航空会社の中には、基地が本国となっていることがあります。旅行でその国に訪れるのと、その国に住むのでは大いに違います。気候風土、食べ物、文化、習慣、価値観が違う国に住むには、それ相応に柔軟性が求められます。採用側も、接客サービスに向いているかだけでなく、応募者がその国に住んでやっていける人かどうかも観察しています。そこで、現役・OG会員の協力を得て、外資系CAがどのように暮らしているか、各国の生活事情をお知らせすることにしました。投稿内容の一部に個人的意見も含まれていることをご承知おきください。(原稿募集中)

ウィーン(Vienna) 生活事情

 CA 生活

オーストリアのお国柄


オーストリアは、周囲を7ヶ国に囲まれた中欧の小国で、ヨーロッパの中央に位置する永世中立国です。言語はドイツ語で、ドイツ南部と同じ方言です。総面積は、日本の1/5程で北海道と同じ位の大きさです。19世紀には、オーストリア・ハプスブルグ帝国として、面積は現在の8倍でした。現在の主な産業は金融業、観光業です。国際原子力機関(IAEA)など多くの国際機関本部がウィーンにあります。また、南半球のオーストラリアと国名が非常に似ているので、「No Kangaroos in AUSTRIA」と書かれたTシャツがお土産物屋さんで売られています。


≪通貨≫ ユーロ
≪日本との時差≫ 冬場−8時間 夏場−7時間
≪宗教≫ ローマ・カソリック66%  (その他) プロテスタント イスラム教 ユダヤ教

ウィーンへは


日本からウィーン・シュベヒャート空港へ直行便があります。現在、成田便のみの運航です。また世界遺産の街、ブタペスト(ハンガリー)やプラハ(チェコ)などの東欧方面に向かう、乗り継ぎのお客様が多くいらっしゃいます。空港が小規模なので、乗り継ぎに便利です。回りの国は陸続きなので、電車やバスでも隣国に行けます。その場合、バスや電車の中でパスポートコントロールが行われます。(写真 オーストリア航空HP)


空港から街まで


ウィーン・シュベヒャート空港から街へは便利なバスが出ています。また、電車も走っており、ウィーン・ミッテ駅では、駅の中でチェックインが可能です。駅から身軽に空港まで行くことができます。また、乗務員や空港職員は制服のままで公共交通機関に乗ることができます。オーストリアで赤い服はそれほど珍しいものではなく、上下真っ赤なパンツスーツを着た素敵なマダムも街にいます。日本で赤い上下の服はかなり目立つと思いますが、オーストリア国旗の色でもある赤は、国民になじみ深いようです。ちなみに、私は出勤時にバスを使っていました。


ウィーン市内


ウィーンでは地下鉄やSバーン、路面電車、バスなども運行されています。交通網は非常に発達していますし、タクシーも安全に乗ることができます。フィアカーという観光客向けの馬車も走っています。

 

気候


春が極端に短く、5月頃急に初夏になります。人々の表情が一斉に明るくなるのがわかります。それでも朝晩、寒暖の差が激しいので、季節の変わり目にはノースリーブの人もいれば、ダウンを着ている人もいたりします。

  

夏の季節は短いです。日差しが強く暑くなりますが、湿度は低いので室内や日陰は暑くありません。エアコンはオフィスや店舗などにはありますが、一般家庭にはありません。それでも暑くて眠れないという日はありませんでした。最近は、温暖化の影響があるかもしれません。

  

秋も短いです。涼しくなったと思うと、すぐに長い冬が始まります。ウィーンでも時々−20℃になることがあります。どんなに防寒しても、顔は外気に触れてしまうので痛くて笑いが出てきます!普段はそこまで寒くありませんし、室内はセントラルヒーティングで暖かく快適、トイレやシャワールームも暖かいです。室内では半袖OK、外ではしっかり防寒です。また、室内はとても乾燥します。加湿器は必須です。オーストリアの西端はアルプス山脈があり、ウィンタースポーツが盛んです。ウィーンでも雪が降ります。

11月中旬からクリスマスの頃まで、広場や通りは、美しく飾りつけされ、クリスマス・マーケットが開催されます。イルミネーションに囲まれながら、グリューワインというスパイスの効いた暖かい甘い赤ワインを飲みながら、屋台散策をします。この時期が終了してしまうと、ちょっとさみしい雰囲気ですが、雪のウィーンも風情があってとても素敵です。真冬の日の入りは遅く、夕方は4時頃には暗くなります。



治安

 

とても良いです。私の知っている限り、CAで犯罪に巻き込まれた経験のある人はいません。しかし、地下鉄では、子供だからと気を許したら、スリ(ジプシー集団)の被害に遭ったと、聞いたことがあります。基本的には、夜の外出も問題ないとは思いますが、暗い道を1人で歩くことは極力避け、普段の生活から気を付けることをおすすめします。日本でも海外でも同じですね!


ドイツ語 英語

 

同期のほとんどがドイツ語学校に一度は通っていました。しかし、私のように、全くドイツ語が話せなくても、割と快適に暮らせます。役所の書類や明細、請求書などはドイツ語ですが、フライト中に同乗Crewに内容を訳してもらったり、単語を辞書で調べたりすれば、なんとなくわかります。同じく、オーストリア人Crewからも、彼女らが日本で購入したものをどうやって使うのか、説明してほしいと頼まれることがよくありますので、お互いさまです!

ウィーンは、世界中から人が集まる国際的な街なので英語が通じます。しかし、海外生活が長く、英語の得意な同期は、ドイツ語なまりの英語は難しいと言っていました。私は外資系で働きながらも、英語が得意ではなかったので、ネイティブの本物の英語より、ドイツ語やフランス語、イタリア語なまりのシンプルな表現の英語が好きです。小澤征爾さんがウィーン国立歌劇場(オペラ座)の指揮をしていたので、日本人観光客には特に親切だと思います。

 

首都ウィーン

クラシック音楽が盛んで、音楽の都として有名です。モーツアルトやベートーベンもウィーンに縁がります。また、ウィーン少年合唱団も、普段はウィーンの宮殿内で寮生活をしています。公演で日本に向かう時には、可愛らしい制服姿で、シュベヒャート空港・出発ゲートにて美しい歌声を披露してくれることもあります。ウィーンの街中には、ドナウ運河が流れていて、夏の時期にはパラソルが置かれ、「海の家」のようなものが出現します。カクテルを飲みながらビーチ気分も味わえます(オーストリアに海はありません!!)。

お菓子屋さんやカフェハウスは老舗店が多く、ザッハトルテというチョコレートケートが特に有名です。甘くないホイップクリームをたっぷり添えてサーブされます。また、19世紀には、ウィーンのカフェは文化生活の中心でした。多くのカフェハウスは、当時と変わらぬ姿で現存します。入り組んだ小路や階段、芸術家たちが通ったカフェでひと休みしながら、かつての帝都に漂う雰囲気を感じられます。(写真 横浜夢本舗)


ハプスブルグ家


1273年〜1918年まで6世紀以上渡り続いた帝国の中心には富が蓄積され豊かな生活が営まれました。その結果、建築や芸術、食文化などが繁栄しました。ハプスブルク家の結婚はほとんどが他の王侯がそうであるように政略結婚でしたが、その割には夫婦仲が円満で子宝に恵まれたケースが多く、多産は伝統とも言えるようです。そのため現代でもハプスブルク家に関して、陰謀などの血生臭いイメージはあまりありません。



ウィーンの世界遺産


ウィーンには2つの世界遺産があります。1つは「ウィーン歴史地区」です。中でも街のシンボルは14世紀建造のゴシック様式の大聖堂シュテファン寺院です。こちらは音楽家・モーツアルトの結婚式と葬儀が行われた場所です。その他はホーフブルク宮殿(ハプスブルグ家の宮殿、現大統領官邸)、ウィーン大学(14世紀に創立されたドイツ語圏最古の大学)、ウィーン国立歌劇場(写真)、ベルヴェデーレ宮殿(クリムトの絵画『接吻』の展示、『ベルヴェデーレ』はイタリア語からの借用で「美しい眺望」)、オーストリア議会議事堂、ウィーン市庁舎、カールス教会(バロック様式の教会)、ブルク劇場(ドイツ語圏で最高の格式を誇るとされる劇場)、自然史博物館、美術史美術館、カールスプラッツ駅舎(オットー・ワーグナー設計1899年)、郵便貯金局(オットー・ワーグナー設計1906年〜1912年)があります。もう1つの世界遺産は、『シェーンブルン宮殿』です。こちらは街の中心地から5km程の距離にあります。

マリア・テレジアやマリ−・アントワネット、エリザベートが生きた18〜19世紀の雰囲気が感じられる、可愛らしい黄色の宮殿です。美しい庭園の丘は開放されており、芝生でのんびりと過ごせます。



お水とお酒


水は、主にアルプスの湧水を水源としているので、飲料水として適しているそうです。私はペットボトルのお水を飲んでいましたが、料理にはブリタのカートリッジを使っていました。しかし、日本の水と違い石灰が多く含まれているので、加湿器やポットの中がすぐ白くなってしまいます。

また、オーストリアはワインの産地として特に白ワインが有名ですが、赤ワインも美味しいです。スプリッツアー(白ワイン×炭酸水)は機内でもよくオーダーされます。同じように、リンゴジュース×炭酸水もあります。ウィーン市内には「ホイリゲ」と呼ばれるワイン生産者がワインと食事を出す酒場があります。高級感は全くなく、『カジュアルに楽しく飲む』といった感じです。ビールグラスのようなものにたっぷりと入ったワインを楽しい雰囲気でいただけます。どのお店も歴史が感じられます。

また、「シュトゥルム」というぶどうジュースが発酵して、ワインになりかけている状態の飲み物があります。これはぶどうの収穫から新酒ができる短い期間でしか飲めないので、皆が楽しみにしています。発酵の関係で輸出はできないようです。またドイツ同様、ビールもよく飲まれています。スーパーではミネラルウォーターよりも安い値段で売られています。



食事・日用品・休日


近所のスーパーマーケットや市場で食品を購入していました。また、フライトの度に日本でも食品や日用品を購入して持ち込みしていました。中心地には高級スーパーマーケットがあります。また、オーガニックのマーケットもあります。

私は、主に自炊でした。休日には、友達と食事を楽しんだり、カフェでケーキとメランジェ(オーストリアではメジャーなコーヒー)で何時間も過ごしたり、とにかくのんびりと穏やかに過ごしていました。東京やパリ、ロンドンに比べると、ウィーンは圧倒的に静かな街です。私には教会の鐘と馬車の音が聞こえる環境が最高の癒しでした。刺激的な生活を楽しみたい!という方には少々物足りなさを感じるかも知れません。同期でウィーンの生活が退屈!などと言っていた人はいなかったと思います。それぞれの生活スタイルで外地ベースを楽しんでいたように思います(冬の寒さや雪は少々辛いものがありますが)。

日本食のお店もありますし、中華料理やタイ料理もよく食べていました。また、街中のスタンドでは、ソーセージやケバブ、ファラフェル(ヒヨコ豆のコロッケやピタパン)なども売られています。

わりと乗務スケジュールがゆったり(たくさんフライトの入る時期もありましたが)ですので、フライトとフライトの合間に、日本に一時帰国したり、旅行に行ったりも可能です。また、100%乗務にするか、何%で飛ぶかを選ぶことができます(夏は100%、冬は0%、年の平均50%など)。その他、No Paid Leaveで一時休職して、学校に通っている方もいました。



住まい探し


訓練中は、会社から宿泊場所を提供される場合もありますが、現地到着の日から、各自で宿泊場所を確保し、訓練前から家探しをすることもあります。初めての土地での家探しでは、苦労するかもしれません。私は到着してしばらく、日本で予約した安いホテルに滞在しました。物件の情報を得るには、新聞、不動産屋、個人紹介、コミュニティーサイト、会社の掲示板、ウィーン大学の掲示板にも見に行きました。

幸運にも、現地に住む親切な日本人女性と知り合えたので、彼女の親戚の方が持つアパートメントを借りることができました。32平米、シャワー付きのバスタブなしで380ユーロ。家具は少しだけ買い足しましたが、洗濯機は備え付けでした。ディポジットは2ヶ月分収めました。外観は古びていますが、内側はリノベーション済みで、とてもキレイな部屋でした。中心地からも歩ける距離で、トラムも地下鉄もバスも全ての駅が近くにありました。

ウィーンは交通網が非常に発達しているので、たとえ中心地から多少離れた場所に、家を借りても問題ないと思います。また、新築の物件などもあり、家賃は日本より格段に安いと思いますが、その場合は基本的に家具、家電は自分で用意します。友人のマンションは地下に洗濯機の部屋があり、使用したい日にちを記入し、住人が順番に使うというシステムでした。

景観保護の為だと思いますが、日本のように洗濯物を外に干せません。中庭に面したバルコニーがある場合には外干しでも大丈夫だと思いますが、基本、部屋干しです。冬はセントラルヒーティングに乗せれば、すぐパリパリに乾きます(笑)。

新居が決定して、訓練中にホテルから新居に引越しです。せっせとIKEAに通い、まずはベッドのマットレスを購入、週末にベッド本体を購入、組立てという感じです。とにかくメンタル、フィジカル共に鍛えられます(笑)。今となっては本当によい思い出ですが、当時は毎日必死でした。

また、シェアや間借りの人もいます。休暇の度、毎月フライトとフライトの合間、頻繁に日本へ帰る人は、ウィーンにいる時間が少ないので、とりあえずの部屋という感じで借りています。日本に住みながら、コミュートして飛んでいる先輩もいました。ウィーンベースで働くことに変わりはありませんし、会社や役所から郵便物も届きます。必ず住所は必要になります。ちょっと大変な家探しが落ち着けば、ゆったり、のんびり、とても楽しいウィーン生活が待っています!!


