塾長は、CAをめざす皆さんには、もっともっと海外のこと、異文化のことを知ってほしいと思っています。当ページでは、元JAL CAの久美子さんに、英国の歴史的な地方での生活体験をつづってもらいます。舞台は、ケンブリッジから少し入ったイーリー(Ely)という町です。 |
くみ子のケンブリッジ便りNo01- 小さな町イーリー(Ely) − |
私たちが住んでいるのは、イギリスでもっとも小さく美しい街、と言われている、Ely(イーリー)と言う所です。
建物が何百年なら、樹も何百年。絵本に出てくるような、家より大きく、どっしりとして、今にも話したり、動いたりしそうな芸術的な樹の上を、愛らしいリスが走り渡っています。 4月になると、軒や樹の下には、卵の殻が落ちていて、近くでヒナの鳴き声が聞こえてきます。 街にはケンブリッジからつながっているグレート・ウーズ川が緩やかに流れています。 イギリスと言えば芝生。一年中緑を保ってそれは、それはきれいです。 雨で暗いイメージもイギリス。 日本は一年に四季がある、と言われるけれど、イギリスは1日に四季がある、と言われています。この表現通り。 CAだったころ、イギリスの古い建物や大きな樹、深いグリーンの芝生の美しさにあこがれて、暮らしてみたいなぁ、と思っていました。 この街で私たち母子2人、イギリスでの暮らしをスタートさせる。 私が子供の留学先を決めるにあたり、いろいろな人に話を聞きました。
見知らに人に笑顔であいさつします。 美しい街、親切で暖かい人々。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo02- 住まい探し− |
街には、大きなスーパー“waitrose”(ちょっと高級)、と“Tesco”(庶民向け)、その他、1ポンドショップも含めて、お店は各種2、3件ずつはそろっていますが、動産屋は7軒。しつこいようですが7軒です。 ここへ移るにあたり、日本にいるときから、インターネットでここの物件は毎日見ていました。 東京の賃貸物件の場合、敷金(後で戻るかもしれないお金)・礼金(返却されないお金)それぞれ家賃の2ヶ月分、不動産屋に払う手数料1ヶ月分、それにその月の家賃と次月の家賃。契約当初に必要なお金は、家賃の7ヶ月ほどは用意しなくてはなりません。その上、2年ごとに更新契約し、その都度、家賃の1ヶ月分を大家さんに払い、最低1年は住まないとペナルティーを払う所が多いです。
出ていくと決まったら、直ぐに次の借り手を探しの広告を出します。 例えば、状況が変わり突然貸している家を売りたくなったとしたら、家主は、貸し始めて最低6ヶ月過ぎればいつでも2ヶ月前に通告するだけで賃貸契約を解消できます。そして、私たちもこの状況に遭ってしまいました。運良く、前より良い家が見つかりましたが、当初は焦りました。 Furnishedといって家具付きの家もあります。キッチンには電化製品の他、食器類等がそろい、ベッドやタンス、テーブルチャエアー、ソファー等、一通りの物がそろっています。地域により、家具付きが多かったり少なかったりするようです。ケンブリッジでは家具付き物件が多く、Elyでは家具なし物件がほとんどです。私たちは家具付きで探していたので、ここイーリーでは選択の余地はほとんどありませんでした。 また、知らない他人同士がキッチン、リビングを共有しルームシェアーで住むパターンもあります。タバコ禁止の家も結構あります。玄関を出て外でタバコを吸っている人たちを見かけます。 持家の場合はもちろんですが、賃貸で家を借りている場合でも、家の価値によって毎月納めている地方税の額が違ってきます。 お金があるから家を買い、ないから賃貸、と言う考えも日本ほど強くないようですが、持家の方が、メリットが大きいという考えは強いようです。 結婚して子供が小さかったり、子供の数が少ないころまでは、小さい家に住み、人数が増えるにつれ大きな家に越していき、また、子供が独立し2人になった時には小さな家に移ったり、田舎に越したり、状況に応じ臨機応変に変えていきます。 こちらでは、子供1人につき1部屋を与えないと社会的に許されません。 ちょっと話がそれますが、男の子がお母さんと、または、女の子がお父さんと一緒にお風呂に入るとか、日本では小学校の3年生(?)ぐらいまでは、普通かと思いますが、ここでそんな年になった子と一緒にお風呂に入るなんて、犯罪と見られる可能性が高いそうです。 持ち家の場合でも同じく、子供が増えベッドルームの数が足りないと、その分の部屋を増築するか、広い家へ移ります。生活保護を受け政府より家を支給されている人達も同じく、子供の多い人は大きな家で暮らしています。保護を受けている身分とは到底思えません。 地域の新聞には不動産情報が3分の1占めています。 多くの人は家へのこだわりがとても強く、環境にあった家を選んでいます。 小さな街に不動産屋が8軒、その訳が分かりました。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo03- イギリスの夏 − |
人はよく、「イギリスは5月、6月がよい」と言います。暑さにつよい私には7月かな・・・・。 さむくて陽が短かった冬がやっと過ぎ、5月に入ると、暖かい日がぐんと増え、花も木々も盛んに活動し始め、すがすがしい気分になってきます。 6月になると、夏らしい日が多くなり、人々の気分は一気に夏。朝は4半時頃には明るくなり、夜暗くなるのは10時頃。日本人には肌寒い日でも、イギリス人は半そでやタンクトップを着て日光を補給しています。 イギリスの7月は日本人にとっても「夏」と言う感じ。 日中は25度から27度くらい、暑い日では30度の日もありますが、それも、ひと夏に数日。暗くなると気温も下がり、暑い夜は少なく、夜、窓を開けたまま寝る日は数日でしょうか・・・。この時期はヨーロッパ特有の、急に冷え込むこともなく、夏のおしゃれが楽しめます。 夏なのに蚊の心配がいらない!!イギリスでは蚊を見かけることととはあっても、1度も刺されたことはありません。雨が降っても、基本的にカラッとしているので、蒸し暑さはなく(日本人には)、クーラーがある家もありません。 イギリスの夏は最高の季節。この季節を体験すれば、寒い冬も耐えられる・・・・・。 私が今回イギリスに来て初めて知ったのが海でした。
なので、砂浜でサンド・キャッスル(Sand Castle砂のお城)を作ったり、大きな穴を掘ってみたり、水路を作ったりしています。こちらのバケツはキャッスル型バケツが多く、子供のシャベル(イギリス人はスペードと呼んでいます)は柄の長い物も多く、深く掘りやすくできています。 ビーチによってはレストランやホテルが近いところもありますが、海に囲まれたこの島国には、何もない海岸ばかりという感じ。夏だけオープンする日本の海の家のようなものはなく、あるとしたらアイスクリーム屋さんがバンの車で売りに来るくらい。多くの人はピクニック(サンドイッチなどお弁当)を持参してきます。 Cliff(クリフ)と言って垂直に立ったたか〜い崖が長く続いているビーチもあります。崖は白かったり、茶色かったり。崖の下を歩いたり、砂利の浜を散歩したり、小さい子は水着で浜遊び、大人は日光浴。また、崖に登り、崖のふちを歩くこともできます。でも、崖には、柵など一切ありません。かなりの強風が吹いています。危険覚悟で、そのへりまでいくこともできます。日本では考えられない緊張感です。 そしてFossil Hunting (化石掘り)などでも楽しめます。崖には何億年も前の化石(貝殻・葉っぱ・魚・サメの歯・恐竜の化石等など)が多く見つかることもあるので、Fossil Huntingも楽しみの1つです。6歳の息子は恐竜が好きで、何度も一緒に恐竜の化石探しに出かけました。さすがに恐竜は見つかりませんが、貝や、きれいな石は見つけられます。化石発掘ツアーもあります。 また、バードウォッチングにも適しています。浜にいる鳥のほか、崖にいる鳥、海とつながっているSalt Marsh(湿原)も広大で、いろんな鳥が見られます。海岸沿いや湿原の中を歩きながら観察する人たちも大勢います。 潮の満ち引きだけでなく、さまざまな形の海があるので、楽しみ方もいっぱい。日光浴が好きなイギリス人なので、赤ちゃんからお年寄りまで海にやってきます。 私たち親子の1番の楽しみにCrabbing (カニ釣り)があります。 子供はもちろん、大人も夢中になって釣っています。多い時は、1時間で、50匹くらい簡単に釣れます。だれに聞いても、「食べない」と言うし、15センチ位の小さいカニがほとんどなので、最後には海に戻しますが、ああ、これで食べられたらもっと楽しいのになぁ。海の近くの街では、カニ釣り用の糸・錘・フック、網が売られています。日本でも試してみたいと思っています。 日本に比べて日差しがとても強く、私も子供も直ぐ黒くなります。でもイギリス人は赤くなるだけで直ぐにもとの白さへもどりますが・・・。 7月までは、夏を感じますが、8月に入るといきなり雨や寒い日が多くなり、急速に秋がやってくる感じがします。 8月後半にはリンゴも取れ始めます。あぁイギリスの夏は短い。 今日は9月6日。隣の家では暖炉に火を入れていました。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo04- 質素、堅実そして奉仕精神 − |
イギリス人は堅実、また、ケチ、とも聞いたことととがあります。 そのひとつはスーパーのレジ袋です。スーパーでは、袋を要るかと聞かれます。ほとんどの人たちは家から持ってきているし、必要な人は、レジで、必ず「Sorry」と言ってもらっています。日本で暮らしていると紙袋やレジ袋がたまっていくと思いますが、ここではめったに入れてもらうことはありません。プレゼント用のラッピングは、丁寧に自分でします。基本的にお店がそういうサービスをしていません。 買い物には、買い物リスト&ペン持参で来る人も多く、スーパーのカートにはリストを挟めるパッドが付いています。カートへ入れたものにはペンでチェックを入れています。 すっごく驚いたことは、この国の人たちは、食器を洗う際に、ゆすがないと言うことととです。 家庭でも、くず入れの数が少ない。あるはキッチンぐらいでしょうか?基本的にゴミ箱を置かなければ、ゴミ箱を買わないで済むし、遠くまで捨てに行くのが面倒になるのでゴミを出さないように考えます。日本では、たいてい各部屋に1つは置いてあるティッシュも、お店では売っていますが、日本のようには安くないし、家では、頻繁には使いません。
