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▼Atさん:
航行中の飛行機は、重力に逆らって空中を猛烈なスピードで移動しています。機内は、与圧されているため、地上に比べ、空気が少し薄く0.8気圧となっています。飛行機は離陸すると、15分くらいかけて、高度10,000mまでどんどん上昇をしていきます。反対に、着陸時は、30分くらいかけて高度を下げていきます。途中、天候が悪いと揺れます。揺れると、上下左右に体が振られます。客室乗務員は、そのような環境で仕事をします。
三半規管が弱い人は、平衡感覚を保つのが大変です。上下左右の運動が起こると、目が回ってしまったり、気持ちが悪くなってしまいます。飛行機の場合は空酔いを起こします。遊園地のジェットコースターはそれの激しいものです。急激な上下左右の運動で三半規管がついていけなくなります。
CAになって、新人のころ、離着陸時や乗務中に気持ちが悪くなって、サービス中にトイレに駆け込んだという話はよくあります。そういう環境に慣れていないためです。この経験を何回が繰り返しているうちに、たいていのCAは、どんなに揺れても、空酔いを起こすことはなくなります。それでも、体調が悪かったり、睡眠不足ですと、ベテランでも酔うことはありますが…。
CAが、サービス中に、揺れたからといって、いちいち空酔いを起こしていましたら、仕事になりません。それ以上に、空酔いを起こしている旅客の世話をしなければなりません。
目をつぶってぐるぐる回って、そのあと、1直線に歩けるかどうかなどの平衡感覚の検査は、以上のような観点から行われています。誰でも、そのあとは、グラグラするものです。検査では、それからの回復力の程度を確認しています。輪からどの程度はみ出したらダメとか、どのくらいの間、バランスを崩していたらダメとかは、航空会社によって違います。日常生活で、あまり運転がうまくない人の運転で、後部座席に座っていても平気でしたらだいじょうぶです。
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