パリ・ニューヨーク通信

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塾長は、CAをめざす皆さんには、もっともっと海外のこと、異文化のことを知ってほしいと思っています。当ページでは、元JAL CAの久美子さんに、英国の歴史的な地方での生活体験をつづってもらいます。舞台は、ケンブリッジから少し入ったイーリー(Ely)という町です。

 その2  その1
ニューヨーク便りNo01 小さな町イーリー(Ely)    ニューヨーク便りNo13 イギリスの教育
ニューヨーク便りNo02 住まい探し    ニューヨーク便りNo14 Pubがいい!
ニューヨーク便りNo03 イギリスの夏   ニューヨーク便りNo15 ロイヤルウェディング
ニューヨーク便りNo04 質素、堅実そして奉仕精神    ニューヨーク便りNo16 キャラバン・ホリデー・パーク
ニューヨーク便りNo05 イギリス人の食生活   ニューヨーク便りNo17 誕生日パーティー
ニューヨーク便りNo06 イギリスと言えば、紅茶とスコーン!   ニューヨーク便りNo18 エルダーフラワー
ニューヨーク便りNo07  ジャガイモがおいしい   ニューヨーク便りNo19 イギリスの結婚式 
ニューヨーク便りNo08 ヨークシャープディング   ニューヨーク便りNo20 イギリスとアンティーク 
ニューヨーク便りNo09 Elyのクリスマス   ニューヨーク便りNo21 不思議の土、イギリス 
ニューヨーク便りNo10 Elyのクリスマス 続き    ニューヨーク便りNo22 ウェールズ 

ニューヨーク便りイギリスの国名について 塾長

  ニューヨーク便りNo23 ピクニック
ニューヨーク便りNo11 Pre-Preparatory School   ニューヨーク便りNo24 イギリスのお父さん
ニューヨーク便りNo12 ボーディング・スクール    

ケンブリッジ

くみ子のケンブリッジ便りNo01

- 小さな町イーリー(Ely) −

昨年9月から、子供の留学のため、主人1人を東京に残し、6歳の息子と2人で、イギリスで暮らしています。お父さんの役割が大きいイギリスで、お父さんがいない子供と2人だけの暮らしは寂しい面もありますが、大いにエンジョイしています。

私たちが住んでいるのは、イギリスでもっとも小さく美しい街、と言われている、Ely(イーリー)と言う所です。
ロンドンから電車で北へ1時間ほど。ケンブリッジはみなさんご存知かと思いますが、そのとなり街です。(写真Ely駅)

周囲を、田園に囲まれた小さな街イーリーには、千年も前に建てられた、尊厳なEly Cathedral(大聖堂)あります。
ケンブリッジには大聖堂がないので、イーリー大聖堂がケンブリッジの大聖堂でもあります。
イギリスでは大聖堂があるところは都市となるそうです。なので、この小さくのどかなイーリーもりっぱな都市でその機能を持っていますが、都市というイメージはなく、中世の面影を残す古いたたずまいの中で、ゆったり時間が流れています。
街のどこにいても大聖堂が見え、築数百年の家々も大切に住み続けられています。
歴史は今も続いていることととを実感させてくれます。

建物が何百年なら、樹も何百年。絵本に出てくるような、家より大きく、どっしりとして、今にも話したり、動いたりしそうな芸術的な樹の上を、愛らしいリスが走り渡っています。
ウサギ、ハリネズミ、キツネ、小さな種類のシカ、大きな種類のシカも出てきます。
スズメとカラスばかりの東京とは違い、いろんな種類の鳥に出会います。

4月になると、軒や樹の下には、卵の殻が落ちていて、近くでヒナの鳴き声が聞こえてきます。
息子がブルーの卵の殻を拾って来た時は、「だれかがペイントしたイースターエッグじゃないの?割れたから捨てちゃったのよ・・・」と本気で説明していました。庭に鳥が巣を作り、きれいなブルーの卵を産んで、その卵からヒナがかえるなんて想像もできなかった・・・。

街にはケンブリッジからつながっているグレート・ウーズ川が緩やかに流れています。
真冬でも、ボートを練習する学生の姿が見られ、近年、日本人にも人気のNarrowボート(細長いボート、多くの人がこの船を自宅とし暮らしています)が停泊し、カモや白鳥もたくさん。
対岸には馬や羊が放牧され、それはのどかな風景が楽しめます。
散歩する人、釣りする人(私たちもします)、犬を泳がせたり、ピクニックに来たり、川は大人気です。

イギリスと言えば芝生。一年中緑を保ってそれは、それはきれいです。
芝の上には、真冬でも、白や黄色の小さな花が咲いています。
緑の芝の上を走りまわったり、サッカーができたり、見ている方まで幸せです。
転んでも痛くないから、思いっきり動けるし、何と言っても気持ちがいい!

雨で暗いイメージもイギリス。
冬になると、毎日のように雨が降りますが、1日中、雨の日という日は、一年に数回しかありません。傘がなくても暮らせそう。現にうちの子は傘を持っていません。私もほとんど持ちません。
降ってもすぐ止み、すぐ晴れる。逆に、良い天気と思っていても、突然、雨が降る。
東京の雨はビシャビシャ降るけど、ここではポツポツ降る感じ。そしてすぐ乾きます。
晴れたり、降ったり、植物が元気なわけです。緑も濃いい!

日本は一年に四季がある、と言われるけれど、イギリスは1日に四季がある、と言われています。この表現通り。

CAだったころ、イギリスの古い建物や大きな樹、深いグリーンの芝生の美しさにあこがれて、暮らしてみたいなぁ、と思っていました。
願い(?)が、かなってイギリス暮らし。
本当に美しいと、毎日実感しています。

この街で私たち母子2人、イギリスでの暮らしをスタートさせる。
私はともかく、子供には寂しい思いはさせたくないなぁというのが親心。
苦労は乗り越えて価値があるけれど、嫌な思いはさせたくないし、したくない。

私が子供の留学先を決めるにあたり、いろいろな人に話を聞きました。
ロンドンで、レストランを経営している日本人の方は、「イギリス人は人を見下したり、差別したりする態度をとらない。上流(上級)階級の人程そうだ」と話してくれました。その時は、「CAだったころのロンドン滞在をふり返り、そうだったかなぁ」と信じられない気持ちもありました。だけど、この一言は、私たちをイギリスに導いた大きな要因でもありました。そして、ここにきて幾度となく、その言葉が正しかったと実感しています。

役所や銀行はもちろんですが、スーパーでさえ、個人に向き合った対応をしていると感じます。一人一人に、丁寧に、時間をかけて、相手の立場になって応対します。こちらが話している間、ずっと相手の目をしっかり見ています。人の話をよく聞きます。分からないこと、知らないことに対して、さげすむ態度は一切ありません。
日本人だから、英語が流暢でないから・・・、外国でよく嫌な思いをします。でもここでは一度もそんな経験をしたことはありません。

見知らに人に笑顔であいさつします。 
笑顔で道を譲ります。
笑顔でドアを開けてくれます。
皆、すばらしい笑顔で・・・。
マナーの国とは知っていましたが、笑顔の素晴らしさは、ここへ来て初めて知りました。
目下、私も笑顔の修行中です。

美しい街、親切で暖かい人々。
私たち母子は気持ちよくイギリス生活をスタートしはじめました。

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くみ子のケンブリッジ便りNo02

- 住まい探し−

イギリスに来て2日目、何より先に家探し。
早速、不動産屋に出向き、話を聞きに行くことに・・・。でも、どこの不動産屋に行こうか・・・、イーリー(Ely) の小さな街に、何と不動産屋が7軒。

街には、大きなスーパー“waitrose”(ちょっと高級)、と“Tesco”(庶民向け)、その他、1ポンドショップも含めて、お店は各種2、3件ずつはそろっていますが、動産屋は7軒。しつこいようですが7軒です。
私ははじめ、そのうちいくつかつぶれるんじゃないかと思っていました。ところが最近ではもう1軒増え8軒です。この国ではそれ程、家の売り買い、賃貸の動向が激しい。

ここへ移るにあたり、日本にいるときから、インターネットでここの物件は毎日見ていました。
賃貸の家に限らず、買う予定もない売り家まで・・・。
賃貸物件も売り物件も直ぐに決まっていきます。あっという間に・・・。
イギリス人にとって家は車より回転が速いと思います。
車は足と考え、長いこと乗っている人が多いですが、家は生活状況に合わせ変えていき、また趣味的要素も大きいです。
引っ越してばかりいるので、賃貸なのかと思いきや持家の人が多くいます。

東京の賃貸物件の場合、敷金(後で戻るかもしれないお金)・礼金(返却されないお金)それぞれ家賃の2ヶ月分、不動産屋に払う手数料1ヶ月分、それにその月の家賃と次月の家賃。契約当初に必要なお金は、家賃の7ヶ月ほどは用意しなくてはなりません。その上、2年ごとに更新契約し、その都度、家賃の1ヶ月分を大家さんに払い、最低1年は住まないとペナルティーを払う所が多いです。

こちらでは、敷金はたいてい1ヶ月半、礼金なし、不動産に払う手数料は家賃に関係なく£200ポンド前後。そして当月家賃分、これら全て合わせても家賃の3ヶ月分ほどで済みます。審査に関しても、たいていクレジットの審査が行われますが、保証人の必要もありません。私のように働いていない人間は6ヶ月分前払い、その他ほとんど審査はしていない様子。入居後6ヶ月以上経って出ていきたい時は、1ヶ月前に申告します。
更新料もありません。
借り手にしたら引っ越ししやすい訳です。

出ていくと決まったら、直ぐに次の借り手を探しの広告を出します。
まだ、住んでいる人がいるのに内覧ができます。洗濯物が干してあろうが、みなさん散らかっていようがあまり気にしていません。その人たちが出ていく頃には、次の人が決まっている場合がほとんどです。借り手にとって都合がいいばかりではなく、大家にとっても都合はいいです。

例えば、状況が変わり突然貸している家を売りたくなったとしたら、家主は、貸し始めて最低6ヶ月過ぎればいつでも2ヶ月前に通告するだけで賃貸契約を解消できます。そして、私たちもこの状況に遭ってしまいました。運良く、前より良い家が見つかりましたが、当初は焦りました。

Furnishedといって家具付きの家もあります。キッチンには電化製品の他、食器類等がそろい、ベッドやタンス、テーブルチャエアー、ソファー等、一通りの物がそろっています。地域により、家具付きが多かったり少なかったりするようです。ケンブリッジでは家具付き物件が多く、Elyでは家具なし物件がほとんどです。私たちは家具付きで探していたので、ここイーリーでは選択の余地はほとんどありませんでした。

また、知らない他人同士がキッチン、リビングを共有しルームシェアーで住むパターンもあります。タバコ禁止の家も結構あります。玄関を出て外でタバコを吸っている人たちを見かけます。

持家の場合はもちろんですが、賃貸で家を借りている場合でも、家の価値によって毎月納めている地方税の額が違ってきます。

お金があるから家を買い、ないから賃貸、と言う考えも日本ほど強くないようですが、持家の方が、メリットが大きいという考えは強いようです。

結婚して子供が小さかったり、子供の数が少ないころまでは、小さい家に住み、人数が増えるにつれ大きな家に越していき、また、子供が独立し2人になった時には小さな家に移ったり、田舎に越したり、状況に応じ臨機応変に変えていきます。

こちらでは、子供1人につき1部屋を与えないと社会的に許されません。
5歳くらいでも、男の子と女の子を一緒の部屋にしたりしたら、周囲より非難を浴びるそうです。親と子が一緒の寝室でもしかりです。今回の入居は、私と息子の2人だけですので、こちらとしては1ベットルームで十分でしたが、5歳過ぎた子供には1部屋なくてはなりません。2ベッドルーム以上の家しか貸してくれませんでした。

ちょっと話がそれますが、男の子がお母さんと、または、女の子がお父さんと一緒にお風呂に入るとか、日本では小学校の3年生(?)ぐらいまでは、普通かと思いますが、ここでそんな年になった子と一緒にお風呂に入るなんて、犯罪と見られる可能性が高いそうです。

持ち家の場合でも同じく、子供が増えベッドルームの数が足りないと、その分の部屋を増築するか、広い家へ移ります。生活保護を受け政府より家を支給されている人達も同じく、子供の多い人は大きな家で暮らしています。保護を受けている身分とは到底思えません。

地域の新聞には不動産情報が3分の1占めています。

多くの人は家へのこだわりがとても強く、環境にあった家を選んでいます。
家に自分たちを合わせるのではなく、今の自分に家を合わせて・・・

小さな街に不動産屋が8軒、その訳が分かりました。

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くみ子のケンブリッジ便りNo03

- イギリスの夏 −

人はよく、「イギリスは5月、6月がよい」と言います。暑さにつよい私には7月かな・・・・。

さむくて陽が短かった冬がやっと過ぎ、5月に入ると、暖かい日がぐんと増え、花も木々も盛んに活動し始め、すがすがしい気分になってきます。

6月になると、夏らしい日が多くなり、人々の気分は一気に夏。朝は4半時頃には明るくなり、夜暗くなるのは10時頃。日本人には肌寒い日でも、イギリス人は半そでやタンクトップを着て日光を補給しています。

イギリスの7月は日本人にとっても「夏」と言う感じ。

日中は25度から27度くらい、暑い日では30度の日もありますが、それも、ひと夏に数日。暗くなると気温も下がり、暑い夜は少なく、夜、窓を開けたまま寝る日は数日でしょうか・・・。この時期はヨーロッパ特有の、急に冷え込むこともなく、夏のおしゃれが楽しめます。

夏なのに蚊の心配がいらない!!イギリスでは蚊を見かけることととはあっても、1度も刺されたことはありません。雨が降っても、基本的にカラッとしているので、蒸し暑さはなく(日本人には)、クーラーがある家もありません。

イギリスの夏は最高の季節。この季節を体験すれば、寒い冬も耐えられる・・・・・。

私が今回イギリスに来て初めて知ったのが海でした。

ここの海は広くて大きい。水もきれい。
日本の海とは全く違います。アメリカの海とも・・・。
砂利の浜で、すぐに深くなる海もあれば、遠浅のビーチで潮がひくと、1キロ以上ず〜と水が引いてしまうビーチや、広大な砂浜に川ができてしまうビーチもあります。
潮の満ち引きで、海岸は大きく様子を変えます。
潮が引いた時に見られる風景は、口では言い表せないほど広大で、日本の海を海だと思って育ってきた私には、何度見ても、その不思議な光景に信じられない驚きがあります。

泳ぐ人もいますが、子供は基本的には浜で遊んでいます。何と言っても水は冷たく、風は強く、海でざっぷり泳ぐとなるとかなりの勇気が・・・・子供が波打ち際で戯れるのが良いところ。それでもちょっとでも日が陰ると青くなっている姿をよく見かけました。

なので、砂浜でサンド・キャッスル(Sand Castle砂のお城)を作ったり、大きな穴を掘ってみたり、水路を作ったりしています。こちらのバケツはキャッスル型バケツが多く、子供のシャベル(イギリス人はスペードと呼んでいます)は柄の長い物も多く、深く掘りやすくできています。

ビーチによってはレストランやホテルが近いところもありますが、海に囲まれたこの島国には、何もない海岸ばかりという感じ。夏だけオープンする日本の海の家のようなものはなく、あるとしたらアイスクリーム屋さんがバンの車で売りに来るくらい。多くの人はピクニック(サンドイッチなどお弁当)を持参してきます。

Cliff(クリフ)と言って垂直に立ったたか〜い崖が長く続いているビーチもあります。崖は白かったり、茶色かったり。崖の下を歩いたり、砂利の浜を散歩したり、小さい子は水着で浜遊び、大人は日光浴。また、崖に登り、崖のふちを歩くこともできます。でも、崖には、柵など一切ありません。かなりの強風が吹いています。危険覚悟で、そのへりまでいくこともできます。日本では考えられない緊張感です。

そしてFossil Hunting (化石掘り)などでも楽しめます。崖には何億年も前の化石(貝殻・葉っぱ・魚・サメの歯・恐竜の化石等など)が多く見つかることもあるので、Fossil Huntingも楽しみの1つです。6歳の息子は恐竜が好きで、何度も一緒に恐竜の化石探しに出かけました。さすがに恐竜は見つかりませんが、貝や、きれいな石は見つけられます。化石発掘ツアーもあります。

また、バードウォッチングにも適しています。浜にいる鳥のほか、崖にいる鳥、海とつながっているSalt Marsh(湿原)も広大で、いろんな鳥が見られます。海岸沿いや湿原の中を歩きながら観察する人たちも大勢います。