チャリティーショップ こちらに住んで、最初の1ヶ月程は、これらの店は普通の営利目的の店だと思っていました。それもかなりイケていない・・・。ある日、友人から、チャリティーの品を売っている店だと聞きびっくりしました。イケていない理由も分かりました。そして、入ってみてまたびっくり。こんなものに値段を付けて売っていいのか?と思うような使い古したものまで売っているんです。だれが買うのかとほんとうにびっくりしました。かけたお皿なんてざら、本、雑貨、おもちゃ、靴、着古も多く、ジャケットからブラジャー、まで売っています。 もちろん値段は定価よりは安いものがほとんどですが、定価も何も、かなり使い込んだものがほとんど。なかには普通の店でセールになっている新品の物の方が安かったりもします。 でも、たまに掘り出し物があったり、新品だったり。または、アンティークショップの人が買いつけると言う話も聞くくらい、骨董品的な物もあります。今時こんなものはもう買えないなぁ、なんていうような昔のものが手に入ったりもします。廃版になった本やマニアックな物など欲しい人にはかなり嬉しいものも見つかり、安く手に入る時があります。 初めは、こんな使い古し売って信じられない、と思っていましたが、ここで暮らしているうちに感覚が変わってきました。チャリティーショップはとてもいいんです。目的がなくてもあっても、店をのぞくようになり、いろいろ分かってきました。お店で働いている人も全てボランティア(無報酬)。 商品は、寄付で持ち込まれた物で、誰とも分からない人が、要らなくなったり、使えなくなったりしたものをビニール袋等に入れてレジに渡すだけ、閉店時間だったらドアの前に置いていくだけ。日本の中古品店とは違います。 もちろん持ち込んだからといってお金はもらえません。お金どころか、お店の外に置いてく時は誰からも「ありがとう」も言ってもらえません。持ち込まれた品物にお店の人が値段をつけて売る。売り上げを奉仕活動に役立てる。そして良く売れていると思います。 そしてチャリティーショップが盛んであるもう一つの理由は、「施しの精神」だと思います。 チャリティーショップの売り上げは、お店によって異なりますが、例えば、最初にできたチャリティーショップのOxfamはパキスタンへの支援をしています。今では世界中に何軒ものチャリティーショップがあります。イギリスでは人気で、どこの町にもあります。このイーリーでさえ5軒もあります。 イギリス人は堅実ではあるけれどケチだと思わない理由は、目的がぶれていないと感じるからです。お金があるからお金を使うのではなく、必要な物にお金を払う。必要だと感じなければお金があっても使わない。 物があふれている日本から来た私は、考えさせられることが多いです。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo05- イギリス人の食生活 − |
食べることは二の次。味は三の次。 世界的に、イギリスの食事はまずいと定評があります。その訳は・・・食に関心がない〜ぃ! 多くのイギリス人は、食事が大切だと言うことを知らないようです。今、彼らが必要なのは、味覚ではなく「食育」だと思います。 年配の人とごく一部の人達を除き、ほとんどのイギリス人にとって、食べ物とは、お腹がすくから目の前の物を食べる。エネルギーを補給するために、エネルギーの元となる物を簡単に補給する。そして、それが甘ければ甘いほどうれしい。こんな感じです。 イギリスの食事がまずいとか、料理が下手とかの話ではなく、生活の中で、母親が家庭で料理をするという工程がないのです。食事の用意はしますが、料理はしません。日常の暮らしの中に、料理をするという発想がないのです。 古くさかのぼると…食べ物より信仰心が大事と考えられていました。聖書にあるイエスの言葉、「人はパンのみに生きるにあらず。神の口から出る言葉によって生きる」を実践しているとか・・・。昔は、 バリエーションは少なく、たまにハム、チキンやポーク等の肉をたべます。基本、塩コショウ以外の味はつけません。年に数回、パイやローストミートのような手の込んだ料理もしていたようですが、毎日こんな感じなので、食事に楽しみがなく、生きるために食べている感じです。 イギリス人が日常的に口にする、唯一健康的な食べ物と言うと、ジャガイモ、にんじん、それとリンゴでしょうか。チップス(フライドポテトの事)は油で揚げているので除きますが、ベイクドや茹でたもの。にんじんは小さな子供も、生で食べます。リンゴは皮ごと、芯まで食べる人も珍しくありません。イギリスで、もっとも美味しい食べ物の一つが、このジャガイモとにんじんだと私は思っています 質素なことは悪いことではないし、昔は健康を害すこともなかったと思います。でも、最近は違います。 最近では、たくさんの種類の冷凍食品や温めるだけの食品が、簡単に、それも作るよりはるかに安く出回っています。親も子供も皆、味気のない食事よりもバラエティーに富んで美味しい(?)冷凍食品を食べるようになってしまったんです。 イギリス定番のフィッシュ&チップス、ミートパイやローストミートにソーセージ。ピザやパスタ、中華にアラビック、そしてインド料理。全てオーブン1つでできる食品がいっぱい売られています。オーブンに冷凍食品を入れ温めるだけです。 それに加え、男性も女性も子供も、みんな甘いものが大好きです。食事の合間、食事の後、食事の代わりに甘いものを食べます。給食にももちろんデザートがつきます。 健康のことを考えて、体に良い食事を工夫して作る親はほとんどいないのです。家では、朝はトーストかシリアル、昼や夜は、毎日、冷凍食品やサンドイッチ。料理をしないだけでなく、子供が好き嫌いをしていても一向に気にしません。食べないからと言って無理に食べさせることもしません。子供も大人も新しいもの、珍しいものにはあまり手をつけません。 「栄養素」など宇宙語のようなものです。親が食に無関心なため、子供たちも健康的な食事が大切だとは分からないまま大人になっていくんです。イギリスが肥満大国になった訳も分かります。 5年ほど前、イギリス人の若手カリスマシェフ、ジェイミー・オリバーが、料理をしない親からひどい食事を出されて育てられた結果、ファーストフードばかり食べるようになってしまったイギリスの子供たちを救おうと、学校給食の改善に奔走し大きな話題となりました。 家でろくでもないものばかり食べさせられている子供に、せめて学校給食だけは・・・と、給食の充実を図り、同時に食育を進めきました。これはイギリス中で大きな反響を呼んだそうです。 その結果、学校給食の質は上がったかもしれませんが、今ではイギリス中のほとんどの母親は、子供は学校で調理した暖かいSchool Dinner (給食のことで、イギリス人はランチのことをDinnerと言います)を食べてきているので、家では料理しなくても良いと思っています。逆効果だったんでしょうか?学校でも、先生が子供達の好き嫌いを正すことはしませし、残しても好きなものだけ食べていても気にもしません。 質素な食事が良いとされていたから、食の文化が発達しなかった。 また、何でも形式にこだわるイギリス人。 初めのころは、彼らの食事への無頓着さに、いく度もビックリさせられました。よく日本人はウサギ小屋に住んでいると言われます。狭くて味気のない家の例えです。 食にこだわり家に無神経な日本人と、家にこだわり食に無頓着なイギリス人。 いろいろ言いましたが、美味しいものもたくさんあります。次回はイギリスの美味しい食べ物を紹介したいと思います。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo06- イギリスと言えば、紅茶とスコーン! − |
![]() 紅茶の国と言っても、とくに種類が多いわけではありません。一般的には、ブレックファースト、ダージリン、アールグレイ、レィディーグレーが知られています。あと、イギリスっぽいといえばジンジャーティーでしょうか。紅茶の会社も、格別たくさんあるわけでもありません。加えて、高級な紅茶ばかり飲んでいるのでもありません。それにしても、紅茶はよく飲まれています。 濃いめか、薄めか・・・ミルク(牛乳)の量も、人それぞれ好みがはっきりしています。ミルクを入れない人もいますが、ほとんどの人は入れて飲んでいます。 何といっても、牛乳の消費量がすごい! スーパーの牛乳売り場の敷地も広い! プラスティックの持ち手がついたポット(Pot)型が主流で、500cc、1リットル、2リットル、3リットルとあり、普通に2本は買っていきます。また、それを冷凍しておくのも一般的らしいのです。牛乳を冷凍すると聞いた時には、本当にびっくりしました。 紅茶に牛乳。ぜったいに牛乳を切らしたくないんですね・・・。 今、書きながら気づいたこと・・・イギリスで、紅茶にレモンを入れている人は、今まで一度もお目にかかったことがありません。紅茶と一緒にレモンがおいてあることもありません。紅茶にレモンとは・・・どこの国の飲み物なのでしょう? 話がずれましたが・・・確かに、紅茶はおいしいです。イギリスの硬水にとても合った飲み物なんですね。 日本に、喫茶店があるように、こちらにはTea Roomがあります。とくに観光地にはTea
Roomがいっぱいです。そして、このTea Roomになくてはならないおきまりの一品は・・・Cream Tea。クリーム・ティーとは、紅茶とスコーンのセットのことです。スコーンにはクロテッドクリームとジャムをつけていただきます。 紅茶とスコーンは、穏やかで温かい気持ちにさせてくれます。 CA現役時代、ロンドンに来た際には、必ずといってよい程、アフタヌーン・ティーをし、スコーンを食べていました。アフタヌーン・ティーは、午後3頃から5時頃に、紅茶と一緒にスコーンやサンドイッチ、小さめのペストリーと一緒にいただきます。時には、ストロベリーやシャンペンと一緒に楽しむことも・・・。こんな時間に、こんなにたくさんの甘いものを食べるなんて・・・。 CAの先輩から、 ホテルでアフタヌーン・ティー。その時代の夫人たちを思い描き、スコーンと紅茶のおいしさに包まれて、とても優雅な気持ちに浸れたのを思い出します。 クリーム・ティーやアフタヌーン・ティー、そして、スコーンにクロテッドクリームとジャム。私は、これはイギリス人のおやつみたいなもので、とても普通のことだと、初めてスコーンを食べた時からずーっと思っていました。でも、イギリスで暮らし始め、「スコーンはお菓子」と言う考えに、疑問がわき始めました。 もともとスコットランド生まれのスコーン、ゲール語で、「口をいっぱいにあけて食べる」という意味。お菓子ではなくパンの一種で、パンがイースト菌を使っているのに対し、スコーンは時間がかからないベーキングパウダーや重曹を入れて作ります。簡単にできるパンとして、イギリス中に広まっていったようです。 作り方は、小麦粉、ベーキングパウダー、重曹、砂糖にバター、好みによってレーズンやベリー等のドライフルーツ、またはチーズを入れて焼くのが定番。大胆に混ぜて平らに伸ばした後、ナイフで三角形や四角に切ったり、丸く型抜きしたりします。私の友人などは、マグカップで丸く型抜きをしています。とても大雑把。オーブンで焼き、2つにスライスして、バターをつけて食べたり、つけなかったり。甘さはほとんどありませんが、焼き上がりは、外はサクッとして、中はホクホク。まさに家庭の味です。そして、確かにパンの部類なのでした。 今では、アフタヌーン・ティーは、ホテルや高級なティー・ルームだけでのもの。何といっても観光客に人気のメニューです。そして、イギリス人にとって、ティー・ルームでクリーム・ティーはちょっとしたスペシャルなことなのです。 日本へ戻ったとき、“とても恋しくなるだろうなぁ”と思うのが、おいしい紅茶でいただくクリーム・ティーでしょう。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo07- ジャガイモがおいしい! − |