生活について 日本人との違いなど


入社時に、社内の銀行で口座を作りました。ネットのプロバイダー、ケーブルテレビ、携帯、家賃など、全て銀行からの引き落としでした。携帯は日本用もありました。年金を引いた額が、給与として支払われます。短い期間の年金加入だったのですが、退社時には、少額ながら支払った分が返金されビックリしました。日本とは違いますね。医療に関しては、英語で大丈夫でした。診察の代金は支払わなかったと思います(記憶が曖昧でスミマセン!)。

体調不良で抗生物質を処方してもらったことがありますが、薬の大きさにビックリしました。おそらく、本国人は体格が大きいので、薬のサイズや量が少し多いのだと思います。英国王室・キャサリン妃が出産の翌日に赤ちゃんを抱いていましたね。顔色も良くとてもお元気そうでした。とにかく体力が違います。

他の欧州系航空会社でも乗務した経験もありますが、『体感温度の差』は毎回感じていました。日本人は寒がり、欧米人は暑がりです。欧州系(米国系も同じでしょうか?)の機内は、基本的に、寒いと思いますので、機内のブランケットだけでなく、何かしらの羽織るものはあった方がよいと思います。欧米人は体力があり、体温も高く、疲れにくく、疲れからの回復も、日本人より早いと思います(※あくまで私の見解です!)。

ウィーンでも歯科には通うことができますが、腕は日本の歯科医師の方がよいと、友人は言っていました。歯に関して、私は日本で治療していました。フライトでも、休暇帰国でも、日本に帰りやすいので、あまり不便は感じないと思います。人生経験の一つとして外地ベースはおすすめです。そのまま外地に定住する人、日本に帰る人、他国へ移動する人など、その後の人生もさまざまです。

オーストリア航空は働きやすく、ウィーンもすてきな所です。皆さんも、ぜひウィーンに住んでみてください。

 2013.10記 元オーストリア航空

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クアラルンプール(Kuala Lumpur) 生活事情  

                      マレーシア航空 CA 生活

マレーシアのお国柄  マレーシア航空 CA 住まい


通貨はマレーシアリンギット(RM)。1リンギット=約28.9円(2023年1月時点)。公用語はマレーシア語。英語はほとんどの場所で通用します。(2023年7月時点1リンギット=31円)

マレーシアは日本で暮らしている人たちからするとなじみの薄い国のようで、一体どこなの?と聞かれることが多いです。「シンガポールとタイの間にある国です」と言えば分かっていただけるのでしょうか。

マレーシアだからといって、マレー人が一番多いのか、というと、そうでもなく、中華系も、インド系もいます。そういう人たちが、混じり合ってよい文化を作っているというよりは、それぞれが強烈な個性を発しながら、『私は私』という感じで生活しています。テレビの某番組で収録されるような、腰蓑をまいた人たちが生活したりしているところを想像している人もいるかもしれませんが、私が行った田舎では、Tシャツくらいは着ていました。都会にはマンダリンオリエンタルや、マリオットなど一流ホテルや、有名ブランドがそろったショッピングモールもありますし、モノレールも走っています。

マレーシアではイスラム教という宗教が幅を利かせているため、いろいろと輸入規制があり、ブランドものはあるにはありますが、最新のものはなかなかお見かけしなかったような気がします。最新ものはシンガポールやタイに行って手に入れるのがよいでしょう。シンガポールは、バスで6時間、飛行機なら、飛行時間30分くらいで、日帰りできる程の近さです。今はファイアーフライや、エアアジアなど、安いチケットを買うことができるので、気軽さに拍車がかかっています。バンコクならば、飛行機で、2時間程です。

日本の文化は割と入って来ています。近隣国に比べるとまだまだですが、無印のお店もできてきましたし、ユニクロも何故か時期になると冬物まで売っています。ジャスコに行けば、日本の食材が手に入りますし、「正直屋」という日本のお菓子をメインに売る小売店も多数出ています。伊勢丹の地下は改装されてきれいになっています。クォリティーの面は、日本とは比べられません。日本食のレストランもそこここに点在しています。遅くまでやっている日本食レストラン/居酒屋などは、いつでも独身駐在員の集まるところのようです。

少子化なんてどこ吹く風のアジアですから、若者たちはあふれているので、クラブもありますし、屋台風のお店は一晩中明かりが灯っています。


基本的にはみんな親日的ですが、日本人とは距離の取り方が違うので、自分で「ここまで」の線引きをし、かつ、相手に分かってもらうことも必要です。友だち作りは、現地で生き延びるための必須事項ですが、会って間もない人に、「家に遊びに行ってもいい?ご飯作ってくれる?」などということを非常に親しげにいわれることもあります。基本、知らない人は家に入れない。困っていても知らない人の車には乗らない、という気持ちは忘れないようにします。かくいう私も、後で、「それ、詐欺の手口だよ。地球の歩き方に書いてあった」と、いわれるような目にハマってしまったこともあるのです。被害に遭わなかったので、笑い話で終わりましたが、危うく犯罪のターゲットになるところでした。外国にいると、開放感のためか、自分の行動基準がブレブレになってくる時期があります。有効的なのと、警戒しないのは別物です。(写真 マレーシア航空HP)

 

時間の約束

 

時間に関してはのんびりというかややルーズです。

時計を持っていないのかと思うほどに1時間、2時間のずれは多々ありますから、どんと構えていられる余裕を心に持っていることが大事です。 修理屋さんなどは、時間通りに来くることのほうが珍しいです。

一にも二にも、ご飯を大切にする民族なので、ご飯の時間は尊重しなければなりません。こちらがうんといわなくても、ご飯ぬきでは働かないので、ことわりなく時間に遅れてきますから、それならむしろ、「先にご飯を召し上がれ」と言った方が、気分がよいです。飛び始めの頃は、毎フライトで怒られていましたが、どんなに怒っていても、「とりあえずご飯を食べてらっしゃい!お説教はそれから・・・」と、彼らは言うのです。


食事

 

マレーシアで食事に困ることはありません。

水も卵も全て日本食品がいいの!とおっしゃる方は困るかもしれませんが(笑、そして、驚くことに、そういうクルーも中にはいたのです)。なんくるないさ!!の気持ちが大事なのです。これは、自分でオフの時に実験していただきたいのですけれど、屋台料理も、大丈夫なところとそうでないところがありますし、こぎれいなところは無数にあります。ただ、そういうところはちょっとばかり現地料金にしては高い金額を払って食事をするということを念頭においてください。良いものはそれなりにするものなのです。最近ではマレーシアといえど、お金持ちが増えているので、素敵なお店はいつでもいっぱいなことが多いです。

住居

 

ほとんどの日本人クルーは、家具付きコンドミニアムを賃貸しています。家賃は日本に比べ、断然安いです。

私が借りていたお部屋は一ヶ月RM1300でした。同僚の中には、1700くらいまでは出している人もいました。マレーシアに来て間もない後輩たちは、ルームシェアをしているようでしたが、1年経つ頃には、だいたい1人暮らし用のコンドミニアムにお引っ越ししていました。たいがいのコンドミニアムにはプール、ジムが備わっています。

住居探し

 

私が入社した当初は、訓練所の近くにある宿泊施設に1ヶ月ほど滞在させてもらい、その間に部屋探しをしました。会社からの援助はありません。新聞で当たりをつけて、不動産に電話をかけるか、訓練中に作った友だちに頼るか、インストラクターの知り合いに不動産屋を教えてもらう感じでした。日本人は現地の人とは違った料金(もちろん高めです)を提示されるので、現地の友だちがいれば、その人に立ち会ってもらったりしたらよいのかもしれないです。後は運と、自分の勘を信じてください。

私からのアドバイスは、セキュリティー重視で選ぶこと。オーナーや不動産屋と気が合うことです。住んでいると、いろいろと不具合が出てくるものなので、困った時に、気軽に相談できるオーナーがよいと思います。家賃が安いからといって、あまり日本人の住んでいないようなところに、1人で住んでしまうと、犯罪のターゲットにされる危険があると思います。

クルーは、出勤の際には、制服で、迎えの車を待つことになるので、目立つのです。スーツケースを持っていれば、向こう何日間かはここにいません、という目印になってしまいます。クルーではありませんが、日本人で、年に2回強盗に入られた方もいます。強盗も、ひったくりも、他人ごとではありませんよ。


医療

 

健康保険という制度は、会社にはありません。会社指定のクリニックに行けば、全額会社が負担してくれます。

クリニックは、病気欠勤(MC)をする時には必須のものなので、本当に具合の悪い時には行く必要があります。皆さん、あまり行きたがりません。たいがい自分で、信頼の置ける病院を探して行くか(Japan Medicareという、日本語の話せるドクターのいる病院が代表的です)、できるだけ日本でお医者様に看ていただいた後に、MCをもらいにクリニックに行く人がほとんどでした。

というわけで、保険には自分で入りましょう。副業で保険屋をやっているクルーがいて、そういう手続きを薦めてくる人がいます。私はマレーシアにいる間はとりあえずと思って、それに入っていましたが、ご自分でよいと思える保険を探して入っておくのがよいです。

 

携帯電話

 

携帯電話は、現地のものと、日本のものを持っていました。

現地のものは、連絡できればよいだけの代物だったので、旧式でしたが、特に不便を感じることはありませんでした。最近では日本か現地の、どちらかでスマートフォンを買って、携帯は一つだけ持つ人も増えてきています。

家電製品

 

家電は、お部屋にたいてい付いているか、現地で調達すれば問題ないと思います。パン焼き機やオーブンを日本から持って行くことはあまりお薦めできません。変圧器は、高熱を出すものには向いていないのです。欲しいものはリストアップして、家を借りるときに、オーナーに言ってみるのがよいのではないでしょうか。買ってもそんなに値が張るわけでもありませんしね。

ラマダン(Ramdan)                                                                        

 

一年を通して暑いマレーシア。肌寒いと思う日でも、外気温は25℃。なんだか季節感のない国ですけれども、一年が経ったんだなぁ、と、機内で感じる瞬間があります。それはラマダン(断食)の季節です。

断食といっても、24時間絶食するわけではありません。食べないのは日が出ている間だけなのです。なぜ、ラマダンの季節が、断食をしない部外者の私たちにも分かるのか!?

まず、政府がラマダンを認めているため、その時期の生活パターンが変わってくるのです。具体的に言うと、例えば9時〜5時まで仕事をしていた人の仕事時間が9時〜4時になったりしている。郵便局も早く閉まります。朝、日の出前の3時ぐらいなのでしょうか?えらく早い時間に寝ぼけながら起き、お祈りをして、朝ご飯をもりもり食べます。日が昇ったら水も飲めません。厳格に言うと、唾を飲むこともいけないようです。昼休みがなくなるのかというと、そういうわけではなく、短くなるようです。

ラマダン中の人はたいがい寝ています。レストラン等は、開いていますが、ひっそりとしています。イスラム教以外の、中華系や、インド系、日本人等は昼食を食べに出かけます。ただ、同僚が食べないのに、目の前でもぐもぐするのはやっぱり気が引けるので、彼らの見えないところで食べるくらいの気づかいはします。うっかりマレー系の人が経営しているレストランに行ってしまうと、シェフが味見をしていないので、えらくしょっぱかったり、薄味だったりするまずいご飯に出くわしてしまうことになります。

仕事がずいぶん早く終わりますが、こんなに早く終わってどうするのか?というと、お夕飯の準備をするのですね。早く帰って、味見はしないけれども料理は作る。日の入り(日が沈み、食べてもいい時間になったことを、ブカ・ブアサと言います)には、またお祈りをして、家族皆が集まっての宴をします。外食の場合は、ブカ・ブアサの前から食べたい料理を注文し、テーブルに並べてもらいます。しかし、ブカ・ブアサになるまではだれも手をつけません。黙って料理とにらめっこしているラマダン中の家族を、友人が目撃しています。黙る必要はないのですけれども、ずっと我慢してきたものが目の前に出てくると、やはり黙ってしまうのでしょうね。ブカ・ブアサの瞬間は、異教徒の私たちにも分かります。部外者には迷惑千万なお祈りの放送が街中に響き渡るからです。ちなみに、この時期、ブカ・ブアサ前の一時間はいつにも増してひどい交通渋滞が発生します。



ラマダンと本国人CA

 

だいたい一日の流れはこんな具合なのですけれど、さて、本国人CAたちはどうしていたのか?ラマダンにも、いろいろなきまりがあるらしいです。女性ならば、生理中の人は免除。その分、あとで個人的に断食すればよい。あまり小さい子どもはやらなくてもよい(しかしながら、私は、5歳くらいの子どもにラマダンを強行している親を機内で見かけたことがあります。同僚に尋ねたら、いずれやらなければいけないことだから、早くなれておいた方がよいということでした)。私はイスラム教について詳しくないので、情報が不確かなのです。本国人CAによって、旅行中はやらなくてよい(帰ってきたらその分やり直しをする)という人もいたし、帰ってまたやるのは面倒だから、その国の時間に従うという人もいました。夜間飛行に当たった本国人CAたちはウキウキで、機内食だけでは飽き足らず、自前の、この時期にだけ出る特別なお菓子や、ナツメグなどを持ってきて、みんなで食べます。こういう時の彼らは、とっても気前がよく、「日本人なの?食べたことがないなら、是非食べてみるべきだ」くらいのことを言って、お菓子を分けてくれるのです。