潮の満ち引きだけでなく、さまざまな形の海があるので、楽しみ方もいっぱい。日光浴が好きなイギリス人なので、赤ちゃんからお年寄りまで海にやってきます。

私たち親子の1番の楽しみにCrabbing (カニ釣り)があります。
桟橋や船着き場、潮が引いているときでも残った水たまりで。
やり方は、糸もしくは網に錘とベーコンや魚をつけてたらす(投げる)だけ。1分から3分ほどおいて、水から引き上げると、カニがベーコンを食べているので、落ちないようにそ〜っと引き上げると言う簡単で超〜楽しいもの。

子供はもちろん、大人も夢中になって釣っています。多い時は、1時間で、50匹くらい簡単に釣れます。だれに聞いても、「食べない」と言うし、15センチ位の小さいカニがほとんどなので、最後には海に戻しますが、ああ、これで食べられたらもっと楽しいのになぁ。海の近くの街では、カニ釣り用の糸・錘・フック、網が売られています。日本でも試してみたいと思っています。

日本に比べて日差しがとても強く、私も子供も直ぐ黒くなります。でもイギリス人は赤くなるだけで直ぐにもとの白さへもどりますが・・・。

7月までは、夏を感じますが、8月に入るといきなり雨や寒い日が多くなり、急速に秋がやってくる感じがします。

8月後半にはリンゴも取れ始めます。あぁイギリスの夏は短い。

今日は9月6日。隣の家では暖炉に火を入れていました。

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くみ子のケンブリッジ便りNo04

- 質素、堅実そして奉仕精神 −

イギリス人は堅実、また、ケチ、とも聞いたことととがあります。
こちらで住んでいて、ケチと感じたことはありませんが、堅実だなぁ、とはよく思います。
そして、基本的に物を捨てないと・・・。

そのひとつはスーパーのレジ袋です。スーパーでは、袋を要るかと聞かれます。ほとんどの人たちは家から持ってきているし、必要な人は、レジで、必ず「Sorry」と言ってもらっています。日本で暮らしていると紙袋やレジ袋がたまっていくと思いますが、ここではめったに入れてもらうことはありません。プレゼント用のラッピングは、丁寧に自分でします。基本的にお店がそういうサービスをしていません。

買い物には、買い物リスト&ペン持参で来る人も多く、スーパーのカートにはリストを挟めるパッドが付いています。カートへ入れたものにはペンでチェックを入れています。

すっごく驚いたことは、この国の人たちは、食器を洗う際に、ゆすがないと言うことととです。
バケツ(?)に熱いお湯と洗剤を入れ、どんどん洗うものを入れていきます。そしてどんどん洗っていって、ゆすがないで立てかけていきます。これで終わりです。ゆすがないんです。洗剤がついて汚れたお湯で洗っているのにゆすがないんです。ビックリでした。

家庭でも、くず入れの数が少ない。あるはキッチンぐらいでしょうか?基本的にゴミ箱を置かなければ、ゴミ箱を買わないで済むし、遠くまで捨てに行くのが面倒になるのでゴミを出さないように考えます。日本では、たいてい各部屋に1つは置いてあるティッシュも、お店では売っていますが、日本のようには安くないし、家では、頻繁には使いません。

アンティークショップ
イギリスに来る前のイメージは、丁寧に使い込んでいて、美しいから、お店で売られているくらいに考えていましたが、今ではそうではないと確信しています。作るときも、買うときも、捨てることは想定していない。要らなくなった物は、捨てるのではなく、売るもしくはあげるかです。

 

日本で言うならばヤフーオークションが、ここではeBayです。インターネットで物を売ったり買ったりするところで、こちらではとても浸透していて、ありとあらゆるものが出品されていています。商売で新品の物を売ってもいますが、一般人が不要になった中古の物を出して売っています。とってもたくさん。日本ではなんでも新品と中古の金額の差が激しいですが、ここはあまり中古にこだわっていせいか、中古でも良い値段で取引されていきます。定価よりは安いかなと言うくらいの値段です。

チャリティーショップ
また、街を歩くと、チャリティーショップを良く目にします。見かけは普通のお店。洋服や雑貨、本など、値札がついて売っている。でも売っているものは全て要らなくなったチャリティー(寄付品)か、FAIR TRAIDE品です。FAIR TRAIDEとは、発展途上国の人たちの技術向上と収入Upのためのボランティア活動です。現地の人たちは、ボランティアスタッフから指導をうけ、技術を身につけ、そして、作った商品を先進国で販売して収入を得られるようにする活動です。

こちらに住んで、最初の1ヶ月程は、これらの店は普通の営利目的の店だと思っていました。それもかなりイケていない・・・。ある日、友人から、チャリティーの品を売っている店だと聞きびっくりしました。イケていない理由も分かりました。そして、入ってみてまたびっくり。こんなものに値段を付けて売っていいのか?と思うような使い古したものまで売っているんです。だれが買うのかとほんとうにびっくりしました。かけたお皿なんてざら、本、雑貨、おもちゃ、靴、着古も多く、ジャケットからブラジャー、まで売っています。

もちろん値段は定価よりは安いものがほとんどですが、定価も何も、かなり使い込んだものがほとんど。なかには普通の店でセールになっている新品の物の方が安かったりもします。

でも、たまに掘り出し物があったり、新品だったり。または、アンティークショップの人が買いつけると言う話も聞くくらい、骨董品的な物もあります。今時こんなものはもう買えないなぁ、なんていうような昔のものが手に入ったりもします。廃版になった本やマニアックな物など欲しい人にはかなり嬉しいものも見つかり、安く手に入る時があります。

初めは、こんな使い古し売って信じられない、と思っていましたが、ここで暮らしているうちに感覚が変わってきました。チャリティーショップはとてもいいんです。目的がなくてもあっても、店をのぞくようになり、いろいろ分かってきました。お店で働いている人も全てボランティア(無報酬)。

商品は、寄付で持ち込まれた物で、誰とも分からない人が、要らなくなったり、使えなくなったりしたものをビニール袋等に入れてレジに渡すだけ、閉店時間だったらドアの前に置いていくだけ。日本の中古品店とは違います。

もちろん持ち込んだからといってお金はもらえません。お金どころか、お店の外に置いてく時は誰からも「ありがとう」も言ってもらえません。持ち込まれた品物にお店の人が値段をつけて売る。売り上げを奉仕活動に役立てる。そして良く売れていると思います。

そしてチャリティーショップが盛んであるもう一つの理由は、「施しの精神」だと思います。
こんなものでも買うんですか?お金出しちゃうんですか?の場合でも、このお金が施しになることを良く理解しているから、高いとか無駄とか思わず、買っていくんだと思います。寄付の機会はとても多く、小さな金額ですが大勢の人が寄付しています。ぜいたくしていなくても寄付はします。

チャリティーショップの売り上げは、お店によって異なりますが、例えば、最初にできたチャリティーショップのOxfamはパキスタンへの支援をしています。今では世界中に何軒ものチャリティーショップがあります。イギリスでは人気で、どこの町にもあります。このイーリーでさえ5軒もあります。

イギリス人は堅実ではあるけれどケチだと思わない理由は、目的がぶれていないと感じるからです。お金があるからお金を使うのではなく、必要な物にお金を払う。必要だと感じなければお金があっても使わない。

物があふれている日本から来た私は、考えさせられることが多いです。
何が必要で、また、必要でないか・・・。

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くみ子のケンブリッジ便りNo05

- イギリス人の食生活 −

食べることは二の次。味は三の次。

世界的に、イギリスの食事はまずいと定評があります。その訳は・・・食に関心がない〜ぃ!

多くのイギリス人は、食事が大切だと言うことを知らないようです。今、彼らが必要なのは、味覚ではなく「食育」だと思います。

年配の人とごく一部の人達を除き、ほとんどのイギリス人にとって、食べ物とは、お腹がすくから目の前の物を食べる。エネルギーを補給するために、エネルギーの元となる物を簡単に補給する。そして、それが甘ければ甘いほどうれしい。こんな感じです。

イギリスの食事がまずいとか、料理が下手とかの話ではなく、生活の中で、母親が家庭で料理をするという工程がないのです。食事の用意はしますが、料理はしません。日常の暮らしの中に、料理をするという発想がないのです。

古くさかのぼると…食べ物より信仰心が大事と考えられていました。聖書にあるイエスの言葉、「人はパンのみに生きるにあらず。神の口から出る言葉によって生きる」を実践しているとか・・・。昔は、
朝はパンと果物、ヨーグルト
昼はサンドイッチと果物
夕食は・・・?
基本はジャガイモ。ジャガイモは、日本人に例えると白米です。茹でたりオーブンで1時間ほど焼いたり・・・。定番はジャガイモとソーセージ(かなり太くオーブンで焼きます)、あるいはベイクドビーンズ(豆のトマト煮)をかけたり・・・。にんじんも茹でもしますが、生でそのまま、何もつけずに食べます。

バリエーションは少なく、たまにハム、チキンやポーク等の肉をたべます。基本、塩コショウ以外の味はつけません。年に数回、パイやローストミートのような手の込んだ料理もしていたようですが、毎日こんな感じなので、食事に楽しみがなく、生きるために食べている感じです。

イギリス人が日常的に口にする、唯一健康的な食べ物と言うと、ジャガイモ、にんじん、それとリンゴでしょうか。チップス(フライドポテトの事)は油で揚げているので除きますが、ベイクドや茹でたもの。にんじんは小さな子供も、生で食べます。リンゴは皮ごと、芯まで食べる人も珍しくありません。イギリスで、もっとも美味しい食べ物の一つが、このジャガイモとにんじんだと私は思っています

質素なことは悪いことではないし、昔は健康を害すこともなかったと思います。でも、最近は違います。

最近では、たくさんの種類の冷凍食品や温めるだけの食品が、簡単に、それも作るよりはるかに安く出回っています。親も子供も皆、味気のない食事よりもバラエティーに富んで美味しい(?)冷凍食品を食べるようになってしまったんです。

イギリス定番のフィッシュ&チップス、ミートパイやローストミートにソーセージ。ピザやパスタ、中華にアラビック、そしてインド料理。全てオーブン1つでできる食品がいっぱい売られています。オーブンに冷凍食品を入れ温めるだけです。

それに加え、男性も女性も子供も、みんな甘いものが大好きです。食事の合間、食事の後、食事の代わりに甘いものを食べます。給食にももちろんデザートがつきます。

健康のことを考えて、体に良い食事を工夫して作る親はほとんどいないのです。家では、朝はトーストかシリアル、昼や夜は、毎日、冷凍食品やサンドイッチ。料理をしないだけでなく、子供が好き嫌いをしていても一向に気にしません。食べないからと言って無理に食べさせることもしません。子供も大人も新しいもの、珍しいものにはあまり手をつけません。

「栄養素」など宇宙語のようなものです。親が食に無関心なため、子供たちも健康的な食事が大切だとは分からないまま大人になっていくんです。イギリスが肥満大国になった訳も分かります。

5年ほど前、イギリス人の若手カリスマシェフ、ジェイミー・オリバーが、料理をしない親からひどい食事を出されて育てられた結果、ファーストフードばかり食べるようになってしまったイギリスの子供たちを救おうと、学校給食の改善に奔走し大きな話題となりました。

家でろくでもないものばかり食べさせられている子供に、せめて学校給食だけは・・・と、給食の充実を図り、同時に食育を進めきました。これはイギリス中で大きな反響を呼んだそうです。

その結果、学校給食の質は上がったかもしれませんが、今ではイギリス中のほとんどの母親は、子供は学校で調理した暖かいSchool Dinner (給食のことで、イギリス人はランチのことをDinnerと言います)を食べてきているので、家では料理しなくても良いと思っています。逆効果だったんでしょうか?学校でも、先生が子供達の好き嫌いを正すことはしませし、残しても好きなものだけ食べていても気にもしません。

質素な食事が良いとされていたから、食の文化が発達しなかった。
まずいと言うより、美味しくない。
美味しくないから関心が持てない。
日本の様に食を楽しむ文化はありません。
食事はお腹を満たすためで、味を楽しむものではないんです。

また、何でも形式にこだわるイギリス人。
パーティーでは、たいてい少しのおつまみしか用意されていません。でもだれもが、がっつくことなく優雅に楽しんでいます。イギリス人は、味覚でなく視覚や形式を優先し、食でなく、会話や雰囲気を楽しんでいるのです。

初めのころは、彼らの食事への無頓着さに、いく度もビックリさせられました。よく日本人はウサギ小屋に住んでいると言われます。狭くて味気のない家の例えです。

食にこだわり家に無神経な日本人と、家にこだわり食に無頓着なイギリス人。
彼らからすると、家にこだわらない日本人が信じられないと思うに違いありません。

いろいろ言いましたが、美味しいものもたくさんあります。次回はイギリスの美味しい食べ物を紹介したいと思います。

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くみ子のケンブリッジ便りNo06

- イギリスと言えば、紅茶とスコーン! −

紅茶の国イギリス、確かに、イギリスで飲む紅茶はおいしい。

紅茶の国と言っても、とくに種類が多いわけではありません。一般的には、ブレックファースト、ダージリン、アールグレイ、レィディーグレーが知られています。あと、イギリスっぽいといえばジンジャーティーでしょうか。紅茶の会社も、格別たくさんあるわけでもありません。加えて、高級な紅茶ばかり飲んでいるのでもありません。それにしても、紅茶はよく飲まれています。

濃いめか、薄めか・・・ミルク(牛乳)の量も、人それぞれ好みがはっきりしています。ミルクを入れない人もいますが、ほとんどの人は入れて飲んでいます。

何といっても、牛乳の消費量がすごい! スーパーの牛乳売り場の敷地も広い! プラスティックの持ち手がついたポット(Pot)型が主流で、500cc、1リットル、2リットル、3リットルとあり、普通に2本は買っていきます。また、それを冷凍しておくのも一般的らしいのです。牛乳を冷凍すると聞いた時には、本当にびっくりしました。

紅茶に牛乳。ぜったいに牛乳を切らしたくないんですね・・・。

今、書きながら気づいたこと・・・イギリスで、紅茶にレモンを入れている人は、今まで一度もお目にかかったことがありません。紅茶と一緒にレモンがおいてあることもありません。紅茶にレモンとは・・・どこの国の飲み物なのでしょう?

話がずれましたが・・・確かに、紅茶はおいしいです。イギリスの硬水にとても合った飲み物なんですね。

日本に、喫茶店があるように、こちらにはTea Roomがあります。とくに観光地にはTea Roomがいっぱいです。そして、このTea Roomになくてはならないおきまりの一品は・・・Cream Tea。クリーム・ティーとは、紅茶とスコーンのセットのことです。スコーンにはクロテッドクリームとジャムをつけていただきます。
クロテッドとは、“固まった”と言う意味で、イギリス南部の名産品。乳脂肪は60%程(生クリームは40%、バターは80%)。甘さはほとんどなく意外とさっぱりしています。甘さひかえめのスコーンにクロテッドクリーム、その上に甘いジャム。とくにイチゴジャムとの相性はバッチリです。

紅茶とスコーンは、穏やかで温かい気持ちにさせてくれます。

CA現役時代、ロンドンに来た際には、必ずといってよい程、アフタヌーン・ティーをし、スコーンを食べていました。アフタヌーン・ティーは、午後3頃から5時頃に、紅茶と一緒にスコーンやサンドイッチ、小さめのペストリーと一緒にいただきます。時には、ストロベリーやシャンペンと一緒に楽しむことも・・・。こんな時間に、こんなにたくさんの甘いものを食べるなんて・・・。

CAの先輩から、
「アフタヌーン・ティーは、昔の時代、夕食が8時や9時まで食べられなかった頃、お腹がすいて待ち切れなかった侯爵夫人が、レィディーたちを招いてティーをしたのが始まりで、上流階級に広まったのよ」
と聞いたことがありました。

ホテルでアフタヌーン・ティー。その時代の夫人たちを思い描き、スコーンと紅茶のおいしさに包まれて、とても優雅な気持ちに浸れたのを思い出します。

クリーム・ティーやアフタヌーン・ティー、そして、スコーンにクロテッドクリームとジャム。私は、これはイギリス人のおやつみたいなもので、とても普通のことだと、初めてスコーンを食べた時からずーっと思っていました。でも、イギリスで暮らし始め、「スコーンはお菓子」と言う考えに、疑問がわき始めました。
第一に、クロテッドクリームはどこにでも売っているという物ではなく、あったとしても1種類
第二に、いろいろな場面で、スコーンがあっても、クリームやジャムが出てこない。
イギリス人の友人に聞いたところ・・・どうやらスコーンとは、お菓子ではなく、パンを食べる感覚なのでした。

もともとスコットランド生まれのスコーン、ゲール語で、「口をいっぱいにあけて食べる」という意味。お菓子ではなくパンの一種で、パンがイースト菌を使っているのに対し、スコーンは時間がかからないベーキングパウダーや重曹を入れて作ります。簡単にできるパンとして、イギリス中に広まっていったようです。

作り方は、小麦粉、ベーキングパウダー、重曹、砂糖にバター、好みによってレーズンやベリー等のドライフルーツ、またはチーズを入れて焼くのが定番。大胆に混ぜて平らに伸ばした後、ナイフで三角形や四角に切ったり、丸く型抜きしたりします。私の友人などは、マグカップで丸く型抜きをしています。とても大雑把。オーブンで焼き、2つにスライスして、バターをつけて食べたり、つけなかったり。甘さはほとんどありませんが、焼き上がりは、外はサクッとして、中はホクホク。まさに家庭の味です。そして、確かにパンの部類なのでした。

今では、アフタヌーン・ティーは、ホテルや高級なティー・ルームだけでのもの。何といっても観光客に人気のメニューです。そして、イギリス人にとって、ティー・ルームでクリーム・ティーはちょっとしたスペシャルなことなのです。

日本へ戻ったとき、“とても恋しくなるだろうなぁ”と思うのが、おいしい紅茶でいただくクリーム・ティーでしょう。

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くみ子のケンブリッジ便りNo07

- ジャガイモがおいしい! −

イギリス人の主食はジャガイモです。
日本のお米がおいしいように、イギリスのジャガイモは本当に美味しい!