たかがジャガイモですが、何ともおいしい! 日本人が食事の際、おかずとご飯を食べるように、イギリス人はおかずとジャガイモを食べます。例えば、お肉の横にジャガイモが添えてあるとすると、日本人は付け合わせのジャガイモをおかずと考え、別にご飯かパンを食べます。イギリス人の場合、お肉の横にあるジャガイモはおかずでなく、主食なのです。それはローストしたものだったり、茹でたものだったり、さらには、フライ、マッシュ、ベイクドと料理の仕方はいろいろです。 ジャガイモがあればパンなどとは一緒に食べません。 お肉と一緒に、ソテーしたジャガイモ、黄金色で何ともなめらか・・・。 チップス(フライトポテトのこと)も、日本に比べるとしっとりしておいしいです。ファーストフード的存在で、塩とビネガー(お酢)をかけて食べます。 “マッシュドポテト”もとってもクリーミーです。 日本のお米にいろいろ品種があるように、イギリスのジャガイモにもたくさん品種があるんです。 用途を間違えると、おいしいものも・・・・・・先日家に残っていたベイクド用のジャガイモをおみそ汁に使ったところ、食べるころには、サイの目に切ったはずのジャガイモは、皆ドロドロに溶けてしまい、下に沈んでいました。 用途を間違えなければ、ジャガイモのおいしさは世界一だと思います。 大きさや皮の色など品種はたくさん。スーパーでは、ジャガイモだけで常に20種類ほど並んでいます。ジャガイモといえども、きめが細かくとても繊細な味で、日本から来た人たちは、そのおいしさにびっくりしています。タイ米を食べていた人が、日本に来てコシヒカリの新米を食べた感じですね! もう1つおいしいものがあります。人参です。 野菜嫌いな子供も、ジャガイモと人参だけは食べられます。人参が食べられない子供はほとんどいません。 ハモスとは、ひよこ豆の水煮にごまペーストやオリーブオイル、ガーリックペーストの他に、好みによってコリアンダーやオニオン、パプリカなどを入れてミキサーでペースト状に混ぜたものです。 どこのスーパーでもいろいろのテイストをとり揃えています。 こんなにおいしく体にもよさそう、見た目もおしゃれで、パーティーにはもってこいのディップ。 ここに来て初めて知りました。
ジャガイモと人参は、イギリスが世界に誇れる農産物です。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo08- ヨークシャープディング − |
イギリスが世界に誇れる料理 ― それは Yorkshire Puddingヨークシャープディング! ヨークシャープディングとローストビーフ ローストビーフには、ヨークシャープディングを添え、野菜と一緒にいただきます。たっぷりのグレービーソースと薬味のホースラディッシュ。このグレービーソースで食べるヨークシャープディングは、肉よりも楽しみ、と言っても過言ではありません。 ヨークシャープディングとは、見た目も感触もシュークリームの皮のようなものが一般的です。お菓子のような名前なので、デザートかと勘違いしそうです。シュークリームの皮から甘さをとり除き、リッチにしたパンの代わりのようなものです。 本来は、ローストした肉から出た肉汁を、熱くした大きな焼き型に入れ、小麦粉、卵、塩、牛乳を混ぜたものを流し込み、オーブンで焼きあげるものです。食べる際に、1人1人切り分けて出していたそうです。今では、マフィン型が主流で、シュークリームの真ん中がへこんだ形をしています。 肉汁でなければ、ラード、サラダオイル、バターを代用して作ることができます。 ローストビーフは、イギリスでは、伝統的な日曜のお昼の食事(サンデーロースト)です。今ではローストする肉の種類も、牛肉の他、豚、ラム、鶏などがあります。サンデーローストは日曜日のお昼、パブやホテルの人気メニューです。 むかし、領主が農民たちの1週間の労を労って、日曜日の教会のあと、雄牛一頭丸ごとローストし、エール(ビール)と一緒にふるまったことがサンデーローストの始まりとされています。それが、上流階級に広まっていったようです。残った多くの肉は、1週間くらい、サンドイッチや、コールドミートとして食べていたそうです。
日本人の感覚では、ローストビーフは高級な料理となっています。私も、庶民の食べものというより、とても高級な感じがしていました。そして、ヨークシャープディングは、ローストビーフの付け合わせ料理だと思っていました。 ところが、さすが本場イギリス。ヨークシャープディングのいろいろな食べ方がありました。 焼きあげた大きなヨークシャープディングの中に、牛肉や鶏の煮込みを入れたもの。
ヨークシャープディングの生地に、イギリス人が大好きな焼いたソーセージが入っている”Toad
in the hole“。
最近、ローストビーフのヨークシャープディング巻きをパブで食べました。やはり、グレービーソースとホースラディッシュが一緒に出てきておいしかったです。これは新メニューですね。 友人のお母さんは自分で焼いていると聞き、私も作ってみたくなりました。今いる賃貸は家具付きで、オーブンの中には、小ぶりの丸と、大きな長方形のヨークシャープディングの焼き型が入っていました。 レシピを見ると、とても簡単そう。 せっかく焼き型もあるので、バターをたっぷり敷いて、ヨークシャープディングを作ってみました。 こちらのスーパーでは、小さいサイズから大きなサイズ、丸や長方形といろいろな種類のヨークシャープディングが売られています。日本では買えないと思うので、ぜひ作ってみて下さい。 こちらのローストビーフは、日本の肉とは違い、とても淡泊です。値段も比較にならないほど安いですが、味も比較になりません。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo09- Elyのクリスマス − |
イギリス人にとってクリスマスは、日本人のお正月のようなもの。意味合いは全く違いますが、仕事も、学校も、お店も、お休みで、家族で過ごす期間です。 イエス・キリストの誕生を祝うこの日にむけて、イベントもたくさんあります。コンサート、パーティー、子供たちの発表会なるクリスマス・プロダクションも、キリストにちなんだものです。 街では、11月も半ばに入ると、商店をはじめとして、だんだんとクリスマスの準備が始まっていきます。プレゼント、ツリー、キャンドル、クリスマスカードにラッピング用品、ターキーを焼くためのキッチン用品等など、お店もにぎやかになってきます。 クリスマスに向かう子供の気持ちを、さらに高めるのが、Advent
Calendarです。 Adventとは、キリストの降誕を待ち望む期間のことです。クリスマス前の4週間を「Advent待降節(たいこうせつ)」と呼んでいます。クリスマスまで1日1枚ずつ窓をめくり、あと何日でクリスマス、今日がその日だと知るためのカレンダーです。巷では、12月1日からめくり始める子供向けのものが売られます。窓の中に小さなチョコレートが入って、毎朝起きると、その日の窓をめくりチョコを食べて、クリスマスまで何日かを確認していくと言う、おいしく楽しいカレンダーです。 そして11月の末から、街はクリスマスムードに包まれます。 Elyのマーケットには、毎年、大きなモミの木(本物です)が立てれ、クリスマスツリーのデコレーションがなされ、通りにもクリスマスのイルミネーションライトが飾られます。11月の最後の金曜日の6時半に、一斉にライトが灯されるイベントです。大がかりなステージでは、大人も子供も、クリスマスキャロルやバレエを披露します。そこには移動遊園地も登場します。観覧車や高か〜くて、長〜い滑り台、そして、おもちゃ屋、ミンスパイ等、クリスマスの時期のスイートを売っている屋台などで、街は大賑わいします。この時期、どこのイベント会場でも、Father Christmas's grotto(ファーザー・クリスマスズ・グロットゥ)が出現します。ちなみに、イギリスでは、“サンタクロース”とは言わず“ファーザー・クリスマス”と言います。農耕の神様がその起源と言われています。サンタクロースは北欧から来た名前ですね。 このグロットゥ、2ポンドほど払って、子供だけが中に入ると、ファーザー・クリスマスなるサンタクロースが座っています。もちろんファーザー・クリスマスの格好をしたおじさんがいる、ということですが・・・子供が1人ずつ小屋に入り、ファーザー・クリスマスに、欲しいプレゼントは何かなどを話すそうです。そして、ファーザー・クリスマスにプレゼント(2ポンド相当です)をもらい出てくる・・・。そして、次の子供がまた入って行く。たいていはものすごい列になっています。親が、後から、子供は何を欲しいと言ったかなどと聞ける訳でもなく、本物のファーザー・クリスマスだとは、子供も思っていないようだし、不思議な習慣ですよね・・・。 この頃から、街頭では募金が盛んに行われています。 かなりこぢんまりとぽつんと募金活動をしている人もいれば、大勢でやってくる人たちも・・・。 うちの息子は6歳ですが、学校の生徒20人程で、老人ホームに慰問へ出かけ、歌を歌ってきました。小さな子でも何らかの形でボランティアに参加し、博愛の精神を強めています。 Elyのクリスマスと言えば、それは大聖堂のクリスマスツリーでしょう。 20メートルほどの大きな、大きなモミの木(これも本物なのです)が運び込まれます。そして、イルミネーションや飾りが施され、その大きさと美しさは一生忘れられません。このツリーの下で、コンサートや、クリスマスの時期のService(ミサ)が行われます。 今日12月19日は大聖堂へ、Girl’s Chorister(聖歌隊)のCarol Serviceを聞きに行ってきました。大聖堂に響き美しい声はきれいな気持ちにさせてくれます。 子供達にはクリスティングル(Christingle)というミサ(Service)があります(宗派によって異なりますが)。
しかし、何と言っても、子供たちの楽しみはクリスマスプレゼント。家庭では大きなツリーを飾り、クリスマスカード(年賀状とは違いクリスマスカードは何日も前に送るのが普通です)を並べ、ツリーの下には家族や友達からのプレゼントが置かれていきます。プレゼントを横目に見ながら25日が来るのを待ち望んでいます。 2010.12 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo10- Elyのクリスマス 続き− |