 

ラマダンと機内サービス

 

ただ・・・こんな楽しいことばかりではありません。お客様だってラマダンをするのです。クルーは自分で何をすべきか分かっているのですが、中には訳も分からずご搭乗なさってきてしまったお客様もいる。黙ってラマダンを決行してくださるお客様は素晴らしいです。ただ、さすが、ナショナルフラッグを掲げているだけあって、マレーシア航空に頼りっきりのお客様もいらっしゃるのです。

何を頼っているのかというと、ラマダンの時期にはラマダンの特別サービスが自動的にされると思っているのです。CAに一言も言わずにです。残念ですが、そういうサービスは会社としては行っておりません。お食事の時間を他の方と変える場合は一声かけていただきたいというのが本音です。もちろん、この時期の混乱はよく分かっている人が多い会社なので、ラマダン中の人を探したりはします。シニアになってくると、「君はもうシニアだろう。見ればラマダン中の人が分かるはずだ。さぁ、見つけてこい」と言われたりするのですが、まったくもって分からない人も中にはいるのですよ。一人一人にいちいち「あなたラマダン中ですかぁ?」って聞くわけにもいきませんし。

そういう時は、漏れがあることを承知で果敢にキャビンに出て、ラマダン探しをするのです。ラマダン中の方に、一体どんなサービスをするのか、というと、夜明け前にお食事を召し上がりたいのかどうか?と聞いて(←私の経験では100パーセントYESと言います)、時間になったら、お客様を起こし、お食事を召し上がっていただきます。

困るのはLandingとブカ・プアサが重なった場合です。Landingなので、あと10分我慢して、目的地で何か召し上がったほうがよろしいのでは?と、思うのですが、そうは問屋が降ろしません。機長がブカ・プアサのアナウンスをした途端、「何か食べたい、今すぐに!!」と、彼らは主張するのです。お腹空いていますものねぇ??「すみません、あと10分で降下体制に入るので、10分で召し上がってください。もし食べきれなかったら、着陸してから、特別にお持ちしますので、それから続きを召し上がってください」と、言ったこともあります。

飛行機が着陸してから到着ゲートに行くまでの間に、手分けして10 人近くのラマダン客に食事トレイをお配りしたこともありましたっけ。もちろんSafety的にはダメに違いないのですが、「Safety的にまずいだろう」というようなことを言っても、肩をすくめられるだけなのです。ものすごく親切なCAになると、ラマダン客にお土産まで作っている(もしくは私たちに作るように命じる)。大概お水、ジュース、パンやピーナッツ、チョコレート、クッキー等、詰められるものを適当に詰めて、「あとで食べてね♪」と言ってこっそり渡します。

こんなSafetyをかなり無視した日々が一ヶ月ほど続くと、ラマダン後の、ハリラヤ(ラマダン明けのお祭り)です。

ハリラヤは、イスラム教の人にとっての年明けですが、中華系の人には旧正月があり、インド系の人にはデパバリがあり・・・それぞれのお祭りになると、それぞれの出身CAの欠勤が増えます。どうにかこうにかして、お休みを取って、家族みんなでお祝いをするという習慣が、色濃く残っているのが、マレーシアです。

 

最後に

 

最後に。あっちこっちで、危険だとか、ターゲットにされるというようなことを書き散らしたので、KULって怖いところなのかな?と、思ってしまった方もいるかもしれません。そんなことはありません。実際、住んでみれば分かりますが、KUL生活は、楽しいです。

そして快適がゆえに、警戒するという気持ちを忘れてしまうことがあるのです。そんな時に、怖い思いをしてマレーシアを嫌いになってしまうのは、私としても、非常に残念なことなのです。危ないと思って暮らすことはどこの国でも同じです。そんな目に遭わないために、ちょっとの警戒心を忘れずに、日々の生活を送ってください。私からのアドバイスを、どこか心の隅に留めてくださいね♪

2012.12記

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バンコク(Bangkok) 生活事情 

                            タイ航空 CA 生活

タイ王国・首都バンコクの概要  タイ航空 CA 住まい 生活


タイ王国は日本の約1.4倍の面積で、人口は約6600万人、ラオス、ミヤンマー、カンボジア、マレーシアと国境を接する東南アジアの中心に位置する仏教国です。

バンコクは、東南アジアの中ではシンガポールに次ぐ経済都市です。

通貨はタイバーツ 1バーツ=3.41円(2018年10月時点) 

(追記)2023年7月時点1バーツ=4.12円)

公用語はタイ語 英語は、バンコク街中であれば、日本国内よりは通じます。

タイ国民の大多数がタイ族で、最近は、華僑や、タイ族と華僑のミックスの人たちも増加しており、南部にはマレー系民族も多く暮らしています。バンコク街中では、さらに華僑系タイ人の割合が上がります。(写真 タイ航空HP)

バンコクには、国内人口全体の9分の1にあたる700万人ほどが暮らしています。 気候は、1年を通して、夏ですが、乾期・暑期・雨期と分かれており、暑期には気温は40℃近くまで上がり、5ヶ月間ほど続く雨期には1日数回スコールが降ります。

バンコクの中心部は

 

バンコクは、観光面でも経済面でも年々栄えてきており、地元のバンコクっ子をはじめ、観光客やビジネスマンなど、世界各国の人々が行き来し生活している、とても活気ある街です。日本人、韓国人、中国人などのアジア系はもちろん、欧米系や中東系の人たちも多くいて、自分の肌が何色でも目立つことは全くありません。

タイの国全体のイメージと同様、首都バンコクについても発展途上の都市というイメージをもたれている方が多いと思います。しかし、実際のバンコク中心部は、高架鉄道や地下鉄などの公共交通機関が整備され、高層ビルが立ち並び、世界各国の企業、デパート、レストランカフェ、エステ、ラグジュアリーホテル群が凝縮されていて、まさに都会そのものです。クラブやバーなどのナイトライフもかなり充実しています。また、バンコクの人たちはとても流行に敏感で、世界で流行りのものが、日本よりも先に手に入ることもあります。

さらに、道路わきの昔ながらの屋台、交通渋滞や鳴りやまないクラクションの音、排気ガスのこもった空気など、昔ながらの光景や人々の習慣も残ったままです。タイ人は敬虔な仏教徒なので、バンコクの街中のいたるところにある祠(ほこら)に向かって手を合わせる人たちの姿を、あちこちで見かけます。発展しつづける都会の部分と、昔から変わらない部分が混ざり合った街で、バンコク在住5年目になる私ですが、全く飽きることなく生活しています。ただ、ゴミゴミしていて空気も良くないので、自然を好む人にはあまりおすすめできない街です。

バンコク中心部から少し離れた場所に家を借りている日本人クルーも多いですし、用事がある時にだけ中心部に行くということが可能です。

日本人がバンコクで暮らすには

 

車メーカーをはじめとする多数の日系企業が、タイに工場進出するなど、ビジネスパートナーとして、また日本から毎年多くの観光客が来ており、タイと日本は深い関わりをもっているためか、基本的にタイの人たちは日本人にとても友好的です。また、タイ人の間で、日本のコスメ、食事、アイドルなど、根強く人気があります。

バンコクには世界の都市の中でも、5本の指に入るほど日本人在住者が多く、本国のスーパーとほとんど変わらない品ぞろえの日系のスーパーが何軒かあり、さらには日本のカラオケ店や古本屋、漫画喫茶までもがあります。

私たち日本人クルーは、平均月6〜7本、日本便を乗務しています。そのため、日本で日常品を手に入れていますが、急な病気などでしばらくフライトできなくなった時でも、物によっては日本と変わらないほどの値段で、簡単に手に入れることができます。

基本的に、日本人に優しいタイ人ですが、やはり諸外国と同じで、日本人は犯罪によく巻き込まれます。観光客だけでなく、スリやひったくりは住んでいる私たちにとっても、まったく他人事ではありませんし、空き巣の被害にあった身近な知り合いもいます。

日本人にとって暮らしやすい街には間違いないですが、常に気を引き締めて生活する必要があります。

 

バンコクでの交通手段

 

バンコクは交通渋滞で有名な街ですが、ここ10年の間に、高架鉄道、地下鉄が建設されたお陰で、行き場所や時間帯によって交通手段を上手に使い分ければ、ほぼ問題なくスムーズに街中を移動できます。

タクシーは、初乗りが35バーツ(100円前後)という安さで乗れます。

空港までの通勤にも、ほとんどの日本人クルーは、タクシーを利用します。空港まで、大体1時間以内で着ける場所に部屋を借りている人が多いです。

私の場合、高速道路利用時と一般道利用時とで差が出ますが、片道大体30分から、遅くても1時間以内で通勤でき、タクシー代は150から300バーツ(450〜900円)です。

タクシーは、本当に安く、便利でよくお世話になっていますが、荒い運転をする、メーターを使わずに高い料金を請求される、言う通りの道を通ってくれないなど、その分嫌な思いをする時もときどきあります。タクシーでは英語がほとんど通じないので、タイ語を覚えるようになるまでは、特に大変でした。日常生活の中で、日本人なら必ずといっていいほど、タクシー関連の問題には直面するでしょう。

私たちのフライトは、深夜便がほとんどなので、夜遅く1人でタクシーに乗り、出社しないといけないことがほとんどです。車内では絶対に寝ない、おおっぴらに財布を広げない、また電話で人と話しているふりをするなど、注意はかかせません。

 

食事

 

バンコクでの食事に困ることはまずないでしょう。

下手に材料を買い込んで自炊するよりも、外で出来合いのものを調達してきたほうが安くつくと言われているほど、屋台やスーパー内のフードコードで買えるタイ料理は安い上、美味しいです。

日本のチェーン店の大戸屋、モスバーガーなどから、料理の質も日本とまったく変わらないオシャレな創作居酒屋や焼き肉店、お寿司屋、ラーメン店など、数えきれないほどの和食レストランもあります。

外食、自炊の両方ができるので、タイ料理が苦手だという人でも、バンコクでの食生活で困っている姿を見たことがありません。ただし、最初の訓練2ヶ月間の昼食は、バンコク中心部から離れた訓練センター内のタイ料理メニューしかない食堂で食べることがほとんどだったので、タイ料理が口に合わず、辛そうにしている同期は何名かいました。

日本料理屋の他、世界各国の高級レストラン・バーが軒を連ねます。日本と比べても、かなりリーズナブルな友人との食事会は、多くの日本人にとって、バンコクライフの大きな楽しみの一つでしょう。

私たちクルーは、バンコクの外食ライフを楽しみながらも、日本から野菜やお肉を買ってきて自炊しながら、体調管理している人が多いです。

ちなみにバンコクの日系スーパーは、日本のスーパーと変わらないほどの充実ぶりなので、日本の野菜、インスタント製品、豆腐、納豆、漬物等々まで手に入ります。またなかなか日本から買って来られないもの、例えば重いお米(日本米)など、私はバンコクで購入しています。タイの鶏肉・豚肉はととても美味しいですが、牛肉・お魚類はあまり質がよくない上、高いので、日本から買ってくるクルーが多いです。

住宅事情

 

ほとんどの日本人クルーは、家具付きコンドミニアムを賃貸しています。

家賃は日本に比べ、断然安いです。

私は、バンコク中心部から高架鉄道で15分ほど離れた駅前のコンドミニアムを借りています。40uのワンベッドルーム、新築、バスタブなしで、1ヶ月15,000バーツです。

渡航してから、最初の2ヶ月の訓練中は、会社が用意してくれたホテルに滞在します。訓練も終盤に差し掛かった時期からは、週末を利用してバンコクの街中を歩きまわって、訓練後の自分の家を探し回りました。 最初の家探しは右も左もわからない状態だったので、すごく苦労しました。

私は最終的に、バンコクには日本人が経営している不動屋さんが何軒もあるので、そこで物件を紹介してもらいました。

大体のコンドミニアムの契約が1年単位となっています。

訓練後、バンコク生活にも慣れ、ちょうど契約が切れる1年後に、新たに自分で歩いて探し、オーナーに直接家賃交渉して引越ししたのが今のコンドミニアムです。

たいてい日本人クルーが暮らすコンドミニアムには、警備員が24時間在駐し、オートロック、防犯カメラ付き、また、ジム・プールもついています。

入居時に、デポジットとして家賃2ヶ月と、最初月の家賃、合計家賃3ヶ月を一気に支払うので、渡航時には、訓練中の生活費に加え、それなりにまとまったお金を準備しておいた方がよいでしょう。

 

医療

 

私たちの会社には、健康保険という制度がありません。

バンコク内にある決められた国立病院(1ヶ所のみ)を受診すれば全額会社が負担してくれます。といっても、その国立病院は地元の人でいつも混んでおり、街中からも少しはずれているため、利用している日本人クルーの話は聞いたことがありません。

また、その他のタイ国内の病院を受診した場合は、実際支払った額の半額負担してもらえますが、それでももし頻繁に通うとなると高くつきます。

そのためほとんどの日本人クルーが自分で保険に入っています。日本の国民健康保険に入り、日本の病院のみ通院するクルーもいれば、外資や日本の民間の医療保険(海外旅行保険など)にも入り、バンコクの病院にも通う人など、それぞれです。