たかがジャガイモですが、何ともおいしい!
さすが主食です。

日本人が食事の際、おかずとご飯を食べるように、イギリス人はおかずとジャガイモを食べます。例えば、お肉の横にジャガイモが添えてあるとすると、日本人は付け合わせのジャガイモをおかずと考え、別にご飯かパンを食べます。イギリス人の場合、お肉の横にあるジャガイモはおかずでなく、主食なのです。それはローストしたものだったり、茹でたものだったり、さらには、フライ、マッシュ、ベイクドと料理の仕方はいろいろです。

ジャガイモがあればパンなどとは一緒に食べません。
イギリスで生活をはじめた当時、パンやご飯を食べない食事は、何かもの足りない気がしましたが、今では、ジャガイモが主食でも収まるようになりました。

お肉と一緒に、ソテーしたジャガイモ、黄金色で何ともなめらか・・・。
ボイルしただけのものも、しっとりとして上品な味わいです。
定番の“ジャケットポテト”は、丸ごとオーブンで1時間半ほどローストし、ベイクドビーンズ(豆のトマト煮)をかけたり、チーズをかけたり、と手軽な一品料理です。日本で言うならどんぶりご飯の感覚でしょうか?

チップス(フライトポテトのこと)も、日本に比べるとしっとりしておいしいです。ファーストフード的存在で、塩とビネガー(お酢)をかけて食べます。

“マッシュドポテト”もとってもクリーミーです。

日本のお米にいろいろ品種があるように、イギリスのジャガイモにもたくさん品種があるんです。
ロースト、ベイクド、ボイルド、ソテー、マッシュなど、用途に合わせて選びます。

用途を間違えると、おいしいものも・・・・・・先日家に残っていたベイクド用のジャガイモをおみそ汁に使ったところ、食べるころには、サイの目に切ったはずのジャガイモは、皆ドロドロに溶けてしまい、下に沈んでいました。

用途を間違えなければ、ジャガイモのおいしさは世界一だと思います。

大きさや皮の色など品種はたくさん。スーパーでは、ジャガイモだけで常に20種類ほど並んでいます。ジャガイモといえども、きめが細かくとても繊細な味で、日本から来た人たちは、そのおいしさにびっくりしています。タイ米を食べていた人が、日本に来てコシヒカリの新米を食べた感じですね!

もう1つおいしいものがあります。人参です。
生で食べる人参がとってもおいしい。
クセやにおいも少なく、ポキポキ食べられます。

野菜嫌いな子供も、ジャガイモと人参だけは食べられます。人参が食べられない子供はほとんどいません。
ピーターラビットのイラストを思い浮かべて下さい。子供も大人も何もつけずポキポキ食べます。
ランチボックスにも人参スティック。
もちろんディップがあればなおさらイイ!
そこでお勧めなのがハモス(Hummus)です。

ハモスとは、ひよこ豆の水煮にごまペーストやオリーブオイル、ガーリックペーストの他に、好みによってコリアンダーやオニオン、パプリカなどを入れてミキサーでペースト状に混ぜたものです。
野菜のディップ(Dip)としてだけでなく、サンドイッチにも。

どこのスーパーでもいろいろのテイストをとり揃えています。 こんなにおいしく体にもよさそう、見た目もおしゃれで、パーティーにはもってこいのディップ。 ここに来て初めて知りました。


しかしハモスはイギリス料理ではありません。中近東から来たものです。 でも、美味しいイギリスの人参を一層おいしくしています。

ジャガイモと人参は、イギリスが世界に誇れる農産物です。

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くみ子のケンブリッジ便りNo08

- ヨークシャープディング −

イギリスが世界に誇れる料理 ― それは Yorkshire Puddingヨークシャープディング!

ヨークシャープディングとローストビーフ
これぞ、イギリスの伝統料理!

ローストビーフには、ヨークシャープディングを添え、野菜と一緒にいただきます。たっぷりのグレービーソースと薬味のホースラディッシュ。このグレービーソースで食べるヨークシャープディングは、肉よりも楽しみ、と言っても過言ではありません。

ヨークシャープディングとは、見た目も感触もシュークリームの皮のようなものが一般的です。お菓子のような名前なので、デザートかと勘違いしそうです。シュークリームの皮から甘さをとり除き、リッチにしたパンの代わりのようなものです。

本来は、ローストした肉から出た肉汁を、熱くした大きな焼き型に入れ、小麦粉、卵、塩、牛乳を混ぜたものを流し込み、オーブンで焼きあげるものです。食べる際に、1人1人切り分けて出していたそうです。今では、マフィン型が主流で、シュークリームの真ん中がへこんだ形をしています。

肉汁でなければ、ラード、サラダオイル、バターを代用して作ることができます。
ローストビーフにかけるグレービーソースも、肉汁から作ります。

ローストビーフは、イギリスでは、伝統的な日曜のお昼の食事(サンデーロースト)です。今ではローストする肉の種類も、牛肉の他、豚、ラム、鶏などがあります。サンデーローストは日曜日のお昼、パブやホテルの人気メニューです。

むかし、領主が農民たちの1週間の労を労って、日曜日の教会のあと、雄牛一頭丸ごとローストし、エール(ビール)と一緒にふるまったことがサンデーローストの始まりとされています。それが、上流階級に広まっていったようです。残った多くの肉は、1週間くらい、サンドイッチや、コールドミートとして食べていたそうです。


そして、肉をたくさん食べられなかった庶民家庭では、ローストビーフを食べる前に、お腹を膨らますために食べたのがヨークシャープディングで、イギリスの伝統家庭料理になっています。肉汁が入っているので、肉を味わった気にもなれるのでしょう。

日本人の感覚では、ローストビーフは高級な料理となっています。私も、庶民の食べものというより、とても高級な感じがしていました。そして、ヨークシャープディングは、ローストビーフの付け合わせ料理だと思っていました。

ところが、さすが本場イギリス。ヨークシャープディングのいろいろな食べ方がありました。

焼きあげた大きなヨークシャープディングの中に、牛肉や鶏の煮込みを入れたもの。

 

 

 

ヨークシャープディングの生地に、イギリス人が大好きな焼いたソーセージが入っている”Toad in the hole“。

 

 

最近、ローストビーフのヨークシャープディング巻きをパブで食べました。やはり、グレービーソースとホースラディッシュが一緒に出てきておいしかったです。これは新メニューですね。

友人のお母さんは自分で焼いていると聞き、私も作ってみたくなりました。今いる賃貸は家具付きで、オーブンの中には、小ぶりの丸と、大きな長方形のヨークシャープディングの焼き型が入っていました。

レシピを見ると、とても簡単そう。

せっかく焼き型もあるので、バターをたっぷり敷いて、ヨークシャープディングを作ってみました。
ビーフの煮込みをかけて、とても美味しい!!寒い冬にピッタリです。
スッゴク簡単!早い!そしてスッゴクおいしい!失敗もなく上手に焼けました。

こちらのスーパーでは、小さいサイズから大きなサイズ、丸や長方形といろいろな種類のヨークシャープディングが売られています。日本では買えないと思うので、ぜひ作ってみて下さい。
You Tubeで“Yorkshire Pudding”と入れるとたくさん作り方が出てきます。

こちらのローストビーフは、日本の肉とは違い、とても淡泊です。値段も比較にならないほど安いですが、味も比較になりません。
もうすぐクリスマス、日本のおいしいビーフで、ローストビーフとヨークシャープディング。
ぜひお試しを!  2010.12

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くみ子のケンブリッジ便りNo09

- Elyのクリスマス −

イギリス人にとってクリスマスは、日本人のお正月のようなもの。意味合いは全く違いますが、仕事も、学校も、お店も、お休みで、家族で過ごす期間です。

イエス・キリストの誕生を祝うこの日にむけて、イベントもたくさんあります。コンサート、パーティー、子供たちの発表会なるクリスマス・プロダクションも、キリストにちなんだものです。
クリスマス当日だけでなく、この時期は多くの場面で、キリストの誕生に触れることができるので、子供達は知識だけでなく、自然と体感していっています。

街では、11月も半ばに入ると、商店をはじめとして、だんだんとクリスマスの準備が始まっていきます。プレゼント、ツリー、キャンドル、クリスマスカードにラッピング用品、ターキーを焼くためのキッチン用品等など、お店もにぎやかになってきます。

クリスマスに向かう子供の気持ちを、さらに高めるのが、Advent Calendarです。

Adventとは、キリストの降誕を待ち望む期間のことです。クリスマス前の4週間を「Advent待降節(たいこうせつ)」と呼んでいます。クリスマスまで1日1枚ずつ窓をめくり、あと何日でクリスマス、今日がその日だと知るためのカレンダーです。巷では、12月1日からめくり始める子供向けのものが売られます。窓の中に小さなチョコレートが入って、毎朝起きると、その日の窓をめくりチョコを食べて、クリスマスまで何日かを確認していくと言う、おいしく楽しいカレンダーです。

そして11月の末から、街はクリスマスムードに包まれます。

Elyのマーケットには、毎年、大きなモミの木(本物です)が立てれ、クリスマスツリーのデコレーションがなされ、通りにもクリスマスのイルミネーションライトが飾られます。11月の最後の金曜日の6時半に、一斉にライトが灯されるイベントです。大がかりなステージでは、大人も子供も、クリスマスキャロルやバレエを披露します。そこには移動遊園地も登場します。観覧車や高か〜くて、長〜い滑り台、そして、おもちゃ屋、ミンスパイ等、クリスマスの時期のスイートを売っている屋台などで、街は大賑わいします。この時期、どこのイベント会場でも、Father Christmas's grotto(ファーザー・クリスマスズ・グロットゥ)が出現します。ちなみに、イギリスでは、“サンタクロース”とは言わず“ファーザー・クリスマス”と言います。農耕の神様がその起源と言われています。サンタクロースは北欧から来た名前ですね。

このグロットゥ、2ポンドほど払って、子供だけが中に入ると、ファーザー・クリスマスなるサンタクロースが座っています。もちろんファーザー・クリスマスの格好をしたおじさんがいる、ということですが・・・子供が1人ずつ小屋に入り、ファーザー・クリスマスに、欲しいプレゼントは何かなどを話すそうです。そして、ファーザー・クリスマスにプレゼント(2ポンド相当です)をもらい出てくる・・・。そして、次の子供がまた入って行く。たいていはものすごい列になっています。親が、後から、子供は何を欲しいと言ったかなどと聞ける訳でもなく、本物のファーザー・クリスマスだとは、子供も思っていないようだし、不思議な習慣ですよね・・・。

この頃から、街頭では募金が盛んに行われています。

かなりこぢんまりとぽつんと募金活動をしている人もいれば、大勢でやってくる人たちも・・・。
多くの学校では、20〜30人ほどの生徒と先生が街に出かけ、街頭で歌を歌い、数人の生徒が募金箱を持って回ります。ボランティアの大人や青年の聖歌隊グループも街頭に立ちます。集めたお金は病院や恵まれない子供たちに寄付します。

うちの息子は6歳ですが、学校の生徒20人程で、老人ホームに慰問へ出かけ、歌を歌ってきました。小さな子でも何らかの形でボランティアに参加し、博愛の精神を強めています。

Elyのクリスマスと言えば、それは大聖堂のクリスマスツリーでしょう。

20メートルほどの大きな、大きなモミの木(これも本物なのです)が運び込まれます。そして、イルミネーションや飾りが施され、その大きさと美しさは一生忘れられません。このツリーの下で、コンサートや、クリスマスの時期のService(ミサ)が行われます。

今日12月19日は大聖堂へ、Girl’s Chorister(聖歌隊)のCarol Serviceを聞きに行ってきました。大聖堂に響き美しい声はきれいな気持ちにさせてくれます。

子供達にはクリスティングル(Christingle)というミサ(Service)があります(宗派によって異なりますが)。


オレンジにローソクと4本のドライフルーツやお菓子を刺して神に感謝します。オレンジは地球、真ん中に引く赤いテープはキリスト(神様)の血の色、そして世界を結ぶ、フルーツは神様がくれた四季と果物の恵み、そしてローソクは神様がくれた光を意味します。明りを消し闇に包まれた教会などで、このローソクに火を灯し、神様が下さった光に感謝する・・・美しいだけでなく、子供にはうれしいこの4本のスイート。式が終わった頃には、どの子供の串も食べられてしまっています。

 

クリスマス当日はもちろん、この時期はどこもかしこもミンスパイです。クリスマスの挨拶に行くと、ミンスパイでもてなします。ミンスと言う名前からも分かるように、昔は、肉の入ったパイだったそうですが、今はドライフルーツを甘く煮たものが入った小さなパイがほとんどです。アイスクリームや生クリームを添えて食べると、さらにおいしくなります。

 

しかし、何と言っても、子供たちの楽しみはクリスマスプレゼント。家庭では大きなツリーを飾り、クリスマスカード(年賀状とは違いクリスマスカードは何日も前に送るのが普通です)を並べ、ツリーの下には家族や友達からのプレゼントが置かれていきます。プレゼントを横目に見ながら25日が来るのを待ち望んでいます。  2010.12

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くみ子のケンブリッジ便りNo10

- Elyのクリスマス 続き−

Elyで迎えるクリスマスは2年目。1年前の冬は、イギリス人も記憶にないと言うほど寒いものでした。私たちにとっては初めての冬。なんとか耐えてはいたものの、子供と2人で風邪をひいて、思うように行動できず、家にこもっていた記憶があります。この冬は、心構えもでき、体調もイギリスの気候に慣れましたが、1年前の冬をさらに上をいく寒さ。息子も1週間熱にうなされ、そのため参加できないイベントもありました。なんとかクリスマス・イブには回復し、クリスマスは楽しむことができました。こちらは、とにかく寒いです。

一般的に、クリスマス当日は、午前中、家族で教会へ行きます。出かける前にオーブンにターキーを入れ、1時間ほどのService(ミサ)に参列します。ターキーは、教会から戻った頃に焼き上がり、みんなでお昼にごちそうをいただくという流れだそうです。そしてエリザベス女王の挨拶をTVで見る!?

