▼marikoさん:
アメリカで、最初にスチュワーデスになったのは、ミネソタ大学の看護学科を卒業したエレン・チャーチという女性でした。当時、飛行機は小さく、まだまだ初期のものでした。アメリカ横断するのに、途中5回くらい給油しなければなりませんでした。ところが、当時の飛行機は、飛行中によく故障しました。そして、平らな土地に不時着することもしばしばです。旅客もケガをしたり、また、飛行中に気分が悪くなることがありました。急病人が出ても、当時のアメリカ大陸では、途中に、病院などありません。そこで看護師の資格を持っている女性を搭乗させることにしたのがCAの始まりです。当時はスチュワーデスもしくはエアホステスと呼んでいました。それまではスチュワードと呼ばれた男性客室乗務員が乗務していました。
時代が変わって、現在の飛行機は、性能もよく、長距離を飛びます。一番航続距離が長い飛行機ですと、無着陸で16時間も飛びます。東京‐ヨーロッパ、東京‐ニューヨークなど一気に飛んでいきます。洋上飛行も多くあります。
国内線のように飛行時間が短ければ、すぐ到着しますので、お客様が急病になっても、なんとかすぐに救急車で運ぶことできます。また、お客様に異常が起きることも少ないです。
長距離便では、なかなかそうはいきません。太平洋上やシベリア上空を飛行中に、急病人が発生しても、着陸することもできません。そこで、機内では、CAがファーストエイドを行います。もちろん、機内にお医者様がいれば、次の処置すなわちセカンドエイドの援助をしていただくこともあります。大手航空会社では、飛行中に、年に数人、亡くなっています。急病とまでいかなくても、機内では、風邪・発熱、貧血、過呼吸を起こす方もけっこういます。
筆者自身も、機内でお客様に亡くなられたことが2回あります。新人のころ、心臓まひで亡くなった便に乗務していました。2回目は、ベテランになりチーフパーサーのときには、胃潰瘍から出血し、それが気管支に入り、呼吸困難に陥ったケースです。また、他のチーフパーサーのケースでは、ぜんそく発作時に使用する吸引具を荷物に入れて預けてしまった高校生が、飛行中、発作を起こして、亡くなったこともあります。機内食をのどに詰まらせて呼吸困難になったケースもあります。機内設備のベビーベッドで寝ていた赤ちゃんが、母親が気が付いたら、呼吸をしていなかったケースもあります。機内トイレの中で、用足し中に、心臓まひを起こして亡くなっていたケースもありました。
亡くなる方もいますが、それ以上に、CAの対応で、なんとか命をとどめることのほうが多いのです。飛行機事故で旅客を脱出させた経験のあるCAなど、ほとんどいません。しかし、機内で、病人、急病人対応をしたこともあるCAは、いくらでもいます。病人対応は、CAの重要な仕事の一つとなっています。
これらを知ると、CAの中にも、看護資格を持っている方がいたら心づよいと思いませんか。語学も含めた接客適性があり、しかも看護知識があれば、航空会社はその人材を欲しい思います。ただし、看護学の勉強はかなり大変だと思います。そこに語学を加える必要があります。看護師からCAになりたい方を、何人も見てきましたが、語学まで手が伸びていない方が多かったです。そこまで、がんばってください。