Elyで迎えるクリスマスは2年目。1年前の冬は、イギリス人も記憶にないと言うほど寒いものでした。私たちにとっては初めての冬。なんとか耐えてはいたものの、子供と2人で風邪をひいて、思うように行動できず、家にこもっていた記憶があります。この冬は、心構えもでき、体調もイギリスの気候に慣れましたが、1年前の冬をさらに上をいく寒さ。息子も1週間熱にうなされ、そのため参加できないイベントもありました。なんとかクリスマス・イブには回復し、クリスマスは楽しむことができました。こちらは、とにかく寒いです。 一般的に、クリスマス当日は、午前中、家族で教会へ行きます。出かける前にオーブンにターキーを入れ、1時間ほどのService(ミサ)に参列します。ターキーは、教会から戻った頃に焼き上がり、みんなでお昼にごちそうをいただくという流れだそうです。そしてエリザベス女王の挨拶をTVで見る!? このごちそうをクリスマス・ディナー(お昼ですが)と呼び、伝統的にはターキーを食べ、デザートにはクリスマスプディングといってドライフルーツの詰まったケーキを食べます。
クリスマス・プディング(ケーキ)は、スーパー等で買う人が多いのですが、自分で作る人は、10月頃に、お酒に漬けたドライフルーツを使って、ケーキを蒸し焼きにし、クリスマスまでたまにブランデーなどをかけ続け熟成させるそうです。
そして、クリスマスプディングは運勢を占うケーキとして作ることもあります。作る際にケーキの中に、コイン(お金持ちになれる)、ボタン(一生独身)、指輪(早く結婚できる)を入れ、切り分けられたケーキの中に何が入っているかで占うそうです。 ターキーはたいてい丸ごと焼きます、そして残るもの・・・。夕飯はターキーサンドイッチ、次の日もターキーとポテトなどなど・・・なくなるまで続きます。イギリスの友人たちに、ターキーは好きかと聞くと、大好きだと言う人はあまりいません。クリスマスだから・・・と、ほとんどの人は言っていました。日本のおせちと一緒ですね。 お正月の天皇挨拶のように、こちらでは女王のクリスマス挨拶が流れます。今年は、2012年のロンドン・オリンピックを踏まえた、「スポーツは共同体を結束させる手段として高く評価されるべき」という趣旨でした。 クリスマス・イブ頃から、多くの人たちは休暇に入ります。クリスマスDayの25日、続くボクシングDay(祭日)26日を休むだけの人もいれば、新年まで長く休む人もいます。12月24日のイブは、ほとんどのオフィスやお店は通常より早い時間にしまり、25,26日は閉まっています。 日本では、暮れには、お節料理の準備や買い出しで忙しいように、こちらでもプレゼントを買ったり、ターキーを買ったり、パーティーの準備をしたりと、1年で一番盛り上がる時期です。みんなすごい勢いで買い物をしています。子供はもちろん、夫婦、おじいちゃん、おばあちゃん、大勢で贈り合います。 この時期は旅行に出かけたり、パーティーに出たりすることも多いですが、いずれも家族が基本です。日本ではカップルで過ごすことも多いと思いますが、こちらでは恋人たちも彼の家で、または彼女に家でクリスマスを祝います。結婚していると、今日はダンナさんの実家、明日は奥さんの実家へとか、去年は奥さんの実家へ行ったから、今年はダンナさんの実家へいくとか・・・日本のお正月のようです。 クリスマス・イブの日、私たちはとなりのイギリス人の家に招かれ、イギリスのクリスマスを楽しんできました。両親、兄弟が集まりみんなで、ターキー(七面鳥)ではなくグース(ガチョウ)を食べてきました。 グースを丸ごとローストすること3時間半。生まれて初めて食べたグースは、合鴨と似た味がしました。白い肉で淡泊なターキーとは違い、濃い色をした個性のある肉でおいしかったです。イギリスでもグースは一般的ではありませんが、この時期は街で見かけることがあります。グースの他には、キジも見かけます。キジは大きく見える鳥ですが、羽をむしられて売っている姿はとても小さいです。ニワトリの4分の1くらいでしょうか。今度試してみたいと思っています。
99ペンスでも、こどもは大満足です。包装も子供たち向けのかわいいものから、ゴージャスなものまであり、見た目もとっても華やかです。テーブルに並べると華やかな気分にしてくれ、クラッカーで盛り上げ、紙の王冠で気分もリッチ、そしてゲームなどで遊べる上、ジョークも聞けて話題に事欠かない。ちょっとしたしたことで、楽しみを大きくすることが、この国の人たちの良いところだと感心しています。 イブの日も、各教会では、昼間に子供を集めたService(ミサ)が行われ、Ely大聖堂でも、子供の聖歌隊が歌い、ドンキー(ロバ)も登場して、キリスト誕生にちなんだ子供劇等も行われました。大人向けのServiceは夜11時半頃からです。 この時期、この2日間で、みんなはいったい何回教会へ行くのかと、友人に聞いてみると、行く人は何回も行くし、行かない人は行かない、と言っていました。決まりはないようです。 マーケットや花屋さんでは、ヤドリギ(Mistletoe)という植物が切り花のようになって売っています。ヤドリギは乳白色の小さな実をつけ、その下でキスをすると幸せになれると言われています。ヤドリギを玄関の上につるし、クリスマスの挨拶に訪れる人たちをキスで迎え、みんなハッピーになると言う風習です。 我が家でもヤドリギをつるしてみました・・・が、キスをする風習がなかったぁ・・・。 クリスマス当日を待ちに待っていた子供たち。朝起きて、クリスマスプレゼントを開けますが・・・ファーザー・クリスマス(サンタクロース)からも、プレゼントが来ているのか気になるところ。 イヴには、ファーザークリスマスとレインディア(Reindeerトナカイ)のために好物を置いておきます。好物はミンスパイと人参、そして水?ワイン?シェリー?飲み物は家庭によってまちまちですが、お父さんの好みで置かれるようです。朝にはなくなっていたり、かじってあったり、もちろん飲み物は空っぽに、お父さんはこのお仕事を忘れてはいけません。(右写真サンタとトナカイのためのお供えです) クリスマスツリーはいつ片付けるのかな?イギリスでは、キリストの誕生を祝いに3人の博士が来て、キリストが人々の前に救い主とし姿を見せたとされる顕現日・1月6日に片付けると言われています。
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塾長より- イギリスの国名について− |
正式な呼び名について 英国の正式な国名は、「United Kingdom
of Great Britain and Northern Ireland」 日本人が「イギリス」と呼ぶようになったのは、幕末に、イギリス人を表す「English」が訛って「エゲレス」となり、その後イギリスと呼ぶようになりました。明治に入り、ロンドンに留学する人たちも出てきました。当時のロンドンはイングランドの中心地でした。当時は、スコットランドはスコットランド、ウェールズはウェールズでした。今でも、スコットランド地方の人たちは、誇りをもって、自分たちをスコットランド人と呼んでいます。ウェールズの人たちも同じです。明治の日本人は、イングランドが英国だと思っていました。それがそのまま現在も「イギリス」という呼び名で残ってしまっています。英語で、「English」と呼べば、それはイングランド人を指してしまいます。 現在も、英国については、「イギリス」「英国」「ブリテン」「UK」など、日本人はどれを使えばよいのか混乱しているところがあります。知っておいてほしいのは、「イギリス」は「England」から来た呼び名であることです。現在の英国は、イングランドだけではなく、スコットランド、ウェールそして北アイルランドから成り立っているということです。日本国内では、「イギリス」でも「英国」でも、どちらを使っても日本人同士であれば問題ありません。英国人の前では、「英国人」を意味する「British」を使います。なぜなら、英国人の中には、イングランド人以外に、スコットランド人やウェールズ人もいるからです。スコットランド人の前で、“Are you English?”と聞けば、いやな顔をして、“No, I’m Scottish.”と答えてきます。”Are you British?“と聞けば、”Yes, I am.”となります。イングランド、スコットランド、ウェールズがあるのがブリテン島です。そして、そこに住んでいるスコットランド人も、イングランド人も、ウェールズ人も、皆、ブリテン(Britain)島の人です。「Britainの人」という意味でBritishを使います。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo11- Pre-Preparatory School − |
イギリスの学校は、公立(ステート・スクール)、私立(インディペンデント・スクール)かによって、システム、カリキュラム、呼び名などいろいろと違います。政府の資金で運営されている公立学校と違い、独自の資金源(学費、寄付金など)で運営されている私立学校は、そのほとんどを学校の権限で決めることができます。例えば、教員免許がない人を先生として雇ったり、国のカリキュラムに従わず、独自のやり方で運営したりしています。
日本育ちの私には驚くことがいっぱいでした。 まず、入学の準備にあたって驚いたことは・・・教科書と長ぐつ。
Welly Boots・・・正式名Wellington Bootsゴム長ぐつのこと
学校が始まって驚いたのは・・・毎日必ず先生と1対1の時間があること。 各クラスの生徒は12,3人ほど。一学年は3クラス、担任の先生の他アシスタント・ティーチャーがいます。朝学校へ行くと、書き取り等の自習をしますが、呼ばれた子供は、先生と1対1で話をし、先生は親との連絡事項を含め、子供の様子を確認します。「読み」は毎日先生から一対一の指導を受け、先生は記録帳に様子を残し、子供は本と一緒に家に持ち帰ります。親は毎日先生の感想を知ることができます。 子供がより興味をもってたくさんの本を読めるよう、各自、自分のレベルの中から好きな本を選びます。毎日の宿題は、その日選んだ本を持ち帰り、続きを読むことです。 学校は、子供を、集団を通して見ず、一人の子供としてどうかと言うところを常に見ています。例えば・・・1人の子は数学がとてもよく出来たとします。すると先生は、その子1人を、上の学年の、数学の授業に入れるのです。そして数学が終わると戻します。子供には何の負担もなく、必要なものだけ与えてくれる、この配慮ある学校の仕組みに感動しました。 また、褒めると言うことに関してもピカイチです。 一人ひとりの能力に合ったものを提供して、個人の能力を伸ばしていくことが要求される先生、そのことをとてもうれしく感じ、また誇りに思っている様子です。 年に2回通知表が届きますが、担任の先生によるものと、校長先生からのものです。校長からとは驚きました。校長も一人一人をしっかり見ています。100名ほどいる生徒全員の名前はもちろん、親の顔と名前も全て記憶しています。 このほか、驚いたことは・・・・ドア・マン、学芸会、 そして学芸会。 この学芸会ではそれぞれ役に応じた衣裳を親が作りました。その際、星の歌を歌うので、白のコスチュームを持ってきて下さいとだけ、学校から指示があります。25人ほどの子供はそれぞれ違ったコスチュームで歌いました。1人の子は頭から星のかぶり物をかぶり、別の子は白のTシャツにピカピカ光る電気をつけ、また別の女の子は白とゴールドのドレス、さらにもう1人は白のチュニックだけだったり・・・。日本だったらもっと細かく指示があるか、全員同じ物を作るかですよね。一人だけ目立たないようにと親も子も周りを気にしますよね。 後日校長先生は父兄にお礼を言いました。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo12- ボーディング・スクール(Boarding School)− |