このごちそうをクリスマス・ディナー(お昼ですが)と呼び、伝統的にはターキーを食べ、デザートにはクリスマスプディングといってドライフルーツの詰まったケーキを食べます。

ターキーはとても淡泊な肉で、ローストする際にベーコンを巻いたり、中にひき肉(こちらで言うソーセージです)やベリーなど入れたりして焼きます。ターキーと一緒に、ポテト、パースニップ(Parsnip白ニンジンの様な野菜)、スプラウト(Sprouts芽キャベツ)を付け合わせに食べます。大きな茎に芽キャベツがごっそりくっつき、クリスマス・ディナーといえばスプラウトと言うくらいクリスマスの定番です。

クリスマス・プディング(ケーキ)は、スーパー等で買う人が多いのですが、自分で作る人は、10月頃に、お酒に漬けたドライフルーツを使って、ケーキを蒸し焼きにし、クリスマスまでたまにブランデーなどをかけ続け熟成させるそうです。

当日はこれを再び蒸して温め、その上からブランデーをかけ、さらに火をつけて、ブランデー・クリーム(固めの生クリームにブランデーが入ったもの)等を添えていただきます。お酒も味もギュッと詰まったヘビーなものなので、うちの子供はあまり好みませんが、想像していたよりおいしいものでした。数ヶ月間熟成させたものがおいしいとされ、高級店では、何年も前に作られたものも売っているそうです。また、クリスマスに、このケーキを食べ終わったら、来年のケーキを作り始める家庭もあるそうです。

そして、クリスマスプディングは運勢を占うケーキとして作ることもあります。作る際にケーキの中に、コイン(お金持ちになれる)、ボタン(一生独身)、指輪(早く結婚できる)を入れ、切り分けられたケーキの中に何が入っているかで占うそうです。

ターキーはたいてい丸ごと焼きます、そして残るもの・・・。夕飯はターキーサンドイッチ、次の日もターキーとポテトなどなど・・・なくなるまで続きます。イギリスの友人たちに、ターキーは好きかと聞くと、大好きだと言う人はあまりいません。クリスマスだから・・・と、ほとんどの人は言っていました。日本のおせちと一緒ですね。

お正月の天皇挨拶のように、こちらでは女王のクリスマス挨拶が流れます。今年は、2012年のロンドン・オリンピックを踏まえた、「スポーツは共同体を結束させる手段として高く評価されるべき」という趣旨でした。

クリスマス・イブ頃から、多くの人たちは休暇に入ります。クリスマスDayの25日、続くボクシングDay(祭日)26日を休むだけの人もいれば、新年まで長く休む人もいます。12月24日のイブは、ほとんどのオフィスやお店は通常より早い時間にしまり、25,26日は閉まっています。

日本では、暮れには、お節料理の準備や買い出しで忙しいように、こちらでもプレゼントを買ったり、ターキーを買ったり、パーティーの準備をしたりと、1年で一番盛り上がる時期です。みんなすごい勢いで買い物をしています。子供はもちろん、夫婦、おじいちゃん、おばあちゃん、大勢で贈り合います。

この時期は旅行に出かけたり、パーティーに出たりすることも多いですが、いずれも家族が基本です。日本ではカップルで過ごすことも多いと思いますが、こちらでは恋人たちも彼の家で、または彼女に家でクリスマスを祝います。結婚していると、今日はダンナさんの実家、明日は奥さんの実家へとか、去年は奥さんの実家へ行ったから、今年はダンナさんの実家へいくとか・・・日本のお正月のようです。

クリスマス・イブの日、私たちはとなりのイギリス人の家に招かれ、イギリスのクリスマスを楽しんできました。両親、兄弟が集まりみんなで、ターキー(七面鳥)ではなくグース(ガチョウ)を食べてきました。

グースを丸ごとローストすること3時間半。生まれて初めて食べたグースは、合鴨と似た味がしました。白い肉で淡泊なターキーとは違い、濃い色をした個性のある肉でおいしかったです。イギリスでもグースは一般的ではありませんが、この時期は街で見かけることがあります。グースの他には、キジも見かけます。キジは大きく見える鳥ですが、羽をむしられて売っている姿はとても小さいです。ニワトリの4分の1くらいでしょうか。今度試してみたいと思っています。

イギリスのクリスマス・パーティーで私のお気に入りは・・・クリスマス・クラッカー。日本でクラッカーと言えばパン、パンと大きな音が鳴り、中からテープが飛び出します。こちらのクリスマス・クラッカーは音もしますが、中にはテープではなく、お楽しみプレゼントと王冠にジョークが入っています。中身の入っている本体部分を包装紙で包み、細長いキャンディーのような格好をしています。パーティーを始める際、両端を2人で引っ張り合い、ちぎると言うもの。パン、パンという音とプレゼントで、みんな大はしゃぎです。大人も子供も、紙の王冠をかぶりパーティーのスタートです。

お楽しみプレゼントはピンからキリまで。いくらのクラッカーを買うかによって違います。たいていクラッカーが6本程入っています。6本で99ペンス(130円位)のものからあります。安い物は小さなプラスチックのおもちゃと薄い紙の王冠にジョークや謎なぞの書いてある紙が入っています。10ポンド程(1300円程)出すと、厚紙の王冠と大人も楽しめる物、櫛(くし)やリップケース、ミニゲームなどが入っています。高いものでは宝石が入っている物があるそうです。

99ペンスでも、こどもは大満足です。包装も子供たち向けのかわいいものから、ゴージャスなものまであり、見た目もとっても華やかです。テーブルに並べると華やかな気分にしてくれ、クラッカーで盛り上げ、紙の王冠で気分もリッチ、そしてゲームなどで遊べる上、ジョークも聞けて話題に事欠かない。ちょっとしたしたことで、楽しみを大きくすることが、この国の人たちの良いところだと感心しています。

イブの日も、各教会では、昼間に子供を集めたService(ミサ)が行われ、Ely大聖堂でも、子供の聖歌隊が歌い、ドンキー(ロバ)も登場して、キリスト誕生にちなんだ子供劇等も行われました。大人向けのServiceは夜11時半頃からです。

この時期、この2日間で、みんなはいったい何回教会へ行くのかと、友人に聞いてみると、行く人は何回も行くし、行かない人は行かない、と言っていました。決まりはないようです。

マーケットや花屋さんでは、ヤドリギ(Mistletoe)という植物が切り花のようになって売っています。ヤドリギは乳白色の小さな実をつけ、その下でキスをすると幸せになれると言われています。ヤドリギを玄関の上につるし、クリスマスの挨拶に訪れる人たちをキスで迎え、みんなハッピーになると言う風習です。

我が家でもヤドリギをつるしてみました・・・が、キスをする風習がなかったぁ・・・。
ハーリーポッターの4巻目で、ハーリーとチョウがキスをしようとすると、上から植物が伸びてきますが、その意味が分かりました。

クリスマス当日を待ちに待っていた子供たち。朝起きて、クリスマスプレゼントを開けますが・・・ファーザー・クリスマス(サンタクロース)からも、プレゼントが来ているのか気になるところ。

イヴには、ファーザークリスマスとレインディア(Reindeerトナカイ)のために好物を置いておきます。好物はミンスパイと人参、そして水?ワイン?シェリー?飲み物は家庭によってまちまちですが、お父さんの好みで置かれるようです。朝にはなくなっていたり、かじってあったり、もちろん飲み物は空っぽに、お父さんはこのお仕事を忘れてはいけません。(右写真サンタとトナカイのためのお供えです)

クリスマスツリーはいつ片付けるのかな?イギリスでは、キリストの誕生を祝いに3人の博士が来て、キリストが人々の前に救い主とし姿を見せたとされる顕現日・1月6日に片付けると言われています。

2010年は12月22日が冬至。この日が1年で一番夜に長い日。この日を境に、日を追うごとに、昼が長くなっていきます。クリスマスは厳しい冬を楽しく乗り切ためのイベントとも言われています。クリスマス・キャロルも消え、パーティー気分は抜けたものの、気分は春に向かっています。2011.01

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塾長より

- イギリスの国名について−

正式な呼び名について

英国の正式な国名は、「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」
(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)です。欧米諸国間では、UK(United Kingdom)と呼んでいます。GB(Great Britain)を使うこともあります。英国人を指す場合はBritishです。英国は、イングランド王国、ウェールズ王国、スコットランド王国でしたが、イングランドがウェールズやスコットランドを平定して、United Kingdomとして一つの国にしました。その後、アイルランドも平定したのですが、強い抵抗にあい、アイルランドは独立し、北アイルランドのみがUKとして残りました。北アイルランドには多くの英国人が入植しています。それに対し、北アイルランドにいるアイルランド人は、激しい抵抗運動を行ないました。これが北アイルランド紛争です。今も、UKからの独立をめざし抵抗運動を行なっています。それらの過激派が、ときどき、ロンドンなどで爆弾騒ぎを起こします。

日本人が「イギリス」と呼ぶようになったのは、幕末に、イギリス人を表す「English」が訛って「エゲレス」となり、その後イギリスと呼ぶようになりました。明治に入り、ロンドンに留学する人たちも出てきました。当時のロンドンはイングランドの中心地でした。当時は、スコットランドはスコットランド、ウェールズはウェールズでした。今でも、スコットランド地方の人たちは、誇りをもって、自分たちをスコットランド人と呼んでいます。ウェールズの人たちも同じです。明治の日本人は、イングランドが英国だと思っていました。それがそのまま現在も「イギリス」という呼び名で残ってしまっています。英語で、「English」と呼べば、それはイングランド人を指してしまいます。

現在も、英国については、「イギリス」「英国」「ブリテン」「UK」など、日本人はどれを使えばよいのか混乱しているところがあります。知っておいてほしいのは、「イギリス」は「England」から来た呼び名であることです。現在の英国は、イングランドだけではなく、スコットランド、ウェールそして北アイルランドから成り立っているということです。日本国内では、「イギリス」でも「英国」でも、どちらを使っても日本人同士であれば問題ありません。英国人の前では、「英国人」を意味する「British」を使います。なぜなら、英国人の中には、イングランド人以外に、スコットランド人やウェールズ人もいるからです。スコットランド人の前で、“Are you English?”と聞けば、いやな顔をして、“No, I’m Scottish.”と答えてきます。”Are you British?“と聞けば、”Yes, I am.”となります。イングランド、スコットランド、ウェールズがあるのがブリテン島です。そして、そこに住んでいるスコットランド人も、イングランド人も、ウェールズ人も、皆、ブリテン(Britain)島の人です。「Britainの人」という意味でBritishを使います。

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くみ子のケンブリッジ便りNo11

- Pre-Preparatory School −

イギリスの学校は、公立(ステート・スクール)、私立(インディペンデント・スクール)かによって、システム、カリキュラム、呼び名などいろいろと違います。政府の資金で運営されている公立学校と違い、独自の資金源(学費、寄付金など)で運営されている私立学校は、そのほとんどを学校の権限で決めることができます。例えば、教員免許がない人を先生として雇ったり、国のカリキュラムに従わず、独自のやり方で運営したりしています。
そのため各学校特色が強くでています。そして責任も重大です。

息子は今6歳、Pre-Preparatory Schoolに通っています。
この舌をかみそうな、プレ・プレパラトリースクール とは 私立学校低学年(4、5歳から6、7歳)の3年間の呼び名で、その後 ジュニア・スクール、シニア・スクール、シックスス・フォーム(Sixth Form)と17歳まで続きます(いくつかの呼び名があり、学校により異なります)。
息子が通う学校は、世界最古の学校と言われ、ボーディング・スクール(寄宿学校)でもあり、イーリーの大聖堂と親密な関係があります。

日本育ちの私には驚くことがいっぱいでした。

まず、入学の準備にあたって驚いたことは・・・教科書と長ぐつ。
前回もふれましたが、イギリスでは教科書がないんです。高学年になってもです。学校には、体操着と宿題、ボトルの水、先生と親がやり取りをするためのメッセージブックを持って行くくらいです。

そして長靴。イギリスで長ぐつはWelly Boots(ウェーリー・ブーツ)といいます。この長ぐつを学校に置いておくのです。そしてレイン・コートも。広い芝の校庭に面した校舎の壁には、長ぐつ掛けがあり、長ぐつは1年中外で逆さになって雨風にさらされています。この光景にはビックリ。さすがイギリス!

 

Welly Boots・・・正式名Wellington Bootsゴム長ぐつのこと

 

学校が始まって驚いたのは・・・毎日必ず先生と1対1の時間があること。

各クラスの生徒は12,3人ほど。一学年は3クラス、担任の先生の他アシスタント・ティーチャーがいます。朝学校へ行くと、書き取り等の自習をしますが、呼ばれた子供は、先生と1対1で話をし、先生は親との連絡事項を含め、子供の様子を確認します。「読み」は毎日先生から一対一の指導を受け、先生は記録帳に様子を残し、子供は本と一緒に家に持ち帰ります。親は毎日先生の感想を知ることができます。

子供がより興味をもってたくさんの本を読めるよう、各自、自分のレベルの中から好きな本を選びます。毎日の宿題は、その日選んだ本を持ち帰り、続きを読むことです。

学校は、子供を、集団を通して見ず、一人の子供としてどうかと言うところを常に見ています。例えば・・・1人の子は数学がとてもよく出来たとします。すると先生は、その子1人を、上の学年の、数学の授業に入れるのです。そして数学が終わると戻します。子供には何の負担もなく、必要なものだけ与えてくれる、この配慮ある学校の仕組みに感動しました。
逆にできないことがあると、個別に授業をします。

また、褒めると言うことに関してもピカイチです。
もちろん集団の中で優れていることにも賞賛します・・・が、例え集団の中では優れていなくても、その子に進歩があったかという点も評価します。クラスの他の生徒に比べると優れていなくても、先生は常に個人としても生徒を見ているので、その子の中での進歩と努力を見落としません。そしてそのことをタイムリーに全校生徒の前で表彰します。

一人ひとりの能力に合ったものを提供して、個人の能力を伸ばしていくことが要求される先生、そのことをとてもうれしく感じ、また誇りに思っている様子です。

年に2回通知表が届きますが、担任の先生によるものと、校長先生からのものです。校長からとは驚きました。校長も一人一人をしっかり見ています。100名ほどいる生徒全員の名前はもちろん、親の顔と名前も全て記憶しています。

このほか、驚いたことは・・・・ドア・マン、学芸会、
生徒の多くは車で通ってきます。毎朝、校長先生は、車が立ち寄れる正面玄関で、生徒を迎えます。校長の隣にはドア・マンが立っているのです。ホテルにいるあのドア・マンです。生徒は車のドアをドア・マンに開けてもらい、校長先生と挨拶して中に入ります。優雅ですね。

そして学芸会。
イーリー大聖堂はサービス(ミサ)をはじめいろいろな学校行事にも使われます。その1つに学芸会やコンサートがあります。イギリス中探しても、世界中探しても、まれな体験をしていると思います。日本で言うなら、金閣寺で学芸会や卒業式が行われるようなものですから。

この学芸会ではそれぞれ役に応じた衣裳を親が作りました。その際、星の歌を歌うので、白のコスチュームを持ってきて下さいとだけ、学校から指示があります。25人ほどの子供はそれぞれ違ったコスチュームで歌いました。1人の子は頭から星のかぶり物をかぶり、別の子は白のTシャツにピカピカ光る電気をつけ、また別の女の子は白とゴールドのドレス、さらにもう1人は白のチュニックだけだったり・・・。日本だったらもっと細かく指示があるか、全員同じ物を作るかですよね。一人だけ目立たないようにと親も子も周りを気にしますよね。

後日校長先生は父兄にお礼を言いました。
「衣装を作ってきて下さってありがとうございました。それぞれの工夫を凝らした衣装を見ることはとても楽しく、どれも素晴らしかったです」と・・・。
違うと言うことは楽しいことなのです。2011.02

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くみ子のケンブリッジ便りNo12

- ボーディング・スクール(Boarding School)−

イギリスには、ボーディング・スクールが多くあります。

ボーディング・スクールとは、私立の寄宿学校のことで、学生たちは親元を離れ寝食を共にしています。ここでは勉強だけでなく、規律、マナーを指導され、精神的にも逞しくなることを期待されています。この春結婚するウイリアム王子、その弟ヘンリー王子は名門イートン校出身です。

ボーディング・スクールでは、親元から離れて暮らしている学生を預かっているため、学校にかかる責任は大きなものがあります。多くの先生が同じ敷地内や寮で暮らし、食事も学生と一緒に食堂で食べ、寮長や先生は生活面においても指導し、親代わりとなります。

息子の通う学校はボーディング・スクールですが、寮に入るか(7歳から)、自宅から通うかは自由に選択できます。寮、自宅にかかわらず、ボーディング・スクールでの、学生生活はとても充実しています。寮生はもちろん3食一緒ですが、お昼は寮、自宅組ともに一緒です。

 

 

授業の他に、楽器、・・・・・・・ピアノ、バイオリン、チェロ、フルート、ブラス、その他、希望者には、学校で個人レッスン(お金はかかりますが)が受けられます。レッスンは学校の時間内に行われ、学校帰りや休みの日に、個人的に受ける必要はありません。その上、6、7歳の2年間についてはチャレンジの時期として、無料で楽器が借りられるのです。何しろ、バイオリンも、チェロも成長に合わせてサイズを変えなくてはいけないので、買っていたら大変な金額です。さらに楽譜も使いまわします。お古と言ってしまえばそれまでですが、さすが物を大切にするイギリスです。親の負担が減る分、子供がチャレンジする機会が増えます。

生徒たちのコンサートや劇も年に数回行われます。
授業においても、建築設計、デザイン、洋裁(ドレス作成、ファッションショー)、ドラマ(演劇)など、専門的な授業が受けられます。
もちろん塾などありませんし、家庭教師も必要ありません。先生が責任を持って一人一人の子供に合った指導をしていくので、家庭教師も塾も兼ねているようなものです。