タイの医療は、先進国レベルだと言われており、大きな私立病院から国立病院、歯医者さん、整骨院など、とても充実しています。例えば、バンコク中心部にある大きな私立病院は、病院と思えないほどの立派な高級ホテル並みの建物で、日本語をはじめ各国の通訳者が在駐しており、多くのバンコク在住の日本人も通っています。

緊急時、もし海外で利用できる保険に入っていなければ少し高くついてしまいますが、一応会社から半額負担してもらえますし、バンコク街中に安心して行ける病院はいくつもあるので心配は要りません。

 

 

 

 

携帯電話・電気製品

 
 

タイの電圧は220V、日本と違います。

 

ただ、近頃日本で購入するPCは、世界共通の電圧使用になっているので、タイに渡航する際、私の同期は全員、日本からPCを持ってきていました。

 

携帯電話についてですが、渡航時ほとんどの同期が日本の携帯も一緒に持ってきていました。というのも、訓練中の2ヶ月間は、ずっとタイにいることになりますが、訓練が終わり、乗務できるようになると日本便ばかりを飛ぶため、月の3分の1から半分は日本にいることになります。

 

日本では日本の携帯、タイではタイの携帯と、みなさん使い分けています。タイの携帯電話はタイに来てから簡単に手に入れられます。私は訓練中に、ホテルの近所にある電器屋さんに買いに行きました。タイ国内間の通話料はとても安いですし、タイ−日本間も、「009」を使えば1分7バーツほどで話せます。

 

といっても、ここ最近は、バンコクでも日本のように、街行く人たちの多くがスマートフォンを持っています。日本人クルーの中でも、タイ用電話としてバンコクでスマートフォンを購入、タイの電話会社と契約、日本では日本の電話会社と契約しスマートフォンを購入、というスマートフォン2台持ちをしている人も少なくありません。

 

私はタイでは通話専用の、月額料の必要のないトップアップ式の普通の携帯電話を使っています。海外の友人、家族と連絡を取る時は、家でWi-Fiを飛ばしているのでパソコンでスカイプなどを利用します。

 

バンコク渡航にあたって、前もって必要だったのはパソコン、日本の携帯電話くらいです。訓練中のホテル住まいが終わり、一人暮らしが始まっても、部屋には元々家具がついてありますし、炊飯器や電子レンジ、ドライヤーなどはバンコクのデパートで購入できます。


 

飲料水

 

水道水は飲めません。

飲み水はスーパーなどでペットボトルの水を買います。

日本に比べると水も安く買えます。

歯磨きなどで口をゆすぐ程度の時は水道水を使っても全く問題ありませんが、お米を炊く時、麺類を茹でる時はペットボトルの水を使うようにしています。

訓練時代、タイに来たばかりの時でも、タイの水が合わず肌が荒れたという話は、ほとんど聞きませんでした。水道水さえ飲まなければ、ほとんど問題ないと思います。

 
 

タイの国王

 

タイ人は、タイの国王ラマ9世、プミポン国王(2016年10月崩御)を敬愛していました。実際にタイ王国の発展に大きな力を添えた人であり、タイ人にとって心の拠りどころのような存在でした。プミポン国王崩御のあと、その息子であるワチラーロンコーンが国王(ラマ10世)の座につきました。

毎日午前8時と午後6時になると、国中で国王の音楽が流れます。

30秒程度なのですが、その音楽が流れている間、人々は足を止め、国王への敬意を示します。その時歩いている人たちは、国王の音楽のことを何も知らない観光客だとすぐにわかります。足を止めないからといってやじを飛ばされるということはありません。最近、若い世代のタイ人の中にも、音楽が流れていても立ち止まらない人が増えてきているとタイ人に聞いたことがあります。

ただし、国王に関するよくない噂を公共の場で言う、ネットに流すなどすると逮捕されることもあるようです。

 

僧侶

 

 

 

タイは熱心な仏教国です。

 

タイの国旗にも示されている通り、国王はタイ人にとってなくてはならない存在であり、国の中心に存在します。その次に拝められているのが僧侶です。

 

国旗の中央の青色は国王、次の白色は宗教、さらに外側の赤色は国家や国民を表すと言われています。バンコクの街中でも、よく僧侶を見かけます。女性は、絶対に僧侶に触れてはならないという決まりがあります。

機内でも、僧侶が乗ってくることがありますが、基本は男性クルーが対応することが望ましいとされています。ただ満席の時であればそうはいかないですし、自分の受け持ちのゾーンに僧侶の方々が座られていたら、私たち女性でもサーブします。その場合でも、絶対に触れてはならないため、僧侶への食事や飲み物のサーブの仕方は、一般のお客様と変える必要があり、訓練中に細かく教えられます。

 

機内でタイ人と仕事

タイ人は、基本的に、シニョリティーがしっかりしているなど、日本人と似ているところがありますので、やりやすいと思います。

また会社のタイ人クルーたちは、みんな誇りをもって働いています。ほとんどのクルーはホスピタリティがあり、微笑みの国と言われるタイらしいおおらかで、ソフトで、よいサービスをしようと心がけています。

ただ、そのタイ人特有のおおらかさがあだとなって、細かいことを気にする日本人旅客とトラブルになることもあります。その時に、間に入り、トラブルの解決につなげるようにと、日本人クルーが必要とされるわけですが、問題を起こしてしまったたいていのタイ人クルーは投げ出さず、日本人クルーの横について、一緒にお客様に謝り続けるなど、なんとか挽回しようとがんばっています。

仕事中の言語についてですが、タイ人クルーと英語でコミュニケーションをとります。日本線1便につき、日本人クルーが乗務するのは1名か2名で、後は全員タイ人なので、機内のクルーの間ではタイ語が飛び交っています。もちろんタイ語を話せた方が、タイ人のお客様にも喜んでいただけますし、機内での仕事も人間関係もスムーズになります。

ただ最初のうちはタイ語がわからない状態で入社しても、何年か暮らすと自然と必要最低限のタイ語は覚えますし、とにかくまず英語ができれば仕事に大きな支障はありません。

国内情勢

私が入社してから4年の間に、ほぼ1年に1度のペースで、タイ国内の情勢の不安定さを全世界に露呈する大きな事件が起こりました。死傷者を出すほどの大規模デモや、デモ隊に国際空港を閉鎖されるという、日本では考えられないことばかりです。

大規模デモはバンコク中心部で行われますので、普段は買い物、観光天国で観光客と地元の人でごった返すバンコクが、突如暴動の舞台に変わります。

私たちは、非常時になると、同期や先輩など会社の仲間や、バンコク在住の日本人たちと情報を交換し合い、身の安全を確保します。デモが始まっても、国内政党同士のぶつかり合いが原因なので、私たち外国人である日本人が狙われることはほとんどないですし、デモ現場にさえ行かなければ危ない思いをすることはあまりありません。一般の人たちも、普段と変わりなく市民生活を営んでいます。

ただ、非常事態になるたびに、タイへの旅行者は激減し、私たちのフライト数も一気に減ります。通常月に6〜7本あるフライトが2本に減ってしまったこともあり、スタンバイDutyとして、バンコクの家に1人で、いつでも飛べるように待機していないといけない時もありました。

タイは、政治的に不安定なところがあり、大規模デモが起こったり、首相が国を追われたりすることがありました。過去には軍事クーデターで政権が変わったこともあります。自然災害も起きることもあります。

それでも、私の会社では、多くの日本人クルーは、長い間、勤めています。私の同期約20名にいたっては、4年間だれも辞めませんでした。

サービス精神が高く、CAという職業に誇りを持ったタイ人クルーたちと共に働くことの素晴らしさは常に感じますし、日本人にとってもとても過ごしやすい国際都市バンコクでの豊かなCAライフはなかなか止められません。  

2012.05記

 
 

ここを読んだ方は「アジアで花咲くなでしこCA日記」も読んでください。

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シンガポール(Singapore) 生活事情 

                      シンガポール航空 CA 生活 

シンガポールについて  シンガポール航空 CA 住まい 生活

シンガポールはマレー半島の端にある小さな国です。大きさは日本の淡路島ほどしかなく、その中に約563万人(2023年)が住んでいます。東南アジアということで、心配されることが多いと思います。天候と衛生面ですが、シンガポールは一年の平均気温が27度ほどで、真夏の日本に比べれば、住みにくいというほど暑くは感じません。また、衛生面に関しても、諸設備がきちんと整っているため、心配はほとんどありません。時差は、日本の一時間遅れ(GMT+8)ですので、日本と行ったり来たりの生活でも、時差に悩まされることはありません。ここシンガポールでは、この数年、経済面でも急激な盛り上がりを見せています。2010年には、セントーサ島(シンガポール国内にあるリゾート系アイランド)に巨大カジノが完成しています。  (追記) 2023年人口563万人ポール航空 日本人CA

シンガポールでの暮らし

 

日本と比べても、シンガポールでの生活は快適と言ってもよいと思います。インフラなどの整備は、まだまだ国のいたる所で行われています。普段の暮らしにはほとんど不便はありません。物価については、日本同様、ここ最近になって、値上がりが始まっています。元々が安いため、そこまでの負担にはなっていません。

シンガポールはよく知られているとおり、主に3つの民族で成り立っています。7割強を占める中華系、マレー系が約15%、そしてインド系が約5%です。他に、私たち日本人や欧米人、出稼ぎに出てきているインドネシア等周辺アジア諸国の人たちが数%になります。やはり、マジョリティーである中華系の影響力の強さは、国のどこにいても感じられますが、この3つの民族がうまくバランスを取って生活し合っている様子は本当に感心するものがあります。シンガポール航空(SQ)ではこの3つの民族が一緒に働いています。もちろん公用語である英語でのコミュニケーションが主ですが、同じ民族同士では、その言葉を使って会話することが多いです。たまに、同じギャレーに日本人ひとりで、他全員が中華系だったりすると、自分だけ話についていけないことが多々あります・・・。

 

シンガポールの人々は基本的に明るくフレンドリーです。旅行者などでシンガポールに慣れない人を見ると放っておけず、いろいろと助けてくれます。明るすぎるのが災いして、時には、超楽観的、少しでも面倒なことがあると、”Never mind lar!”(気にしなくても大丈夫!)で済ませてしまうという悪いところもあります。大事なことでも、「大丈夫!大丈夫!」精神なので、一緒にいる日本人にとってはハラハラすることがしょっちゅうです。

 

シングリッシュ

 

前項で少し触れましたが、シンガポールでの言語について、必ずお話ししておきたいのが、「シングリッシュ」と言われるシンガポール英語です。中国語やマレー語の影響を強く受けており、独特な発音・文法・単語が特徴です。以下はシングリッシュの代表的な会話例です。

A “Hey! You makan already ah?” (= “Hey! Have you already eaten?”)
B “No lar, haven’t yet!” (= “No, I haven’t”)
A “Oh then what you want?” (= “Oh, what do you want?)
B “Umm, I don’t know leh..” (= Umm, I don’t know..)

・・・本来の英文と比べて頂ければ、かなり違うところが多いことに気づかれると思います。ちなみに、「makan」はマレー語で「食べる」、「lar」「leh」は中国語から来ていて、文末につけることで断定、疑問、過去など微妙に言葉のニュアンスを変えることができます。

日本人でも欧米人でも、まず外国人がシンガポールに来て、最初に苦労するのが、間違いなくこのシングリッシュでしょう。ただ、英語が第一言語でない私たち日本人にとっては、文法や発音に欧米のものほどこだわらなくていいという利点があり、1、2ヶ月もすれば自然と身についていきます。

 

食事

 

シンガポールでもうひとつ代表的なものと言えば食生活です。中華料理、マレー料理、インド料理をはじめ日本料理、タイ料理、韓国料理など世界のいろいろな料理を簡単に楽しむことができます。また、シンガポールのいたるところに、「ホーカーズ」と呼ばれる屋台のようなお店があり、シンガポール人は、「チキンライスなら○○にある○○が美味しい!」と料理によってこだわりを持っているほどです。私たち日本人クルーにとって、ローカル料理の好き嫌いは人それぞれのようで、日本から食材を買ってきて自分で自炊する人もいれば、家の近くのホーカーズで調達する人もいます。

 

住宅事情

 

シンガポールの住宅には、HDB(公共住宅)、アパートメントハウス、コンドミニアム、プライベートハウスと数種類あります。日本人クルーの多くは、コンドミニアムを数人でシェアリングして生活しています。ただHDBでも、最近では、コンドミニアムに劣らないレベルのものもあり、HDBに一人で住んでいるというクルーもいます。シンガポールは犯罪率も低く、安全な国なので、ひとり暮らしでも、特に問題ないようです。ただ万が一のため、入社当初はセキュリティのついているコンドミニアムを薦められます。ある程度生活に慣れてくれば、自分で引越し先を見つけ、好きな場所に引っ越しても問題ありません。

基本的に家族で住むシンガポールの家々は、日本に比べるとかなり広く、部屋数も比較的多いです。その割に日本のマンションとあまり変らない、もしくはそれ以下の値段で借りられるところが魅力だったのですが、昨年より、シンガポールの家賃が高騰し、2・3年前と比べると1.5倍から2 倍くらいに跳ね上がっています。よって、ここ最近では、希望の値段で家を見つけるのが難しく、苦労しているクルーも多いのが実情です。