イギリスには、ボーディング・スクールが多くあります。
ボーディング・スクールでは、親元から離れて暮らしている学生を預かっているため、学校にかかる責任は大きなものがあります。多くの先生が同じ敷地内や寮で暮らし、食事も学生と一緒に食堂で食べ、寮長や先生は生活面においても指導し、親代わりとなります。
授業の他に、楽器、・・・・・・・ピアノ、バイオリン、チェロ、フルート、ブラス、その他、希望者には、学校で個人レッスン(お金はかかりますが)が受けられます。レッスンは学校の時間内に行われ、学校帰りや休みの日に、個人的に受ける必要はありません。その上、6、7歳の2年間についてはチャレンジの時期として、無料で楽器が借りられるのです。何しろ、バイオリンも、チェロも成長に合わせてサイズを変えなくてはいけないので、買っていたら大変な金額です。さらに楽譜も使いまわします。お古と言ってしまえばそれまでですが、さすが物を大切にするイギリスです。親の負担が減る分、子供がチャレンジする機会が増えます。 生徒たちのコンサートや劇も年に数回行われます。 放課後の課外活動は、特に盛んです。
生徒はとても忙しく、充実しているため、毎日くたくたの様子です。そのためか、イギリスではハーフタームというものがあります。各学期(イギリスは3学期制)の真ん中に1、2週間の休みがあるのです。これは親にすると厄介です。夏冬春の長い休みで十分に思えるのですが・・・。 このボーディング・スクールの特徴的なこと、それはハウスです。 ハリー・ポッターでおなじみのハウス、ハリーはグリフィンドール、ドラコはスリザリンのハウスに属します。ハウスに分かれ生活し、ハウスに分かれ試合しポイントをあげていく。まさにイギリスのボーディング・スクールの様子です。2011.02 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo13- イギリスの教育 − |
イギリスの義務教育は、日本に比べると早く、4、5歳(日本の幼稚園の年齢)から始まります。 イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドと、地方によって違っていたり、公立の学校か私立かによっても、システム、内容や呼び名に違いがあったりします。イギリスの基本的な教育は、システムをはじめ、考え方が日本とは異なっています。 事実を教えると言うより、考えさせる教育。一人一人を尊重し、資質をひきだし、それを社会で役立てられるよう伸ばしていくことに重きをおいています。 学校は、学業だけでなく、音楽、芸術、スポーツなど、子供たちが、やりがいのあるものを見つけられるよう、多くの機会を与えています。先生は、生徒が自分で考え、疑問や答えが引き出せるよう導き、才能を伸ばすことを役割としています。 分かりやすい例は・・・教科書がないのです。
初年から宿題、翌年からテストと、小学校のようなカリキュラムが早くから始まりますが、例えば4、5歳児の宿題では・・・、1枚のプリントが渡され、自分の家にいくつ窓があるか数えてくる、というのがありました。5歳というと、1〜10をカウントできる程度です。親と一緒に各部屋を回って数えます。1階と2階を何度か行ったり来たりして、説明から始まって45分程かかったのを覚えています。窓を見つけること、数えること、書くこと、それをゲーム感覚で行なっていきます。1から10まで言えることを目標にするのではなく、数とはどんなものなのかと、数の概念を、体を使って感覚で覚えていきます。 学年が上がっても、日本やインドと違い、九九を暗記させたりしないので、レベルは日本の方が高いと思います。数学に関しても他と同様、効率を重んじてはいないようです。 15、6歳でGCSE(全国統一テスト)が行われます。 GCSE・・・General Certificate of Secondary Education
ペーパーテストだけでなく、音楽でも実技を含む上記のテスト、また、音楽グレードテストがあります。例えば、バイオリンでレベル8(レベルはいくつもあります)の試験に合格したという事だけでなく、レベル8を、「合格した」「良の成績で合格した」「優秀な成績で合格した」などと評価され、これが楽歴(?)となります。
大学受験では、これらの総合的な成績のほか、論文、面接があります、生徒の知識だけでなく人間性が大きく試され、学業に優れていると言うことだけでなく、どれだけ人として惹きつけるものがあるか、面白みがあるか、またそうなる可能性を秘めているか、そして他とは違う何かを持っているかが最終的な決めどころです。 大学側は、主観で生徒を取ります。人が見て、人として魅力的な生徒が欲しいのです。 よく日本と外国(イギリスを含む欧米諸国)の違いを表現するのに、こんな例があげられます。 日本では、1つの答えを見つけることが求められ、答えはみんな一緒。 また、日本では手紙を出す場合、都市、町、番地、名前、と名前は最後に書き、 このことを、イギリスで暮らし、子供が学校に通い、本当に実感しています。 悪いことでなければ、迷惑がかからなければ、どんどんやってOKだし、表現の仕方も自由。 まるっきり日本人の私は、みんなはどうか、普通はどうかと気になったり不安になったり・・・。人と合わせようと一生懸命になり、辛くなるほどがんばってしまうことも度々。 でもここでは、だれも人と合わせようなどと考えていません。それぞれ違うと言うことが、基本にあるからです。自分のペースで、自分が納得し、自分が満足すること・・・自分がどうかが問題です。2011.02 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo14- Pubがいい!− |
イギリスに来たなら、ぜひ行って欲しいところ、それはパブ。
パブ(PUB)は日本で言う、居酒屋さんのようなもの。肩をはらずに手軽にイギリスを感じられるお勧めの場所です。 CA現役時代の長い間、イギリスに来ていても、パブに足を踏み入れたことはありませんでした。酒場というイメージが強く、常に女の集団の私たちには、何となく入りづらかったのだと思います。また、パブといえばビール。ビールを飲まない人にとっては、縁のないところと思われがち。でも、お酒を飲めなくても大丈夫。ジュースや紅茶、サンドイッチは必ずあるし、食事を出すPubもたくさんあります。 10年ほど前でしょうか、ステイ先のロンドン市内で、夕方、レストランを探していた時のこと・・・ 玄関先のきれいな花やたたずまいに誘われて、「よく分からないけど入ってみようか!」、先輩と女3人で思い切って入ってみたのが初めてのパブ体験です。 中に入るとちょっとうす暗く・・・年季の入った床、壁、重いテーブル、暖炉、それに古い絵や写真、思わず、うわぁっ、いい感じ!3人でテーブルに座ってウェイターさんの来るのを待っていました。となりのテーブルに食事を運んできたウェイターさんに、メニューについて聞くと、カウンターで注文するとのこと。結局、この日は最初から最後まで、何回も、しろうと丸出しの質問をしていました。でもそれから、ロンドンと言えば、「パブ」がお決まりのパターンになりました。 パブとは大衆酒場のこと。昔の宿屋のバーがはじまり。宿泊者だけでなく、地元の人も集まって、どんな小さな町や村にも必ずあると言われる、人々の社交場、それがパブです。Public Houseが Pub になったそうです。といっても、階級社会のイギリス。昔は、パブの入り口が2つあり、1つは中流階級用、そしてもう一つは労働者階級用とあり、中も仕切られていたようです。今でもその名残が残っているパブもあり、パブといえども、片方の部屋はとても重厚感があります。 最近では宿屋を兼ねているパブは少なくなってきているようですが、多くのパブでは暖かい食事も可能です。イーリーの街にも10軒ほどパブがあり、子供と食事をする際には、よくパブに入ります(店によっては5時以降、未成年者は入れません)。 イギリスにはビールとエールがあります。ビールは低温で長期発酵させて作られるため、冷たく冷やして飲み、エールはと言うと、常温で短期発酵により作られ、常温で飲みます。日本人で、イギリスの「ビールはぬるい」と言う人がいますが、エールでなくビールを頼むと冷えたものが飲めるのです。 日本でもビールを注文した際に、銘柄は?と聞かれることがあると思いますが、パブでは必ず、ビールもエールも銘柄で注文します。銘柄はカウンターに並んだ、ポンプ・ハンドルを見れば分かります。 で、パブのなにがいいか、どこがいいかと言うと、1、雰囲気 2、気楽 3、値段。 雰囲気はと言うと、最初に話したように、たいていの店は古く、どこから見てもイギリスです。表にはこだわった看板、季節の花を飾ったハンギング・バスケット。木の扉を開けると、古い木の床、にどっしりしたテーブル。皮のソファーにも年季が入り、暖炉には薪が。壁を見渡すと、そのパブにちなんだ古い絵や写真がぎっしり飾られています。胸まであるバーカウンターには、10種類以上もの、各銘柄が分かるビールのハンド・ポンプが並び、直ぐに食べられるスコティッシュ・エッグやキッシュ等が並べてある店もあります。 なぜ気楽・・・ お店に入ると、席を案内してくれる人もいません。立ち飲みしたい人も、席に着きたい人も(どちらも値段は同じ)、パブではカウンターが注文の場所であり、飲み物を受け取る場所です。食事を頼んだ場合のみ、でき上がったら、テーブルまで運んで来てくれますが、飲み物は全てその場で作ってもらい自分で運びます。また、食べものを注文する際には、自分のテーブル番号をカウンターで伝えなくてはいけません。追加注文したい時は、また、カウンターまで行って、持ってこなくてはいけません。これのどこが気楽か・・・カウンターの人はたいていとても忙しく、レジをしながら飲み物を作って出します。テーブルを気にしているヒマはないのです。料理を出し下げする人も、でき上がったものを運んで来た時に、目についたものを下げて帰るくらいの仕事をしているので、だれも気にして見ていないのです。そして、がやがやと常に賑わっています。たいていのパブには、チェスや、五並べ、スクラブル(ワード・ゲーム)ゲームの様な、テーブルでできるゲームがいくつも用意してあり、子供から大人まで時間や人の目を気にせずゆっくりくつろげるのです。 そして値段・・・・・日本では、高級レストランなどを除いてはサービス料(チップ)は払わず、ビール1杯800円とあったら800円払えば済みます。イギリスのほとんどのレストランでは、チップとして10〜15%のサービス料を払うのが常識です。ビール800円とあっても、支払い合計は900円です。でもパブは、と言うと、立ってつまんでも、座って食事をしても料金は一緒、サービス料もいりません。基本的に800円のビールは800円で飲めるのです。チップの習慣がなく、日本人には、いくら置くかと悩む心配もなく、とても気楽です。 では食事はどうか? 食事はどのジャンルの店でも、美味しいところは美味しいし、美味しくないところは美味しくない。パブでも美味しい店はおいしいです。また、レストランと違って、食事メニューは多くなく、キドニー・パイ、フィッシュ&チップス、ソーセージ&ポテト、そしてさすがイギリス、カレーも定番です。日曜日にはサンデー・ローストが楽しめます。