放課後の課外活動は、特に盛んです。
放課後も、先生は学校に残り、希望者には宿題や勉強のサポートをし、クラブ活動はたくさんの類があり、かけ持ちもできます。

スポーツ・・・・・・もちろんラグビー、クリケット、ホッケー、サッカー、テニス、アーチェリー、その他、乗馬やボートなどもメジャーです。ロッククライミングや、カヤック、スキーなどシーズン的要素が濃いものは、そのシーズンに行われ、1つだけに絞らず、いろいろ体験ができます。希望者は土曜日も学校にきてスポーツや勉強ができ、その上、お昼も食べてよいんです。

生徒はとても忙しく、充実しているため、毎日くたくたの様子です。そのためか、イギリスではハーフタームというものがあります。各学期(イギリスは3学期制)の真ん中に1、2週間の休みがあるのです。これは親にすると厄介です。夏冬春の長い休みで十分に思えるのですが・・・。

このボーディング・スクールの特徴的なこと、それはハウスです。
ハウスとは寮のことを指しますが、入学すると、全生徒は(寮生でなくても)、横割り(学年分け)のクラス分けとは別に、縦割りのハウスに所属することになります。
各ハウスにはカラー(色)があり、息子の学校では、男子はネクタイの色がハウスの色(赤、青、緑、黄色)になっています。
ハウスは在学中変わることはありませんし、また兄弟も同じハウスになります。
年長のリーダーをハウス・キャプテンと呼び、下級生を取りまとめ世話などにあたります。運動会(?学生生活を通じ低学年から上級生の結束力と規律が高められていくのです。

ハリー・ポッターでおなじみのハウス、ハリーはグリフィンドール、ドラコはスリザリンのハウスに属します。ハウスに分かれ生活し、ハウスに分かれ試合しポイントをあげていく。まさにイギリスのボーディング・スクールの様子です。2011.02

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くみ子のケンブリッジ便りNo13

- イギリスの教育 −

イギリスの義務教育は、日本に比べると早く、4、5歳(日本の幼稚園の年齢)から始まります。

イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドと、地方によって違っていたり、公立の学校か私立かによっても、システム、内容や呼び名に違いがあったりします。イギリスの基本的な教育は、システムをはじめ、考え方が日本とは異なっています。

事実を教えると言うより、考えさせる教育。一人一人を尊重し、資質をひきだし、それを社会で役立てられるよう伸ばしていくことに重きをおいています。

学校は、学業だけでなく、音楽、芸術、スポーツなど、子供たちが、やりがいのあるものを見つけられるよう、多くの機会を与えています。先生は、生徒が自分で考え、疑問や答えが引き出せるよう導き、才能を伸ばすことを役割としています。

分かりやすい例は・・・教科書がないのです。
学校やクラスは、一斉に同じレベルの授業を受ける場と言うより、集団の中でいろいろ意見を交わし合い、高めていく場としています。

ノートも鉛筆も持って行きません。
教科書を覚えたり、先生の話を聞いて答えをメモしたり、事実を覚える形式ではなく、考える場です。

初年から宿題、翌年からテストと、小学校のようなカリキュラムが早くから始まりますが、例えば4、5歳児の宿題では・・・、1枚のプリントが渡され、自分の家にいくつ窓があるか数えてくる、というのがありました。5歳というと、1〜10をカウントできる程度です。親と一緒に各部屋を回って数えます。1階と2階を何度か行ったり来たりして、説明から始まって45分程かかったのを覚えています。窓を見つけること、数えること、書くこと、それをゲーム感覚で行なっていきます。1から10まで言えることを目標にするのではなく、数とはどんなものなのかと、数の概念を、体を使って感覚で覚えていきます。

学年が上がっても、日本やインドと違い、九九を暗記させたりしないので、レベルは日本の方が高いと思います。数学に関しても他と同様、効率を重んじてはいないようです。

15、6歳でGCSE(全国統一テスト)が行われます。
このテストは義務教育終了の証で、A~Gのレベルで評価され、この成績は大学受験(C以上)や就職の際の履歴書にと、生涯ついてきます。

GCSE・・・General Certificate of Secondary Education

大学進学希望者は、その後2年かけて勉強し、Aレベルという試験(A~Eが合格)を受けます。GCSE とAレベルの成績が大学受験の申請に必要な成績の1つとなります。生徒のみならず、学校自体の実績としても公表されます。当然のことながら、学校の善し悪しを評価する大きな判断基準にもなっています。生徒も学校も真剣です。

ペーパーテストだけでなく、音楽でも実技を含む上記のテスト、また、音楽グレードテストがあります。例えば、バイオリンでレベル8(レベルはいくつもあります)の試験に合格したという事だけでなく、レベル8を、「合格した」「良の成績で合格した」「優秀な成績で合格した」などと評価され、これが楽歴(?)となります。

また、芸術、スポーツ、地域の活動、ボランティアなど多くの経験も加味され、総合的に成績が判断されます。勉強だけでなく、スポーツも音楽も芸術も並行した学生生活が送れます。

大学受験では、これらの総合的な成績のほか、論文、面接があります、生徒の知識だけでなく人間性が大きく試され、学業に優れていると言うことだけでなく、どれだけ人として惹きつけるものがあるか、面白みがあるか、またそうなる可能性を秘めているか、そして他とは違う何かを持っているかが最終的な決めどころです。

大学側は、主観で生徒を取ります。人が見て、人として魅力的な生徒が欲しいのです。
無事合格した後は・・・希望者はギャップイヤー(Gap Year)をとることができます。Gap Yearとは、卒業から入学までの間(大学卒業から大学院入学も)1年間休みを取ることができ、見分を広めるためバックパックで世界旅行に行ったり、語学留学したり、アルバイトしてお金を貯めたり、好きなことをして過ごし、その後は学業に専念する。何しろメリハリがはっきりしています。

よく日本と外国(イギリスを含む欧米諸国)の違いを表現するのに、こんな例があげられます。
日本は、5+5=○  正解は1つ   
欧米は、○+○=10 正解は何通りもあります 

日本では、1つの答えを見つけることが求められ、答えはみんな一緒。
欧米では、目的のための手段を探すことが求められ、その手段はいろいろ。答えは人によって違うという考え方、導きかたの違う代表的な例です。

また、日本では手紙を出す場合、都市、町、番地、名前、と名前は最後に書き、
こちらでは、名前、番地、町、都市、と名前を最初に書きます。
これは、日本人は、人を個人で見ないで、集団の中のだれかと考えている典型的な表現だ、と欧米人は言います。

このことを、イギリスで暮らし、子供が学校に通い、本当に実感しています。
こちらでは、基本的に、答え(良いとされるもの)が1つに限っていないので、やり方も答えも本人次第です。先生が正解を知っているとは限らないし、先生と違うからと言って不正解でもありません。

悪いことでなければ、迷惑がかからなければ、どんどんやってOKだし、表現の仕方も自由。
何しろ型が決まっていないのです。

まるっきり日本人の私は、みんなはどうか、普通はどうかと気になったり不安になったり・・・。人と合わせようと一生懸命になり、辛くなるほどがんばってしまうことも度々。

でもここでは、だれも人と合わせようなどと考えていません。それぞれ違うと言うことが、基本にあるからです。自分のペースで、自分が納得し、自分が満足すること・・・自分がどうかが問題です。2011.02

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くみ子のケンブリッジ便りNo14

- Pubがいい!−

イギリスに来たなら、ぜひ行って欲しいところ、それはパブ。

パブ(PUB)は日本で言う、居酒屋さんのようなもの。肩をはらずに手軽にイギリスを感じられるお勧めの場所です。

CA現役時代の長い間、イギリスに来ていても、パブに足を踏み入れたことはありませんでした。酒場というイメージが強く、常に女の集団の私たちには、何となく入りづらかったのだと思います。また、パブといえばビール。ビールを飲まない人にとっては、縁のないところと思われがち。でも、お酒を飲めなくても大丈夫。ジュースや紅茶、サンドイッチは必ずあるし、食事を出すPubもたくさんあります。

10年ほど前でしょうか、ステイ先のロンドン市内で、夕方、レストランを探していた時のこと・・・

玄関先のきれいな花やたたずまいに誘われて、「よく分からないけど入ってみようか!」、先輩と女3人で思い切って入ってみたのが初めてのパブ体験です。

中に入るとちょっとうす暗く・・・年季の入った床、壁、重いテーブル、暖炉、それに古い絵や写真、思わず、うわぁっ、いい感じ!3人でテーブルに座ってウェイターさんの来るのを待っていました。となりのテーブルに食事を運んできたウェイターさんに、メニューについて聞くと、カウンターで注文するとのこと。結局、この日は最初から最後まで、何回も、しろうと丸出しの質問をしていました。でもそれから、ロンドンと言えば、「パブ」がお決まりのパターンになりました。
 

パブとは大衆酒場のこと。昔の宿屋のバーがはじまり。宿泊者だけでなく、地元の人も集まって、どんな小さな町や村にも必ずあると言われる、人々の社交場、それがパブです。Public Houseが Pub になったそうです。といっても、階級社会のイギリス。昔は、パブの入り口が2つあり、1つは中流階級用、そしてもう一つは労働者階級用とあり、中も仕切られていたようです。今でもその名残が残っているパブもあり、パブといえども、片方の部屋はとても重厚感があります。

最近では宿屋を兼ねているパブは少なくなってきているようですが、多くのパブでは暖かい食事も可能です。イーリーの街にも10軒ほどパブがあり、子供と食事をする際には、よくパブに入ります(店によっては5時以降、未成年者は入れません)。

イギリスにはビールとエールがあります。ビールは低温で長期発酵させて作られるため、冷たく冷やして飲み、エールはと言うと、常温で短期発酵により作られ、常温で飲みます。日本人で、イギリスの「ビールはぬるい」と言う人がいますが、エールでなくビールを頼むと冷えたものが飲めるのです。

日本でもビールを注文した際に、銘柄は?と聞かれることがあると思いますが、パブでは必ず、ビールもエールも銘柄で注文します。銘柄はカウンターに並んだ、ポンプ・ハンドルを見れば分かります。

で、パブのなにがいいか、どこがいいかと言うと、1、雰囲気 2、気楽 3、値段。

雰囲気はと言うと、最初に話したように、たいていの店は古く、どこから見てもイギリスです。表にはこだわった看板、季節の花を飾ったハンギング・バスケット。木の扉を開けると、古い木の床、にどっしりしたテーブル。皮のソファーにも年季が入り、暖炉には薪が。壁を見渡すと、そのパブにちなんだ古い絵や写真がぎっしり飾られています。胸まであるバーカウンターには、10種類以上もの、各銘柄が分かるビールのハンド・ポンプが並び、直ぐに食べられるスコティッシュ・エッグやキッシュ等が並べてある店もあります。

なぜ気楽・・・

お店に入ると、席を案内してくれる人もいません。立ち飲みしたい人も、席に着きたい人も(どちらも値段は同じ)、パブではカウンターが注文の場所であり、飲み物を受け取る場所です。食事を頼んだ場合のみ、でき上がったら、テーブルまで運んで来てくれますが、飲み物は全てその場で作ってもらい自分で運びます。また、食べものを注文する際には、自分のテーブル番号をカウンターで伝えなくてはいけません。追加注文したい時は、また、カウンターまで行って、持ってこなくてはいけません。これのどこが気楽か・・・カウンターの人はたいていとても忙しく、レジをしながら飲み物を作って出します。テーブルを気にしているヒマはないのです。料理を出し下げする人も、でき上がったものを運んで来た時に、目についたものを下げて帰るくらいの仕事をしているので、だれも気にして見ていないのです。そして、がやがやと常に賑わっています。たいていのパブには、チェスや、五並べ、スクラブル(ワード・ゲーム)ゲームの様な、テーブルでできるゲームがいくつも用意してあり、子供から大人まで時間や人の目を気にせずゆっくりくつろげるのです。

そして値段・・・・・日本では、高級レストランなどを除いてはサービス料(チップ)は払わず、ビール1杯800円とあったら800円払えば済みます。イギリスのほとんどのレストランでは、チップとして10〜15%のサービス料を払うのが常識です。ビール800円とあっても、支払い合計は900円です。でもパブは、と言うと、立ってつまんでも、座って食事をしても料金は一緒、サービス料もいりません。基本的に800円のビールは800円で飲めるのです。チップの習慣がなく、日本人には、いくら置くかと悩む心配もなく、とても気楽です。

では食事はどうか?

食事はどのジャンルの店でも、美味しいところは美味しいし、美味しくないところは美味しくない。パブでも美味しい店はおいしいです。また、レストランと違って、食事メニューは多くなく、キドニー・パイ、フィッシュ&チップス、ソーセージ&ポテト、そしてさすがイギリス、カレーも定番です。日曜日にはサンデー・ローストが楽しめます。

今年のお正月に、Stamfordという石の町に行ってきました。その際、泊まったところが、パブ&Innでした。下はパブとレストラン、上は宿泊。とても古い建物を何回も改装してきている様子で、泊まった部屋は、ボールを置くと部屋の中央に転がっていくほど床がしなっている古い建物ですが、とてもチャーミングで趣のあるステキなところでした。

パブは暖炉の煙でくすぶられた黒い梁がとても印象的で、温かみがあり、夜はゆっくりここで食事がした〜い、と言う気分にさせてくれました。

宿屋を兼ねているためか、レストランもあり、パブの食事はこのレストランの厨房からも運んできているようで、ステーキやリゾットなどメニューも豊富でとてもおいしかったです。この暖炉の暖かさが優しく、この雰囲気の中で、家族3人でスクラブルしながら、ステーキをつまみ(?)冷えたビールを飲んで、イギリスの長〜い冬の夜を過ごす・・・イギリスっていいなぁ、ってしみじみ感じるひと時でした。

イギリスに来たなら、パブでリラックスしてみて下さい。絶対に気に入ると思います。                            2011.03記

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くみ子のケンブリッジ便りNo15

- ロイヤルウェディングRoyal Wedding −

4月29日は、ご存知の通り、ウイリアム王子とケイトさんとの結婚式が行われます。
イギリスでは、この日は普通の金曜日だったのですが、これを機に、祝日となりました。
そして、今年は4月22日〜25日のイースターホリデーと5月2日のバンクホリデーの真ん中にあたり、国民の皆さんは一層華やいだ気分です。

日本でも、ずい分前のことになるけれど、皇太子さまと雅子さまが結婚した時のことが思い出されます。あの時、日本はどうだったのかなぁ?盛り上がっていたかなぁ?当日はなにかしたかなぁ?なんて。ここイギリスでは、みんなはどんなことをするんだろう?