 

プライベート

 

シンガポールでのオフは、皆思い思いに過ごしています。お買い物を楽しんだり、ヨガなどのお稽古事に精を出したり、家でゆっくり過ごしたり・・・。たまに3、4日のまとまったお休みがあると、インドネシアやタイなど、周辺の国々に小旅行ができるのも、東南アジアにあるこの国のいいところです。フライトのパターンがほとんど同じである日本人クルーの間では、よく休みが重なることが多いため、同期で一緒に出かけることも頻繁にあります。またほとんどのクルーが空港近くに住んでいるので、街まで出る気分ではない時などは、だれかの家に集まって食事を作ったり、映画を見て過ごしたりするときもあります。

 

生活面

 
 
電化製品

 シンガポールの電圧は220V~240Vです。電圧は日本の110Vに比べると大変高いので、日本で購入したものを持ってくる場合は、変圧器が必要です。また、シンガポールのコンセントはイギリス方式で3つ穴と2つ穴があります。変圧器と一緒にコンセントのアダプタを用意すると便利です。(大きな家電量販店にはだいたい置いてあります)。ただ最近の電化製品の中でも、デジカメ・携帯電話・パソコンなどは240Vまで対応のコンセントのものもあるので、コンセントの設定を確認して購入・持参したらよいと思います。ちなみに、私のパソコンのコンセントは240Vで使えますが、実際に、家のコンセントで直接使うと、コンセントが大変熱くなるので、念のため変圧器を使うようにしています。パソコンに関しては、言語設定のこともあり日本から持ってこなければいけませんが、シンガポールには日本の「ベスト電器」が出店しており、日本のメーカーの電化製品もたくさんありますので、わざわざ日本から持ってきて変圧器で使用するよりも、シンガポールで購入して使うほうがよいかもしれません。

 


日用品
化粧品などトイレタリーも、シンガポールでは、日本ブランドのものがシンガポール向けに販売されているために、比較的どこでも手に入れることができます。現地高島屋や伊勢丹のスーパーでは、直接日本から輸入されたものがいろいろ置いてあるので、急に必要になったときも安心です。また、コンタクトレンズについては、日本と違い眼科医の診療をしなくても眼鏡屋さんで簡単に購入できます。シンガポールと日本では視力の表示方法が異なりますが、お店で頼めば視力測定も一緒にすることができます。

 

携帯電話

日本の携帯電話は、3Gのものであれば使用できますが、使用料が大変高くなる(例えばメールの送受信はそれぞれ100円)ため、ほとんどのクルーはシンガポール用・日本用で両方持っています。シンガポールの携帯は、SIM形式(SIMカードと呼ばれる電子チップに番号などのデータが入っていて、そのチップを携帯に挿入して使用)を採用しています。SIM方式は、最近、日本でも普及し始めていますが、日本の携帯電話やSIMカードはロックがかかっているため、日本の機種にシンガポールのSIMカードを使うことおよびシンガポールの機種に日本のSIMカードを使うことはできません。携帯メールは日本と違い、E−mailでなくショートメール(SMS)が一般的です。私の知る限り、日本語の使える携帯はシンガポールでは出ていないので、日本人同士のコミュニケーションももちろんローマ字でやり取りしています。ちなみに、フライトで日本に滞在中も、シンガポールの携帯を使いたい場合は3Gのプランを申し込み、3G対応の携帯電話を使わなければいけません。日本と韓国以外の国々は3Gでなくてもローミングすることができます。(電波の種類が国によって違うからということを聞いたことがあります。詳しい事情はよく分かりません)。日本では日本の携帯があるので、わざわざ3Gの携帯を買う必要はないというクルーもいますが、個人のチョイスだと思います。(2010年時点)

 

冷房

常夏のシンガポールでは冷房が効いていることこそ、よいサービスだと信じられています。シンガポール人が冷房を入れるときは、設定温度24度が普通です。シンガポール人の平均体温が日本人より2度くらい高いというのも理由かもしれませんが、冷房の寒さにあまり慣れていない日本人にとっては、この寒さのせいで体調を崩すこともあります。というわけで出かける時はショールやカーディガンなどの防寒対策を必ず忘れないで下さい。

 

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ドーハ(Doha) 生活事情 

                       カタール航空 生活 宿舎

街の様子  カタール航空 CA 住まい 生活

 

カタールは秋田県と同じ大きさ程の小さな国。首都はドーハです。海に面したこの街に、カタール人口の8割が住んでいます。ここに住んでいる人たちは、ほとんどが他国から来た人で、主な人種はインド人、パキスタン人、フィリピン人やエジプト人などです。お店など外で働いている人は、全てが外国人なのです。近年は建設会社などで働く欧米系の人も多く見かけるようになってきています。写真 j.people.com.cnカタール航空

 日本人CA

地球の歩き方に、ドーハは、「世界で最も退屈な街」と書かれてあり、渡航する前はそれなりに覚悟してきましたが、実際は、大きなショッピングモールが何軒かあり、生活には不便していません。最近は、カタールもUAE同様、急激に経済成長しています。日々大きなビルや住宅が建っていく、建設ラッシュ真只中。またUAEのドバイ同様、人口の急激な増加により車の渋滞も深刻化してきています。

 

この国で、何より不便なのは公共交通機関がないこと。移動は車のみ。車を持っていない私たちは、タクシーに頼らざるを得ません。タクシーは、緑色の流しタクシーか、または、個人のドライバーを自分で見つける形をとっています。流しタクシーはメーターがついていますが、そのほかのタクシーは交渉で値段を決めます。大通りで流しタクシーを待っていても、つかまる時間帯とつかまらない時間帯があるので、個人のドライバーに出掛ける前に電話をして迎えに来てもらうのが一番確実である。 (追記) 地下鉄一部開通2023時点

 

大都市出身の私にとっては、この部分では、本当に不便で仕方ありません。しかし地方出身者の人たちの中には、自分の街より栄えていると言っています。この街を退屈ととらえるかは、それぞれの価値観次第だと思います。

 

気候と風土

 

6月から9月までの夏場は、日中の最高気温が45〜50度近くになります。寝る時も、冷房をつけていないと、暑くて眠れないことがあります。50度以上になると、国が会社や学校を休日扱いにしなくてはならないらしく、50度以上と発表されることはありません。それゆえ、実際、最高気温は何度なのかは謎となります。夏場は、夜になっても蒸し暑く、外気温は35度ほどまでしか下がりません。

 

10、11月になってもまだ暑く、半袖で過ごせます。12月頃になると、少しずつ寒くなってきます。1、2月は薄手のコートが必要な時期となります。ブーツを履く人も増えます。この時期は、日本の秋ぐらいの気候まで冷え込みます。どの家にも、暖房設備がないため、スーパーに売っている簡易ヒーターは入荷するとすぐに売り切れになってしまいます。そして、また3月終わりごろから序々に暑くなっていきます。

 

砂漠にできた町なので、乾燥していると思われがちですが、実は湿度がとても高いです。ドーハで行われたサッカーの試合を日本で見ていたとき、湿度は80パーセントと表示されていました。時期によって湿度はとても高くなります。ここの気候になれてしまうと、フライトや休暇などで日本に帰ると、私の肌はすぐに乾燥してしまいます。

 

雨は、1年を通して、冬場に3日ほど降るだけです。私の感覚の中では、雨の日がないことが当たり前になりつつあります。フライトでヨーロッパなどに行き、そこで雨の日にあたると、残念で損をした気分になる。こんな暑くて住みにくい場所でも、日本に帰国し何年かすると、毎日スカッと青々としたドーハの空が、きっと恋しくなるのでは?思います。

 

イスラム教社会とエチケット・マナー

 

この街に住む以上、私達の生活も多少、イスラム教の影響を受けます。モスクが街のいたるところにあります。モスクからは、一日5回のコーランが流れてきます。来たばかりの頃は、スピーカーから流れ町中に響く音に、毎朝、飛び起きてしまうほど驚きましたが、今では普通に聞き流せるようになりました。1年に1度のラマダン(断食の月)の間は、日中は全てのお店が閉まります。また、ラマダン中は機内でのサービスの方法も変えています。イスラム教では、金曜・土曜が休日となります。

 

ラマダン

日本ではラマダンとかラマザンと呼んでいます。この月は、日の出から日没まで飲食を断ちます。日没から日の出までに一日分の食事をします。イスラム教徒が宗教的試練を味わうための行事です。

 

イスラムの国ですので、街に出るときは、肌の極端な露出は控えています。Tシャツやひざ丈までのスカートであれば全く問題ありません。キャミソールで外に出ることは禁止されてはいないものの、ジロジロと見られ売春婦と勘違いされます。白人の中には、平気でキャミソールで出歩く人もいますが、この国にいる限り、イスラム教に対して最低の敬意は払うべきであると思います。一方、ホテルやクラブでの服装は自由です。この国へのお酒の持ち込みは禁止されています。町中では、ホテルのレストランやクラブでしか飲むことが出来ません。イスラム教徒は、豚を忌みきらいますので、豚肉製品の持ち込みも禁止されています。街では、豚肉は一切売られていません。

 

 

日本人社会

 

急激な発展と共に、カタールに進出する日本企業が増えてきています。しかし、このCAとしてドーハに住んでいても、フライトの関係で、休日が休みとは限りませんで、会社以外の人と知り合ったり、仲良くなったりすることは、正直むずかしいかもしれません。街に出かけても、日本人と会うことはほとんどありません。

(参考) 在留日本人数 約1000名 (2023年)

 

CAとして暮らすには

 

すべてのCAは寮に住んでいます。ほとんど飛んでいますので、ドーハには、月に10日程しかいません。それでも、退屈な街なので、なにか一つ趣味のようなものを持っているとよいかもしれません。乗務明けの日は、ショッピングや、夜ご飯に出かけたり、ホテルに飲みに行ったり、家で同期とゆっくりご飯をつくりながらくつろいだりしています。

 

必要なものは、フライトで日本に帰ったときに買ってきますので、街へ買い物に出るのは2週間に1回ぐらいでしょうか。最近出来たモールには、東京で大人気のクリスピークリームドーナツの店や、フランスのパン屋PAULなども進出してきています。日本食は、冷凍食品など入荷があるものの、すぐに売り切れてしまいます。また、日本に比べ値段は3〜4倍します。

 

日本の情報はどうしているか

 

ほとんどがインターネットです。時々、滞在先のホテルで、部屋のTVに日本語チャンネル(JSTV)があるときは見ています。日本の情報に興味のない人は、どんどんとり残されていきます。日本にいつ帰国してもいいように、常に時事問題には目を通すように心がけています。また全世界に飛ぶ仕事柄、世界情勢もしっかりとチェックしておくことが大切だと思います。

 

生活上の注意点

 

ここドーハは、最低限のことに気をつけていれば安全に暮らせる街だと思います。

トイレットペーパー、シャンプー、キッチン用品は、すべてこちらのものを利用しています。こちらのものと言っても、フランス製とか、輸入品なのでまったく問題なく使っています。洗濯の洗剤、シャンプーなどにこだわりのある人は、日本から持ち帰ってきています。洗顔、化粧品ですが、日本の化粧品を使っている人は日本便乗務のたびに買い込んでいます。私は海外のものを使っているので、空港の免税店で買っています。

 

あると便利なものは、「クイックルワイパー」ですね(笑)。冷房の空気口の隙間から砂が入ってくるので、掃除は欠かせません。これがあると簡単に掃除ができてしまいます。風の強い冬から春にかけては、一週間掃除をしないと家が砂だらけになります。

私の場合、これだけは日本から持ち帰るというのは生理用品です。他の人も同様です。これは日本便乗務のときにもって帰りますが、かさばるので、なかなか一気に持ち帰ってくることができません。

 

水道水は軟水です。また、飲み水は、近くのお店からペットボトルを配達してもらい、家に何本かキープしておきます。料理をするときもこの水を使っています。この水も軟水です。硬水はあまり目にしません。ペリエなどの炭酸水はよく見かけます。水道水は、はじめは肌が荒れてしまう人もいますが、慣れてくると問題なく使えます。たまにタンクに砂が混じってしまうと黄色い水が流れますが、臭い匂いがするということはありません。仕事柄、色々な場所に行きますが、わりと水はきれいなほうだと思います。

 

パソコンは日本から持ってくる必需品のひとつです。会社に頼めば、フラットごとにADSLまたはワイアレスをつけてくれます。

電圧についてですが、私のパソコンは変圧器のいらないものを使っています。日本の携帯、デジカメなども変圧器なしで充電しているので、電圧器は必要ないと思います(一つ5000円以上と高いので、無理に買う必要は無いと思います)。プラグはBFタイプのものを使います。最低5個ぐらいは買ってくるとよいと思います。ドライアーは海外タイプのものを買うか、もしくはこちらで購入したほうがよいと思います。

 

 

渡航にあたっての準備

 

内定が決まり、渡航することになると、一人100kgまで荷物を持ち込めます。これは、知っている限り、他社に比べて5倍ぐらいの量になります。ですので、この際に、生活に必要なものはすべて持っていきましょう。訓練が始まると、数ヶ月は日本に帰れませんので、日本食などを(調味料など重いもの)を持ってくることをお勧めします。生活用品に忘れ物があったとしても、ほとんどのものがこちらでそろいます。

 

