材を聞いたら、このNHKラジオ講座を薦められました。一般向け、低価格、質が良いとベタ褒めでした。

実際に、ある語学学校系の大手エアラインスクールも、このNHK講座の教材を使用して英会話の授業をしています。

エアラインスクールに行かなくても、同様の授業を体験できます。ためしに、一定期間続けてみてください。

ラジオ講座なので、一つのテーマは15分と短く設定されています。通勤や通学時間や、ちょっとした隙間時間を利用して勉強できます。

ラジオを聴く時間がある人は、このラジオを録音しましょう。

また、忙しくてラジオを聞く暇がない方は、必ず別売りのCDを購入して活用してください。

ラジオ講座は、音声がなければ学習効果が半減します。

音声を聞いて、本文や例文を丸暗記して下さい。

英語は暗記です。英語は覚えないと使えるようになりません。

何となく分かる、というのは何となく分からない、ということです。うろ覚えの英語は使えません。

本文やスキット(Skit: 寸劇)は、何も見ないでもスラスラと言えるまで覚えて下さい。

暗記する時は、録音した音声やCDをよく聞いて、同じように言えるまで真似をしながら覚えていくようにしましょう。

慣れるまでは大変ですが、聞き取りの力をつけることができます。また、自然と英語のリズムや発音を覚えることができ、やがて英語を話す力もついてきます。

前述の語学学校系のエアラインスクールは、各授業の冒頭で、生徒に役を割りふり、教材を見せずにスキットを再現させています。

 


英会話サークル

 

面接で堂々と英語を話せるようになりたい、と思ったら英会話の練習は必須です。

私はインターネットで、英会話サークルを調べて参加していました。(大学に英会話サークルがあれば一番よかったのですが、私の大学には存在しませんでした)

* インターネットで “ 英語、英会話、サークル、クラブ、 ESS” など検索すると、色々と出てきます。

あなたの住んでいる場所の近くにもあるかもしれませんので、探してみてください。

英会話サークルでは、安い費用で勉強ができます。

場所代や運営費など最低限の出費で済み、私のような学生でも気軽に参加できました。

これらのサークルの主な参加者は日本人です。日本人を相手に英語を話すのは、慣れるまで変な感じがしました。しかし、同じ日本人なので、間違えても恥ずかしくない、下手な英語でも堂々と話せるという利点もあります。また、他人の使う表現や単語を聞いて、それを自分のものにすることができます。

ネイティブを相手に英語を話さなくても、英語の勉強はちゃんとできます。

日本人の下手な発音がうつるとか、細かいことはさて置いて、まずは英語を話す場所を見つけることが大切です。

また、多くの英会話サークルは利益を上げることではなく、“英語の勉強をする”という目的を持って運営されています。参加している人も英語に対して関心が高いので、よい刺激を受けました。

 


<航空会社の英語面接対策>

 

海外旅行先のレストランで、自由に注文もできないくらい英会話も不自由なのに、外資系航空会社の英語面接なんてとんでもない!

まぁまぁ、最初から諦めないで・・・。

英語面接に対して、自信がない人のほうが多いと思います。実際、今でも私は、英語面接が好きではありません。(笑)

私は英語面接の前には、以下の基本に立ち返ることにしています。

 


英語面接も日本語面接と同じである

 

英語面接でも、面接官は私たちと同じ人間です。

大切なことは、面接官と良いコミュニケーションをとり、自分を上手くアピールすることです。

言葉が日本語から英語に変わっただけのことです。

要は、面接官との会話のキャッチボールです。

 


よく聞かれる質問を想定する

 

面接では、必ずと言ってよいほどよく聞かれる質問があります。

それは、自己紹介と志望動機です。

Please tell me about your self.
(自己紹介をして下さい)

Why do you want to join our company?
(志望動機を聞かせて下さい)