11月に行われた婚約発表。その時にケイトさんが着ていた、あのロイヤル・ブルーのドレス。Issa Londonで385 ポンドで売られていたものですが、この発表の後、直ぐに完売となったそうです。そして直後に、それに似せて作られたドレスも、いろんなメーカー(もちろん高級メーカーではありません)で発売され、Tesco 等の量販店でも25ポンドで売られていたそうです。といっても着ている人を見かけたことはありません。

本屋さんでは2人やロイヤル・ウェディングにちなんだ本が発売されています。毛糸で編んだ結婚式のシーンや、婚約発表のシーンも含んだとてもユニークな編み物の本も発売されました。毛糸にもかかわらず、とてもよく似させて編んでいてビックリです。編み物に興味がない人も見ていて楽しく、欲しい1冊です。

 

2月頃から、商店には、Union Jack(イギリス国旗)やお二人の婚約発表の時の写真がプリントされたグッズが並んでいます。多くはパーティーに使う紙コップや紙のお皿、手旗、あるいは、陶器の皿やマグカップ、買い物バッグなどです。カップケーキが人気のイギリスでは、カップケーキ用のカップも、ユニオン・ジャックのデザインが売り出されています。スーパーでは二人の写真入りの缶に入ったショートブレッド(クッキー)やシャンペンが目立って並んでいます。レストランやパブではセレブレーション・メニュー(Celebration Menu)等とうたい、呼び込みにも力が入ります。

息子の学校でも、先日2学期の最後の日は、校庭にテーブルを並べ、三角の国旗をなびかせています。各自で作った King と Princes の王冠をかぶり、お二人を祝ってパーティーをしました。グリーの芝の上に並んだテーブル、イギリスの3色の国旗、金色の冠をかぶった子供たちは、たぶん意味もよく分からないまま、おおいにその美しさの中で楽しんだことだと思います。

先日のスーパーのチラシ新聞を見ると、間近に迫ったロイヤル・ウェディングの特集をしていました。そこで知ったのが、“Toast”と言う英語です。この場合のトーストは、食パンを焼いたものではなく、「乾杯、祝杯をあげる」と言う意味。Westminster Abbey(ウェストミンスター寺院)での式の後は、バッキンガム宮殿にて、お昼はエリザベス女王主催にてレセプションが、夜はチャールズ皇太子主催のEvening Dinnerが催されます。このRoyal Toastに招かれたお客様の数は、昼が660人、夜は300人だそうです。

この祝賀パーティーに招かれていなくても、多くのイギリス国民たちは、自分たちもお祝いしようと、各自、または団体で、Royal Toastならずとも祝杯をあげる人々が多いようです。イギリス人は何かあると、積極的に楽しいことを考え出します。紙皿やユニオン・ジャックは、これらのパーティーのために売られています。

ここのイーリー大聖堂でも、29日はイベントがあります。
午前10時に、大聖堂の扉が開きます。中には大きなスクリーンが用意されています。11時から始まる結婚式の様子も映し出され、みんなで見ることができます。

イスやテーブルが並び、スナックやケーキ、飲み物も売られます。また食べ物など持参してもよく、何にしろ、みんな一緒に楽しく祝いましょうというイベントです。午後になると、大聖堂のまわりのグリーン(芝生)でイベントが行われます。子供のレースや、出店も並び、バンドも参加し、やはりイスとテーブルも並び、各自で持ち寄ったり、出店の食べものや飲み物で、みんなでワイワイしたりしましょう的なイベントのようです。

また、夜になると、大聖堂の中では、オスカー受賞作品“King's Speech”が上演されます。この映画に関しては入場料が必要ですが、全て寄付されます。

お二人の写真や国旗をプリントしたパーティーグッズといい、大聖堂のイベントといい、スーパーのチラシといい、イギリス人は訳もなくドンチャン騒ぎやパーティーはしないけれど、名目があれば機会は逃さずパーティーで楽しむ国民なのです。

4月の中旬になって、イーリーの通りに国旗がはためき始めました。
4月29日が楽しみです。

そういえば、4月29日は昭和天皇の誕生日でもありました。          2011.03記

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くみ子のケンブリッジ便りNo16

- キャラバン・ホリデー・パーク−

キャラバンに泊まって、パークで遊ぶ。子供の天国。
キャラバン・ホリデー、ホリデー・リゾート、リゾート・パーク・・・・名前はいろいろあるけれど、イギリス流ホリデーの過ごし方です。

今年のイースターホリデーは、ヨークシャー・コースト(北海に面したイギリス東海岸)へ出かけてきました。イーリーから4つの電車に乗り、最初の目的地Whitby(ウィットビー)へ。途中、電車の中からは、春に生まれたばかりの子羊や子牛たち、全開の菜の花畑がとても美しく、とくに最後にのった登山電車はヨークシャームーアーを突っ切り、まさにイギリスの田舎の春の風景を満喫できました。

 

Whitbyは以前から行ってみたかった街。漁業が盛んなとても美しい港町です。イギリスで一番美味しいと言われているMagpie Cafeのフィッシュ&チップスを食べ(本当に美味しかった)、カニ釣りをして、丘から街を眺め、充実したWhitbyを過ごした後、2つのバスに乗り、途中大きなスーパーで食料を買い、やっと目的地のキャラバン・パーク(Caravan Park)へ・・・。

  Whitby案内 ウィキペディアより

イギリスに来てからというもの、海の近くで見かけるのがこういったキャラバン・パーク。キャラバンとはご存知のように、車で引くことができるトレーラーハウスで、ここでは宿泊施設です。

広い敷地の芝の上に、トレーラーが数百台は置かれています。このキャラバンを週単位(もしくは3泊か4泊)で借ります。その他、敷地内には大きなプールやエンターテーメント施設があり、料金はキャラバン宿泊と施設使用料を含んだオールインワン。

キャラバンには、キッチン、シャワー、トイレ、暖房もあり、もちろんガス、電気、お湯、冷蔵庫、調理器具、食器、ベッド、テレビと一通りの設備が揃っています。さすがイギリス、電子レンジの他にも、大きなガスオーブンもついていて、小さな一軒家です。自分たちで用意するものは、タオルとトイレットペーパーと食事。部屋は4人部屋〜8人部屋まで。キャラバンのグレード、何人部屋か、一番大きな違いはシーズン(スクールホリデーは高い)ですが、これらの違いによって値段に差が出てきます。
パークの売りは、料金の中にプールやショーといったほとんどの施設使用料やエンターテーメント料金が含まれていて、ここにいるだけでも毎日楽しみがいっぱい、というとこでしょうか?

今回私たちが泊まったところには、敷地内にバスケットやサッカーができる運動場、公園、パットゴルフ、それとエンターテーメント・センターがありました。

エンターテーメント・センターには、レストラン、ショー・ホール、ゲームセンター、プレイルームとあり、プレイルームでは小さな子供から13歳くらいの子供まで存分に走ったり滑ったりボールで遊んだりできます。大人はレストランでくつろぎながら、子供がプレイルームで遊んでいるのを見ていられます。子供は食べることもそっちのけで、遊びまわれ、休むことがありません。そして、直ぐに友達もできます。

エンターテーメント・ショーは、子供の年齢別に設けており、各年齢の子供が楽しめるように考えられていますが、ショーは着ぐるみやゲーム中心で、今ひとつ・・という感じでした。

そして目玉はプール。20メートル以上もあるウォーター・スライドがある室内プールでは、大人も子供も楽しめます。私も何十回も滑ってきました。

ここで一番問題だったのはゲームセンター。この国はギャンブルが公認のためか、子供のゲームセンターでも、現金がじゃらじゃら出てくるゲームがいっぱい。エンターテーメント・センターの真ん中に位置するこのゲームセンターは、初日は避けられても、結局避けて通ることはできません。7歳のうちの息子も、ついには現金握って眼の色変えて夢中になってしまいました・・・。これさえなければ、という感じです。

キャラバンは適当な間隔をあけて置かれている小さな家みたいなものなので、騒いでも走っても全く気にしなくていいし、犬もOK。子供3人と犬1匹の家庭は当たり前なので、このシステムは経済的だし、楽ちん、子連れの家族には、ホテルより断然楽しめます。キャラバンの横でバーベキューもできます。

敷地内にはたいてい小さなスーパーもあり、数日分の食事を持参し、足りないものはこのスーパーを利用すれば、ホテルに泊まるのとは違い、外食にかかる金額も節約できます。
パーク内のレストランも、ほとんどのものは冷凍食品を温めて出しているだけなので、スーパーで買った冷凍食品を温めるのも、何ら味に変わりはありません。
ほとんどの人たちは車で来ているので(もちろん駐車料金も無料)、近くの街に観光や食事に出かけたり、食材を買いにいったり移動も簡単。

パークの多くはビーチの近くにあり、今回、私たちが行った場所も、歩いて10分でとてもきれいな海岸に行けます。天気も良かったので、子供も犬も大人もみんなリゾート気分です。

ここでは常設のキャラバンの他にも、自宅からキャラバンカーを引っ張って滞在しに来ることも、テントを張ってキャンピングすることもできます。
敷地内では、キャラバンのオーナーになりませんか?等とキャラバンを売ってもいます。オーナーは自分で使わないときは貸すこともできます。
真新しいキャラバンが引かれているのを見て、「1台売れたんだね」と息子がつぶやいていました。
展示車(キャラバン)を見に来ているお客さんが結構いるのに驚きです。

この手のパークは、キャラバンだけでなく、コテージやバンガロー、ホテルなどとこのパークが一緒になっているところもあります。
いずれにしても、リゾート(ビーチや自然)とパークが一緒になった、子供が思いっきり遊べる滞在型のパークです。

で実際滞在してみてどうだったか?
キャラバンはきれいで、暖かいし居心地がいいです。プロパンガスがなくなるなど、何か不備があっても連絡すると直ぐに対応してくれました。
ドアを開ければ直ぐ芝生なのでアウトドア感覚いっぱい。
レセプションやセキュリティーもしっかりしていて安心。
ビーチもパークも楽しめる。
私たちみたいに2人家族には、お得感は少ないけれど、親戚や友達8人ほどで泊まれば他では考えられないほど安上がりです。そして子供が思いっきり楽しめると言う観点からは満点。

イーリーの自宅に帰ってからも、息子はキャラバンで暮らしたい・・・・なんて言っています。
キャラバンで暮らしたいいんじゃなくて、パークのゲームセンターで遊びたいんだと思う・・。

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くみ子のケンブリッジ便りNo17

- 誕生日バーティー−

私が子供の頃、日本で一般的な子供の誕生日会と言えば・・・、家に友達を呼んで、ゲームしたり、適当に遊んだり、母親の手作りの料理とバースデーケーキ。

最近はどうなのかと調べてみたところ、個別に友達を招く誕生日会は、幼稚園や小学校によっては禁止されているところもあるそうで、ベネッセの調べでは、92パーセントが、友達を招いての誕生日会はしないということでした。ビックリ・・・・驚いたのは私だけでしょうか?

先月、7才になった息子は、去年に引き続き、イギリスに来て2回目の誕生日パーティーを開きました。

去年は15人ほどの友達を招待し、ボーリングパーティーを開きました。
ボーリング場と子供の遊び場が一緒になった室内のエンターテーメント施設で、思いっきり登ったり、スライドしたり、ボールのプールで遊んだりした後、レストランで食事、そしてボーリングという流れで計2時間半のパーティー。

今年は、今夢中になっているフットボール(サッカー)のパーティーをしたいと言うことで、スポーツホールを貸し切り、コーチを頼みサッカー、その後は、施設内のパーティールームでケータリング(仕出し)を頼みパーティーをするという計2時間のフットボールパーティー、やはり15人程の友達を呼びました。

7才の子供のパーティーに、ホールを貸し切ってコーチを頼んでなんて、日本の人が聞いたら’贅沢な!’とビックリする話じゃないですか?でも、こちらではけっこう普通なんです。

サッカー以外にも、大きな室内スイミングプールを貸し切り、子供も親もプールで遊プール・パーティーや、ローラースケート・パーティー。これらも、やはりローラースケート場などを貸し切ると言うものです。他にも、トランポリン・パーティー、こちらはインストラクターの指導も付きます。モーターで空気を送りこみ込み、膨らまし、飛んだり跳ねたり滑ったりするBauncy Castel(エアーキャッスル)パーティーなどもあります。
もちろん、自宅に呼ぶ、という誕生日会もあります。が、7才くらいまでは、大勢呼ぶのが主流で、どこか場所を借りてすることの方が多いようです。

また、子供が小さいと親が一緒に付いてくるので親の分も計算に入れなくてはなりません。食事まで出すケースはまれですが、大人にもお茶とビスケットくらいは出しています。
15人子供を呼ぶということは、親兄弟を合わせると少なくとも30人以上の人が集まると考え準備が必要です。

こんなのもあります。動物園や博物館どの誕生日パーティーです。場内のホールで食事などのパーティーをして、他の時間は、みんなで動物を見たりします。パーティーの後は、自由に見て歩いて自由解散です。こう言った場合は家族総出で来る人も大勢います。招待されていない人の入園料は自分たちで払います。

中には教会などのホールを借りて、マジシャンやパーティー専門のエンターテーナーを呼び、友達を学年全員招待する、総勢50人以上も集まるパーティーもあったり、花火を打ち上げたりするパーティーもありました(イギリスで花火はなかなか手に入らず、とても高価なのです)。

昨日、招待された誕生日会は・・・・・・
Thedford Forestという、広大な敷地に広がる森林地帯の中に、自転車道や公園があり、バーベキューもでき、野外コンサートなども行われる家族向きの場所があります。そこのロッジを借りてのパーティーでした。

ロッジは芝生と森の中にあり、11時から始まり、サッカーする男の子や、松ぼっくり集める女なの子、みんな好きな事をして屋外で遊んでいました。

 

 

12時前に、ロッジの中に入り食事です。食事は、マックのハッピーセットのように、1人前ずつおしゃれなボックスに入っていました。中身はサンドイッチ、カットフルーツ、チップス、ジュース、それとクレヨンにぬりえ。さらに、テーブルには野菜スティック、プチトマト、イチゴとかなりの豪華版です。そして、しばらくして、食べ終わる頃に、バースデーケーキが運ばれてきます。この場面は日本と一緒で、パッピー・バースデーの歌を全員で歌い、バースデーの人が火を消し、拍手がわき上がります。

この後も、この日のパーティーは2時まで続き、みんなで森の中の公園に行ったり、探検したり、サッカーしたりと大はしゃぎです。そして最後には、各自ロッジに戻って挨拶し、お土産をもらって帰ります。

このお土産の事を、“Goodie Bag”と言い、中身は・・・たいしたものではありませんが、楽しいおもちゃがいくつかと、キャンディーなどの駄菓子がいくつかつめられています。さらに、この中には、さっきローソクの火を消したケーキも切り分けられ入っています。

誕生日ケーキは、パーティーの時には、ローソクの火を消すだけで、その場で食べることはありません。日本の生クリーのケーキと違い、イギリスの誕生日ケーキは、基本的にスポンジケーキにバタークリーム(かなり固め)か、砂糖でコーティングするアイシング・ケーキと言うものがほとんどです。市販のものも、とても日もちがよく、1月くらいは傷みません。なので、切り分けてナプキンに包んで持って帰ることが可能です。そのデリカシーのない甘いだけのケーキに、初めはビックリしたものです。けど、今では美味しいと思えるようになって来た自分の味覚にも驚いています。

イギリス人の友人に、子供の頃はどうだったのかと聞いたところ・・・ふつうは自宅に友達を呼ぶぐらいで、今のようではなかったと言っていました。

どんどん派手になってきたイギリスの子供の誕生日パーティー
日本では、ほとんどやらなくなった子供の誕生日パーティー。その1つの理由に、呼ぶ、呼ばないで悩むから、と言うのがありました。こちらは呼んでも呼ばなくてもかなりあっさりしています。呼ばれたから呼ぶという感覚はあまりなく、呼びたいから、好きだから、呼ぶ。子供の意向重視。ほとんどの親は気にしていないようです。

さて、最後にこれらの費用ですが・・・スポーツホールやプールも1時間25〜50ポンド程で貸し切れます。貸し切りなので何人呼んでもOKです。パーティールームも1時間10ポンド以下で借りられます。もちろん食事は別ですが、自分で持ち込みも可能ですし、ケータリングを頼むこともできます。いずれにせよ、料理はサンドイッチやスナック、果物、野菜スティックなどと、いたって簡単です。美味しいよりも、楽しいが一番。

思いっきり弾けるパーティー!日本の子供も弾けてほしいなぁ。

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くみ子のケンブリッジ便りNo18

- エルダーフラワーElderflower −

イギリスに来た当時、友人から、イギリス人はこれが好きだよ!と教わり飲んだ飲み物があります。ボトルには、白い涼しげなかわいい花の絵があり、だれもが飲んでみたいと思うような雰囲気を漂わせています。ボトルを開けると、とてもいい香りがし、気持ちも華やぐ飲み物でした。

ボトルの花の絵はとても愛らしいのですが、いったいその植物がなんなのか調べないまま、名前も忘れ・・・。

五月の中頃から、外を歩くと、ほのかに花の香りがしていました。そうだ!これはあの飲み物の匂いだとハット思い出したのです。近くを探し始めると、それらしき白い花を付けた樹が、前の家の垣根を越えて道にせり出していました。

人目を避け、一房ちぎって、パソコンで調べてみると、ズバリあの花でした。名前はエルダ―フラワー。

エルダーフラワーは、イギリス人が初夏を連想する花だそうです。

 

この樹は、花に限らず、幹、枝、葉と、捨てるところがなく、万能薬とも言えるほどの効能があります。フラボノイドを含み、リウマチ、神経痛、利尿、打撲傷、発汗作用、むくみ等に効能があるそうです。葉、枝、幹はお酒につけたり、煎じてお茶にして飲んだりします。また、これらは湿布としても使われます。日本名は、「ニワトコ」(庭常)、別名「接骨木」といい、やはり昔から多くの効能について知られていているようです。私は聞いたこともなかったけれど・・・。

イギリスでは、花はとてもいい香りなので、この花をつけコーディアル(シロップ)をつくり、水、炭酸やお酒(シャンペンが特に良い感じ)で割ったりして飲まれています。小さな赤い実は果実酒やジャムにします。そして天ぷらも美味しいらしい。