パブは暖炉の煙でくすぶられた黒い梁がとても印象的で、温かみがあり、夜はゆっくりここで食事がした〜い、と言う気分にさせてくれました。
イギリスに来たなら、パブでリラックスしてみて下さい。絶対に気に入ると思います。 2011.03記 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo15- ロイヤルウェディングRoyal Wedding − |
4月29日は、ご存知の通り、ウイリアム王子とケイトさんとの結婚式が行われます。 日本でも、ずい分前のことになるけれど、皇太子さまと雅子さまが結婚した時のことが思い出されます。あの時、日本はどうだったのかなぁ?盛り上がっていたかなぁ?当日はなにかしたかなぁ?なんて。ここイギリスでは、みんなはどんなことをするんだろう? 11月に行われた婚約発表。その時にケイトさんが着ていた、あのロイヤル・ブルーのドレス。Issa Londonで385 ポンドで売られていたものですが、この発表の後、直ぐに完売となったそうです。そして直後に、それに似せて作られたドレスも、いろんなメーカー(もちろん高級メーカーではありません)で発売され、Tesco 等の量販店でも25ポンドで売られていたそうです。といっても着ている人を見かけたことはありません。
息子の学校でも、先日2学期の最後の日は、校庭にテーブルを並べ、三角の国旗をなびかせています。各自で作った King と Princes の王冠をかぶり、お二人を祝ってパーティーをしました。グリーの芝の上に並んだテーブル、イギリスの3色の国旗、金色の冠をかぶった子供たちは、たぶん意味もよく分からないまま、おおいにその美しさの中で楽しんだことだと思います。
この祝賀パーティーに招かれていなくても、多くのイギリス国民たちは、自分たちもお祝いしようと、各自、または団体で、Royal Toastならずとも祝杯をあげる人々が多いようです。イギリス人は何かあると、積極的に楽しいことを考え出します。紙皿やユニオン・ジャックは、これらのパーティーのために売られています。 ここのイーリー大聖堂でも、29日はイベントがあります。 イスやテーブルが並び、スナックやケーキ、飲み物も売られます。また食べ物など持参してもよく、何にしろ、みんな一緒に楽しく祝いましょうというイベントです。午後になると、大聖堂のまわりのグリーン(芝生)でイベントが行われます。子供のレースや、出店も並び、バンドも参加し、やはりイスとテーブルも並び、各自で持ち寄ったり、出店の食べものや飲み物で、みんなでワイワイしたりしましょう的なイベントのようです。 また、夜になると、大聖堂の中では、オスカー受賞作品“King's Speech”が上演されます。この映画に関しては入場料が必要ですが、全て寄付されます。 お二人の写真や国旗をプリントしたパーティーグッズといい、大聖堂のイベントといい、スーパーのチラシといい、イギリス人は訳もなくドンチャン騒ぎやパーティーはしないけれど、名目があれば機会は逃さずパーティーで楽しむ国民なのです。 4月の中旬になって、イーリーの通りに国旗がはためき始めました。 そういえば、4月29日は昭和天皇の誕生日でもありました。 2011.03記 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo16- キャラバン・ホリデー・パーク− |
キャラバンに泊まって、パークで遊ぶ。子供の天国。
Whitby案内 ウィキペディアより イギリスに来てからというもの、海の近くで見かけるのがこういったキャラバン・パーク。キャラバンとはご存知のように、車で引くことができるトレーラーハウスで、ここでは宿泊施設です。 広い敷地の芝の上に、トレーラーが数百台は置かれています。このキャラバンを週単位(もしくは3泊か4泊)で借ります。その他、敷地内には大きなプールやエンターテーメント施設があり、料金はキャラバン宿泊と施設使用料を含んだオールインワン。 キャラバンには、キッチン、シャワー、トイレ、暖房もあり、もちろんガス、電気、お湯、冷蔵庫、調理器具、食器、ベッド、テレビと一通りの設備が揃っています。さすがイギリス、電子レンジの他にも、大きなガスオーブンもついていて、小さな一軒家です。自分たちで用意するものは、タオルとトイレットペーパーと食事。部屋は4人部屋〜8人部屋まで。キャラバンのグレード、何人部屋か、一番大きな違いはシーズン(スクールホリデーは高い)ですが、これらの違いによって値段に差が出てきます。 今回私たちが泊まったところには、敷地内にバスケットやサッカーができる運動場、公園、パットゴルフ、それとエンターテーメント・センターがありました。 エンターテーメント・センターには、レストラン、ショー・ホール、ゲームセンター、プレイルームとあり、プレイルームでは小さな子供から13歳くらいの子供まで存分に走ったり滑ったりボールで遊んだりできます。大人はレストランでくつろぎながら、子供がプレイルームで遊んでいるのを見ていられます。子供は食べることもそっちのけで、遊びまわれ、休むことがありません。そして、直ぐに友達もできます。 エンターテーメント・ショーは、子供の年齢別に設けており、各年齢の子供が楽しめるように考えられていますが、ショーは着ぐるみやゲーム中心で、今ひとつ・・という感じでした。 そして目玉はプール。20メートル以上もあるウォーター・スライドがある室内プールでは、大人も子供も楽しめます。私も何十回も滑ってきました。 ここで一番問題だったのはゲームセンター。この国はギャンブルが公認のためか、子供のゲームセンターでも、現金がじゃらじゃら出てくるゲームがいっぱい。エンターテーメント・センターの真ん中に位置するこのゲームセンターは、初日は避けられても、結局避けて通ることはできません。7歳のうちの息子も、ついには現金握って眼の色変えて夢中になってしまいました・・・。これさえなければ、という感じです。 キャラバンは適当な間隔をあけて置かれている小さな家みたいなものなので、騒いでも走っても全く気にしなくていいし、犬もOK。子供3人と犬1匹の家庭は当たり前なので、このシステムは経済的だし、楽ちん、子連れの家族には、ホテルより断然楽しめます。キャラバンの横でバーベキューもできます。 敷地内にはたいてい小さなスーパーもあり、数日分の食事を持参し、足りないものはこのスーパーを利用すれば、ホテルに泊まるのとは違い、外食にかかる金額も節約できます。 パークの多くはビーチの近くにあり、今回、私たちが行った場所も、歩いて10分でとてもきれいな海岸に行けます。天気も良かったので、子供も犬も大人もみんなリゾート気分です。
で実際滞在してみてどうだったか? イーリーの自宅に帰ってからも、息子はキャラバンで暮らしたい・・・・なんて言っています。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo17- 誕生日バーティー− |
私が子供の頃、日本で一般的な子供の誕生日会と言えば・・・、家に友達を呼んで、ゲームしたり、適当に遊んだり、母親の手作りの料理とバースデーケーキ。 最近はどうなのかと調べてみたところ、個別に友達を招く誕生日会は、幼稚園や小学校によっては禁止されているところもあるそうで、ベネッセの調べでは、92パーセントが、友達を招いての誕生日会はしないということでした。ビックリ・・・・驚いたのは私だけでしょうか? 先月、7才になった息子は、去年に引き続き、イギリスに来て2回目の誕生日パーティーを開きました。 去年は15人ほどの友達を招待し、ボーリングパーティーを開きました。 今年は、今夢中になっているフットボール(サッカー)のパーティーをしたいと言うことで、スポーツホールを貸し切り、コーチを頼みサッカー、その後は、施設内のパーティールームでケータリング(仕出し)を頼みパーティーをするという計2時間のフットボールパーティー、やはり15人程の友達を呼びました。 7才の子供のパーティーに、ホールを貸し切ってコーチを頼んでなんて、日本の人が聞いたら’贅沢な!’とビックリする話じゃないですか?でも、こちらではけっこう普通なんです。 サッカー以外にも、大きな室内スイミングプールを貸し切り、子供も親もプールで遊プール・パーティーや、ローラースケート・パーティー。これらも、やはりローラースケート場などを貸し切ると言うものです。他にも、トランポリン・パーティー、こちらはインストラクターの指導も付きます。モーターで空気を送りこみ込み、膨らまし、飛んだり跳ねたり滑ったりするBauncy
Castel(エアーキャッスル)パーティーなどもあります。 また、子供が小さいと親が一緒に付いてくるので親の分も計算に入れなくてはなりません。食事まで出すケースはまれですが、大人にもお茶とビスケットくらいは出しています。 こんなのもあります。動物園や博物館どの誕生日パーティーです。場内のホールで食事などのパーティーをして、他の時間は、みんなで動物を見たりします。パーティーの後は、自由に見て歩いて自由解散です。こう言った場合は家族総出で来る人も大勢います。招待されていない人の入園料は自分たちで払います。 中には教会などのホールを借りて、マジシャンやパーティー専門のエンターテーナーを呼び、友達を学年全員招待する、総勢50人以上も集まるパーティーもあったり、花火を打ち上げたりするパーティーもありました(イギリスで花火はなかなか手に入らず、とても高価なのです)。 昨日、招待された誕生日会は・・・・・・ ロッジは芝生と森の中にあり、11時から始まり、サッカーする男の子や、松ぼっくり集める女なの子、みんな好きな事をして屋外で遊んでいました。
