|
▼sarahさん:
客室乗務員は、機内サービスすべてに関わりを持ちます。機内通訳は、英語ができない旅客と本国人CAのコミュニケーションを手伝ったり、旅客の入国書類作成やさまざまな質問に日本語で答える仕事が中心です。原則として、本国人CAが行う機内サービスにはたずさわりません。契約で、機内通訳の業務範囲が決められています。それ以外のことをすると、契約違反となってしまいます。
客室乗務員は、航空会社が行う所定の緊急脱出訓練や救急救命訓練を受け、試験に合格する必要があります。合格すると、客室乗務員資格が与えられ、各国航空局に名前が登録されます。旅客機には、座席に応じて、これら資格を持った客室乗務員を搭乗させる必要があります。日本の場合は、座席50席に対して1名の客室乗務員が必要になります。大型機の場合は、脱出口の数と座席数で、搭乗する客室乗務員の数が決まります。
一方、機内通訳は、客室乗務員ではありませんので、客室乗務員資格は必要ありません。客室乗務員数+機内通訳という形で乗務することになります。
現在、日本人機内通訳がいる航空会社は、デルタ航空(旧ノースウェスト航空と統合)、ユナイテッド航空、フィリピン航空、アリタリア航空、アエロメヒコ、アエロフロートなどがあります。アエロメヒコとアエロフロートは、TEIという日本の人材派遣会社からの派遣となっています。
なぜ日本人客室乗務員ではなく、機内通訳を搭乗させるのかというと、航空会社ごとに多少事情は異なりますが、本国人CAの組合と航空会社との間に協定があるためです。日本人CAを採用するなら、自国の人間を雇うべきだというのが組合の主張であり、会社もそれを受け入れているからです。これらの国の失業率がとても高いのです。といっても、航空会社は、日本人旅客が多い路線では、機内で日本語が通じないことは避けなければなりません。そうでないと日本人旅客を獲得できません。そこで、考え出されたのが機内通訳です。機内通訳は客室乗務員ではありませんので、組合も口を挟めません。
日本人CAを採用している米国系航空会社の場合は、変則的な形をとっています。米国本土ー日本間は、日本人は機内通訳として乗務します。ところが、同じ航空会社の日本ーバンコクや日本ーシンガポール間は、日本人はCAとして乗務します。機内での仕事が通訳から機内サービスに変わります。米国本土ー日本間は、本国人CAの組合の影響があるためです。日本以遠では、本国人CAの組合の影響が及ばないのでCAとして乗務できるのです。この場合は、客室乗務員としての訓練をしっかり受けます。
|
|