色々調べていくうちに、エルダー・フラワー・コーディアルのレシピを発見。早速作ろう!
我が家の庭には、エルダーフラワーの樹はなく・・・天気もよいし、川べりを探しに行くことに。
ハサミとスーパーの袋を持って・・・。
意識してみると本当にどの家にもあると言っていい程、たくさんのエルダーフラワーが目につきました。湖のほとりや、森(大した森ではありません)のエルダーフラワーは、樹が密集し住宅地に比べ気温も低いせいか、まだあまり花は咲いていませんでした。

結局、人気のない公園で、こそこそと摘んできました。こう言うところが日本人なんだなぁ・・・堂々としてもよいと思うのに。

早速家でコーディアル(シロップ)作り・・・

花は軽くゆすぐか、ほこりを振り払うだけでいいと書いてありましたが・・・小さなクモや虫がついていて、かなりゆすいでしまったぁ・・・。花粉がいっぱい落ちて効能が薄まらないといいのだけれど・・・。

その後は、大量の砂糖を熱湯で溶かしシロップを作り、さました後、レモンのスライスと皮、そして摘んできたエルダーフラワーを加えるだけ。すごく簡単。いい香りに包まれて、とても幸せな気分。
置くこと24時間。次の日、早速飲んでみました。

いうなればレモンジュースのあじで、香りがエルダーフラワーです。 でも本当に上品で可憐なとてもいい香り。 イギリス人が好きだというのがよく分かります。

幸せの気分にひたってふと気がつくと、肩の凝りが和らいだような気がして。本当にですよ。
残りの枝、葉、花をバスタブに入れて、これまた優雅なバスタイム!
何とも贅沢な、イギリス流初夏の楽しみ方でした。

後日・・・・・日本流天ぷらを食べることにします。

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くみ子のケンブリッジ便りNo19

- イギリスの結婚式 −

6月18日土曜日、結婚式に行ってきました。

隣に住むイギリス人の友人(すでに同居していたので、2人ともよく知っていました)の結婚式に、息子と私の2人が招待されました。
とても楽しみだったし、興味津津の私・・・。

日本でも、結婚式と一言でいっても、中身はかなり違いがあるように、こちらでも(イギリスの方がもっと)違いは大きいと思います。ホテルだったり、レストランだったり、古城だったり、広大な自宅の庭だったり・・・。
招待状は封筒に入って2、3か月前に届きました。
場所はイーリーの教会で式をあげ、その後ホールでレセプション(披露宴)

教会で式をあげることがほとんどのイギリスの結婚式。教会では、日曜日にはサービス(ミサ)があるため、結婚式はほとんど土曜日に行われます。

当日は3時に教会で式が始まりました。
神父さまが入り口で迎えてくれ、みんな3時には着席していました。
全員が立って注目する中、新婦が父親と入場。そして神父さまと新郎のもとへ。このへんは日本と全く同じです。日本がちゃんとコピーしてきたんだなってよく分かりました。ただ、この日は、式の中で、友人代表は詩を読み、花嫁の子供(再婚)たちの歌等が入り、とても温かい雰囲気の式でした。

イギリスの天気は、1日の中に四季があると言われているように、この日も晴天、曇り、雷、雨、この繰り返し。だれも雨のことなんて気にしていません。

その後、教会併設のホールでカクテルがふるまわれること1時間程。そして、夜のレセプションのために、3分ほど離れたホールへと流れて行きました。

ホールでは着席式のパーティーでした。
ここも日本と同じく、入口に名前とテーブルが貼られていて、そのテーブルに着くというものです。
テーブルには、花やローソクのセッティングの他、赤、白、ロゼの3種類のワインと水、エルダーフラワー・ジュースが並べられ、それを自分たちでついで飲んでいました。

ここで注釈です。この2人、お金をかけずに、と言うより、限られた資金の中で大勢の人たちを招きたいというテーマがあったんだと思います。まず、招待客150名以上でしたが、このレセプションホールの準備は、すべて自分たちで行いました。私たちも当日、12時からホールでパーティーの準備を手伝いに行ってきました。何もないホールに、テーブルとイスを並べ、クロスを引き、花を飾りローソクを置き、ナプキンやグラスのセッティング・・・と全て自分たち(友人と親戚)で行いました。また、ワインは新郎が自らブドウから作ってボトルに詰めたと聞きました。ラベルにはパーティーの余興で使う、クイズがプリントされているなど、とても凝ったものでした。
外から見ると、多目的なホールですが中に入るとホテルのホールに変身していました。

この準備、2時過ぎまでかかり、その後、私たちは自宅に戻り、着替えて3時に間に合うように教会に行きましたが、新郎も親も親戚も同じくです。信じられますか?この逞しさ。

さてパーティーは、初めはスピーチがあるのかと思いきや、司会者からの説明があったかと思うと、すぐに食事が始まりました。呼ばれたテーブルの人たちが、順々に外に、焼きたてのバーベキューをとりに行きます。その後、デザートも各自とりに行くというセルフサービス形式でした。

食事が済むと、ここでやっと挨拶です。スピーチよりまずは腹ごしらえが先だったんですね。よかったぁ。

スピーチで、私がびっくりしたのは、日本のスピーチと内容がとても似ていたことです。
花嫁の父親が、お客様のところへお礼を行った後、娘の小さかった頃からの回想です。その後、新郎の父親です。ここでも同じくです。そして、最後は、新郎のスピーチです。新郎は、遠くから来てくれてありがとう、この日があるのは皆さんのおかげ、とか、日本人とおんなじだぁ、と本当にビックリしました。ただ、だれも涙をそそるようなことは一言も言っていませんでした。皆さんとても楽しいスピーチでした。そして電報も読み上げられて、日本と一緒だぁ・・・・。
このスピーチの中で、何度もシャンペンでToast(乾杯)をしました。

スピーチと乾杯が終わると、司会者が出てきて・・・それではみなさん、ダンスを始める前に一緒に片づけをお願いします、となり、全員でテーブル運んだりグラス片づけたりと、中央に踊れるスペースを作る作業に入りました。全員でするとけっこう速い。

片づいたところで、全員で写真撮影をし、そしてあっという間にダンスの時間となりました。

生バンドに合わせ、まずは新郎新婦が2人だけでムード満点に踊ります。2人のダンスが終わると、ここからはアイリッシュ・ダンスの始まりです。

大勢が中央に集まり踊り始め、曲は、映画タイタニックの中でデカプリオとキャメロン・ディアスが3等船室で踊ったあの音楽です。私の中に印象深く残っていたアイリッシュ・ミュージックが流れ、老若男女がとっても楽しそうに踊り始めました。初めの1曲は、みんな好きに踊っていましたが、次からは司会の人が、1曲ずつ踊り方を指導してくれます。小さい子もお父さんもおばあさんも、みんな本当に楽しそう。いうなればアイリッシュ・ミュージックにあわせた激しいフォークダンス。まさにタイタニックです。私も一緒になって踊りました。気分はキャメロン・ディアス。

その頃、7歳の息子は・・・というと、イスで寝始めてしまいました。確かに男の子には人気がないダンス。若い男の子は1人も参加せず遠目で眺めていました。

時計は9時半、残念だけど子連れはそろそろ帰るか、とパーティーはまだまだ盛り上がっている中帰ってきました。

このダンスパーティーは夜中の12時まで続いたそうです。

友人に踊った話をすると、イギリスの結婚式とはそんなもんだと言っていました。アイリッシュだったりスコティッシュだったりモダンだったり・・・・なにはともあれ、ダンスだそうです。
楽しかったぁ!!

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くみ子のケンブリッジ便りNo20

- イギリスとアンティーク −

イギリスのアンティークについては以前にもふれた事がありますが、たいていどんな街にもアンティーク・ショップはあり、また、大小さまざまなアンティーク・フェアーも各地で大々的に開かれ、オークションも盛んです。

お昼の12時15分から始まる、テレビの人気番組”Bargain Hunt”も、アンティークの番組です。赤チームと青チームの素人2人組が、300ポンドを持ってアンティーク・フェアーで買い物をし、その後、それらをオークションにかけて売っていきます。どっちのチームがより多い利益を出せるか、そして利益分は出場者がもらえると言うギャンブル性の高い番組です。また、オークションにかける前にプロがアイテムについて解説をし、値段を予想していくので勉強にもなります。出場者は若い人から中高年の人までいろんな人が応募していて、アンティークが幅広い人たちに人気があるのが分かります。

アンティークと言うと、日本人の感覚では骨董品的な、希少価値のある古美術や古道具を想像しますが、イギリスでは少し違った意味合いがあるような気がします。不用になったら捨てるのでなく、使われなくなった物を使う人に譲る、その延長線で長い時間が経過して古くなっていった、それがアンティーク。

ここ、イーリーにも、大きなアンティーク・ショップがあります。この店はこの地方で一番の規模を誇り、3フロアーにわたって、家具や雑貨が並べられています。川沿いでもあり、イーリーの観光名所(?)の1つで、多くの観光バスも立ち寄ります。

 

古いものが好きな私には、気に入った場所で、家からすぐと言うこともあり、よく出かけていきます。

 

日本に入ってくるアンティーク家具と言えば、テーブル、椅子、棚やタンスが主なものですが、ここでは本当に色々な物が並んでします。

ベッドの天蓋やヘッドボード、赤ちゃんのゆりかご、本、ゴルフやラグビーボール、テニスラケットなどのスポーツ道具、キッチン用品、年季が入って味のある、今まで存在する消耗品以外は、すべてアンティーク・ショップにあると言っても過言ではありません。宝石などの装飾品はさることながら、ドレスにブーツ、ブランケットやベビードレスも売っています。

例えば、キッチンアイテムでは、はかり(天秤)、料理の本を開いておく真鋳のブックスタンド、籐の買い物かご、卵を入れるバスケット、木製のカテラリー入れ、使い古され真ん中が減ってしまっているまな板とナイフ、日本では絶対に捨てられてしまっている物がたくさん売られています。ナイフやフォークもたくさん、もちろんティーカップも。

以前、イギリス人の友達の家に遊びに行った時、アンティーク・ショップで売っているような、半世紀以上は経っている、古い秤(はかり)を使ってスコーンを作ってくれました。おじさんからもらったと言っていましたが、便利な秤がいっぱい出回っている今の時代にいても、効率よりも感性を大切に生きている人たちが多いことに驚きました。

また、農耕具、乗馬に関する物もたくさん並んでします。小さなスコップから大きなクワまで・・・。鍵なんて、キーとロックとセットでなく、片方だけなんてものがたくさんあるんです。
視界に入るだけで、きっと豊かな気持ちになれるんでしょうね。
剣も鉄砲も売っています。シャンデリアやランタン、暖炉の火かき、アイロンがなんでアイロン(Iron・鉄)って言うのかも良く分かりました。
1日中いても飽きません。

アンティーク・ショップは楽しいだけでなく、時代背景や生活に密着した文化が垣間見ることができ、いうなれば博物館です。とても楽しく勉強になるところ。

ここイーリーでは、毎月アンティークのオークションも開かれます。
オークションの1日前から、実際に番号のついた出品物を見ることができます。
当日は朝から番号順にオークションにかけられていき、お目当ての物がある場合は、その番号から時間を予想しやってきます。

ロンドンのオークションなどは、とてもポッシュな雰囲気が漂い、見学だけでも、きちんとした服装で臨まなくては、肩身が狭い思いをしそうですが、ここイーリーではホントに気軽に見学も買うこともできます。こんなの頼まれてもいらない、って言うようなガラクタや、壊れ物まで並んでいます。
もちろん買い手がつかない物もいっぱいあります。

ここで驚いたことは、オークショニアという、ハンマーを持って競りにかける人のテクニックです。手際よく、小気味よく正確、そしてたまに笑わせる。プロフェッショナルの一言です。一見の価値ありです。もう一つは、高級品だけがオークションにかけられているわけではないことです。

欠けていても、壊れていても、安そうでも高そうでも、なんでもありなんです。古ければ欠けるのは当然。そして完璧ばかりを求めていないし、第一、完璧って何?って。
イギリスってそういう国なんですね。

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くみ子のケンブリッジ便りNo21

- 不思議の土、イギリス−

イギリスに来た当時から、不思議に思っていたことがありました。
それは、植物がとてもよく育つことです。
信じられないほどのたくさんの花を咲かせ、信じられないほどたくさんの実をつけます。
畑や果樹園のだけでなく、一般家庭の庭先や公道の垣根でも、そうなんです。
写真は、近所の庭に植えてある、背高のっぽのリンゴの樹と洋ナシです。どちらもたくさん実をつけています。

     

何と言っても、世界に知れたイングリッシュ・ガーデンです。
きっと、かなり手入れや肥料をやっているのだと思っていました。でもそれは間違い。肥料をあげている人もいますが、肥料や手入れをしなくとも植物はよく育つんです。それもはんぱじゃなく、よく育つのです。

ワイルド・ベリーと言いますが、本当に何もしなくても、よく育つ環境がここにはあるようです。
最近は、通りを歩いたり、散歩をしたりしていると、収穫の季節がやってきた!とウキウキしてきます。

去年の夏休みには、川沿いの散歩道で、ブラック・ベリーをいっぱい摘んで、毎日いっぱい食べて、ジャムにもしました。今も、去年作ったジャムを毎日食べています。ブラック・ベリーには大きなとげがあり、収穫の後半ともなると、実が取りにくいところまでのものも取ろうとするので、血のにじむ思いです。

今年は、ブラック・ベリーが青紫に色づくにはまだ早く、食べ頃を楽しみに待っているところ所です。

昨日は、友達からチェリーのような、プラムのような実がなっていると言う情報があり、早速行ってきました。場所は公園の垣根、と言っても3メートル程はある背の高い垣根で、数種類の樹が連なってありました。見た目はサクランボのようですが、味はプラムと似ていて、色は黄色、赤、紫、青紫、大きさはサクランボからプルーンくらいまでさまざまな樹がありました・

     

子供と2人で、おおよそ5キロは採ってきたと思いますが、5キロのプラムを食べると言うのは大変なことです。種が入っているし、ジャムにしてはベリーの様に美味しいとは思えないので、今のところせっせと食べています。

イギリスの人はこの手のフルーツはシチューにするそうです。シチューと言っても食事用でなく、デザート用。砂糖で煮込み冷やしてアイスと一緒に食べるそうです。

昨日、採ってきたプラムたちをたくさん入れてケーキを作ってみました。

 

 

 

もう一つ不思議なこと、それは植物を食い荒らす虫が少ないのです。
今、庭にはトマト、豆、レタス、キャベツ、ブラッスリー・スプラウト(芽キャベツ)、にら、サラダネギ、ジャガイモ、とうもろこし、ルコラ、バジル、パセリ、それに、果物は、リンゴとプラムが植えてあります。

日本で家庭菜園をしていた時は、毎日毎日虫退治をしていた記憶があります。ここでは、アブラムシも、青虫も、いるにはいるのですが、圧倒的に少なく、虫の心配をする必要はほとんどありません。

何人かの人に聞いてみると、ひとつ(1本)だけ植えると虫がつくけど、何本か植えておくと虫がつかないと言っていました。本当だとしても、イギリスでの話です。日本では何本植えても虫はやってきます。

東京で、肥料をあげて育てていたトマトと、今、イギリスで水だけで育てているトマト、全く逞しさが違います。ひょろひょろしていた東京のトマトに比べ、ここのトマトは、茎も倍以上太く、しっかりしていて、成長の速さにもビックリします。そして、長い間収穫が楽しめます。

東京ではめったにお目にかかれないカタツムリも、ここではたくさん見かけます。
鳥は、カタツムリが好物で、見つけては、くちばしで殻を石やコンクリートに叩きつけ、中身を出して食べています。また、ナメクジと言ったら、その大きさにビックリします。真っ黒いナメクジは20センチ程にもなり、まるでアボガドを縦に半分にして黒くした感じです。

イギリスに来てから、息子が、フクロウの糞の中に、何が入っているかを探る子供のイベントに参加しました。 森から、乾燥したフクロウの糞を拾ってきて、ピンセットでほぐすと、中からたくさんの骨が出てきます。骨の各パーツを並べてみると、どんな小動物(野ネズミの様なもの)を何匹食べたかがはっきり分かります。一固まりの糞の中には、3匹程の小動物の骨がありました。

芝生や樹木が豊富なイギリス
しゃらしゃらと、しょっちゅう降る雨。水はけがよく、風もあり、日差しも強い。
植物の面積が広いということは、虫もたくさんいて、またそれを食べる動物もたくさんいます。野ネズミやモグラが、土の中に、トンネルを掘って巣を作り、トンネルは土の中に酸素を送り、微生物の繁殖を促します。樹は微生物や枯れ葉によって肥えた土から栄養を吸収して、たくさんの花や実、種子をつけ、それを鳥や小動物が食べます。そして更に大きな動物や鳥が小動物や小さな鳥を食べる。