私は、自己紹介と志望動機を、時間別(30秒、45秒、1分)で用意して、これを暗記していました。 内容は、名前や経歴、資格などを交えた簡単なものです。これを完璧にスラスラ言えるまで、何度も練習しました。

また、よく聞かれる質問を、過去の面接内容から調べることも有効な方法です。

このスチュワーデス塾塾の会員コーナー(会員登録が必要)の中には、過去の質問内容が掲載されている航空会社もあります。

参考までに、フィンランド航空(AY)英語面接の実際の質問を挙げておきます。(2010年9月実施)

  • 簡単な自己紹介
  • フィンランド人について
  • 今までの社会経験をどのようにフィンエアーで活かすことができるか
  • 現職について
  • フィンランドについて知っていること
  • フィンエアーのお客様が求めていること
  • なぜ、フィンエアーに入社したいのか
  • CA に必要なことは何か
  • 迷惑な旅客への対処法
  • ストレスを感じたらどうするか
  • 良いサービスとは何か
  • さて、あなたなら何と答えますか?

キャビンアテンダントって正式呼称なの!

 


事前準備を怠らない

 

ある程度の英語力がついた今でも、私は英語面接の事前準備を徹底して行うことにしています。

志望する航空会社の概要、またその国の歴史や文化や習慣などを予め調べておきます。

実際の面接でも、その航空会社や国のことについて聞かれることもあるからです。

例えば、

「 What do you know about our company? 」

(私たちの会社について知っていることを教えて下さい)

いくら英語力があっても、予備知識や事前準備がなければまったく対処できません。

面接において、応募先企業やその国について下調べなどの事前準備をすることは、とても大切です。

この手の質問は、単に英語力を測るだけでなく、応募者の熱意はどれほどのものかを知るためにされているのです。

また、事前準備で他の応募者と差別化ができる部分でもあります。

 


結論 → 理由を大切にする

 

英語面接において聞かれた質問には、先に結論を述べましょう。

そして、後から理由を簡潔に説明することを心掛けましょう。

日本語では結論にいたるまでに、状況説明が先に来てしまう傾向がありますが、英語ではお勧めできません。

また、一つの文章を簡潔にまとめるように心がけましょう。 あれもこれも話したいと、自分の思いをすべて伝えるのではありません。

面接官の質問の意図を把握して、結論・理由をきちんと述べるだけで十分です。

 

その他のおすすめ

 

図書館の活用

TOEIC教材や問題集って高いですよね。文法解説書など手元に常において、何度も読み返したい本は別として、TOEIC模擬試験などの問題集は、一つの問題につき1~2回くらいしか解かないので、余計にモッタイないと感じます。 また目標とするTOEIC スコアのレベルに応じて、教材や問題集も変えていく必要があります。

私のように経済的に余裕がない人は、近所の図書館などを覗いたり、古本屋を活用するのも良いと思います。

余談ですが、私が大学生のときは、通っていた大学の図書館に希望の教材や問題集をリクエストしてよく購入してもらいました。1~2回解いて図書館に返却する、そしてまた違う教材や問題集をリクエストしていました。

学生が勉強熱心とは言えない私の大学は、学生の“勉強したい”という熱望が少ないので、こういう申し出は嬉しかったようです。簡単に図書館の本として、しかも大量に購入してくれました。多分、すべてのリクエストを叶えてくれたと思います。(因みに美容メイク本をリクエストしたこともありますが、趣味と見なされて却下されました)

現在、大学に通っている人は、大学の図書館にリクエストして、最新の欲しい教材や問題集を手に入れるのもうよいかもしれません。学費を納めているのですから、これも立派な大学活用術です。

 


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おわりに

 

語学は、最初は大変です。でもやり続けてみてください。そして、皆さんの英語で、外国人と話してみてください。意外と通じますよ。通じることが分かると、今度は、これを伝えてみたいとなります。だんだんおもしろくなります。

どこかの空で、皆さんと一緒に飛べることを願って、私の英語勉強法アドバイスを、この辺で終わりにしたいと思います。