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▼いちごさん:
どこの会社でも、社員が自社製品を購入する場合、社員割引があると思います。航空会社にも、社員が私的旅行する場合に、自社便座席を無料または一定割引で利用できる制度があります。また、航空会社間で相互協力関係がある場合は、双方の社員がお互いの航空会社の便を、割引運賃で利用することができます。空席は、在庫がききませんので、社員の個人的利用に開放しているのです。割引率によって、予約ができたり、できなかったりします。割引率が多い(無料の)場合は、お客様が優先ですので、空席待ちとなります。
個人的利用の社員チケットは、エコノミークラスチケットとなります。エコノミーチケットで、初めからファーストクラスに搭乗させることはありません。これはお客様も社員も同じです。しかしながら、航空会社は予約受付の段階では、オーバーブッキングと言い、各クラスの座席数の何割増しかの予約を受け付けています。なぜなら、当日キャンセル旅客が出るからです。できるだけ空席を出さずに出発できるよう予約管理をします。ところが、時として、予約されたお客様が全員チェックインカウンターで来てしまうことがあります。その場合、エコノミークラス座席が足りなくなってしまいます。そのときは、エグゼクティブクラスやファーストクラスに空席があれば、そちらを提供します。これはホテルなどでもあります。シングルを予約していたのに、実際に部屋に入ったらツインの部屋だったというような場合です。
この時、どのお客様にエグゼクティブクラスやファーストクラスの座席を提供するかが問題になってきます。同じエコノミークラスチケットのお客様に差異が出てしまいますので、その取り扱いを慎重に行います。よく利用してくれているお客様をエグゼクティブクラスに着席していただいたりします。一方、空席待ちの社員は最後まで待たされます。お客様の座席がすべて決まったあとで、まだ空席があれば社員に提供します。それがたまたまファーストクラスの座席であることもあります。これは社員を優先しているのではなく、お客様を優先しているから起こる現象なのです。
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