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▼ユリ子さん:
なぜ転学するのか。英語圏の大学で何を学ぶのか。めざしているのは日系航空会社なのか、外資系なのか。あなたの英語力はどの程度なのか。あなた自身についてよく分からないところがあります。そのため、現在の大学を辞めてまで海外の大学に行くのは、あなたにとってよいことかどうかアドバイスしにくいところがあります。海外留学以外にも、現在の大学で転部する方法もあります。また、大学によっては交換留学制度を設けていて、それを利用する方法もあります。それぞれの方法を研究してみてください。あなたの目的を達成するためには、いろいろな選択肢があります。
航空会社が欲しいのは、日本的なきめ細かいサービスを行ってくれる方です。これは日系航空会社のみならず、外資系が日本人CAを採用する場合にも同じです。日本人旅客を獲得したいがために日本人CAを搭乗させています。海外の大学で4年間過ごしてしまうと、向こうの感覚になってしまう恐れがあります。英語でのコミュニケーションは得意になりますが、反面、日本語が弱くなります。外資系航空会社の募集要領には、「美しい日本語、正しい日本語を喋ることができる」が入っていることがあります。接客面では、言葉だけでなく、日本人としての感性や行動も要求されます。
英語圏の大学といっても、米国、カナダ、オーストラリア、英国と多岐に亘っています。採用担当者にとって、それぞれの大学や学部がどのレベルなのか判断しにくいところがあります。たとえば、Collegeといっても、大学の場合もあります。短大の場合もあります。さらに、最近ではCollegeという名の専門学校レベルのものもあります。
航空会社が「大学・短大以上」という場合は、これに相当するのが、BAやAAの卒業資格となります。海外の大学が外国人生徒を募集するとき、Diplomaを取得できると宣伝していることがあります。Diplomaは卒業資格ではなく、各コースの終了証ですので、CA試験への応募では役に立ちません。BAやAAを取得するのは簡単ではありません。以前、ある国会議員が学歴詐欺で訴えられたニュースが世間を騒がせたことがあります。かれは米国○○大学卒だといって選挙に出て当選したのですが、実際には、卒業していませんでした。というより卒業できなかったのです。日本の大学とは違い、特にBAを取得するのは大変だと思います。ところであなたは何をMajorにするのですか。
CA受験では、面接でも、一般常識テストでも、時事問題が出たり、日本人として知っていなければならない問題が出たりします。留学中も、それらを補充しておく必要があります。ところが、海外の大学では、語学のハンディキャップがありますので、本国人以上に勉強しないといけません。日本人としての常識を吸収する時間がとれない場合もあります。
最後に、海外の大学は、卒業時期が違ったり、日本の就職シーズンと学期が重なったりすることがあります。日本で就職試験を受けるために、授業を休んで一時帰国しなければならないこともあります。航空機代もかかります。
充分検討の上、決断してください。
CAになれるかどうか、まだ未定な部分があります。他業界への就活もあります。将来、日本の企業に就職する可能性が高いのでしたら、そのまま現在の大学を卒業することをおすすめします。
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