持病を持っている人はたくさん薬をもらってくること。歯の治療は完璧にしておくとよいです。

元カタール航空
2011.04記

中近東に興味ある方は「外資CA生活日記(中東編)」も読んでみてください

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ドバイ(Dubai) 生活事情 

                      エミレーツ航空 生活 宿舎

CA用住居  エミレーツ航空 CA 住まい 生活

 

会社が用意してくれるアパートは、新築で、他のアパートより部屋も広く、ジム&プールもあり快適ですよ。ダウンタウンから離れているのが難ですが、空港に近いので通勤には便利です。他にEK現役で知り合いの方がいらっしゃるなら、いろいろ意見を聞いて出発前に会社にリクエストしておけば、希望のアパートに入居させてくれることもあるみたいです。再入社のクルーから聞いたのですが、出発前に希望したところに入居できたそうです。入ったところが気に入らなければ会社にお願いして空室があれば引越しも可能ですが、荷物が増えてからの引越しはやはり面倒ですから。

参照 ドバイ生活情報サイト

 

訓練

 

訓練ですが、期間は5週間です。


確か、最初の3日位は、庶務手続きと制服採寸、血液検査や尿検査等の簡単な検診とワクチン注射でした。4-5日目位から制服を着用して出社します。なのでビジネススーツ&シューズはたくさん持ってくる必要はありません。あなたは英語が堪能なようですので、訓練で恐れることは何もないと思います。もし今時間があるなら、エミレーツ航空(EK)の就航都市のスリーレターコードを予習しておいたら如何でしょう。 写真 trip-nomad.com

あとは、 強いて言えば、体調管理でしょうか。

イエローフィーバーのワクチンを打ったら、具合が悪くなり、大事な授業を休んだために落第、というか次のクラスに移籍させられた人がいました。訓練中は週休1日または2日で、テストも立て続けにあり、気力・体力勝負です。普段は健康に自信がある私でさえ、教官に風邪を移されひどい目にあいました。

 

乗務経験がないことを心配されて方いるようですが、クラスメートは未経験者がほとんどのはずです。訓練は期間が短いため進度が速く、結構ハードですが、これを乗り切れば楽しい卒業式&卒業パーティーです。皆、この日ばかりは、他国出身の訓練生は、肌を露出して気合を入れてオシャレし、クラブに集って飲み踊り狂います。パーティー用に一着用意しておくといいかもしれません。こちらにもブランドのお店はありますが、種類・サイズの品そろえは日本が一番です。

 

ワクチンは会社指定のものだけ接種していれば大丈夫です。過去に受けた時の証明があれば持参するのが無難ですが、医師が予防接種の欄に記入・サインしてくれていればオッケーだと思います。出発前に接種が間に合わなかった場合、もしくは接種が済んでいないと判断された場合は、こちらのクリニックで受けます。実は、日本で行うより安いので、費用のことだけを考えると現地で受けた方がお得なのですが・・・。私は日本の病院では全くワクチンを受けずに来ました。というのも、以前の航空会社でたくさん注射されていたので、その効力が残っているなら受けずに済むかしらと考えたからです。こちらで事情を話し、まず血液検査して何が必要かを調べてもらい、必要なワクチンだけ受けました。

 

銀行口座

 

銀行口座はこちらで開きます。


開くには、会社から給与証明書をもらう必要があります。いずれにせよ、クラスの全員が口座を開きますから、同じアパートの皆と相談して、一緒に銀行に行くのがよいと思います。アパートの近くにある銀行がよいのか、それとも頻繁に行くショッピングモールにある銀行が良いのかなどは、現地生活にある程度なじんでから決めてもよいと思います。私はアパートから徒歩で行けるMushareq Bankというところにしました。理由は、単に近いのと、銀行に詳しい先輩クルーに薦められたからです。それと、給与証明書を持参しないで行ったのですが、EKクルーということで大目に見てくれたのも理由です。

お金は結構必要

 

私は持参金のうち1,500USD位(さっき数えてみました)訓練中に使いました。最初は何かと買いそろえる物がありますし、毎日のランチ代が結構かかります。到着時に、給料の前払いが多少ありますが、給料日の26日までしのげる額ではありません。何人かのクラスメートは1週間分位のお金しか持参せず、母国の親に電話して送金してもらっていましたが、そのお金を受け取る手続きがややこしいらしく困っていました。お金を多めに持って行っても、銀行口座を開いた時に預けられますし、日本へのフライトでまた持ち帰れます。

 

お金の換金 

私はUSDだけ持って行きました。

到着してベルトから荷物が出てくるのを待っている間に(到着便で混雑する時間だったらしく40分くらい待ちました)すぐ脇にあったExchange窓口でAEDに換金しました。なので、もしAEDに換えられなければUSDやEURO等メジャーな通貨でも構いません。

 

服装

 

3月くらいからだんだん暖かくなっていきます。ビル内のエアコンも効きはじめます。私は個人的に薄手の長袖や七部袖のTシャツを着ることが多いです。というのは、ショッピングモールやオフィス内は、エアコンが効き過ぎで寒いくらいですし、外を歩くときは紫外線から肌を守る意味でも、露出するのは避けたいからです。また、フライトでヨーロッパへ行くとなると、時季によってはコートがいるほどになります。クラスの韓国人は、中東=砂漠=超暑い!と考えて、真夏の服装しか持ってこず、こちらの意外な寒さ(12、1月は昼間でも20度、夜は13度くらいでした)に驚いていました。また、タンザニア人の友人は訓練が終わってすぐスイスへのフライトが入り、冬服を一着も持っていなかったので(彼女は本当に買ったことがない)、こちらのモールでセーターと毛糸の帽子を買っていました。

 

制服を着用する時は、会社の基準に合ったアクセサリーのみとなります。

 

ピアスはホワイトパールかイエローゴールドの台のダイヤ(円形のみ可)で、直径が1cm以内。ネックレスは43cm以内の長さ、5ミリ以内の太さでホワイト・パールかイエローゴールド。ペンダントは不可です。腕時計はゴールド、シルバーでプレーンな物。カラフルな物や大きすぎる物は駄目です。皮ベルトの場合は黒か茶です。既に規定に見合った物を持っているなら、ぜひ持参しましょう。

 

PC必需品

 

PCは絶対に持って来て下さい。

EKクルーの生活必需品です。この会社は全てが(休暇申請、乗務スケジュール、上司や各部署とのやり取り等)コンピューター管理なので、各自PCがないと非常に不便です。アパートの受付に一台共用のPCがありますが、長時間使いたい時等は落ち着きません。もちろん、こちらにもPCは売っていますが、せっかくハイテク日本にいるのですから、ドバイでPCを買うのはもったいないです。私はSONYのバイオを持ってきました。旅先のホテルの部屋で、インターネットが無料で使える時は、バイオを連れて行きます。アダプター(プラグ)は買わなくてもいいですよ。日本で買うと結構高いですよね。でも、こちらのスーパーでばかみたいな値段で売っています。念のため日本で、とういう場合は一つで充分です。というのは、あなたが言うとおり、ドバイでは何種類かの形をごちゃ混ぜで使っているので、入居するアパートでどの形のアダプターが必要か分からないからです。私は日本のデパート(伊勢丹)の旅行用品売り場で、いろんな形のアダプターのセットを一組買いました。これはドバイ用というよりは、レイオーバー先で使うためです。ホテルには貸し出しようのアダプターがありますが、いちいち頼むのが面倒なので・・・。(その後、PCの代わりにスマホでも対応できるようになったと思います)

 

あと、変圧器ですが、

私は一つ持ってきましたが、こちらで一度も使っていません。日本の電化製品を持ってくる予定ですか?それならば必要だと思いますが、私は買わなくてもよかったなという結論です。デジカメもPCも、表示を見たらこちらの電圧に対応していたので、そのまま使っています。最近、購入した機器でしたら、大抵そのまま使えると思いますが、一応表示をチェックしてみて下さい。

 


現地調達品

 

持参金の件ですが・・・

訓練中は勉強ばかりしていたのに、一体何に使ったんだろうと思い出してみました。

携帯電話:3万円弱(NOKIAの最新機種)

電子レンジ:2万5千円

ヘアードライヤー:3千円

勉強机用の電気スタンド(小):4千円弱

一目ぼれして買ったベッドカバー:1万円

制服用に買ったダイヤのピアス:2万円

あとは、日々の食費、交際費、休日のタクシー代と洗剤やキッチン用品、飲料水(飲み水はスーパーで購入)、携帯電話通話料等でした。携帯電話はデザインや機能にこだわらなければ、安い物は1万円位からあります。私は後で嫌になって買い換えるのは損だなと考え、最新のカッコいいモデルにしました。


 

クイックルワイパー

 

他には「クイックル・ワイパーを持って来れば良かった!」という声を多数聞きます。基本的に自宅のお掃除は各自の仕事です。お金を払ってお掃除を頼む人もいますが、毎日というわけには・・・。タイルの床が基本なので、日本のワイパーはとても重宝します。私は以前の会社に勤めていた時の経験から、今回は持参しました。スーツケースに余裕があれば持ってきてもいいと思いますよ。

 

その他

 

機内での化粧直しは、人それぞれだと思います。

仮眠を取る前に、メイクを落としてからの方が、肌にはいいんでしょうね。同居人の韓国人にも聞いてみたところ、特別な事情がない限り(スキントラブル)、皆、化粧したまま仮眠を取っているようです。一人当たりの休憩時間も限られていますから、メイクを全部最初からやり直すのは時間がもったいない・・・ というか面倒というのが本音です。私は簡単な化粧直しセット(化粧ポーチ)を機内持ち込みバッグに常備しています。中身は、お粉、口紅、コンシーラー、リップバーム、チークカラー、油取り紙orティッシュです。人によっては化粧水のスプレー(小)を乾燥対策に持っています。

泊まり便(レイオーバーといいます)に行く時のシャンプーですが・・・、

私はこだわりがないので、ホテルの物を使ってしまいます。でも、トリートメント、コンディショナーはお気に入りの物を(小さめサイズを買って、詰め替えないでそのまま)スーツケースに放り込んで行きます。シャンプー、コンディショナー共に、小さい容器に詰め替えるのもステキだと思いますが、しょっちゅう旅していると、消費が激しく、(O型の私は)いちいち詰め替えるのが面倒になってきます。

電子辞書ですが、私は持っていません。クラスには2人だけ、持っている人がいましたが、あまり使っていなかったという印象です。皆、分からない言葉があれば、そのつど教官に質問していました。ひとつ持っていった方が安心というならば、ベーシックなモデルで充分だと思います。というのは、高機能の辞書にしか載っていない単語はめったに使わないですし、もしそれ程難解な単語があったなら、多数の生徒が分からないはずですから、教官が必ず説明すると思います。



写真はCA用アパートメント

     

(参考) 在留日本人 3000名強(2017年)

4300名強(2022年)

元エミレーツ航空CA

2010.05記


中近東に興味ある方は「外資CA生活日記(中東編)」も読んでみてください

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香港(Hong Kong) 生活事情 

                       キャセイ航空 CA 生活

香港の現状  キャセイ航空 CA 住まい 生活

 

香港は面積1,100キロ平方メートル、人口700万人の都市です(面積も人口も東京都の約半分)。
2007年に、中国に返還されるまでイギリスの植民地だったので、ほとんどの場所で英語が通じます。キャセイ航空 日本人CA

香港で自慢できることは夜景の美しさです。100万ドルとも言われるビクトリアハーバーの夜景はうっとりするくらいきれいです。九龍(カォルーン)サイドから香港島を見たほうが美しいでしょう。ちなみに、香港には3つのエリアがあります。香港島、九龍、新界(ニューテリトリー)です。繁華街は、尖沙阻(チムサーチョイ)、中環(セントラル)、銅鑼湾(コウズベイ)と呼ばれる地区です。セントラルなどがある香港島は高層ビルが立ち並び、とても近代的でクリーンな印象があります。一方、チムサーチョイのある九龍サイドは、昔ながらの下町的な街並みが特徴です。小さな露店がところ狭しと並んでいて、町中が中華料理の匂いでいっぱいです。下町なだけあって、値段もお手ごろですが、衛生面が少し気になります。

香港はとにかくゴミゴミしています。人が多い、車が多い、空気が汚い(特に新界。中国本土からの影響)などなど・・・。街から離れれば、きれいなビーチや落ち着ける場所もありますが、日本に比べると環境問題が気になるところです(ゴミもまったく分別しません)。

 

気候・風土

 

香港は、沖縄よりも南に位置するので、とても暑いですが、四季はちゃんとあります。昨年の冬は記録的な寒さに見舞われ、電気屋さんではヒーターが全て売り切れました。香港のマンションにはクーラーしかありません。冬に‘少し寒いから暖房つけよう’とスイッチを入れたら冷たい風が吹いてきて、やっと暖房機能がないことを思い出します。電車やビル、タクシーやバスも同じで、冬でもクーラーがかかっています。寒いのに、“空気の循環だ”といってクーラーをつけています。驚きです。(香港は湿度が高いため、すぐカビが生えてきます。それを防止するためにクーラーをつけていると聞いています。塾より)

夏は高層ビルから出るエアコンの排気や車の排気ガスで35度くらいの蒸し暑い日が続きます。3月、4月から11月近くまで暑いです。大気汚染の影響で、どんよりした曇りの日もよくあります。飛行機も香港地方の霧(実際は光化学スモッグかと・・・)のため着陸が遅れたりします。

