|
飛行中の機内は減圧され0.8気圧になっています。空気は、富士山の6合目と同じくらいで、地上にいるよりやや薄めなのです。夕食時に出発する便では、お客様はお腹がすいているところで、お酒サービスがあり、そして食事サービスになります。
先日のフライトでは、すきっ腹のところにお酒サービスをしたのがいけなかったのか、食事サービスが終わるころになると、あちこちで貧血を起こしているのです。貧血を起こす人は、気分が悪くなっているので、たいていトイレに行こうとします。そして、トイレの前で、突然バタッと倒れます。
そのフライトでは、ホノルルに到着するまでに、11人もの方が、トイレの前で倒れました。介抱していると、その上に倒れてくる人もいました。ときには、頑丈そうな男性が、突然倒れてきます。貧血ですから、足を上に上げるようにして、しばらくの間、そのまま寝かせておきます。あまり症状がひどい場合は、酸素吸入もします。今回はそのため、トイレの近くの通路は、貧血の人だらけ状態になってしまいました。
貧血を起こす人は、たいていご婦人方です。あまりお酒になれていないことや、女性ですから、旅行に出てくるまえは準備でいそがしかったりで、搭乗するまでに、すでに相当疲れているようです。そして、今回はすきっ腹が重なりました。
貧血そのものは時間とともに回復してきます。貧血でスチュワーデスたちが一番恐れているのは、貧血の方が倒れた際、打ち所が悪い場合です。ときには、頭を何かの角にぶつけて裂傷したりするケースです。そのため、スチュワーデスたちは、飛行中、用のない時は、交代でトイレ付近にいるようにしています。
お酒は無料でサービスされますが、タダだからと言っても、ようすをみながら飲むとよいでしょう。地上で飲むのと違い、2倍の速さアルコールが回るのが飛行中のお酒なのです。
|
|