この後も、この日のパーティーは2時まで続き、みんなで森の中の公園に行ったり、探検したり、サッカーしたりと大はしゃぎです。そして最後には、各自ロッジに戻って挨拶し、お土産をもらって帰ります。 このお土産の事を、“Goodie Bag”と言い、中身は・・・たいしたものではありませんが、楽しいおもちゃがいくつかと、キャンディーなどの駄菓子がいくつかつめられています。さらに、この中には、さっきローソクの火を消したケーキも切り分けられ入っています。 誕生日ケーキは、パーティーの時には、ローソクの火を消すだけで、その場で食べることはありません。日本の生クリーのケーキと違い、イギリスの誕生日ケーキは、基本的にスポンジケーキにバタークリーム(かなり固め)か、砂糖でコーティングするアイシング・ケーキと言うものがほとんどです。市販のものも、とても日もちがよく、1月くらいは傷みません。なので、切り分けてナプキンに包んで持って帰ることが可能です。そのデリカシーのない甘いだけのケーキに、初めはビックリしたものです。けど、今では美味しいと思えるようになって来た自分の味覚にも驚いています。 イギリス人の友人に、子供の頃はどうだったのかと聞いたところ・・・ふつうは自宅に友達を呼ぶぐらいで、今のようではなかったと言っていました。 どんどん派手になってきたイギリスの子供の誕生日パーティー さて、最後にこれらの費用ですが・・・スポーツホールやプールも1時間25〜50ポンド程で貸し切れます。貸し切りなので何人呼んでもOKです。パーティールームも1時間10ポンド以下で借りられます。もちろん食事は別ですが、自分で持ち込みも可能ですし、ケータリングを頼むこともできます。いずれにせよ、料理はサンドイッチやスナック、果物、野菜スティックなどと、いたって簡単です。美味しいよりも、楽しいが一番。 思いっきり弾けるパーティー!日本の子供も弾けてほしいなぁ。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo18- エルダーフラワーElderflower − |
イギリスに来た当時、友人から、イギリス人はこれが好きだよ!と教わり飲んだ飲み物があります。ボトルには、白い涼しげなかわいい花の絵があり、だれもが飲んでみたいと思うような雰囲気を漂わせています。ボトルを開けると、とてもいい香りがし、気持ちも華やぐ飲み物でした。 ボトルの花の絵はとても愛らしいのですが、いったいその植物がなんなのか調べないまま、名前も忘れ・・・。 五月の中頃から、外を歩くと、ほのかに花の香りがしていました。そうだ!これはあの飲み物の匂いだとハット思い出したのです。近くを探し始めると、それらしき白い花を付けた樹が、前の家の垣根を越えて道にせり出していました。 人目を避け、一房ちぎって、パソコンで調べてみると、ズバリあの花でした。名前はエルダ―フラワー。 エルダーフラワーは、イギリス人が初夏を連想する花だそうです。
イギリスでは、花はとてもいい香りなので、この花をつけコーディアル(シロップ)をつくり、水、炭酸やお酒(シャンペンが特に良い感じ)で割ったりして飲まれています。小さな赤い実は果実酒やジャムにします。そして天ぷらも美味しいらしい。 色々調べていくうちに、エルダー・フラワー・コーディアルのレシピを発見。早速作ろう! 結局、人気のない公園で、こそこそと摘んできました。こう言うところが日本人なんだなぁ・・・堂々としてもよいと思うのに。 早速家でコーディアル(シロップ)作り・・・
その後は、大量の砂糖を熱湯で溶かしシロップを作り、さました後、レモンのスライスと皮、そして摘んできたエルダーフラワーを加えるだけ。すごく簡単。いい香りに包まれて、とても幸せな気分。 いうなればレモンジュースのあじで、香りがエルダーフラワーです。 でも本当に上品で可憐なとてもいい香り。 イギリス人が好きだというのがよく分かります。 幸せの気分にひたってふと気がつくと、肩の凝りが和らいだような気がして。本当にですよ。 後日・・・・・日本流天ぷらを食べることにします。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo19- イギリスの結婚式 − |
6月18日土曜日、結婚式に行ってきました。 隣に住むイギリス人の友人(すでに同居していたので、2人ともよく知っていました)の結婚式に、息子と私の2人が招待されました。 日本でも、結婚式と一言でいっても、中身はかなり違いがあるように、こちらでも(イギリスの方がもっと)違いは大きいと思います。ホテルだったり、レストランだったり、古城だったり、広大な自宅の庭だったり・・・。 教会で式をあげることがほとんどのイギリスの結婚式。教会では、日曜日にはサービス(ミサ)があるため、結婚式はほとんど土曜日に行われます。
イギリスの天気は、1日の中に四季があると言われているように、この日も晴天、曇り、雷、雨、この繰り返し。だれも雨のことなんて気にしていません。 その後、教会併設のホールでカクテルがふるまわれること1時間程。そして、夜のレセプションのために、3分ほど離れたホールへと流れて行きました。 ホールでは着席式のパーティーでした。
この準備、2時過ぎまでかかり、その後、私たちは自宅に戻り、着替えて3時に間に合うように教会に行きましたが、新郎も親も親戚も同じくです。信じられますか?この逞しさ。 さてパーティーは、初めはスピーチがあるのかと思いきや、司会者からの説明があったかと思うと、すぐに食事が始まりました。呼ばれたテーブルの人たちが、順々に外に、焼きたてのバーベキューをとりに行きます。その後、デザートも各自とりに行くというセルフサービス形式でした。 食事が済むと、ここでやっと挨拶です。スピーチよりまずは腹ごしらえが先だったんですね。よかったぁ。 スピーチで、私がびっくりしたのは、日本のスピーチと内容がとても似ていたことです。 スピーチと乾杯が終わると、司会者が出てきて・・・それではみなさん、ダンスを始める前に一緒に片づけをお願いします、となり、全員でテーブル運んだりグラス片づけたりと、中央に踊れるスペースを作る作業に入りました。全員でするとけっこう速い。 片づいたところで、全員で写真撮影をし、そしてあっという間にダンスの時間となりました。
大勢が中央に集まり踊り始め、曲は、映画タイタニックの中でデカプリオとキャメロン・ディアスが3等船室で踊ったあの音楽です。私の中に印象深く残っていたアイリッシュ・ミュージックが流れ、老若男女がとっても楽しそうに踊り始めました。初めの1曲は、みんな好きに踊っていましたが、次からは司会の人が、1曲ずつ踊り方を指導してくれます。小さい子もお父さんもおばあさんも、みんな本当に楽しそう。いうなればアイリッシュ・ミュージックにあわせた激しいフォークダンス。まさにタイタニックです。私も一緒になって踊りました。気分はキャメロン・ディアス。 その頃、7歳の息子は・・・というと、イスで寝始めてしまいました。確かに男の子には人気がないダンス。若い男の子は1人も参加せず遠目で眺めていました。 時計は9時半、残念だけど子連れはそろそろ帰るか、とパーティーはまだまだ盛り上がっている中帰ってきました。 このダンスパーティーは夜中の12時まで続いたそうです。 友人に踊った話をすると、イギリスの結婚式とはそんなもんだと言っていました。アイリッシュだったりスコティッシュだったりモダンだったり・・・・なにはともあれ、ダンスだそうです。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo20- イギリスとアンティーク − |
イギリスのアンティークについては以前にもふれた事がありますが、たいていどんな街にもアンティーク・ショップはあり、また、大小さまざまなアンティーク・フェアーも各地で大々的に開かれ、オークションも盛んです。 お昼の12時15分から始まる、テレビの人気番組”Bargain Hunt”も、アンティークの番組です。赤チームと青チームの素人2人組が、300ポンドを持ってアンティーク・フェアーで買い物をし、その後、それらをオークションにかけて売っていきます。どっちのチームがより多い利益を出せるか、そして利益分は出場者がもらえると言うギャンブル性の高い番組です。また、オークションにかける前にプロがアイテムについて解説をし、値段を予想していくので勉強にもなります。出場者は若い人から中高年の人までいろんな人が応募していて、アンティークが幅広い人たちに人気があるのが分かります。 アンティークと言うと、日本人の感覚では骨董品的な、希少価値のある古美術や古道具を想像しますが、イギリスでは少し違った意味合いがあるような気がします。不用になったら捨てるのでなく、使われなくなった物を使う人に譲る、その延長線で長い時間が経過して古くなっていった、それがアンティーク。
古いものが好きな私には、気に入った場所で、家からすぐと言うこともあり、よく出かけていきます。
例えば、キッチンアイテムでは、はかり(天秤)、料理の本を開いておく真鋳のブックスタンド、籐の買い物かご、卵を入れるバスケット、木製のカテラリー入れ、使い古され真ん中が減ってしまっているまな板とナイフ、日本では絶対に捨てられてしまっている物がたくさん売られています。ナイフやフォークもたくさん、もちろんティーカップも。 以前、イギリス人の友達の家に遊びに行った時、アンティーク・ショップで売っているような、半世紀以上は経っている、古い秤(はかり)を使ってスコーンを作ってくれました。おじさんからもらったと言っていましたが、便利な秤がいっぱい出回っている今の時代にいても、効率よりも感性を大切に生きている人たちが多いことに驚きました。 また、農耕具、乗馬に関する物もたくさん並んでします。小さなスコップから大きなクワまで・・・。鍵なんて、キーとロックとセットでなく、片方だけなんてものがたくさんあるんです。 アンティーク・ショップは楽しいだけでなく、時代背景や生活に密着した文化が垣間見ることができ、いうなれば博物館です。とても楽しく勉強になるところ。 ここイーリーでは、毎月アンティークのオークションも開かれます。 ロンドンのオークションなどは、とてもポッシュな雰囲気が漂い、見学だけでも、きちんとした服装で臨まなくては、肩身が狭い思いをしそうですが、ここイーリーではホントに気軽に見学も買うこともできます。こんなの頼まれてもいらない、って言うようなガラクタや、壊れ物まで並んでいます。 ここで驚いたことは、オークショニアという、ハンマーを持って競りにかける人のテクニックです。手際よく、小気味よく正確、そしてたまに笑わせる。プロフェッショナルの一言です。一見の価値ありです。もう一つは、高級品だけがオークションにかけられているわけではないことです。 欠けていても、壊れていても、安そうでも高そうでも、なんでもありなんです。古ければ欠けるのは当然。そして完璧ばかりを求めていないし、第一、完璧って何?って。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo21- 不思議の土、イギリス− |
イギリスに来た当時から、不思議に思っていたことがありました。