ここにいると、フードチェーン(食物連鎖)が手に取るように分かります。
そして、”豊かな土壌”とはどういうものなのか、とてもよく理解でき、土って素晴らしいと驚いています。

自然の恵みの美しさ、素晴らし、そして感謝を感じるこれからのイギリスの季節です。

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くみ子のケンブリッジ便りNo22

- ウェールズ−

ずっと、ずーっと前から行ってみたかったウェールズ。
夏休みに行ってきました。
ウェールズについては、塾長が書いてくださった「イギリスの国名について」をもう一度読んだり、いろいろ調べたりしてから出かけました。

目的地Colwyn Bay は ノース・ウェールズのIrish Sea海岸沿いにある街です。海を隔てた先にはアイルランドがあります。
イーリーを出発し、バーミンガムで1回乗り換え、合計5時間程の列車の旅です。
イギリスの列車は、日本の新幹線にあたる列車や朝の通勤列車以外はかなり空いています。今回も、テーブルをはさみ4人の席を、2人で座って車窓を眺め、食べたりゲームしたりとゆったり旅を楽しみました。疲れたらいつでも寝られるし、リラックスできるので列車の旅が大好きです。

ウェールズに入りしばらくすると、海岸線を走ります。右は海、左は小高い山や丘が並ぶValley(丘陵地帯)。緑に覆われた山もあれば、石がごろごろしている山もあります。よく見ると鉱山や石切り場が数多く見かけられ、昔は、炭鉱石発掘が盛んだったことが分かります。
丘陵地帯の多くは牧草地。
静かに草を食べていたり、寝転んでいたりする羊や、牛や馬、心休まる風景に癒されます。また野生の馬がたくさんいるのも驚きでした。

でも、広〜い牧草地にポツンポツンといる様子は・・・私が住んでいるイングランドもゆったりしているところですが、そこと比較しても、土地がひろびろとしています。

ここから見るIrish Sea はとても静かで、イルカやシールズ(あしか)が見られるそうです。
視界には、海の青、山の緑、空の青がいっぱい入ってきて、深い自然に包まれる幸せを、体の芯まで感じられるところです。

急行電車が止まるColwyn Bay市 は、丘から海岸線まで、街全体が一望できるとても瀟洒な街です。なだらかな坂のある土地独特の美しさがあります。

写真は車で30分ほどのところにあるValleyへトレッキングに行った時のもの。
滝を目ざした往復3時間程の、山あり谷あり、滝あり森あり、と言った大自然満喫コースでした。

ウェールズは、昔は独立した国でしたが、イングランドに征服されイングランド領となりました。言葉も、もともとは英語ではなくWelsh(ウェールズ)を話します。

ある時期は、Welshはすべて禁止され、英語のみ話すことを強要されたこともありました。そのため、Welshを話す人たちは20%程までに減ってしまったそうです。その後、Welshを守ろうとする運動が高まり、今では全ての学校でウェールズ語の授業があり、テレビでも子供向け番組も含め、ウェールズ語のチャンネルがあるそうです。

また、電話をかけた際、役所などでは、最初はウェールズ語で応答するそうです。
その甲斐あってか、近年は少しずつ、ウェールズ語を話せる人たちが増えてきていると言うことです。道路標識などは、まずウェールズ語で、そして次に英語の表記がされています。 写真は、Conwy と言う街で撮った標識です。上がWelsh、下がEnglish。

 

ここConwyは、「コンウェイ城」で名の知れた世界遺産の城壁の街です。 
今の時代でも、街中が城壁にすっぽり包まれています。戦いの拠点のために建てられた城のため、頑強な威厳のあるたたずまいです。
海岸沿いに立つ城と城壁に囲まれたこの街は、昔から現在に至るまで、時代が途切れていません。城壁の中には鉄道も駅もあり、けっして辺境の地ではありません。
四方を見渡せる城壁に立ち見渡すと、海、山、鉄道、橋、街、城、石畳など、このお風景からでは、いつの時代にいるのか判らない、でも、そんな空間に現代の生活があります。
ここでの時間と、東京での時間が同じに進んでいることが、とても不思議でなりません。

今回私たちは、知り合いの家にお世話になりました。
30年前に、ロンドンから引っ越してきた、夫婦そろって教師のイングランド人の家庭です。

2人に、ここでの暮らしの難点と、よいところを聞いてみると・・・、
難点は、コンサートや映画などのイベントは、大きな都市まで出かけて行かないといけない。それと、子供が友だちと会うのに、それぞれの家が離れすぎている。よいところは、もちろん自然との暮らしがあることと言っていました。

この夫婦には、一番上が30才で、末っ子が17才で、5人の子供がいます。一緒に暮らしているのは息子だけ。この両親を含めて、全員が2つ以上の楽器を弾きます。居間にはグランドピアノといろいろな楽器、それにパソコンが2台。4人の子供たちは、全員ケンブリッジ大学を卒業。17才の末息子も医者を目指して、いずれケンブリッジ大学を受けるそうです。

この息子さんの夏休みの生活ぶりを見ると・・・、毎日とても忙しく活動しています。
朝起きると、自転車で新聞配達(1週間で25ポンド)。基本的に日曜日以外は毎日です。
毎週、泊まりがけのキャンプに出かけ、ピアノとチェロの練習し、週1回は教わりに出かけます。
私たちの滞在していた時は、オーケストラに入って、コンサートに出かけると言って1日留守にしていました。

彼は、最近では、運転免許取得のための個人実習レッスンも始まり、忙しさはパワーアップ。夜10時のニュースをみんなで見ていましたが、食事のとき以外は、ほとんど顔を見ることはありませんでした。忙しくとも食事の後片づけはしっかりします。勉強はしているのかは聞き忘れてしまいましたが、友達とふらふら遊んで出かけている様子は全くありません。何と充実している青年かとビックリしました。

受験地獄とはよく言ったものです。日本の受験生とは、天国と地獄ほどかけ離れた生活を送っていました。また、愛情たっぷりの両親のサポートにも驚かされました。土地が広い分、家族が生活の基本だと言うことがよく分かります。家族の絆なしでは充実した生活はできません。

今回にウェールズ旅行はとても楽しい旅でした。そして、価値観、家族のあり方について考えさせられる旅でした。

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くみ子のケンブリッジ便りNo23

- ピクニック−

イギリスでは春から夏の間はピクニックの季節。 
お陽さまが顔を出している日は、大勢のカップルや家族連れで、公園や広場の芝生の上が、にぎわいを見せます。

日本でピクニックと言えば、お弁当を持って出かけることを言いますが、イギリスでピクニックと言うと、どちらかというと、野外でとる食事のことを指します。

ドライブして、景色のいいところにイスとテーブルを出して、スコーンを並べるのもピクニック。近くの公園に家族で出かけ、ラグ(マット)の上にサンドイッチを並べ半日過ごすのもピクニック。また、自宅の庭でワインとチーズ、ハム、これもピクニックです。

この季節、暖かく日差しのある日は驚くほど多くの人たちが芝の上にピクニックにやってきます。

この光景は日本の花見に近いものがあります。老若男女を問わず。ボールで遊ぶ子もいれば、何も会話もないまま、紅茶を飲む老夫婦がいたり、ワイン片手におしゃべりするカップルがいたりと、みんな日光浴を兼ね優雅な時間を過ごします。

 

イギリスのピクニックで、私が何よりも驚いたこと、それは芝生の上に敷く敷物です。
日本では敷物と言えばゴザかビニールマット。
ここでは、もちろんゴザなんてありませんが、ビニールマットでもないのです。
ここでの定番は、ウールのブランケット(ラグ)です。
最初はビックリしました。直接、芝生の上にウールのブランケットを敷いて座ったり寝転んだり、食事もブランケットの上に並べます。たまに芝が湿っていることもあります。でもお構いなし。
裏はビニール、表はブランケットというピクニック・ラグ(私のものはこのタイプ)も良く見かけますが、やはり、ブランケットが正統派のようです。
折りたたみ椅子を使うときには、敷いていたブランケットを膝にかけちゃいます。

効率よりもおしゃれ感を重視するイギリス人にとって、ビニールマットなんてありえません。
家の中を靴で生活している人達です、汚れに対する感覚も日本人とは違います。
ブランケットを草の上に敷いたからと言って洗濯しないところもイギリス人のいいところ(?)です。

スーパーも、ピクニックをテーマにした商戦に乗り出し、カラフルできれいなプラスティック製のお皿やカップ、普段よりちょっとおしゃれなサンドイッチ、お皿とカップやナイフが収まったおしゃれなハンパ―(籐のカバン)がお店に登場するのもこの時期です。写真のハンパ―はアンティークショップにあった1930年代のものです。

このピクニックは。19世紀頃に、支配者階級の人々の間で盛んにおこなわれるようになったそうです。フランスで流行ったのをきっかけに、庭と言うには素晴らしすぎる庭園で、シャンペンやワイン、パテやローストした肉という豪華な食事をすることが貴族の間で流行しました。英国王室御用達デパート「フォートナム&メイソン」のような貴族相手の店によって、工夫を凝らした、バスケットに入った皿やナイフ、ワインかごなどが売られたそうです。そしてその後、中流階級にも広がり、今では万人の楽しみです。

私がいるイーリー界隈で見る限りでは、パテやローストミートを食べているような人々はお目にかかったことはありません。多くの人はサンドイッチに、生の人参、ブドウやイチゴと言ったところでしょうか。相変わらず食べものに関心が薄いイギリス人にとって、ごちそうはお日さまなのです。

ピクニックが人気の大きな理由は、日光浴なのです。
なにやら、陽が照っているときに日光浴をして、ビタミンDを貯金しておかないと、冬風邪をひいたり、クル病(骨が曲がる病気)になったりすると信じられ、晴れ間を見ると、ここぞとばかりに日光浴をするのです。そのため、一方では、皮膚がんも多いそうですが・・・。

そんなにまでして焼かなければいいのに、と思いますが、いっこうに気にしていない様子。
子供は芝生を駆け回り、大人はお陽さまにうっとりです。

イギリス人にとって、ピクニックは健康促進(?)を兼ねたお手軽家族エンジョイ型外食なのです。

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くみ子のケンブリッジ便りNo24

- イギリスのお父さん−

子供の学校の送り迎えを、大勢のお父さんがしています。夫婦そろって来る日もあります。
習いごとの送り迎えや付添、行事にも、お父さんがするのは当たり前。
イギリスのお父さんは、家事、子育てに関する自分の役割を、実質的に担っています。

会社が終われば、家族との時間です。日本で、お母さんはみんなのお世話係であるように、イギリスではお父さんもみんなのお世話係なのです。学校の保護者面談も、父さんも参加できる時間が設定され(と言っても4時から6時半頃)。多くの人は両親2人揃って参加しています。

日本のお父さんのように、会社の同僚や友人と過ごす時間は極端にありません。片づけや、食事の準備もせず、テレビを見ているなんて、普通ではありえません。子供が寝る前に本を読んであげるのもお父さん。食事の後コーヒーを入れるのも、洗い物もお父さん。例え、奥さんが専業主婦でもです。

友人の旦那さんは科学者です。朝の食事の後方づけは奥さんですが、朝から娘を車で送り会社に行き、昼食のために戻ってきます。食事の準備は奥さんがしますが、コーヒーや片づけは旦那さんがしてまた会社に行き5時半頃戻ってきます。夕食の後片づけをし、子供や奥さんの習いごとに何度も送迎しています。

別の友人の会社を経営しているお父さんなどは、子供を送ってから、スーパーで買い物し、それから仕事へ出かけて行っています。
               
これにまして、イギリスはレィディーファーストLady First(?)の国。男性がドアーを開けてイスをひいてくれるのはもちろん、買い物へ行っても、男性が荷物持ちます。お父さんが買い物をすることも当然です。お茶でも入れようか?と聞くことはあっても、お茶入れて、などと言った時は家庭崩壊の時です。

女性も仕事をし、社会進出している今は男女平等?、、、いいえ、平等ではないんです。男だからこそ、女を守り、子供を守り、女子供が幸せでいることが立派な男の証なのです。女子供が幸せに笑って暮らせて初めて自分が幸せなのです。

会社で仕事、自分の世話は当然自分、家で家事と育児、その上奥さんの送り迎えや荷物持ちやお茶を入れて楽しい会話をする。これが楽しくできて家族が幸せであって、一家の主人なのです。

イギリス人と結婚した日本の女友達が、結婚当初、シャワーを浴びた後に着替えを出して置いておいたら、"僕は君の子供じゃないんだよ"と言われたそうです。奥さんに世話してもらうなんて、男がすたるってもんです。

女性の私からすれば、イギリスの女性は何と幸せなことだ、と思います。
そして、イギリスの女性は日本の主婦の話を聞くなり、それで幸せなの?と聞いてきます。
日本の男性からすると、イギリスの男性は何とかわいそうな、と思えるかもしれませんが、見ている限りではとても楽しそうです。

そしてこれがイギリスのお父さんなのかと思いきや、これは最近のことなんだそうです。というのも、イギリスでも昔のお父さんは、日本のお父さんのようだったそうです。お母さんは家にいて、仕事を終えたお父さんは家事も育児もせず、友人とパブ(Pub)で飲んでいたそうです。

そんな環境で育った人たちが、大きくなって、どうして急に子育てや家事を共にするようになり、それを楽しんでいるの?

働く女性が増えたことは大きな要素の一つであるようです。社会や会社の制度や福祉制度など、子育てに関する法律も変わり、女性も男性も育児休暇を取りやすい環境ができてき、パパ、ママにとらわれず、収入の多い方がメインに働くなど、社会のバックアップ体制も変わってきているからです。

でも、日本もイクメンという言葉ができる程、変化してきているのでしょう。こちらに来て、私が驚いているのは、男が女に代わって家事や育児をするようになったことではなく、率先して楽しみながらしていることに驚いているのです。その献身ぶりとエンジョイぶりにはとても驚いたので、機会があるごとに私はお父さんに話を聞いてきました。

多くのお父さんは、みんな同じことを言っていました。(イギリス人が同じことを言うと言うのはとても稀なことです。なぜならみんな違うから)。家事と育児を積極的に参加し、子供との関わりと、家族の絆、夫婦の関係を深め、家族一緒に充実した時間を過ごしたいと考えたら、しないではいられない。子供が小さい時は2度と戻らないし、子供の成長にたずさわれる幸せをみすみす見過ごせない。家族一緒で充実した暮らしを送るための仕事であり、人生だ、と。

なので、男性は可哀そうでも、嫌そうでもなんでもないんです。したいことをしているだけなんです。もちろん、仕事も家事も子育ても1つだけとっても楽なことではないです。どちらもこなすのは大変でしょう。でも、好きでやっているから楽しいんです。大変だから辛くて、楽ちんだから幸せ、と言うことじゃなくて、楽しんでいるから大変でも楽ちんでも充実しているのです。

こんなお父さんたち、休日は休んでいられるのか?そんなことはしていません。休みは家族そろって出かけたり、共働きの家だったら、お母さんが掃除して、お父さんが公園へ子供と出かけたり、と、一人だけ疲れを癒しているなんてことはありません。その上、家庭の経理もお父さんがします。イギリス人の女の人に、光熱費の話をしても、いくら払っているか知っている人は今まで会ったことがありません。

また、専業主夫のお父さんもとても多い事・・・・・。

息子の友達家族は、7歳と1歳の男の子がいる家庭です。2人目を産んでからは、1年近く専業主婦をしていたお母さんは、1年と数ヶ月だけで仕事(軍関係)に戻りました。勤務先が離れているため、月曜日の朝から金曜日の夕方まで戻ってきません。それに伴い、お父さんは仕事を1年以上休んで専業主夫となりました。

お父さんは穏やかで楽しいとても良いお父さんで、ゆったり、きっちり、男目線で子育てをしています。子供が男の子と言うこともあり、男同士の暮らしは居心地のいいものらしいです。お母さんが週末に戻ってきても、赤ちゃんはお父さんの方になついてしまい、泣いた時にはお母さんでは泣きやまなくなる程です。もうすぐ専業主夫も終わってしまうのですが、お父さんはとても残念そうにしています。

別のお父さんは、完全な専業主夫です。奥さんがきっちりの勤め人です。PTAのリーダーも務め、専業主夫をエンジョイしています。

息子の通う学校の校長先生は女性です。この校長先生は再婚ですが、再婚当時から旦那さんは完全な専業主夫です。それをみてイギリス人の友人は、どちらも本当に幸せだ、と呟いていました。

会社や付き合いよりも、何よりも家庭を第一に考えるイギリス人。
独身女性のみなさん、イギリス人の旦那さんはとてもお勧めです。

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