台風も、航空会社の悩みの種です。シグナル8(エイト)・ブラックレインストームと呼ばれる最も強い台風が発生した場合、会社から危険手当が出ます。オフィスで働いていたら、すぐ帰るように政府から通達が出ます。ですが、CAは飛ばねばなりません(ありえない!)。遅延とキャンセルが相次ぎ、いつ家に帰れるのやら、本当にこの強風と豪雨の中、この飛行機は離陸・着陸できるのかと死にそうな思いで乗務します。台風の日が乗務でなかったら、確かにラッキーですが、外に出たら、ずぶ濡れ&強風で吹き飛ばされそうになるので、どこにもいけません。こういう日はデリバリーサービスが役立ちますが、デリバリーする人もバイクが倒れそうになり押して歩く始末・・・でも年に数回です。

 

国民性

 

香港の人口で最も多いのは『華人』と呼ばれる中国系で、全体の95%近くを占めています。華人以外で多いのは、メイドなどの出稼ぎ労働者として働いているフィリピン人、次いでアメリカ人、イギリス人。日本人は約2万人いるそうです。

 

良いところ

 

香港は、元英連邦だっただけあり、香港人は英語が堪能です。電気屋さんなどの専門店に行ったら、次々と専門用語の英語が聞こえてきます。欧米人も疑問をきちんと解消して買い物ができる環境です。日本の秋葉原ではありえない光景だなと、そういった光景を見るたびに感心します。

また、香港人は日本のものが大好きです。洋服、食べ物、ドラマ、旅行先のお勧めスポットなど、少しでも興味のあると日本人クルーに聞いてきます。旅行先も日本(特に北海道)が人気。その為、日本人クルーは、私の職場では、わりと丁寧に扱われています。ただ、彼らはお喋りが大好きで、広東語(香港で広く使われている言葉)でよく会話をします。私たち日本人Crewは、広東語があまり分からないので、会話に入れないことがしばしば起こります。そこは臨機応変に英語で言い直してもらったりします。機内では、仕事以外の話だったら会話を離れ休憩したりします。広東語は、私には、少し不協和音のように聞こえるので、心が休まらないと感じる時もあります。

クルー以外の一般の人もとてもフレンドリーです。香港にきたばかりの頃、カバンのジッパーを閉めずにエスカレーターを降りていたら、後ろにいたおばさまが“カバンン開いているわよ、気をつけなさい”と注意してくれました。

 

日本と違うところ

 

サービス面ではあまり親切ではありません。ファンデーションがなくなり、デパートに買いに行くとします。日本だったら、美容部員が肌の色に合うものを塗ってくれて、納得して買うことができます。こちらでは鏡が出てきます。笑顔もコメントもなく、買いたければ買えば?といった空気が漂っています。香港の女性はとてもプライドが高く、男性よりも強いとよく言われます。そして、日本のような“お客様は神様”といった概念もありません。中華系の国民一般に言われることですが、彼らは自分の間違いを認めることを嫌がるようです。何か自分が間違ったことをしても、何かしら理由をつけて正当化しようとします。日本人クルーに罪を押しつけることもちらほら・・・。

香港人は家族を大事にします。日曜は家族みんなで飲茶に行ったり、お祝い事の日には親戚一同集まって食事をしたりするそうです。日本人クルーは一人暮らしをしているので、彼らからよく、家族に会えなくて寂しいでしょう?と聞かれます。日本人は学生の頃から一人暮らしをしたりして自立していますが、香港人はそういった習慣がないので、一人で何かすることが苦手のようです。機内で出発準備をする際も、一人がやっていることを誰かがすぐに手伝います。分担して仕事したらもっと速いだろうに・・・と、たまに思うことがありますが、よくいったら思いやりがあるのでしょう。

また、彼らはとてもせっかちです。機内サービスも、スピード勝負です。最初の頃はよく、もう少し早くサービスできるようになりなさい、とシニアクルーからよく言われました。日本人としては丁寧で余裕のあるサービスが好まれると思いますが、香港(中華圏)では、早さが優先されます。言葉の丁寧さなどは二の次です。ちなみに、広東語には、丁寧語という概念があまりないようです。

 

日本人社会とのつきあい

 

香港で会う日本人は、ほとんどが同じ会社の日本人クルーです。香港に住んでいる日本人は駐在の方と家族が多いと聞きます。友人の紹介などで社外の友人ができたとすると、同期の友達の友達など、どこかでつながる小さな世界です。サッカーやサーフィンなど何かサークル活動(お稽古事)をすると色々な日本人と知り合うことができます。

 

CA(若い女性)が暮らすには

 

香港は若い女性が暮らすには全く問題のない所です。会社から家賃手当が出ますので、とてもきれいなマンションに住むことができます。買い物も日本の物を買うことができます(日本の約1.5倍の値段)。ブランド物も安い値段で手に入ります。ブランド゙好きのクルー曰く、イタリアに行って税金の還付をするのだったら、香港で買ったほうがいいとのこと。香港は消費税がないので安いのです。(家賃手当は廃止の方向にあります。2012.10時点)

化粧品も、日本の物が手に入ります。日本にも3時間あればすぐに帰れますので、日本にしかないものを手に入れたいときも、あまり苦労はいりません。最近、羽田への直通便が飛ぶようになったのでますます便利です。(いつも満席とのことですが…)

また、香港では、日本語の情報雑誌(フリーペーパー)もたくさん発行されています。香港について知りたいときにとても役立ちます。税金対策からコンサート、レストラン情報まで様々です。日本に住んでいたときより一人の時間が増えるので、教養を高めるのによい機会かもしれません。パソコンが壊れたときも日本語対応の修理店があるので、若い女性にはありがたいです。日本語対応の不動産、旅行会社など多数あります。

マンションも24時間対応のガードマンが見回っているので安全ですマンションの受付の人は親切で(24時間対応)タクシーを呼んでもらったりモーニングコールをしてもらったりすることができます。

香港で携帯の契約をすると便利です。日本にたくさん電話をしたい時は国際電話用のIDDカードを使っています。国際電話やSMSを割と使っても月1万円くらいです。日本の機種が香港で使えるように改造され売られているので、日本の友達とも日本語でメール(シートメール)のやり取りができますし、日本人クルー同士も、日本語でメールができます。日本の携帯を海外ローミングで使うと月5万円くらいかかるそうです。

 

休みの過ごし方

 

休みが1日のように短いときは・・・セントラルに買い物に行く、マッサージ・ネイルサロン・エステにいく、ハイティーに行く、ちょっとセレブなランチを楽しむ、語学学校に行く、趣味に没頭する、クラブハウスのジム・プールに行くなど・・・。

休みが2日以上あるなら・・・日本に帰る、近場のベトナムやタイ、中国、台湾に小旅行するなど。香港は、アジアアの中心ともいえる場所にあるので、アジアの各都市に3時間以内で行くことができます。ナイス!

 

日本の情報

 

インターネットで収集する。日本の番組が見られるように受信装置を設置する。日本語の新聞をゲットするなどです。機内で、日本語の新聞や雑誌を提供しているので、余り物を手に入れることができます。でもやはり頻繁に日本に帰るのが、流行についていくのには必要かと思います。

 

生活上の注意点

 

香港では、所得税を自己申告で払わないといけません。給料から天引きされないので、自分で税金分を貯金しておかないと1年後大変なことになります。

香港では、様々な国の料理が食べられますが、やはり主なレストランは中華なので、食べ過ぎに注意です。日本人の胃は、他の国の人たちに比べて、弱くできているそうなので、脂っこいもの、辛いものの食べすぎは腹痛の素になります。でもおいしそうに見えるんです。

また、香港人との文化の違いにイライラすることがたまにありますが、それも彼らの文化なので、変えようと思わずそのまま受け入れることが必要です。楽しめるようになれば長く住むことができると思います。

 

内定して香港に住む予定だが、何を準備すればよいか、と聞かれたら・・・

 

もし、日本の電化製品を香港で使うなら変圧器は必要です。

お米は日本のものが一番おいしいです。きっと恋しくなるので、あったらよいかもしれません。香港でも買えますが、少し高いです。冬物のコートはいりません。夏場の湿度が高いので、置いておくとカビが生えてしまうかもしれません。

ある程度まとまったお金はあったほうがよいです。一人暮らしをすぐに始めるなら、自分で家を探さないといけません。一般的に契約時、3か月分の家賃を先払いします。香港の家賃は高いので(最近オリンピックの影響か更に値上がりしました)、最低30万円くらい一度に払います。

基本的には、安全で必要なものは大体手に入る便利な国ですので、あまり心配せずきてみてください。英語がある程度できれば大丈夫。広東語は住んでいれば自然に覚えます。

2010.05

キャセイパシフィック航空現役

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フランクフルト(Frankfurt) 生活事情   Aさんより

フランクフルトについては、お二人の方が、それぞれの視点から紹介しています。

フランクフルトの生活  ルフトハンザ航空 CA 住まい 生活


ドイツツは16の州からなる連邦共和国です。日本の各都道府県と同様、州によって様々な個性があり、地方によって生活も異なってきます。ここでは多くのCAが住むフランクフルトについて述べたいと思います。

フランクフルトは、規模はドイツ第5位ですが、経済都市として中心的役割を果たしています。街の中心を流れるマイン川周辺の風景は、高層ビルが林立し、ニューヨーク・マンハッタンのミニチュアのようで、親しみを込めて、「マインハッタン」というあだ名がついています。鉄道・バス・地下鉄が発達し、気候も過ごしやすく(冬の寒さは厳しいものの雪はあまり降りません)不便を感じることはあまりないと思います。ルフトハンザ航空 日本人CA

 

治安


普通に生活していて危険を感じることはありませんが、残念ながら、スリ・空き巣が少なくありません。常に緊張感を持って行動することが大事です。

 

買い物


商店は、法律で営業時間が定められています。基本的に、日曜日は、ベーカリーなど一部を除き、お店は休みです。スーパーは月〜土曜日の8時〜22時、デパートは店によりますが大体10時〜20時です。24時間営業のコンビニ等はありませんので、フライトの前後は気をつけて、日用品を買い置きする必要があります。ここ数年物価が上昇しています。消費税も、現在は19%も取られますので、日本より物が高いと感じる割合が増えました。特に衣料品、電化製品は日本の方がリーズナブルだと思います。

 

食事


ドイツと言えば、ビールにソーセージ・じゃがいもというイメージがあると思います。遠からずといったところでしょうか。典型的なドイツ料理は、やはり、肉(豚肉が多い)にポテトやザワークラウトというキャベツの発酵した漬物を添えたものが多いです。美味しいのですが、毎日となると、私たち日本人の胃には重いかもしれません。

イタリアンやアジア系料理も人気で、各国のレストランがあります。トルコ系移民が多い国なので、街の至るところにケバブ屋があり、気軽なファーストフードとして人気があります。CAは、普段の食事は自炊している人が多いでしょう。

 

住居


フランクフルトの家賃は、国内では、比較的高いと言われています。しかし、東京都心部に比べるとかなりお得な印象です。駅から徒歩10分圏内、30〜40uのアパートが、400〜500ユーロで借りられます。建物のタイプは、大きく分けて、築100年超の「アルトバウ」と、近代的な「ノイバウ」があります。アルトバウは、いかにもヨーロッパといった趣のある建物で優雅です。ただ、天井が高いため、冬に暖房がまわりにくい等、快適さでは我慢しなければいけない点があるかもしれません。

1ユーロ=130円 (2018年)

1ユーロ=157円 (2023年)

以前は、新聞広告で物件を探す方法が一般的でした。最近はネット物件も充実しているようです。契約の際は、デポジット(大体家賃2〜3か月分)と、不動産会社を通す場合は手数料(家賃1か月分が目安)を支払います。デポジットは、部屋を出る際に返却されます。(住人の責任による特別な修繕が必要な場合は引かれる)

 

医療


日本のような国民健康保険に当たるものはなく、プライベートの医療保険に加入する義務があります。医療費は、3ヶ月に1度、10ユーロの手数料(病院にまったく行かなければ発生しない)がかかる以外は、入院・手術も含め保険でまかなわれます。

ドイツでは、近所の「かかりつけ医」を決め、体調がすぐれない時は、先ず「かかりつけ医」を訪ねて診察を受けます。耳鼻科、整形外科等、さらに専門医の診療が必要な場合は紹介状を書いてもらい、指定のクリニックに行くのが一般的です。クリニックは予約制で、すぐに予約が取れないことも多く、急な風邪などで行った場合は、1〜2時間待つのは普通です。
 
ドイツ人は、基本的に、具合が悪い時はゆっくり休んで自然な回復を待つという考えです。日本のように薬をあれこれと出されることは少ないです。抗生物質はよほどのことがない限り処方されません。日本人は、「すぐに職場に復帰しなければ」とあせりがちで、休んでも何か落ち着かない気分になりますが、ここドイツでは、気をもむことなく、安心して体を休めればよいのです。

歯科治療は、医師との相性が重要ですので、虫歯にならないうちから検診などで何軒かまわり、頼れる歯科医を探しておいた方が良いでしょう。評判のいい歯科医は予約が困難で、フライトをしながら通うのは大変です。

 

インターネット・電話


インターネットは標準的なユーザーでしたら特に問題はないと思います。一般家庭に「光ファイバー」は普及していません。日本のNTTに当たるドイツテレコムの場合、例えば、ADSL6000と国内通話無料のプランで月額39ユーロです。他にも、数社のプロバイダーがあります。国際電話は、ディスカウント業者が複数あり、電話番号の前に各業者のナンバーを付けるだけです。日本の固定電話宛てが1分につき約2セント、携帯電話宛で約7セントと格安ですので気軽にかけられます。

