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▼スチュワード志望さん:
ミホさんが書いているように、「お疲れさま」は、特定の人に投げかける言葉ですね。職場で、一日の仕事が終った時などのように、仲間や部下をねぎらうときに使われることばです。搭乗してくる不特定のお客様に、スチュワーデスたちが使うには、不向きなことばです。
不特定のお客様に対しては、歓迎の意味で、「いらっしゃいませ」が必要です。また、挨拶の言葉として、「こんにちわ」「こんばんわ」が、やはりその場に合っています。例えば、ホテルではどうでしょう。ホテルのドアーボーイやフロントマンが、お客様に対して「お疲れさまです」と迎えているでしょうか。レストランではどうですか。
スチュワーデスがお客様に、「お疲れさまでした」と云うこともあります。それは、スチュワーデスにとって、不特定のお客様が特定のお客様になったときです。たとえば、あるお客様と話す機会があり、仕事で大変疲れていることが判明した場合です。その場合も、疲れているという情報を提供するのは、お客様側なのです。
機内で、スチュワーデスはできるだけ微笑みのある表情でいるように指導されています。飛行機に乗ることで、多くのお客様は、多少なりとも不安感を抱いているからです。そのお客様の前で、スチュワーデスも不安な顔をしたり、怖い顔をしてしまったら、ますますお客様は、不安になってしまいます。スチュワーデスは保安要員としての仕事をしていても、快適な空の旅のお手伝いをする接客要員であることを、忘れてはいけないのです。
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