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ニュースで知っている方もいると思いますが、先日、関西国際空港で、中国国際航空機が、出発するため誘導路に向かっていたところ、同社の整備士がエンジンに飛び込み死亡するという事件がありました。長年、乗務していますが、航空関係の事件で、このようなことは始めてです。
航空機のエンジンは、直径が2メートルぐらいあります。エンジンの輪の中で、人間が立てるぐらいの広さです。そして、誘導路に出た航空機は、自力走行するための推力を得るために、エンジンパワーをなかり上げています。パワーが上がったエンジンは、猛烈な勢いで、空気を吸いこみます。エンジンの後方では、熱せらた空気が、やはり、猛烈な勢いで吐き出されます。そのため、始動したエンジンの前後には、絶対近づいてはいけないことになっています。
エンジンの中では、扇風機の羽根のようなものが回転しています。ときどき離着陸時に、バードストライク(鳥の衝突)があります。空港周辺に生息する鳥が、エンジンに吸いこまれることを言います。吸いこまれた鳥は、無残にも、跡形なくなっています。エンジンの羽根には、血痕や羽がベタっと付着しています。大きな鳥を吸いこんでしまうと、エンジンブレード(羽根)が曲がってしまうこともあります。そうなると、エンジンを交換しないと、その飛行機は飛ぶことができなくなってしまいます。
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