 

ドイツ人CAと乗務


一般的に、ドイツ人は真面目で決められた仕事をしっかりとこなし、サボったり、手を抜こうとしたりする人はほとんど見かけません(当然、準備不足のCAには厳しいです)。精神的成熟度が高く、例えサービスの事で話し合いになっても、相手の意見を取り入れつつ、自分の考えを提案するといった発展的な大人の会話がなされます。物事をはっきり発言することをよしとされる文化ですので、慣れないうちは、相手の言葉がストレート過ぎると感じるかもしれません。しかし、馴染んでくると、このコミュニケーション方法が心地よく感じるようになります。

 

最後に


人々がルールを守り、秩序が保たれたドイツは、日本人が住みやすい外国の一つと言えるでしょう。少しお固い国のように映るかもしれませんが、好奇心を持って接すればたくさんの楽しみが隠れている、そんな国です。

2010.05

ルフトハンザドイツ航空現役CA


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フランクフルト(Frankfurt) 生活事情 Bさんより

                      ルフトハンザ航空 CA 生活 

町のようす  ルフトハンザ航空 CA 住まい 生活

 

フランクフルトは市の中心にマイン川が流れ、森に囲まれている緑豊かな街です。
ルフトハンザ航空

フランクフルト市の端から端まで電車で走っても30分くらいで、人口も65万人と、ヨーロッパの中心となる大きな空港がある街にしては意外と小さい街かもしれません。しかし、ヨーロッパの金融市場の要ともいえる欧州中央銀行やドイツ銀行、コメルツ銀行などの本社、証券取引場などの高層ビルが郡をなして立っており、マイン川から眺める夜の高層ビル街はとても綺麗で「マインハッタン」と呼ばれているそうですが・・・。

 


気候・風土

 

フランクフルトも日本と同様、四季があるのですが、春と秋はあっという間に終わってしまい、いつが春だったのか分からない時もあるぐらいです。

とはいえ、春はどんどん日が長くなるにつれ、気温もあがり、花も緑も、一気に芽吹きだし気持ちのよい季節です。夏は、近年の地球温暖化の影響か、暑くて湿気のある日が増えてきました。気温も30度以上になることがあります。しかし、朝晩は涼しいですし、普通の家庭では、クーラーを設置することはあまりありません。秋は、8月の終わりぐらいからあっという間に始まります。日が短くなり、気温が急に下がってきます。紅葉が綺麗な時期ですが、雨も多く、一瞬で枯葉になって、冬になってしまいます。冬は、“今日は気温が上がった”と言っても0℃以下という寒い日もあります。ドイツの冬は、とても長くて、暗く、そして寒さが厳しいですが、その寒い中、クリスマスにはたくさんのかわいらしいマーケットが出店し、ドイツの風物詩であるグリューワイン(シナモンやスパイスなどをいれて甘く煮詰めた赤ワイン)を飲むのですが、その美味しさも、寒い中でこそ引き立つのかもしれません。

 

国民性

 

国民性は、一言で言うと「質実剛健」ではないでしょうか。生活していると、いたるところでこの言葉を思い出すことがあります。決して華やかではないですし、必要以上に飾り立てたりしないドイツ人ですが、中身や内容に妥協はありません。真面目で、きちんと自分に与えられた仕事はこなします。ラテン系にある口先だけというようなことも、ドイツ人にはないでしょう。ただ、それが転じて少し融通が利かない、頑固者になることも多々あります。気質は日本人と似ていて、一緒に働きやすい国民性だと感じています。

 

風習・エチケット・マナー

 

まず、ドイツで生活するうえで、一番気をつけなければいけないのは”音”ではないでしょうか?ドイツでは、“RuheZeit”と言って、静かにしなければいけない時間帯が決まっています。日曜日はもちろんのこと、平日でも、昼間の数時間や夜から朝にかけては静かにしなければいけないのです。この間は、掃除機、洗濯機、芝刈り機など、大きな音が出る機械の使用はできません。テレビやラジオ、お友達との話し声や、厳しい時は足音までが近所の人からのクレームの対象になってしまうことがあります。ピアノなど楽器の演奏も、時間帯で禁止されていることがあるので、アパート決める際には、大家さんときちんと住居のルールを確認することが重要です。周りの人に配慮しながら生活するのは、日本も同じなので、お互いに気をつけて、やっぱり気持ちよくご近所とはつき合いたいと思います。

その他、ドイツでは、犬がよくレストランに入ってきます。日本でこの光景に出くわすとちょっと驚いてしまいますが、ドイツでは犬の入店許可がある店が少なくありません。しかし、犬も吠えるとつまみ出されますし、飼い主の足元で静かに座っているのがマナーです。犬は店に入ってくるのに、子供づれは嫌がられたりすることがあります。静かに食事をしたいのに、子供が大声で騒いだり、ドタバタ走り回ったりするのは、やはり親の責任になり、ドイツでは厳しく注意されることもあります。

ドイツでは、お店に入った時や、スーパーのレジ、ドイツ鉄道などの切符売り場などで、必ず、“Guten Tagグーテンターグ”と言われます。また、お客側も、“Guten Tag”と挨拶を返します。日本では、「いらっしゃいませ」と言われることが多いので、それに対して返事をしないこともあります。海外では、こういうところの挨拶一つで印象が違ってきますし、いいサービスを受ける為には、きちんと挨拶することがとても大切だと思います。

ドイツ語のあいさつ言葉

Guten Morgen
Guten Tag
Guten Abent
Danke schön
Bitte schön
グーテン・モルゲン
グーテン・ターク
グーテン・アーベント
ダンケシェーン
ビッテシェーン
おはようございます
こんにちわ
こんばんは
ありがとう
どういたしまして

 


日本人社会とのつきあい(あれば)

 

日本人社会とのつき合いは、Crewとしてはほとんどないと思います。駐在で来られた会社員の奥様同士では、いろいろと情報交換の場のようなものがあるようです。乗務で日本によく帰る私達は生活スタイルも全然違いますし、必要なものは日本から持ってきたり、用を済ませてくることができきますので、日本人の集まりに出て何かをするということはあまりありません。しかし、ゴルフやテニス、バスケットボールなどのスポーツの同好会や、日本人を対象とした習い事や、ドイツ語レッスンなどもあるので、それぞれに興味がある人たちは、ドイツで暮らす日本人との交流もあるようで、そのスタイルは様々だと思います。

 

CA(若い女性が暮らすには・・・

 

ドイツはとても暮らしやすい国だと思います。フランクフルトは治安もよいですし、街には緑が多く、清潔で、人口も多すぎず、ちょうどよいサイズだと思います。道路や鉄道もきちんと整備されており、地下鉄、バス、電車はほとんど定刻で運行されています。よその国で聞くような、まったく時刻表の意味がないとか、電車の中での強盗やレイプ事件なども耳にしたことはありません。タクシーも深夜、女性一人で乗っても問題はありません。しかし、そうは言っても、海外で女性一人が暮らすのですから、やはり用心に越したことはありません。普段から注意して常に犯罪にあわないような対策や注意は必要です。

フランクフルトでは、泥棒に入られた話をたまに聞きます。特に、フライトや休暇などで長く家を空けることが多い私たちですので、それぞれに防犯対策をしています。これも日本と同じですが、鍵を2つつけたり、タイマーで電気が夜の時間だけ点灯するようにセットしておいたりします。その他、長く家を空けるときは、シャッターを締め切って出て行かないほうがよい、という意見もドイツ人から聞きます。「しっかり戸締りを」と思い、全部のシャッターをきっちり閉めて出て行くと、かえって長期に家をあけることを悟られるということだそうです。この点は、地上階に住む人などは不安になるかもしれません。ご近所さんに聞いてみたりして、自分なりに防犯をすることが必要だと思います。

ドイツでは、他のヨーロッパに比べて、自分が外国人であることを感じさせられることが少ないと思います。街を歩いていて道を聞かれることも多々ありますし、レストランやカフェに行っても、スーパー買い物しても、そこで生活している人たちと同じように対応してくれます。

基本的に、外見で人を判断しないのがドイツ人で、とても個人を尊重して、平等に扱っているように感じます。それゆえ、残念ながら、女性だからということで、優しくしてもらうことも少ないのです。重い荷物を持って階段を上がっていても、手伝ってくれるのはたまにしかありません。

レイディファーストのような考え方もありませんが、それは男性が優位ということでもなく、個人個人が大切であるからです。ドイツの女性はとても強く、自分をしっかり持っていて、自分のことにきちんと責任をもって、人に頼ることなく、たくましく生活してる印象を私は持ちました。同じように、私たちも、自分で自分のことは責任をもって行動し、時にはドイツ人並みに、相手に強く主張したり、断ったりすることが必要だと思います。意見を言わないことは、それを受け入れたと判断されますので、ドイツでは、きちんと“Yes”“No”を言う必要があると思います。

また、日本のように、意見をきちんと伝えたからといって、気まずくなったりすることもありません。後から、本当はこうだったと言うほうが、どうしてその時にそれを言わなくて、今さら言ってくるのだということになります。この点で日本人はうそつきだというドイツ人もいます。

基本的に、ドイツ人はマナーもよいですし、礼儀正しく、親切であると思います。日本人に対しての差別や偏見もないですし、これがまたドイツが暮らしやすい理由の一つだと思います。

 

ドイツに慣れるまでの苦労

 

やはり、一番苦労したことと言えば、家探しでした。私の会社では、CAトレーニングの7週間は、会社がホテルを提供してくれます。しかし、トレーニングが終わるまでに、自分で、家を契約しなければなりませんでした。右も左も分からない状況で、いきなり家探しは本当に苦労の連続です。まず、基本的に会社は手伝ってくれません。自分でドイツの新聞を買ってきたり、インターネットを使って不動産情報を入手したりします。まだドイツ語もさっぱり分からない状況で、大家さんに電話しても話が通じあわないことも多々ありました。

何とか、家を見に行けたとしても、そこに入りたい人がたくさんいたりします。その場合、大家さんとしても、ドイツ語が出来ない人に貸したくないのか、まだトレーニング中で収入が少ないという不安があるのか、断られることもたくさんあります。会社は、私たちのお給料を書いた証明書が発行してくれますので、それを持っていくと信用されやすかったです。日本人の女の子がドイツ語も話せなくて・・・と不安に思われても、航空会社のCrewと言うことであれば信用されます。苦労の連続ですが、一緒に日本からやってた同期と協力し合い、情報交換をしながら、みんなで探していくことが必要だと思います。

家探しが終わると、電話やインターネットのプロバイダーの契約、家具の購入、日本では一人で出来たことが、海外では日本とは全く違って、なかなか思うように物事が進みません。一人で出来ないことは、同期と情報交換しながらお互いに助けあい、生活が始まったと思います。何年経っても、言葉や文化の違いで何か問題が出てきます。そんなときは、フライトで一緒に飛んでいるドイツ人Crewから、ドイツ人の意見や考え方を聞いたり、会社の上司に相談したりします。手取り足取り何でもやってくれることは決してありませんが、こうしたらいいよなど、アドバイスを言ってくれますので、参考にして解決していきます。

 

休みの過ごし方

 

休みの日は、家でゆっくり過ごしたり、ジムに通ったりしています。少し長めのオフがあると、短い旅行に出かけたりもします。ヨーロッパの真ん中に位置しているドイツから、近隣諸国には1時間程度のフライトで行けますし、日帰りも可能です。長期の休暇があれば、アジアや北欧など少し遠い国をじっくり旅行したりもしています。

お友だちとカフェでおしゃべりしたり、ドイツ語の学校に通ったりすることも多いです。他社エアラインと比べて、オフや有給休暇が長いので、イタリアでお料理教室に通ったり、スペインにサルサを習いに行ったりする同僚もいます。旅行したり、何かの勉強に時間を充てたりと、それぞれ有意義に過ごしている方が多いと思います。

 

日本の情報は

 

日本の情報はインターネットで調べることも多いですが、フライトで月に3回程度、日本でステイしていますので、その時に入手したりします。

 

内定してフランクフルトに住む予定だが、何を準備すればよいかと聞かれら・・・

 

何を準備するかと言えば・・・・やっぱり、お金とドイツ語になってしまうかもしれません。ドイツにはほとんど何でもあります。日本の本や食材などもかなり割高ですが、手に入りますし、炊飯器などもこちらで買えます。そもそも、私たちは日本線しか乗務しないので、フライトの度に日本で必要なものを買ってくることができます。これだけはどうしても最初に持ってこないといけないというものも、特にないですし、必要なものはドイツで何でもそろえることが出来ると思います。電化製品は持ってきても電圧が違いますし、変圧器はかなり高額なので、それならこちらで買ったほうが便利かと思います。

それよりも、準備できるならドイツ語を勉強されるとよいと思います。ドイツに住むにあたって、ドイツ語を話せるのと話せないのでは、生活の楽しさやスムーズ゙さは何十倍も変わってきます。そして、家を借りることになると敷金、礼金、ベッドや棚などの家具、買い揃えるものが多いので、最初はかなりの出費になってしまいます。最初にまとまったお金が必要なのは日本の引越しと同じだと思います。

2010.05記

ルフトハンザドイツ航空現役CA


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