何と言っても、世界に知れたイングリッシュ・ガーデンです。 ワイルド・ベリーと言いますが、本当に何もしなくても、よく育つ環境がここにはあるようです。 去年の夏休みには、川沿いの散歩道で、ブラック・ベリーをいっぱい摘んで、毎日いっぱい食べて、ジャムにもしました。今も、去年作ったジャムを毎日食べています。ブラック・ベリーには大きなとげがあり、収穫の後半ともなると、実が取りにくいところまでのものも取ろうとするので、血のにじむ思いです。 今年は、ブラック・ベリーが青紫に色づくにはまだ早く、食べ頃を楽しみに待っているところ所です。 昨日は、友達からチェリーのような、プラムのような実がなっていると言う情報があり、早速行ってきました。場所は公園の垣根、と言っても3メートル程はある背の高い垣根で、数種類の樹が連なってありました。見た目はサクランボのようですが、味はプラムと似ていて、色は黄色、赤、紫、青紫、大きさはサクランボからプルーンくらいまでさまざまな樹がありました・
イギリスの人はこの手のフルーツはシチューにするそうです。シチューと言っても食事用でなく、デザート用。砂糖で煮込み冷やしてアイスと一緒に食べるそうです。
もう一つ不思議なこと、それは植物を食い荒らす虫が少ないのです。 日本で家庭菜園をしていた時は、毎日毎日虫退治をしていた記憶があります。ここでは、アブラムシも、青虫も、いるにはいるのですが、圧倒的に少なく、虫の心配をする必要はほとんどありません。 何人かの人に聞いてみると、ひとつ(1本)だけ植えると虫がつくけど、何本か植えておくと虫がつかないと言っていました。本当だとしても、イギリスでの話です。日本では何本植えても虫はやってきます。 東京で、肥料をあげて育てていたトマトと、今、イギリスで水だけで育てているトマト、全く逞しさが違います。ひょろひょろしていた東京のトマトに比べ、ここのトマトは、茎も倍以上太く、しっかりしていて、成長の速さにもビックリします。そして、長い間収穫が楽しめます。 東京ではめったにお目にかかれないカタツムリも、ここではたくさん見かけます。 イギリスに来てから、息子が、フクロウの糞の中に、何が入っているかを探る子供のイベントに参加しました。
森から、乾燥したフクロウの糞を拾ってきて、ピンセットでほぐすと、中からたくさんの骨が出てきます。骨の各パーツを並べてみると、どんな小動物(野ネズミの様なもの)を何匹食べたかがはっきり分かります。一固まりの糞の中には、3匹程の小動物の骨がありました。 ここにいると、フードチェーン(食物連鎖)が手に取るように分かります。 自然の恵みの美しさ、素晴らし、そして感謝を感じるこれからのイギリスの季節です。
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くみ子のケンブリッジ便りNo22- ウェールズ− |
ずっと、ずーっと前から行ってみたかったウェールズ。
でも、広〜い牧草地にポツンポツンといる様子は・・・私が住んでいるイングランドもゆったりしているところですが、そこと比較しても、土地がひろびろとしています。
急行電車が止まるColwyn Bay市 は、丘から海岸線まで、街全体が一望できるとても瀟洒な街です。なだらかな坂のある土地独特の美しさがあります。
ウェールズは、昔は独立した国でしたが、イングランドに征服されイングランド領となりました。言葉も、もともとは英語ではなくWelsh(ウェールズ)を話します。 ある時期は、Welshはすべて禁止され、英語のみ話すことを強要されたこともありました。そのため、Welshを話す人たちは20%程までに減ってしまったそうです。その後、Welshを守ろうとする運動が高まり、今では全ての学校でウェールズ語の授業があり、テレビでも子供向け番組も含め、ウェールズ語のチャンネルがあるそうです。
ここConwyは、「コンウェイ城」で名の知れた世界遺産の城壁の街です。 今回私たちは、知り合いの家にお世話になりました。 2人に、ここでの暮らしの難点と、よいところを聞いてみると・・・、
この息子さんの夏休みの生活ぶりを見ると・・・、毎日とても忙しく活動しています。
受験地獄とはよく言ったものです。日本の受験生とは、天国と地獄ほどかけ離れた生活を送っていました。また、愛情たっぷりの両親のサポートにも驚かされました。土地が広い分、家族が生活の基本だと言うことがよく分かります。家族の絆なしでは充実した生活はできません。 今回にウェールズ旅行はとても楽しい旅でした。そして、価値観、家族のあり方について考えさせられる旅でした。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo23- ピクニック− |
日本でピクニックと言えば、お弁当を持って出かけることを言いますが、イギリスでピクニックと言うと、どちらかというと、野外でとる食事のことを指します。 ドライブして、景色のいいところにイスとテーブルを出して、スコーンを並べるのもピクニック。近くの公園に家族で出かけ、ラグ(マット)の上にサンドイッチを並べ半日過ごすのもピクニック。また、自宅の庭でワインとチーズ、ハム、これもピクニックです。 この季節、暖かく日差しのある日は驚くほど多くの人たちが芝の上にピクニックにやってきます。
イギリスのピクニックで、私が何よりも驚いたこと、それは芝生の上に敷く敷物です。 効率よりもおしゃれ感を重視するイギリス人にとって、ビニールマットなんてありえません。
このピクニックは。19世紀頃に、支配者階級の人々の間で盛んにおこなわれるようになったそうです。フランスで流行ったのをきっかけに、庭と言うには素晴らしすぎる庭園で、シャンペンやワイン、パテやローストした肉という豪華な食事をすることが貴族の間で流行しました。英国王室御用達デパート「フォートナム&メイソン」のような貴族相手の店によって、工夫を凝らした、バスケットに入った皿やナイフ、ワインかごなどが売られたそうです。そしてその後、中流階級にも広がり、今では万人の楽しみです。 私がいるイーリー界隈で見る限りでは、パテやローストミートを食べているような人々はお目にかかったことはありません。多くの人はサンドイッチに、生の人参、ブドウやイチゴと言ったところでしょうか。相変わらず食べものに関心が薄いイギリス人にとって、ごちそうはお日さまなのです。 ピクニックが人気の大きな理由は、日光浴なのです。
イギリス人にとって、ピクニックは健康促進(?)を兼ねたお手軽家族エンジョイ型外食なのです。 |
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くみ子のケンブリッジ便りNo24- イギリスのお父さん− |
子供の学校の送り迎えを、大勢のお父さんがしています。夫婦そろって来る日もあります。 会社が終われば、家族との時間です。日本で、お母さんはみんなのお世話係であるように、イギリスではお父さんもみんなのお世話係なのです。学校の保護者面談も、父さんも参加できる時間が設定され(と言っても4時から6時半頃)。多くの人は両親2人揃って参加しています。 日本のお父さんのように、会社の同僚や友人と過ごす時間は極端にありません。片づけや、食事の準備もせず、テレビを見ているなんて、普通ではありえません。子供が寝る前に本を読んであげるのもお父さん。食事の後コーヒーを入れるのも、洗い物もお父さん。例え、奥さんが専業主婦でもです。 友人の旦那さんは科学者です。朝の食事の後方づけは奥さんですが、朝から娘を車で送り会社に行き、昼食のために戻ってきます。食事の準備は奥さんがしますが、コーヒーや片づけは旦那さんがしてまた会社に行き5時半頃戻ってきます。夕食の後片づけをし、子供や奥さんの習いごとに何度も送迎しています。 別の友人の会社を経営しているお父さんなどは、子供を送ってから、スーパーで買い物し、それから仕事へ出かけて行っています。
会社で仕事、自分の世話は当然自分、家で家事と育児、その上奥さんの送り迎えや荷物持ちやお茶を入れて楽しい会話をする。これが楽しくできて家族が幸せであって、一家の主人なのです。 イギリス人と結婚した日本の女友達が、結婚当初、シャワーを浴びた後に着替えを出して置いておいたら、"僕は君の子供じゃないんだよ"と言われたそうです。奥さんに世話してもらうなんて、男がすたるってもんです。 女性の私からすれば、イギリスの女性は何と幸せなことだ、と思います。 そしてこれがイギリスのお父さんなのかと思いきや、これは最近のことなんだそうです。というのも、イギリスでも昔のお父さんは、日本のお父さんのようだったそうです。お母さんは家にいて、仕事を終えたお父さんは家事も育児もせず、友人とパブ(Pub)で飲んでいたそうです。 そんな環境で育った人たちが、大きくなって、どうして急に子育てや家事を共にするようになり、それを楽しんでいるの? 働く女性が増えたことは大きな要素の一つであるようです。社会や会社の制度や福祉制度など、子育てに関する法律も変わり、女性も男性も育児休暇を取りやすい環境ができてき、パパ、ママにとらわれず、収入の多い方がメインに働くなど、社会のバックアップ体制も変わってきているからです。 でも、日本もイクメンという言葉ができる程、変化してきているのでしょう。こちらに来て、私が驚いているのは、男が女に代わって家事や育児をするようになったことではなく、率先して楽しみながらしていることに驚いているのです。その献身ぶりとエンジョイぶりにはとても驚いたので、機会があるごとに私はお父さんに話を聞いてきました。
こんなお父さんたち、休日は休んでいられるのか?そんなことはしていません。休みは家族そろって出かけたり、共働きの家だったら、お母さんが掃除して、お父さんが公園へ子供と出かけたり、と、一人だけ疲れを癒しているなんてことはありません。その上、家庭の経理もお父さんがします。イギリス人の女の人に、光熱費の話をしても、いくら払っているか知っている人は今まで会ったことがありません。 また、専業主夫のお父さんもとても多い事・・・・・。
お父さんは穏やかで楽しいとても良いお父さんで、ゆったり、きっちり、男目線で子育てをしています。子供が男の子と言うこともあり、男同士の暮らしは居心地のいいものらしいです。お母さんが週末に戻ってきても、赤ちゃんはお父さんの方になついてしまい、泣いた時にはお母さんでは泣きやまなくなる程です。もうすぐ専業主夫も終わってしまうのですが、お父さんはとても残念そうにしています。 別のお父さんは、完全な専業主夫です。奥さんがきっちりの勤め人です。PTAのリーダーも務め、専業主夫をエンジョイしています。 息子の通う学校の校長先生は女性です。この校長先生は再婚ですが、再婚当時から旦那さんは完全な専業主夫です。それをみてイギリス人の友人は、どちらも本当に幸せだ、と呟いていました。 会社や付き合いよりも、何よりも家庭を第一に考えるイギリス人。 |
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